スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

朱雀賞&夢遊病者

2008-09-01 19:07:40 | 競輪
 首都圏ではたまにありますが,それ以外では珍しいくらいに強豪が揃った今年の向日町記念。今日が2日目優秀の朱雀賞(動画)でした。
 並びですが,関東両名は北日本追走,小倉選手は近畿追走で,ここまでは合っていましたが,加倉選手は山崎選手の後ろで番手戦を挑みました。
 村上選手が飛び出してSを取り,そのまま前受け。5番手となった山崎選手は周回中は上昇せず,残り2周のバックで前との車間を開けて,打鐘から一気にかまし先行となりました。注目の番手ですが,内の小倉選手と外の加倉選手の間になった内藤選手が車体故障を起こしてしまい,難なく加倉選手。内藤選手失速の影響もあったか神山選手は離れ,かましていったのは2車。前で待っていた村上選手は飛びつきを狙い,加倉選手と競りましたが,バックで加倉選手が確保。前田選手が加倉選手にスイッチ。ゴールまでこの態勢は変わらず,山崎選手が1着,加倉選手が2着,前田選手が3着となっています。
 ここは山崎選手の先行1車でしたから,力からして勝つのは当然。冒頭にも記した通り,ここは強豪が集結していたのですが,今日の二次予選で小嶋選手と荒井選手は敗退しましたので,優勝候補の筆頭でしょう。

 人間が自分の意志によって自らの身体を運動や静止に決定することができるという考え方には,根強いものがあります。だから単に第三部定理二でこのことを論理的に示すだけではなくて,経験的にもこのことを明らかにしておく必要があるということは,スピノザ自身も感じていたのではないかと思います。そこでスピノザは,定理の後の備考において,ひとつの例を示しました。それが夢遊病者の実例です。
 この実例は,第三部定理二が正しいということを示す目的であげられています。よってここでいう夢遊病というのは,たとえば痴呆性患者の徘徊というように考えてもいいでしょう。また僕の祖母は,かつて脳疾患を患って入院した際に,痴呆とは関係なく,夜に院内を徘徊するということがあったようですが,こうしたことも同じような例に含めて構いません。
 重要なのは,こうした徘徊という運動がなされるときに,徘徊する人間の意識が,厳密な意味での覚醒状態にはないという点です。それどころか多くの場合,徘徊した当人は後になって,自分が徘徊したということさえ覚えていないものです。いい換えれば,この徘徊という人間の身体の運動は,明らかに人間の意志による命令の下になされているのではなく,むしろ人間の身体自身の秩序の下になされていると考えることができます。すなわち,人間の身体というものは,たとえその人間の精神による指示などなくても,それ自体で運動をなし得るということの,これはひとつの実証的な例となるわけです。
コメント
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