tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

お茶室に魚を・・

2012-08-07 18:18:36 | 茶の湯
今日は強い日差しでしたが、北から乾いた風が吹いておりました。

遠来のお客様が見えますので、お茶を差し上げようと朝から準備をいてお迎えです。
暑い毎日ですので少しで涼しくと思い、お茶室に魚をと・・・考えました。



点前坐

金襴手という事で夏の水指にしては暑苦しいかも知れませんが、荒磯の大ぶりな平水指ですので、タップリと水を入れてありますから、蓋を取った時の涼しさが演出です。
普段余り見ない水指ですからやはり気になるようです。



蓋を取ると魚が・・・

蓋を取ると大きな水指の中に魚が飛び跳ねて、今にも飛び出してきそうな絵が画き込まれております。お茶道具の中では荒磯と呼ばれている絵柄で、初夏から夏の間によく使われます。



水指の中は・・・

お点前ではこんな蓋の取り方はしませんが、お客様の希望でしたので、蓋を全部外した中を見ていただいたのですが、思っていた通り水指の大きさやリアルな絵にビックリされたようで、涼やかな水辺のひと時を過ごしていただきました。



信楽の花入にタカノハススキ・ミズヒキ・ヤブミョウガの三種

今日は、地味な花ばかりでしたので、焼き締めの大徳利に生けてみましたが、焼き締めの灰かぶりの力強い花入ですので、優しいみどりの葉が多いヤブミョウガがピタリと収まり綺麗な床の間になりました。

明日から出かけますので暫くお休みいたします。


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レンゲショウマという花は・・・

2012-08-06 17:47:48 | 日常雑感
雨が降ったかと思うと強い日差しが照りつけたり変化の多い一日となりました。

朝早くの野草棚にレンゲショウマが咲き始めました。背丈が50センチほど伸びて咲いておりますのでひと際は綺麗です。




この花は我が家の庭に来て数十年が経ちますが、毎年綺麗に咲いてくれます。

尊敬する先生の知り合いが富士山麗に広大な山を所有しておりましたので、バスを仕立てて茶花採取に行った時に頂いてきた花です。
以来数十年この時期になると決まってその優美な花を見せてくれますので、そのたびに先生を思い出します。



蓮華。蓮の花に似ていることから、そして、葉はサラシナショウマに似ているからという事で、レンゲショウマと命名されたそうです。

キンポウゲ科の多年草で、本州中部の特産で、世界に一属一種の貴重な名花であります。そんな関係かは解りませんが、山野草の好きな方は、この花に取り付かれる人が多いいそうです。

蓮華の名前を称されるいるに相応しく、形も色合いも優雅で気品のあるこの花は、どんな花入にも映りがいいが、根締めを添えないと寂しい感じがします。
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冷麺とお祭り

2012-08-05 18:54:17 | 日常雑感
夏の強い日差しが容赦なく照りつけております。
私の住んでいる町は、今日もお祭りで賑やかです。

この夏になってから、初めて冷麺を食べる事にして、午前中に買い物に行き食材を買って昼食に作ってみました。



冷麺
麺の上には、チャーシュー・スイカ・トマト・キュウリ・モヤシ・卵・そしてキムチがのせてあります。

我が家の冷麺は、義母ゆずりの本場仕込みで、店で食べるのとは一味違います。義母は戦争が終るまで、長い間朝鮮に住んでおり、それも大きな料亭を経営いていたそうです。そんな関係で彼の地の人達が日常的に食べている冷麺を知りつくしていたからです。

夏になるとよく食べさせてくれました。
冷麺は、ほとんどのひとは自分の好みにして食べます。食べ終わり、「美味しかった」と言っても、からしやキムチをたくさん入れて辛くした人、酢をたくさん入れて酸っぱい人、ポン酢など入れて味の濃い人と様々ですので、食べた人だけの美味しさです。



市内を引き廻していた山車がここへ一旦集まって調整しておりました。

冷麺を食べて元気が出たので、街なか散歩に出かけて見ましたが、今日はお祭りの最終日ですので、山車が一箇所に集結するというのでもの凄い人が集まっており、人の多さにくたびれてしまいます。

出かけては見たものの・・・余りの暑さと人の多さに、知り合いの電気店に避難してそこから眺めておりました。
何しろお店ですから、道路に面した一等地です。山車は必ず前を通りますから、桟敷席で見ているようで汗を拭きながら見物をしている人には申し訳ないようでした。



順にお祭り広場に移動を始めてゆきます。

我が町には山車が52台あるそうですが、それを全部を出して引き廻すは、運営上難しいそうで、各町内の輪番になっているそうです。
お店の前を全部の山車が通り、お祭り広場に向っております。人々は山車の後を追うように歩いておりますが、私だけ流れに逆らうように帰って来ました。

いい汗をかきました。





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祭囃子を遠くに聴きながら・・

2012-08-04 18:45:18 | 禅語今昔
暑い日が続いておりますが、各地では夏祭りが盛んなようで、我が町も今日からお祭りで大賑わいです。
大勢の人の集まるところが苦手な私は、時折風に乗って聴こえる祭囃子を聞いているだけで充分です。



