スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オークス&論理構成の崩壊

2008-05-25 19:06:20 | 中央競馬
 牝馬クラシック2冠目となる第69回オークス
 注文をつける形でエアパスカルの逃げ。ブラックエンブレムとカレイジャスミンが追い掛け,最初の正面では逃げるような態勢であったハートオブクィーンは4番手まで控えました。最初の1000メートルは61秒4。純粋なミドルペースになりました。
 向正面に入る辺りではわりと縦長であった馬群も3コーナー過ぎからはぐっと凝縮。直線ではこれがさらに横に広がって密集,激しい攻防となりました。この争いから抜け出したのは内のトールポピーと外のエフティマイア。最後は体が離れての競り合いとなりましたが,おそらく先に抜け出していたトールポピーが凌いで優勝。エフティマイアが桜花賞に続いての2着で,勝ち馬の後を縫うように追ってきた桜花賞馬のレジネッタがやや離れての3着。
 優勝したトールポピーは昨年暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ以来の勝利で大レース2勝目。オーストラリア英語でVIPの意味をもつ名前で,父はジャングルポケット。池添謙一騎手,角居勝彦調教師共にそれ以来の大レース制覇で,オークスは池添騎手は初制覇,角居調教師は2005年のシーザリオ以来の2度目の優勝。阪神ジュベナイルフィリーズは素晴らしい時計での勝利。桜花賞は8着でしたが,おそらく当時は体調面が芳しくなかったのでしょう。短期間ではありますが,今日は復調していたのだろうと思います。
 エフティマイア,レジネッタは桜花賞に続いての好走。どうやら勝ち馬を含めたこの3頭が,この路線では上位の力をもっていると考えてよさそうです。
 最後の直線で,勝ったトールポピーはかなり内に切れ込み,後続の馬にだいぶ迷惑をかけました。降着処分を課せられても致し方ないような内容であったと思います。とくに気の毒だったのはオディールで,一旦は完全に控えてから再び追い出して5着まで来ました。不利がなければ着順は明らかに入れ替わっていたのではないかと思われます。

 このような論理的帰結がもたらされるとすれば,実はゼノンによる第三の逆説の論理構成が,部分的には崩壊していることになると僕は考えます。
 なぜなら,物体が運動しているか静止しているかのどちらかであり,そのうち静止しているということが,物体がある位置にあるという意味であるなら,運動するとは物体がある位置にはないということを意味します。
 次に,ゼノンは運動する物体は今運動するのであるといいますが,この第二のものは,物体はここで,すなわちある位置で運動するというのと同じ意味をもっています。このことは,ここでいわれている今というのがそれ以上は分割することができない時間,すなわち瞬間でなければならず,この観点から時間と場所との関係を考察すると,この場所がそれ以上は分割することができないような場所,場所は延長の様態の全体の一部ですから,すなわちそれ以上は分割することができないような地点,つまりアトムを意味するということからすでに明らかになっているのです。
 したがってこの全体を分析すれば,第一のものと第四のものでゼノンは,物体が運動するということは物体がある位置にはないと主張しておきながら,第二のものにおいては,物体はそれがある位置において運動するということを主張していることになるからです。したがって,ここでは,スピノザの哲学では第一のものと第四のものは受け入れられるという前提で考えますので,第二のものは矛盾を秘めているということになると思います。
コメント
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