国際空手道 修徳会 北海道本部 札幌道場稽古日記

北広島市輪厚地区で空手の稽古をしています。練習の内容や、イベント、雑多な情報などを画像で紹介します。

本の紹介

2012-06-25 09:18:13 | Weblog
評価=
 劇場型犯罪といわれた過去の事件とはあまりにスケールが違い過ぎた。主役は怪人21面相、国家警察そして日本を代表する食品メーカー。観客は1億人の国民だ。ご丁寧なことに幕が開く前には「挑戦状」と題したあらすじを記したパンフレットがマスコミを通じて観客に配布されるが、これは主役の一方警察の演技を罵倒し挑発する内容。次幕を盛り上げる効果は絶大だった。観客が桟敷席で見守る中、またしても警察を翻弄した怪人は高笑いとキツネ目の似顔絵、ミステリアスな品々を残して消え去る。その一つが江崎社長が監禁場所から自力で逃げ出してきたときに着ていたコート。これは満州駐留の軍高官が使用していたもの。怪人は非常に特殊なものであることを承知で開放した。ある意味メッセージを持ったものといってもいいだろう。青酸も然り、自決用に携行していたものだ。戦前の臭いをぷんぷんとさせていた事件は怪人からの終息宣言で突然幕を下ろした。ほどなくして昭和天皇が開腹手術を受けられ、その2年後昭和が終わる。
 あれほど特徴があったキツネ目の男は最後まで特定されず、事件は時効を迎える。多額の借金を完済した、急に金回りがよくなった、事件を匂わせる話をした。組織人数が増えると必ずと言っていいほど綻びが現れ出すが、全くの隙がないことを見ると、高度に組織化された集団なのだろう。そして何よりも昭和の闇の部分を背負っている者たちの犯行なのだろう。