スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

中日新聞杯名古屋大賞典&正当な悲しみ

2018-03-29 18:58:53 | 地方競馬
 第41回名古屋大賞典。モズライジンが出走取消となり10頭。
 メイショウスミトモが発馬直後に躓いてしまい落馬。サンライズソアがハナを奪い,カツゲキキトキトが2番手という1周目の向正面でしたが,空馬が外から上がってきた影響で,はっきりと隊列が定まったのは正面に入ってから。3番手にキーグラウンドとモズアトラクション。5番手がミツバとおそらく空馬の影響を最も受けたと思われるラインハート。ここまでは一団でやや離れてブランニュー,エーシンマックス。大きく離れて最後尾にドナルトソン。超スローペースだったと思われます。
 2周目の向正面からサンライズソアとカツゲキキトキトは雁行。3コーナーを回って2頭の外にモズアトラクションでさらに外をミツバ。内を回ったキーグラウンドの5頭が密集。直線に入るとカツゲキキトキトは後退し,モスアトラクションも一杯。逃げたサンライズソアを残る2頭が追ったもののサンライズソアが逃げ切って優勝。大外のミツバが半馬身差で2着。内をうまく立ち回ったキーグラウンドが4分の3馬身差の3着。
 優勝したサンライズソアは重賞初勝利。とはいえ前々走の大敗を除けば重賞を含めてダートでは3着以内に入っていたので,ここは有力候補の1頭。実績は落馬してしまったメイショウスミトモと2着のミツバが上ですが,距離適性と斤量面からはこちらの方が有利かと思っていました。大きく崩れてはいない馬ですが,強敵との対戦はなく,今日の斤量と着差から考えても,トップクラスとはまだ差がありそうです。ただ4歳馬ですから,まだ成長の余地は残しているでしょう。父はシンボリクリスエス。母の父はスペシャルウィーク。祖母は2000年にセントウルステークス,2001年にスワンステークス,2002年に京都牝馬ステークスを勝ったビハインドザマスク。10代母がクヰックランチの祖母にあたります。Soarは急上昇する。
                                     
 騎乗したミルコ・デムーロ騎手は名古屋大賞典初勝利。管理している河内洋調教師も名古屋大賞典初勝利ですが,第20回を騎手として制したことがあります。

 本題へ回帰します。
 僕たちは,ある喜びlaetitiaが自己満足acquiescentia in se ipsoを付随させ得るような喜びである限り,それを不当な喜びとは判断しません。自己嫌悪humilitasは自己満足の反対感情なので,ちょうどこれと逆の関係が成立します。つまり僕たちがある悲しみtristitiaを感じたとき,その悲しみが自己嫌悪を付随させるような悲しみであるなら,僕たちはその悲しみについては正当であると判断する,あるいは少なくとも不当であるとは判断しないのです。
 これは第三部諸感情の定義二六からも明らかだといわざるを得ません。なぜなら,自己嫌悪というのは自身の無能力impotentiaの観念ideaを伴った悲しみであるからです。要するに自己嫌悪を伴うような悲しみというのは,自分の力potentiaが足りなかったという認識cognitioを伴った悲しみです。いい換えればこれは,悲しみの原因として自分自身の観念を伴っているのです。別のいい方をすれば,自分が悪かったがゆえにこの悲しみに自分は襲われたという認識を伴っている悲しみなのです。ですからもしこの悲しみが不当であると判断されるなら,正当であると判断されるような悲しみは存在しません。自分以外の何かのせいで生じた悲しみは正当で,自分自身のせいで生じた悲しみが不当であるというのは,それ自体で不条理であるからです。
 これも自己満足の場合と同じように,必ずその悲しみを僕たちは正当であると判断する,あるいは不当であるとは判断しないというものではありません。ですがそれが自分のせいであるという認識が伴っている限り,その悲しみは正当である,あるいは仕方がないものであるという判断は成立するのですから,このことが悲しみが正当であるのか不当であるのかを判断するときの材料を構成し得るということは明らかです。すなわち,自分が無能力であったということの認識が,悲しみを感じている人間の精神mens humanaのうちにあるかないかということは,その人間がその悲しみを正当であると判断するか不当であると判断するかの比較の材料になり得るのです。
 なお,このことは第三部定理四九といくらかの関係を有します。人間は自分が自由libertasであると思い込むほど,自分が無能力であるということも表象しやすくなる筈だからです。

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