角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

まぁるく、まぁるく‥。

2007年02月26日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ24cm〔3000円〕
カラフルな花が散りばめられた綿生地をベースに、緒はエンジです。いかにも「春」を想わせる、とっても可愛い草履に仕上がりました。今日の角館も穏やかな晴天、ほんとの春が目前です。
この綿生地は少ししかありませんので、この一両日で集中的に作ってしまいます。

今日の拡大画像は「つま先」にしてみました。草履作りをはじめる方が一様にぶつかる壁、それがこのつま先の「丸み」なんです。
もちろん私もこの壁を超えて来たわけですが、つま先を丸く編むのがなかなかの苦労なんですよ。よく言うのが「イカの頭」、尖がってしまうんですね。

この解決策というのが、「成り行きに任せない」。実に抽象的な言葉と思われるでしょうが、実際に草履作りをはじめてみるとこの意味が実感として分かるはずです。
つまり円を頭に描いたら、堅い意志と力でなにがなんでもその形に持っていくという「信念」なんです。このキーワードが、「成り行きに任せない」となるわけです。

想えばしばらくの間、「怒り心頭」という心境にご無沙汰しています。日々の暮らしでときに頭にくることもありますが、血相を変えて‥というのはほんとになくなりましたね。
まぁ、加齢と共にと言えばその通りなんでしょうが、これは本格的に草履作りをはじめてからが顕著と思うんです。

なにかひとつに「信念」を持つと、人間もつま先も丸くなるのでしょうか。

コメント (2)
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