スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NHKマイルカップ&松田の方法論

2014-05-11 19:19:14 | 中央競馬
 東京競馬場での5週連続での大レースの初戦,第19回NHKマイルカップ。田辺騎手が負傷したためカラダレジェンドは江田照男騎手に変更。
 枠順からダンツキャンサーの逃げもあり得るかなとは思っていましたが,初速が違ったようでミッキーアイルが難なくハナへ。ホウライアキコとダンツキャンサーの2頭が追走。ベルルミエールとカラダレジェンド。以降は集団でショウナンアチーヴ,ひどく行きたがっていたサトノルパン,マイネルディアベル,ピークトラムなど。前半の800mは46秒6のミドルペース。
 4コーナーを回るとホウライアキコがミッキーアイルを捕まえにいき,ショウナンアチーヴもこれに追随。ただミッキーアイルはしぶとく粘り,坂を上がると追っていた方が苦しくなりました。中団から後方に控えていた馬たちが馬場の中から大外を伸びてきて,2着の態勢が入れ替わったところでゴール。最後はラップを落としたものの12秒0でまとめたミッキーアイルがクビ差で逃げ切って優勝。馬場の中央の2着争いはタガノブルグ。その内のキングズオブザサンがハナ差で3着。
 優勝したミッキーアイルは2戦目の未勝利戦をレコードタイムで勝つと暮れの特別,今年に入ってシンザン記念,アーリントンカップと1600m戦ばかりを4連勝。大レースは初挑戦での優勝。東京のこの距離は単純なスピード能力だけでは凌げないものですが,これまでのレース振りから,この馬ならば大丈夫だろうと考えていました。距離が伸びて対応が可能かどうかは分かりませんが,スピード能力は卓越したものがありますから,これからもかなりの活躍を期待してよいだろうと思います。父はディープインパクト。曾祖母がステラマドリッドで祖母の半妹に2002年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬のダイヤモンドビコー
 騎乗した浜中俊騎手は昨年のJBCレディスクラシック以来の大レース制覇。NHKマイルカップは初勝利。管理している音無秀孝調教師は昨年のジャパンダートダービー以来の大レース制覇。NHKマイルカップは初勝利。

 第一部定義一の意味に公理的性格が含まれるならば,そこがスピノザの哲学の因果性の由来になります。僕はこの点に関しては松田の主張に同意します。同時にここには,自己原因と原因同一の意味であるという,スピノザ哲学に固有の考え方の由来もあると考えます。
 ただ,松田の論調は,まずスピノザ哲学で一義的に原因を意味する起成原因causa efficiensの概念を利用して,神の起成原因とは何かを探求する傾きが強すぎるような印象が僕にはあります。原因が自己原因causa suiのようなものであり,自己原因とはそれ自身を原因とするもののことではないのですから,この論調での考察は,誤解に陥る可能性を高くするように僕は思います。付論では松田は,自己原因とはそれ自身の起成原因であるとスピノザが定義しなかったことを,この定義が単なる語義の意味を示すものではないということの根拠のひとつに挙げています。しかし僕の考えでは,スピノザが自己原因をそのように定義しなかったのは当然です。もっといえば,自己原因の定義に起成原因という語を用いるとすれば,それはむしろ定義として誤りであると考えます。起成原因の定義に自己原因という語を用いる方が,スピノザ哲学の姿勢としては正しいだろうと思うのです。
 もっとも,松田の方法論は,『エチカ』の十全な認識のためには,定理の配置を無視して,後の定理から先の定理等を理解する必要があるというものです。方法論としては僕はこれは正しいと思っています。実際に僕もそのような方法を採用します。ですからこの方法論的態度が,この論調を産出しているという見方は可能です。それでも最終的には認識は演繹的にまとめ上げられなければならないというのも僕の考え方です。第一部定義一が『エチカ』の冒頭にあるということに,スピノザの配置の意図があるという点は,松田も認めています。松田はそれを,哲学的態度の表明と解しています。確かに神が自己原因であるということ,つまり神にも起成原因を問うことが可能であるという意図もそこにはあったでしょう。しかし同時に,起成原因を自己原因から解するという意図も,そこには含まれていると考えるべきだと僕は理解します。

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