goo blog サービス終了のお知らせ 
不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

昨日、うかがった、うれしい話。

2008-06-29 13:59:36 | 受験・学校

昨日、ある会合で、大阪市内のある旧青少年会館を活用して、保護者たちが協力し合って子ども会活動に取り組んでいる話を聴きました。

もちろん、いきなり保護者がなんでもかんでもできるというわけではないので、無理のないところで、最初は月1回程度、条例廃止前に青少年会館で集まっていた子どもと保護者が、何か集まる機会が今後ももてたら・・・・というところからはじまったそうです。また、今のところは、小学生の子どもとその保護者が中心になっているそうです。そして、月1回のイベントに参加する人数にも、その回ごとに変動があるそうです。

ただ、それでも、夏休み中にキャンプに出かけたり、冬休みや春休みなどには、集まる回数を増やしたり、学生ボランティアの協力が得られるようになったり、子どもたちの活動日の連絡用にブログをつくったり・・・・と、徐々に活動の幅が広がってきているとのこと。また、今の大阪市の行政施策のなかで、子どもたちの地域活動支援の枠で使えそうなプログラムだとか、助成金の公募などに応募して、それも適宜、子ども会活動を続ける上でうまく活用しているとか。そして、時折、子どもたちの集まる日に、仕事の休みなどが重なっている元青館スタッフの方もふらっと手伝いに来られたりするそうです。

個人的な思いとしては、こうした地道な取組みが、やがて保護者と地域社会の人たちの連合体というか、ネットワークをつくって、「小学生の子どもたちの放課後・長期休暇中の生活と学びの支援」という観点から活動を続けるNPOなどができていく。そのNPOが、たとえば平日や学校の長期休み中は学童保育事業を運営したり、中学生や高校生で学校の勉強になかなかついていけない子どもには、補習塾的な活動をしたり、あるいは、悩みを抱える地元の子どもや若者たちに対する支援活動をしたり・・・・と発展していけばいいな、と思います。そして、そのNPOの活動場所として、旧青少年会館を含む大阪市保有の遊休施設が無償もしくはきわめて安い金額で利用できるようになれば、あるいは、こうした活動に取り組む団体に対して一律適用されるような、活動場所確保に向けての資金援助システムなどがあれば、なお一層、面白い取組みができるのではないか、と思うのですが。

それと、昨日、お話をお聞きした方々は、何度もくり返し、「大阪市内の障害のある子ども・若者たちの居場所の不足」ということを言っておられました。学校のある時期はいいとして、たとえば夏休みや冬休みといった長期休み中、障害のある子どもたちが地域の諸活動に参加する機会をどのように保障するのか。たとえば地域社会のスポーツやアート系、その他の文化的な諸活動に、障害のある子ども・若者たちの参加・参画の機会を保障するという取組み、これは行政施策のなかでどう位置づいているのでしょうか? 今、小学生だと「放課後いきいき事業」が大阪市では全市的に展開されているのですが、この事業について、障害のある子どもたちの参加状況はどんな状況にあるのでしょうか? また、中学生以上だと、どういう場所が考えられるのでしょうか・・・・? そういったことを、あらためて昨日のお話を聴いて、考えさせられました。

あと、昨日、このお話をお聞きしてうれしかったのは、条例廃止が本決まりになる頃に私がこのブログに書いたことを見て、保護者たちで何か、やってみようと思ったということ。それも以前、私がこのブログで、条例廃止後の暫定使用可能な間に、旧青少年会館を活用して、「できる人が、できるかたちで、できることをする」という話を書いたのですが、そのことがきっかけになって、「まずは保護者有志が呼びかけて、月1度でいいから、何か子どもたちと保護者が集まっていっしょにあそぶことからはじめる」ということを、昨日お話をお聞きしたみなさんは思いついたそうです。

このお話をお聞きして、大阪市の青少年会館条例廃止の提案が出て以来、今までの間、ほんと、いろんなことがありましたが、このブログで気づいたこと、感じたことを発信し続けてきてよかったな~と思いました。私自身が、こうした地元で粘り強く取組みを続けているみなさんに、逆に勇気付けられたような次第です。

そして、あらためて言いたいことは、こんなことです。

例の大阪府の財政再建だの、大阪市の市政改革だの、「施策見直し」だのという状況のなかで、それでも大阪市内の旧青少年会館所在の各地区で保護者や地元の住民などを中心に、こうして粘り強く、子ども・子育てに関する地域の取組みをすすめている人々がいるということ。

また、そうした保護者や地元住民などをサポートする形で、学生ボランティアや地元外の人々、研究者などのネットワークが形成されつつあるということ。

そして、そうした地道な取組みを続けている地区間での連絡、連携の取組みもはじまりつつあるということ。

こういう営みのなかに、これから先の各地区での子ども・子育てに関する運動の取り組みのヒントと、今、かなりダメージを食らって(あるいは、時代状況にあわなくなったり、自ら招いた不始末によって)、ガタガタになっている運動を再建していく主体の形成過程を考えるヒントなどが、いっぱい詰まっているように思います。

今後も引き続き、こうした子ども・子育ての活動や、識字教室その他の成人対象の学習活動、その他、文化・スポーツ活動などについて、子どもの人権を大事にするという視点から、大阪市内の条例廃止後の旧青少年会館所在地区で粘り強く取組みを続け、未来を切り開こうとしている人々と、積極的に私、交流を続けていきたいと思います。

それは子ども会活動や識字教室のボランティアの方、保護者会の方、自治会や運動体など地元諸団体の方、元青館職員の方、研究者など、立場を問いません。また、大阪市内に限らず、府下の各地区、さらには大阪府外であっても、こうした志を共有できるのであれば、ぜひ、交流をしていきたいです。

<script type="text/javascript"></script> <script src="http://j1.ax.xrea.com/l.j?id=100541685" type="text/javascript"></script> <noscript> AX </noscript>


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする