角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

母娘愛のお手伝い。

2007年02月08日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ27cm〔3500円〕
藍色とんぼをベースに緒はエンジ、そして真中に緑を配してみました。男性用の中でも大き目のサイズなんですが、ときにこうしたお洒落な配色もイイと思います。

一時45cmまで積もった雪も、その後の好天と雨のお陰でだいぶなくなりました。道路はまったくありませんね、車の通行も順調です。

先日、お隣り大仙市協和にお住まいの女性からお電話があり、お世話になった方へ草履をプレゼントしたいとのことです。納期をうかがうと今月22日、まだ自宅作業なので、本日わが家へお越しいただきました。
お顔を拝見すると、確かに以前お逢いした記憶があります。訊いてみると昨年10月、ご実家のお母さんとふたりで西宮家を訪ねてくださった女性でした。一度思い出すと、次々とそのときの会話さえ思い出すもんですね。女性は福島県のご出身で、その日はご実家のお母さんをご案内して角館散策でした。お母さんが私の実演を見ながら、『私も作りたいナ~』とおっしゃったことも思い出しました。

お世話になった方へのプレゼントを早々にお決めになると、『やっぱりお母さんの分も買って行こうかなぁ』。
昨秋の西宮家で、お母さんが私の草履を気に入ってくださったのを見た女性は、これから毎年の誕生日に草履を送り続けることを心に決めたんだそうです。でも、お母さんの誕生日はまだまだ先‥。ちょっと迷いましたが、十分な在庫を目の当たりにした女性は、ひとつの草履をお選びになりました。
美容師さんというお母さんを思い浮かべているんでしょう、『立ち仕事だから、きっとイイ!』と笑顔でおっしゃいました。

同じ東北と言っても、福島と秋田では結構な距離です。女性も子育て真っ最中とのこと、たとえばお母さんの体調がすぐれないときも、すぐに帰ってあげることは叶わないでしょう。遠くに想う母娘の橋渡しに私の草履がお役に立てるとすれば、こんな嬉しいことはありませんね。

コメント (2)
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