しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

アメリカン・スナイパー

2015年03月01日 18時56分29秒 | 作品名(あ行)
第372回「無音のエンドロールに鳥肌がたつ。」
皆さんは「クリント・イーストウッド」と聞いて、俳優さんと思うのか?それとも監督さんと思うのだろうか?個人的には彼の名前を聞くと「ダーティー・ハリー」や「ガントレット」などの作品が頭に浮かび、私の中では俳優さんなのだが、最近はすっかり名監督としての評価の高い人物だ。そんな彼が監督した作品「アメリカン・スナイパー」を観てきました。

アメリカ海軍に所属するクリス・カイルはスナイパーとしての類まれな才能を発揮し、イラク戦争で160人以上の敵を殺し、味方からは「伝説」と賞賛され、敵からは「悪魔」と恐れられる存在だ。かつて彼はテキサス州で特に何をするでもなく平凡な毎日を過ごしていた。とある出来事をきっかけにアメリカ海軍に入った彼は、次第に射撃の才能を見出していく。そして彼は4度に渡りイラクへ派遣され、その能力を発揮していく。がそれと共に彼の心は壊れ始めるのだった。

そもそも戦争映画は好きではありません。実話を取り上げられることが多くあり、娯楽性の高い「映画」というジャンルにおいて、鑑賞後に心に残るのはモヤモヤしたやり切れない思いだけだから。戦うどちらにも正義があり、理由がある。どちらが勝利したとしても、諸手を挙げて喜べるものではないから。ではなぜ、そんな私がこの作品を観に行ったのか?それは数週間前に劇場で予告編を観たからである。それは2分ほどの特にどんな物語なのか説明のない、ストーリーの一端を切り取っただけの簡素な物。それでもその緊迫感は私を劇場へと誘うのには十分な力を持っていた。「これはタダの戦争映画とは違うぞ」と。

では、鑑賞後の評価はどうなのか?というと、期待したほどの作品ではありませんでした。6部門にノミネートされながら、「音響効果賞」の1部門しか獲得できなかったアカデミー賞が物語っているように・・・1部門でも受賞できるのは凄い事なのですが。

この作品が今までの戦争映画と違うところは、戦争そのものを描いているのではなく、その戦争に参加した1人の兵士を描いていることにあります。クリス・カイルという男がその類まれな才能を発揮すればするほど、彼の心は傷付いていく、その様子は見事に描かれていました。それは世界の警察になろうとしたアメリカの大きな問題を表しているかのように。なのに、その一番重要な部分がきちんと描けていなかったように思います。

クリス・カイルが心に受けた大きな傷。その傷がどのようにして付いたのかよりも、どのようにして心を取り戻していったのかが重要だと思っていたのに、劇中では戦闘そのものにスポットが当たり、心の問題はとてもアッサリと描かれてしまっていました。

点数は★★★★☆です。監督のクリント・イーストウッドの演出も、主演であるブラッドリー・クーパーの演技も良かったと思います。マイナス点は上記したように脚本にあると思います。ですがこの作品の私が最も評価しているところは音楽です。劇中には全く音楽が流れないのです。(私の認識間違いでなければ、最後に流れただけ。)そしてエンドロールも全く音楽が流れませんでした。その演出に鳥肌が立ちました。

やはりこの作品は音響効果賞を獲るべくして獲ったのだと思います。

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ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー,ルーク・グライムス,ジェイク・マクドーマン,ケビン・ラーチ
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