晴れ、ときどき映画三昧

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「すれ違いのダイアリーズ」(14・タイ)75点

2016-10-14 12:36:44 |  (欧州・アジア他) 2010~15

 ・ タイ版「二十四の瞳」+清々しいラブ・ストーリー。 


   

 山奥の湖上にある水上学校に赴任した新米教師ソーンと前任者女性教師エーンとの日記を通じての交流を描いたタイの映画。監督は「フェーンチャンぼくの恋人」の共同監督ラティワット・タラートーンで、’14東京国際映画祭で「先生の日記」のタイトルで上映され好評を博した。

 経済発展目覚ましいタイには今日この映画のようなボートハウスで漁業を営む家族はメッキリ減少してしまっている。そのため水上小学校はほとんどなく貴重な存在だが、その風景は今もタイの人々にも郷愁として残っているのだろう。

 携帯も繋がらない電気も水道などのライフラインとも無縁な地域に都会からやってきたソーン(スクリット・ウィセートケーオ)。教師の経験はなく純朴な体育会系青年が一念発起してやっと得た仕事は、月~金まで学校で子供たちと過ごすという過酷な日常だった。

 最初は子供たちとは打ち解け合えず戸惑うことばかり。そんななか見つけた前任教師エーン(チャーマーン・ブンヤサック)の日記を通して同じように迷い悩みながら過ごしたことが励みになっていく。

 汽車を知らない子供たちのために学校をボートで引っ張って教えるなど実践教育するソーン。柱に背丈を測るなど子供たちとの交流は、まるで昭和二十年代の日本「二十四の瞳」の情景。

 日記でしかエーンを知らないソーン。遠距離恋愛が破局し、同じような経験をしたエーンに何時しか日記を通して憧れと恋心を抱くように・・・。

 ソーンを中心に進行しながらエーンのエピソードが絡む構成とカメラワークが巧みで、後半ベタなシーンもそれ程気にならないでストーリーに乗って行けた。

 主人公のソーンは如何にも純朴な好青年でエーンは自己を確立した行動派の美人。二人のすれ違いは「君の名は」「ユー・ガット・メール」など古今東西ラブストーリーの定番。

 このところ枯れてきてTVや映画を見て泣いたことはない筆者が、終盤で涙ぐんでしまったのは我ながら驚き!
 

 


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