スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヴィクトリアマイル&機能の相違

2008-05-18 19:04:12 | 中央競馬
 春の古馬牝馬王者決定戦の第3回ヴィクトリアマイル。ここのところ週末は天候に恵まれない傾向がありましたが,今日はよい天気になりました。
 ピンクカメオが逃げました。あるいはハナかと予想していたヤマニンメルベイユが外の2番手で,3番手にニシノマナムスメ。前半の800メートルは47秒9。これは極度のスローペースで一塊の競馬。遅くなるとは思っていましたが,ここまでとは思いませんでした。
 直線,コースロスなく内を回ったブルーメンブラットがまず抜け出し,これを外からエイジアンウインズ,さらに外からウオッカが追ってきて,この3頭の争いに。真中のエイジアンウインズが抜けて優勝。2着はきわどくなりましたが,外のウオッカがブルーメンブラットを捕えていました。
 優勝したエイジアンウインズは昨秋から芝に使い出すと素質が開花。前走の阪神牝馬ステークスで重賞制覇を達成,一気に大レース制覇まで成し遂げました。距離には限界がありそうですが,まだ上昇の余地も見込めそうです。父はフジキセキ。鞍上の藤田伸二騎手は昨年暮れの全日本2歳優駿以来の大レース優勝。藤原英昭調教師はこれが初の大レース優勝です。
 本来なら1分32秒台で決着すべきところ1分33秒7。ペースがあまりに遅かったためですが,全体的には凡戦という印象。ウオッカはかなり待ってから追い出したのに届かずというレースで,個人的には消化不良という印象もあります。ベッラレイアともども,少し細かったという感じは受けました。

 スピノザの哲学では,各々の精神の機能の相違というのは,各々の身体の機能の相違と平行的な関係にあることになります。僕は形相的なXと客観的なX,すなわちXの観念が合一している観点からみられるとき,形相的なXをXの身体とみなします。一方,第一部定義六が示していることは,形相的な属性は無限に多くあるということですから,Xの身体というのは,必ずしも物体であるとは限りません。しかしここでは,物体であるような身体とその精神の機能の相違というのを,具体的に考えてみます。
 そこで今,人間の精神と馬の精神というのを比較してみることにしましょう。このとき,もしもそれらを総合的な観点からみるならば,人間の精神の方がより多くのことをなし得るということについては,異存がないものと思います。もちろんこれは,馬の精神がなし得ることを,人間の精神はことごとくなし得るということを意味するわけではありません。これはちょうど,馬の身体にはなし得るが,人間の身体にはなし得ないこともあるというのと同様で,たとえば馬の視野は人間の視野と比べれば相当に広く,そうしたことに関係するような観念だけを考えるなら,むしろ馬の精神は人間の精神よりもより多くのことをなし得ているということになるでしょう。しかしもしももっと総合的にみた場合には,やはり人間の精神の方が馬の精神よりも多くのことをなし得るのであって,これはちょうど,人間の身体の方が馬の身体よりも多くのことをなし得るということと同様の関係にあるということになります。そしてその分だけ人間の精神は馬の精神よりも,総合的には多くの力を有する,つまりそれだけ有能であるということになるかと思います。
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