室閑茶味清

今日はこんな軸を掛けてみました。
多分町なかは祭り一色の賑やかさが続いていると思いますが、静かな茶室で一服を頂くのもいいものです。

室閑茶味清は、「しつしずかにしてちゃみすがし」と読むそうで、この軸が、手元に来た時は、「ちゃみきよし」と読んでおりました。ところが、ある時「きよし」でも間違いではありませんが、と前置きをされて、お茶室で読む時は、「すがし」の方がしっくりいくでしょう。
こんなご指導を頂いたことを覚えております。

喧騒としている世の中ですが、お茶室の中は清浄な空気のみ、そんな中で頂く一服のお茶の何と清々としていることか・・・こんな意味でしょうか。
お祭りも夜になると花火大会が始まり、いっそうの盛り上がりを見せることでしょう。

そろそろ、花火が始まるようです。

雷様もまだタイコを拾えてないようですから夕立はないでしょう。綺麗な花火が見られることだと思います。

   木の末に 遠くの花火 開きけり  子規






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お茶席で花火を・・

2012-08-03 18:47:11 | 茶の湯
毎日暑い日が続いております。夜になると遠くの花火の音が聞こえてきます・・・。

昨日、雷様のお茶碗でお茶を頂きましたので、今日はお道具の拝見をしてみようと思います。
拝見という茶道独特のことで、使っていた道具をお客様に見ていただく作法です。



拝見に出された棗と茶杓

お道具が出されると、主客での問答があります。

客 お棗は
主 花火蒔絵中棗でございます。
客 お塗りは
主 〇〇でございます。
客 お茶杓のお作は
主 〇〇でございます。
客 ご銘は
主 涼風でございます。
客 いずれも結構に拝見いたしました。

このような問答を終えると、日々忙しくしている人たちを花火見物に連れ出してくれたのだという事が分かります。
雷様は、タイコを海に落としてしまっているから夕立は来ない。団扇の香合を出してありましたので、その団扇を持って、涼やかな風を感じながら、遠花火を楽しむのもオツナ話ではありませんか。

このように、道具ひとつ一つに、しっかり働いてもらうと、お茶席も和やかに、そして意義ある空間になってまいります。

お茶って楽しいものですね。
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雷様も困った・・

2012-08-02 17:48:26 | 茶の湯
今日も同じ言葉から始まります。兎に角暑い毎日です。

夏のこの時期らしいお茶碗でお茶を頂きました。
平茶碗という夏だけ使用するお茶碗は、片手では持ち難いので、初心者の方は手がぎこちなく見えるし、本人も?と感じると思います。



大津絵 雷の絵

中々面白い茶碗で、お茶が入っておりますと何だか解りませんが、飲みきると何をしているのかが解ります。この茶碗を手にした誰もが、茶碗を手元で拝見しながらニッコリとします。

雷さんが、タイコを落として慌てている様子がいかにも面白い・・・。



お茶を飲みきると。

雷さんの慌てぶりが大きな目玉で強調され実にユニークです。ひと昔前にはこんな絵柄の茶碗など全くありませんでしたから・・・。どの職人さんも、昔ながらの絵柄を踏襲して作品を作り上げていたように思います。現代では、作家さんも増えて、それぞれの持ち味を出さないと売れない時代になっているのかも知れません。



茶碗の側面の絵・海に落としたタイコを引っ掛けて取ろうとしています。

この茶碗も、お茶道具の茶碗の中では、決してお値段の高い物ではありませんが、こうして物語を想像させ、納得させる作品ですから売れているのだと思います。

この茶碗ひとつで、「近頃夕立が来ないな~」「こんな暑い日には一雨欲しいな~」と思っていたのが、「ああ、そうか雷さんがタイコを海に落としてしまって、ゴロゴロと鳴らすことが出来ないんだ~」と、想像が出来ます。そんな事を想像するだけでも楽しいことだと思います。
そうした想像力を働かせるのも、お茶の楽しさのひとつだと思っております。

今夜あたり、雷さんタイコ拾って敲きだすかな・・・。
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楽しい道具を・・

2012-08-01 18:06:06 | 茶の湯
猛暑も一休みといった一日でしたが、やはり暑い暑いの大合唱が聞こえます。
休みの日にしか出来ない片付け事をいたしました。
お茶の道具には色々な物がありまして、代表的な茶碗や棗、水指や茶杓そして軸など様々な道具を、それぞれに使いながら一服のお茶を点てます。

利休さんは云っておられます。「道具は有り合わせにせよ」と、それでも現代のようにものが溢れて、お金さえ出せばなんでも手に入る時代です。当然、お茶会などでは華美と重厚を競うような風潮さえ生まれてしまっております。
とはいえ、私共には無縁の世界ともいえない微妙な立場も、立ち居地を少し変えて見て見ると、これが中々面白いもので、色々なものが見えて来ます。
そんな訳で、我が家の華美でも重厚でもない、ただただ涼やかな道具を紹介したいともいます。



夕顔 桐団扇香合

このように、夏らしい香合はこの時期のお茶席にはよく使われるもので、桐などの木地を使い、いかにも涼しそうな道具が並べられます。

涼しそうな団扇を見たら、何を想像するでしょうか?夕涼みや花火大会、それとも打ち水された縁台に腰をかけて一休みですか?
そんな事を想像させてくれるのが、お茶道具の数々です。
お茶席は、創造と想像が静かに糸を絡ませながら、糸口を見出した喜びを感じ会うところでもあります。。

お茶も創意と工夫で楽しいお茶が出来るものだと確信しております。

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