スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&第三部定理二まとめ①

2008-10-31 20:59:05 | 将棋
 竜王戦七番勝負第二局。
 渡辺明竜王封じ手は△9八歩。△1二香なども予想されていたようですが,攻めてから穴熊にするというのは,本来的には変調といえますから,攻め続けようとするのは本筋の指し方といえるような気はします。ということで,2日目もほぼ後手の攻め,先手の受けという展開になりましたが,後手の攻めは細く,先手の羽生善治名人は受けているうちに自然にと金を作ることができました。
           
 ここから△6五香と逃げたのに対し,▲6三とと寄り△7四歩。ここで▲8四銀と逃げてと金は後で5二に活用すれば先手の完封だったようですが,実戦は▲5三と。これも銀得で悪い筈はありませんが,後手の攻めもまだ続くことになりました。ただそうなるとまた力を出してくるのは羽生名人の将棋の特徴のひとつで,結局,カウンターの反撃も織り交ぜながら応接。最後はどうにも先手玉が捕まらなくなったところで後手が形作りで詰めろをかけたところ,後手玉を即詰みに仕留めて勝利を掴んでいます。
 これで羽生名人の2連勝。第三局は11月13日と14日に指されます。

 明日はふるさとダービー広島2日目でメーンはピースカップ。並びは山崎-伏見の福島に渡辺,北津留-西田-室井で西国ですが,ここで神山-飯嶋の栃木が競るそうです。山口は単騎。普通は隊列が短くなるので山崎選手ですが,北津留選手からというのも面白そうではあります。

 今回のテーマは第三部定理二で,このテーマを設定した意図は,この定理の内容,とくに,人間の精神が意志によって自分の身体を何らかの運動ないしは静止に決定するということはできないということを,経験論的な観点から証明するということでした。
 ただし,いかに経験論的に証明するとはいっても,スピノザの哲学,とくに『エチカ』というのはきわめて論理的に構成されているものですから,ひとまずはこの定理が論理的に正しいということを示しておく必要はあります。このために,第二部定理六に訴えることによって,前もって第三部定理二を証明しました。またこの定理は,人間の精神と人間の身体の秩序,とくに能動状態と受動状態は一致するという観点からの別の証明も可能であると僕は考えています。
 スピノザ自身,この定理,なかんずく人間の精神が自分の身体を運動および静止に決定できないということは,僕たちの経験論には合致していないと考えていたようです。そのために,この定理の備考において,このことを経験論的に示すひとつの実例を挙げました。それが夢遊病者の例です。しかしこの例には,ある難点が含まれているように僕には思えました。なぜなら,一口に人間の精神が自分の身体を運動あるいは静止に決定することができると,この定理とは正反対の主張をするとしても,そこには強い意味と弱い意味のふたつがあるのであって,このことが強い意味で主張される場合には,確かにこの例によってそれに反駁することが可能ですが,もしも弱い意味でこれを主張される場合には,逆にその立場から反論される可能性が残っているように僕には思えたからです。

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