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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

勧善懲悪の劇場で悪役をバッサリ斬るつもりが、刀がボロボロで、笑えない喜劇になってきた(神戸の教員間いじめ問題関連)

2019-11-12 23:50:22 | 受験・学校

教員間暴力問題 加害教員の処分説明書に誤記載 (神戸新聞NEXT 2019年11月11日配信)

例の神戸で起きた教員間いじめ問題のことですが。

先月末に大急ぎで条例改正を行い、加害教員への分限休職処分を行ったところですが・・・。

この記事によると、その処分説明書の内容に誤記があったとか。

それも、地方公務員法上の適用条文の記述に誤りがあるとのこと。

上述のとおり、10月初旬の事件発覚からこの間、「加害教員を早く処分しろ」「仕事休んでいる加害教員に給料を払うな」という「世論」に煽られて、神戸市長も市教委も大急ぎで条例改正を行い、分限休職処分を行ったわけですが。

また、その「世論」の力によって、「悪役」ともいうべき加害教員をバッサリと市教委、市長らが処分して「斬る」という勧善懲悪の劇場ができたわけですが。

でも、いざ実際に「斬る」段になってみたら、条例改正自体に法的な問題があると指摘されたり、分限懲戒審査会からも異論が出されたり・・・。あるいは、実際に休職処分となった加害教員の側からも不服申立てが行われたり・・・。そして、今回は処分説明書の誤記が判明したわけですよ。

もう、いったい、何をやっているんだか・・・。

なんだかこの記事を読んで、「勧善懲悪の劇場で悪役をバッサリ斬るつもりが、刀がボロボロで、笑えない喜劇になってきた」と思ってしまいました。

それにしても、いったい、いつになったら私の言う「本筋の議論」にもどるのかしら?

つまり、教員間いじめが起きた学校の教職員間の人間関係や、教職員と子どもとの関係についての調査・検証を行って、学校の教育活動の再建や、同様の事態の再発防止策の実施を行っていくという「本筋の議論」。

ここを今、きっちりとやらなきゃいけないと思うんですけどねえ。一向にそういう話、聞こえてこない。

それで本当にいいのかしら?

 




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