角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

不器用なほど‥。

2007年02月19日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
青のいらかをベースに緒は緑、真中はグレーの帯です。帯の色で、どちらかというとご年配向きになった気がします。

今日は「雨水」、雪から雨に変わる、つまり春が近い時期を指すわけですが、今日の角館も好天の一日でした。例年であれば、立春や雨水でも「春は名のみの‥」と言うのですが、今年に限っては実際の天候のほうがはるかに先を進んでいます。

実演でときどき聞くのが、『私は不器用だからこういうのは無理ねぇ』とか、『あらぁ、とっても器用なのねぇ』といった言葉です。確かにおしゃべりしながらでも草履を編み進んで行きますから、そう見えることに不自然はありません。
でも、私は元来器用なほうではないと思ってます。日曜大工が好きでいろいろいじってますが、だいたいの場合満足いかないまま諦めるか、作り直すかしています。

『私も草履作りしてみたい!』とおっしゃる方の多くは、ほかに手作り経験がありますね。「布」の共通点からか、パッチワークをしている方が結構います。
よく言うのですが、野球が上手な人はサッカーも上手なもんです。バスケットが好きな方は、機会があればバレーボールも率先して参加しますね。ただしこれは、やはり趣味やレクリエーションの世界だと思うんです。それを職業つまり生業とするとき、反って「器用貧乏」となって弊害になる場合があります。
モノ作りを職業とするならば、案外不器用な人ほどイイんじゃないでしょうか。

一昨日の同期の新年会、製材業を営むKNクンがフォークとスプーンを片手だけで持って、ナポリタンを掴むのに成功したと大喜びしていました。
44歳のおじさんが少し大人気ないとは思いましたが、案外これくらいの人のほうがモノ作りに向いているかも知れません。

コメント (2)
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