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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

あらためて「スクールロイヤー」制度導入について思うこと

2020-02-15 23:08:52 | 受験・学校

今日は「スクールロイヤー」制度導入について、いま、私の思うことを書いておきます。この件はもしかしたら前にもこのブログで書いたことかもしれませんが、あらためて書いておこうと思いまして。

というのも今朝、ツイッターを見ていたら、ある著名な若手教育社会学研究者がスクールロイヤーの書いたものをおすすめするようなつぶやきをしておりまして…。でも、彼のネット上で発信する情報にいつも「あやうさ」を感じてきた私としては、またまたこの件にも「あやうさ」を感じてしまいました。そこで今朝、いろいろとツイッター上でつぶやいたことを整理して、ブログにまとめるだけでも意味あるかなと思ったので、あらためて書くことにした次第です。

まず、スクールロイヤーに民事介入暴力対策やっていた人が来るのか、子どもの権利擁護活動やっていた人が来るのか。私としては、それによって学校生活に関する困り事を訴える子どもや保護者への対応が大きく変わりそうだと思っています。でも、このことに対して、あまり危惧や懸念が示されていないような気がします。

ちなみに、私のまわりでかなり良心的な活動しているスクールロイヤーは子どもの権利擁護活動系の方。しかし文科省が期待しているのは、学校や行政への理不尽クレーム対策をやってくれるスクールロイヤーのように見受けられます。

なので、この理不尽クレーム対策系、子どもの権利擁護活動系の少なくとも2系統あること、文科省が前者推しであることを知らずに、安直に自分の好きなスクールロイヤー本をつまみ食い的に読んでいると、うるわしき誤解が生じます。制度や政策の初学者がやりそうな失敗だと思うのですが。

これに加えて、学校という場を異質なものの共生、共存空間にする「包摂型」か、逆に向かう「排除型」か。教育施策がそのどちらに向かうか、その施策のどこに位置づくかで、「ロイヤーもカウンセラーもソーシャルワーカーも、およそ学校にかかわる外部専門職の動き方が変わるのでは?」とも思ったりもします。

※なお、教員間いじめ問題以後の神戸市の動きからすると…。神戸市長や市教委が導入したがっているスクールロイヤーほかの外部専門職は、どちらを向いて仕事をすることになりそうか。そこをよく考えて、こちらからあれこれ、余計なことをさせないように、枠をはめないといけません。


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