スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

たちあおい賞争奪戦&第五部定理二六

2022-02-06 18:57:52 | 競輪
 静岡記念の決勝。並びは吉沢‐諸橋の関東,郡司‐佐藤の東日本,小川‐小倉の徳島で,浅井と荒井と伊藤は単騎。
 郡司がスタートを取って前受け。3番手に小倉が入り,荒井が3番手に入るのを阻止しようとしましたが,小川がさらにその外だったので小倉の前に入れず,荒井が3番手に。さらに浅井が上がってきて小川と併走を続けると,小川が譲って4番手に浅井。5番手に小川,7番手に吉沢,最後尾に伊藤という周回になりました。残り2周のホームの入口から吉沢が上昇。ホームを出ると郡司を叩きました。バックに入って外から小川が上昇。打鐘で吉沢を叩いて小川の先行に。3番手に吉沢,このラインに続こうとした伊藤を阻止した郡司が5番手。7番手に荒井,8番手に浅井,引かされた最後尾に伊藤の一列棒状に。バックから吉沢が先捲り。これを追って郡司も発進。吉沢が小川を捲って吉沢マークの諸橋が直線に入って先頭に。大外を捲り上げた郡司と諸橋の間に進路を取った佐藤が諸橋を差して優勝。諸橋が半車身差で2着。大外の郡司が半車輪差で3着。
                                        
 優勝した福島の佐藤慎太郎選手は一昨年11月の四日市記念以来の優勝で記念競輪9勝目。静岡記念は初優勝。このレースは郡司の脚力が上位。単騎で力のある浅井と荒井が郡司ラインを追うようなレースになった上,伊藤をどかして5番手を取れましたので,展開的には悪くありませんでした。ただ吉沢の先捲りの上をいくことになったために苦しくなり,佐藤に差されて諸橋にも届かないことに。もう少し早めに発進した方がよかったのかもしれません。佐藤は昨年は優勝なしでグランプリに乗ったように,きわめて安定した成績を残しています。ただそれは勝率は低いということでもあり,車券の面からは難しいところがある選手です。

 同じ人間の知性intellectusであっても,第二種の認識cognitio secundi generisに対する適性と第三種の認識cognitio tertii generisに対する適性が異なるということについては,第五部定理二六を援用することによって説明します。
 「精神は,物を第三種の認識において認識することにより多く適するに従って,まさにこの種の認識において物を認識することをそれだけ多く欲する」。
 まずこの定理Propositioを証明しておきましょう。
 現実的に存在するある人間が,自分の精神mensは第三種の認識によってものを認識するcognoscereのに適していると考えていると仮定します。これはこの人間が,自分の精神は第三種の認識によってものを認識するように決定されていると考えているのと同じです。つまり,それが自分の精神の与えられた現実的本性actualis essentiaであると考えているということです。なので第三部諸感情の定義一により,それはその人間の欲望cupiditasです。よってその人間は第三種の認識でものを認識することを欲望することになるでしょう。
 このことは,第二種の認識の場合も成立する筈です。第二種の認識でものを認識することに適するということは,第二種の認識でものを認識するように決定されていると考えているということです。つまり第二種の認識でものを認識することが,自身の精神の現実的本性であると考えていることになります。よってその人間は,第二種の認識でものを認識することを欲望することになるでしょう。
 念のためにいっておきますが,このことは第一種の認識cognitio primi generisでものを認識する場合には該当しません。ある精神が第一種の認識でものを認識するということは,第二種の認識および第三種の認識でものを認識することが能動actioであるのに対し,受動passioであるからです。いい換えれば第三部定義二により,それはその精神が十全な原因causa adaequataとなって生じる認識ではないからです。したがってある精神が第一種の認識でものを認識するのに適するということ自体が不条理です。その適性はその精神の本性のみによっては説明され得ないからです。逆にいえば,ある精神が何らかの事柄に対して適性があるとか適性がないとかいうのであれば,それはその精神の本性によっていわれなければならず,第一種の認識の場合はそれができないのです。

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