できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

できることを、できる人が、できるかたちで

2008-06-30 10:21:04 | 学問

「できることを、できる人が、できるかたちで」

このことを、あらためて大阪市内の旧青少年会館所在の各地区で、子ども・子育て関連の活動や、識字教室などの社会教育関係の活動、文化・スポーツ関係の活動を続けたり、はじめたりしようと思う人たちに、伝えておきたい。(まぁ、このブログをどれだけ見ているか、わからないのではあるが)

たとえば、毎日仕事を続けている保護者にしてみれば、毎月1回どこかの土曜日の昼間、旧青館に子どもたちを集めて、何かイベント的な活動をする。それだけ、手一杯かもしれない。また、月によっては参加者が多い月もあるだろうし、少ない月もあるだろう。でも、まずはそれでいい。それが1年、2年と続いていけば、着実にその地区に、子どもや保護者の自主活動が根付いていく。

あるいは、そういう月1回程度の子どもの集まりを企画するグループが、複数あればどうだろうか? 第1週には地元の学生ボランティア主体のグループが何か企画し、第2週は保護者のサークル、第3週、第4週は地区外のボランティア団体主催の活動・・・・という風にまわせば、それぞれの団体などの負担は「月1回」の活動だけど、子どもの側から見れば、毎週土曜日、旧青館には子どもが集える活動がある、ということになる。こういうのが1年、2年と続けば、ますます、土曜日の旧青館活動はにぎやかになる。

また、今のところ旧青館の利用は体育館・グラウンドなどスポーツ施設部分が中心であるが、これはこれでOK。これも平日の昼間の利用者が募れるように、たとえば高齢者や主婦など、平日動きやすい層へのスポーツ活動利用を促す取組みをすればよい。

同様に、今までちがうところで行ってきた研究会・学習会や研修などを、平日の昼間の旧青館に移して行うようにすれば、平日の利用は増える。各地区での住民団体などの打ち合わせ、関係諸団体の各種会合なども、できるだけ旧青館を使うようにすれば、利用は増えるだろう。

あるいは、土曜日や長期休み中の子どもの活動に参加したい人たちを募って、ボランティア養成講座のようなことを企画する団体があってもいいだろう。平日の夜、自分たちで集まって誰か講師を呼び、「人権講座」とか、「まちづくりを考える講座」というようなことをやってもいいだろう。

こうしたひとつひとつの旧青館利用の取組みは小さくて、一見、取るにたりないように見える。でも、こうした活動が積み重なっていくと、気づけば「旧青館全体の利用率向上」ということになっていく。また、こうしたひとつひとつの取組みをたてに、横に、ナナメにつないでいけば、旧青館所在の各地区の子ども・子育て関連の活動や、社会教育・文化・スポーツ活動を軸にして、地域活性化の取組みができると思う。

そして、地元住民や保護者、子どもの活動が、たてに、横に、ナナメにつながったかたちになっていけば、その相互作用で、さらにいろんなアイデアがわいてきて、「あんなこともやってみよう、こんなこともやってみよう」という人が出てくる。こうなればまさに、千葉・習志野市で学校施設開放をきっかけに面白いまちづくり活動に取り組んだ岸祐司さんが、よく「いいこと循環」という言葉を使うのだが、その「いいこと循環」が各地区で起きてくるのではないだろうか。

だから、まずは「なんか、ここらでいっちょ、地元で活動やってみよう」と思う人が3人集まれば、自主サークルとして「ゴー」サインを出していこう。その3人が「できることを、できる形で」まずは、やりはじめてみよう。そしてできればその3人が、別の誰か、地元で活動をしている人たちと話をするだけでもいいから、何か交流することを心がけてみよう。あるいは、3人でやりはじめた活動について、積極的に情報発信してみよう。そうすることが、「いいこと循環」を生み出すきっかけになると思うから。

2006年度末での青少年会館条例廃止・事業解体を積極的に推進した人々に対して、今もなお可能な「抗議」の意思表示は、いろんな困難はあるだろうし、時には妨害もあるかもしれないが、「あらゆる利用形態を模索しつつ、徹底的に旧青館を利用し続けていくこと」だと思う。また、「旧青館を利用している人々が今もなおいる」ということを、あらゆるルートを通じて積極的にアピールし続けることと、ひとりひとりの利用者が「ここは地元住民が自分たちの生活や学びを営む上で、必要不可欠な場所なのだ」ということを、自らの意志と行動で持って示し続けることだと思う。

そして、まだ旧青館が利用可能なうちに、また、先行的に出発した自主サークルなどが粘り強く活動しているうちに、新たな子どもや保護者、地元住民の教育・生涯学習活動、文化・スポーツ活動を組織化したり、その諸活動の活性化に向けて、外部からの支援も得ながら、新たな動きを出していけるかどうか。そこに、各地区の運動体(特に幹部層)の課題があるのではなかろうか。また、こうしたことに積極的に取り組むなかで、不祥事を生み出した体質的な問題点を早急に改善し、新たな運動体として出直すことができるかどうか。そこも問われているのではないだろうか。

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