遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

定価のない本

2020年04月06日 12時47分43秒 | 島根旅

      定価のない本  門井慶喜(著)2019年9月発行

 終戦の翌年、神田神保町のある古書店主の不可解な死により、

 彼の妻や兄貴分だった同じ古書店主が、死の真相を探っていくと

 思いがけないことにGHQの日本占領策の一端に繋がっていく、、、

 というストーリーで、登場人物も神田の古書店主たちの他にも、

 脇役として徳富蘇峰や太宰治が登場、とても興味深く面白い。

 占領軍が、日本人の歴史観を変えるため歴史的古書を収集し、

 日本から持ち出す、という壮大な計画が明らかになり、

 その計画に対し、神田の古書店主たちが団結し難題に

 立ち向かうところは、敗戦国ながらも、日本の古書を

 商ってきた店主たちの矜持が描かれホッとさせられた。

 ただ、GHQの計画を推理するあたりまでは緊迫感もあるが、

 終盤は、謎解きが説明的すぎるような感じで、チョッと残念。

   わがまま母

 —あらすじ—  転記

神田神保町・・・江戸時代より旗本の屋敷地としてその歴史は始まり

明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十三年

の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から

一年が経ち復興を遂げつつあった。

活気を取り戻した街の一隅で、ある日ひとりの古書店主が人知れず

この世を去る。男は崩落した古書の山に押し潰されており、あたかも

商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合い

があった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受ける

が、間もなく事故現場で不可解な点が見つかる。

行方を眩ました被害者の妻、注文帳に残された謎の名前、、、さらには

彼の周囲でも奇怪な事件が起こるなか、古書店主の死をめぐる探偵行は、

やがて戦後日本の闇に潜む陰謀を炙りだしていく。

 

 

 

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