両手で両顎の下を触りながら「顎の下が痛いんです。これ何でしょうかね」と言う方がいました。
顎関節ではなく、唾液腺の辺りを触っています。
たまたまJAA(関節調整鍼)の研究で、脳神経を調べていたこともあり、
「舌下神経の関係ですかねー。とりあえず調整してみましょう」と、JAT(関節調整手技療法)で頚椎を調整しましたら、顎を動かしながら、先ほどまで痛いと言っていた顎の下を触り、
「治りました」と言う。
この部の痛みを訴える患者さんは少ないので、今までこのような症状を治療した覚えはないのですが、余りに簡単に治ったので、
「多分、舌下神経か顔面神経の関係だったのだろう」と済ましていました。
しかし、日にちが経つにつれて気になり出してきたので、ブログに書き留めておくことにしました。
JAAとJATを研究してから、「あまりに簡単に治る」という不思議な出来事に何度か出合い、このブログでもいくつかの症例を紹介しましたが、脳神経を調べると納得するのも多くあります。
それで、その方の症状が「舌下神経だろう」と思ったというのは、脳神経は12対あり、第12番目にあたるのが舌下神経で、舌の運動を司る働きがあるからです。
しかし、今までの臨床からすると、もしかしたらJAAやJATは脳神経にも影響を与えて、脳神経も調整しているのではないかと考えてしまいます。
第I脳神経 ・・・臭神経 (臭覚)
第II脳神経 ・・・視神経 (視覚)
第III脳神経 ・・・動眼神経 (眼球運動)
第IV脳神経 ・・・滑車神経 (眼球運動“上斜筋”)
第V脳神経 ・・・三叉神経 (顔面・鼻・口・歯の知覚、咀嚼運動)
第VI脳神経 ・・・外転神経 (眼球運動“外直筋”)
第VII脳神経 ・・・顔面神経 (表情筋の運動、舌前2/3の味覚、涙腺や唾液腺の分泌)
第VIII脳神経 ・・・内耳神経 (聴覚、平衡覺)
第IX脳神経 ・・・舌咽神経 (舌後1/3の知覚・味覚、唾液腺の分泌)
第X脳神経 ・・・迷走神経 (のどの知覚・運動、頸胸腹部の臓腑を支配)
第XI脳神経 ・・・副神経 (肩や首の筋肉の運動“僧帽筋、胸鎖乳突筋”)
第XII脳神経 ・・・舌下神経 (舌の運動)