tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

茶杓の話

2012-09-04 17:14:43 | 茶の湯
何となく秋めいた心地良い風が吹いておりました。それでも日差しはまだまだ夏を思わせます。

今日は茶道具の中でも代表的な茶杓のことを少し書いて見たいと思います。

茶杓は茶器からお茶をすくう道具で、竹製のものがほとんどですが、お点前によっては象牙などで作られたものを使うこともあります。
喫茶が伝わったばかりの頃は、薬匙を茶をすくう道具として使っておりました関係で、象牙などで作られたものが、そのまま茶杓として使われておりました。

時代は下り、利休時代になると、竹製のものが主となり、竹の茶杓が確立されたといわれております。



裏千家歴代の茶杓

右から利休―少庵―宗旦―仙叟―不休斎―六閑斎―竺叟―一燈―不見斎―認得斎―玄々斎―又玅斎―圓能斎―淡々斎―鵬雲斎と裏千家15代の宗匠が好んだ茶杓です。

もちろん、これはお稽古用で、形を覚えるために写された茶杓です。

古くは、茶会や茶事をひらくたびに茶杓は作られたそうで、今日ほど大切にはしていなかったといわれ、利休時代の茶杓が現代に余り伝わっていないのはそのためのようです。

さて、茶杓の形ですが、一般に茶杓というと利休形といわれるものですが、各宗匠方はご自分の好んだ茶杓を残されております。
それでも、利休さんから少庵・宗旦などの形はそれ程違いはありません。



利休・少庵・宗旦の茶杓の櫂先(かいさき)



右から又玅斎・円能斎・淡々斎・鵬雲斎の茶杓の櫂先(かいさき)

写真で見たとおり、代が進むに連れて、それぞれの違いが如実に出ております。特に、淡々斎の茶杓は、一度拝見したら絶対に忘れないほどの特徴があります。

こうして、稽古でそれぞれの茶杓の特徴を覚えてゆきます。

茶杓を見ているだけでもお茶が楽しくなります。




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