2126冊目はこの本。
鈴木庸裕編著『「ふくしま」の子どもたちとともに歩むスクールソーシャルワーカー』ミネルヴァ書房、2012年
先ほどの冨永良喜さんの本の紹介(2125冊目)のところで書いたとおり、大災害で被災した子どもたちへの支援に必要なソーシャルワーカーのかかわりについて、「学校・家庭・地域をつなぐ」という視点からまとめた本。
この本は東日本大震災発生後、福島県内各地で活動を開始したスクールソーシャルワーカーの取組みを軸に、広域避難をした子どもへの支援の課題なども含めて書かれている。
その一方で、阪神淡路大震災発生後の兵庫県内、特に阪神間の小中学校に配置された「教育復興担当教員」が、被災した子どもたちの学校や家庭での生活状況を見守りつつ、臨床心理や児童精神医学などの専門家によるケアと連携しながら、学校のなかで個別の学習支援等々に動いたことも、この本では紹介されている。実はこの「教育復興担当教員」の節を書いたのが、私である。
このようなことから、学校の教職員と心理・医学・福祉の専門職との連携のあり方を考える上でも、もっといえば昨今話題の「チーム学校」構想の行方を考える上でも、おそらく参考になるであろう1冊だと思う。