スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

谷津の雑感④&論点整理

2016-02-28 19:26:23 | NOAH
 谷津の雑感③の続きです。
 馬場の依頼があって谷津はジャンボ・鶴田と組むようになりました。鶴田はパートナーとして頼もしかったしタッグとしてやりやすかったと語っています。これは以前に長州力と組んでいたことからの比較の上での発言です。長州と組む場合には,長州のリズムに合わせる必要があって,それが本当にできたのは谷津自身とアニマル・浜口だけだったと言っています。鶴田と長州がどうこういうより,谷津自身の自負が感じられる発言だと僕には思えました。
 当時のライバルは天龍源一郎阿修羅・原のコンビ。このチームはインパクトがあったし,対戦相手としてもよかったと回顧しています。馬場はプロモーターとして谷津に鶴田とのタッグの結成を依頼したのですが,これは興行的な面においてだけでなく,当事者にとってもよい選択であったということなのでしょう。
 谷津は新日本プロレスのデビューですが,デビュー前に母校の職員としてレスリングの指導をしていました。これは自身がオリンピック出場を目指していたためです。谷津が赴任したとき,2年生に三沢光晴,1年生に川田利明がいたそうです。インタビュアーはこれは有名なエピソードであるかのように質問しているのですが,僕はこれを読むまではそれを知りませんでした。実際に教えたのは遊び程度のスパーリングを別にすれば,タックルや組手だけだったと言っています。谷津によればこれは当時のふたりはまだ細かったので,怪我をさせてしまうことを不安に感じたからだそうです。ふたりはそういう過去を隠したかったのではないかと推測していて,確かに三沢も川田も谷津に指導を受けたということについてはあまり語っていないのではないかと思います。
 三沢と川田が互いにどういう思いを抱いていたのかは僕は量りかねる部分が大きいです。谷津によれば,高校時代のふたりは仲が良く,先輩である三沢が後輩の川田の面倒をよくみていたと語っています。僕はこの発言は,一般的な先輩と後輩という以上の関係があったという意味に解しますし,それはたぶん事実だったのだろうと思います。当時もその後も知っている人物による貴重な証言といえるでしょう。

 人間の精神のうちに共通概念が発生する過程を示した第二部定理三八第二部定理三九が,それらの論証に際して,現実的に存在する人間の身体と精神について言及している第二部定理一三を援用していることを重視し,このことから共通概念に等置される理性による認識で人間の精神のうちに生じる観念が,第二部定理四四系二にあるように永遠の相の下での認識であったとしても,それはその人間の精神が持続することを停止してしまえば破壊される観念であると考えた場合にも,第五部定理二三と直ちに矛盾するとはいえないということは分かりました。しかしこのことのうちには,理性による認識が,その認識をする精神の持続と共に破壊される観念であるということが含まれているというものではありません。僕はこの点に関してはここでは結論を出しませんし,出す必要もありませんから,現状の考察との関連で論点とならなければならない事柄についてだけ整理しておきます。
                              
 まず,後に示す理由から,仮に理性による認識が永遠である,すなわち精神の持続の終了と共には破壊されない観念であったとしても,それが第五部定理二三証明でいわれているあるものaliquidではあり得ないと僕は考えています。ですがたとえそうであったとしても,この場合には精神のうちに永遠であるものがあるということだけは確証されるのですから,それ以上このことを深く探求する必要はありません。なぜならこれによって永遠性が人間の精神と深く関連付けられるということは明らかで,第二部定理八系だけでなく第二部定理五も,スピノザの哲学において永遠性ということを考察するため必須の定理であるということは理解できるからです。
 したがってこれに反する場合の方が問題となります。そしてそうである可能性が実際にあるのです。つまり確かに共通概念は永遠の相の下での認識なのですが,この認識は人間の精神が現実的に存在している場合にのみ可能な認識であって,この観念によってその現実的存在の一部を構成されているその精神の持続の停止と共に破壊される観念であると考えなければならない余地があるのです。なのでこの場合に限定して考察を続けます。

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