スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

天龍源一郎&個物の起成原因

2014-07-17 19:19:10 | NOAH
 僕のプロレスキャリアが始まったとき,ジャンボ・鶴田はジャイアント・馬場のパートナーを務めていました。これは基本的に1983年夏の,テリー・ファンクの引退まで継続。これに伴い馬場はドリー・ファンク・ジュニアと組むようになり,鶴田のパートナーは天龍源一郎に変りました。暮れの世界最強タッグリーグをみれば一目瞭然で,1982年まで鶴田は馬場と組んで出場,1983年からは天龍と組んで出場しています。
 おそらく思惑の一致から馬場がラッシャー・木村と仲間割れしたのが1984年の最強タッグ決定リーグ。1年以上前のことですが,馬場はこの頃から,自身が一線を引いた後の全日本プロレスのことを考慮に入れていたものと思われます。
 天龍は,僕がプロレスを見始めた頃は,まだプロレスラーとしてのキャリアが浅かったこともあり,トップクラスとは歴然とした差がありました。しかし鶴田と組むようになった頃には,互角か,少なくとも遜色なく闘えるくらいまで成長していました。僕がプロレスを見始めて,最初にトップクラスまで上がっていった日本人レスラーが,天龍だったことになります。
 天龍が輝きをさらに増したのがジャパンプロレスとの対抗戦時代。鶴田はあまり感情を表出するタイプではありませんが,天龍は闘志を剥き出して闘うタイプで,似たようなタイプの長州力と手が合ったのだろうと思います。この頃には人気の面でも鶴田と並び,あるいは追い抜いたといってもいいかもしれません。
 1987年のピンチの後,鶴田を相手に闘うようになると人気が爆発。僕はこの頃が天龍の最良の時代であったと思っています。鶴田のような強大な敵に立ち向かうときに,天龍の魅力は最大限に発揮されたように思うからです。そしてこの時代の全日本プロレスで,最も集客力があったレスラーが,天龍だったことも間違いないでしょう。
 1990年4月に全日本プロレスを退社。ピンチはチャンスということばを地でいった全日本プロレスは,それから最良の時代を迎えました。ただそこに,天龍の遺産が影響を与えたのも,間違いないことだったと思っています。

 第一部定理二八というのは,それ自体でみる限りは,個物res singularisの存在existentiaの原因causaは,それとは別の個物であるということを含んでいます。そしてこの存在の原因は,生起の原因,つまり作出原因と起成原因を類別した場合の起成原因causa efficiensに該当すると考えて間違いなかろうと思います。したがってスピノザの基本的な考え方は,どんな属性attributumの個物であろうとも,その原因はその属性の直接無限様態ではなく,その個物とは別の個物であると理解しなければならないと僕は考えます。
 ところが,この定理Propositioをスピノザが証明するときには,スピノザは個物の原因を別の個物であるといっているのではなく,定まった存在を有する有限なfinitum様態的変状modificatioに様態化した属性であるといっているのです。僕はスピノザがそのように示した意図は,直後の第一部定理二八備考にある,個物の最近原因causa proximaは神Deusであるということを,強調するためであったと考えます。しかし,この別の論証においては,このことが別の意味合いを生じさせてきます。いうまでもなく,定まった存在を有する有限な様態的変状に様態化した神の属性というのは,個物でなければならないものであると同時に,間接無限様態がそうであるところのものでもあると把握しなければならないということになっているからです。つまりこの証明Demonstratioの文章は,個物の起成原因が,その属性の間接無限様態であるとも理解できるようになっているのです。
 もちろんこれは,個物の原因として,その属性の間接無限様態を示しているだけです。ですから直接無限様態と個物との間に,第一部公理三に準じるような因果関係があるというところまで到達できているわけではありません。でも第一部定理二三が,間接無限様態の起成原因が直接無限様態であると明確に示しているということを考慮に入れるならば,直接無限様態と個物の間に,起成原因とその結果effectusという関係を見出すことも,あながち無理であると否定できないことになります。第一部定理三二系二は,延長の属性Extensionis attributumおよび思惟の属性Cogitationis attributumに関して,そういうことをいっているのだと理解できるようになっているからです。
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