遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

くちびるに歌を

2012年07月16日 13時48分37秒 | 読書
    
           くちびるに歌を        中田永一(著)2011年11月発行

  本書は、(私のかなり怪しい記憶ですが)確か2012年の本屋大賞の選ばれたのではなかったかと。
  「とてもいい本だ」「感動した」という推薦文をあちこちで目にした記憶があるので、
  読んでみました。
    
  で、この小説、いい話だなあ・・・と思うし、
  巧いなあ、、、とも思いました。
  が、こんなにうまくできていて内容も感動的なのですが、
  個人的にはさほど感動はせずに読み終わってしまったのが
  自分でも不思議なのです。

  小説の舞台は五島列島の小さな島。
  島の中学校の合唱部の生徒達がNコンに出場すべく
  男女間のわだかまりや、家庭の問題やそれぞれが抱える問題を
  乗り越えながら、ひとつの目的に向かって努力する姿を描いている。
  主に、男嫌いの「ナズナ」と、
  人と関わることを避け存在感を消そうとしているかのような「サトル」
  この二人の目線で話が描かれていくが、他の生徒もそれぞれ魅力的だ。

  島の中学生が主人公だし、Nコンを目標に彼らが心を合わせ頑張る姿なんて、
  もうテーマとしてはどう考えても感動的な話なのだが、
  個人的には、
  コンクールの課題曲となったアンジェラ・アキの『手紙~拝啓 十五の君へ』
  の歌詞のほうがずっと心に響いてきてしまったのには、困った。

  とはいうものの、
  子供から大人への成長途上にある十五歳の中学生が悩みながらも
  合唱を通じて大人への階段を登っていく、美しい物語に間違いなしです。

     わがまま母
  
    
コメント
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