スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ひろしまピースカップ&ナドラーの説明

2015-12-25 19:23:16 | 競輪
 22日の広島記念の決勝。並びは早坂‐渡辺‐佐藤の北日本,近藤‐片寄‐岡村の南関東,竹内‐金子‐村上の中部近畿。
 村上がスタートを取って竹内の前受け。4番手に早坂,7番手に近藤という周回に。残り3周のバックの入口から近藤が上昇。竹内が4番手まで引くと早坂が発進。これに併せて竹内が上昇。早坂が叩くと4番手が内の近藤と外の竹内で併走に。残り2周のバックに入ったところで竹内が踏み込むと早坂が応戦。打鐘で先行争いになったのですが,渡辺が早坂から離れてしまい,竹内が早坂の番手に嵌り,渡辺は村上の後ろの5番手に入って一列棒状に。早坂の先行でしたがバックに入ると竹内が番手から発進。最終コーナーから渡辺が自力で追い上げていきましたが,車間を斬っていた金子が併せるように踏み出すと,追撃を凌いで優勝。渡辺が半車輪差で2着。7番手からの捲り追い込みになった近藤が半車身差で3着。
 優勝した愛知の金子貴志選手は6月の別府記念以来の記念競輪9勝目。広島記念は初優勝。このレースのポイントはいうまでもなく渡辺が早坂から離れてしまったこと。竹内は早坂との先行争いには敗れた形ですが,番手に嵌ることができました。展開有利にも関わらず末を欠いた印象はありますが,それ以前にかなり脚を使うようなレースになったためでしょう。金子があれだけ車間を開けたのも,それを見越していた上に,自身には余裕があったからだと思われます。できればワンツーを決めたかったでしょうが,うまいレースをしての優勝だったといえるのではないでしょうか。

 『ある哲学者の人生Spinoza, A Life』では,より詳しく,そしてやや異なった説明が与えられています。
                                  
 ナドラーSteven Nadlerはまず,スピノザとマイエルLodewijk Meyerはファン・デン・エンデンFranciscus Affinius van den Endenを介して知り合ったという説が多数派だということに触れています。ただし僕はそうした説が本当に多いのかは分かりません。スピノザとエンデンとマイエルの3人は自由思想家ですから,そういう可能性があり得ないわけではないことは分かります。ですがナドラーはこの見解に否定的です。その論説には説得力があると感じました。
 マイエルは1654年にライデン大学の哲学科に入学しました。1658年には医学部に移り,1660年に両方の学位を取得して卒業しています。したがってこの7年間はライデンに住んでいたと考えるのが妥当でしょう。この時期はスピノザがアムステルダムAmsterdamでエンデンのラテン語学校で助手をしていた時期と多く重なります。だからマイエルとスピノザがエンデンを介して会うことはできなかったというのがナドラーの論旨の中心です。そしてナドラーは,スピノザとマイエルはライデン大学で会ったのだと結論しています。
 どんなに遅くても,ライデンに滞在中のファン・ローンJoanis van Loonを急に訪問した1660年にはスピノザはレインスブルフRijnsburgに住んでいたと考えられます。そして『デカルトの哲学原理Renati des Cartes principiorum philosophiae pars Ⅰ,et Ⅱ, more geometrico demonstratae』の元はスピノザが同居させていたライデン大学の学生に口述筆記させたものです。つまりスピノザにライデン大学の学生の知り合いがいたことも確実です。なのでナドラーの説は有力です。でもそれが真実であるとまでは僕はいいません。というのもスピノザがアウデルケルクAwerkerkからレインスブルフに居を移したのは,コレギアント派collegiantenとの関係からだったと僕は推定しています。マイエルはコレギアント派の会合にも顔を出すことがあったとのことですから,こちらの関係から知り合った可能性も排除することはできないと思うのです。
 マイエルが医学を学んでいたとき,同じようにそこで学んでいたのがクールバッハ兄弟の兄のアドリアンAdriaan Koerbaghです。おそらく同じ講義に出席する機会も多かったと思われます。たぶんマイエルとアドリアンは知り合いであったでしょう。

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