角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

神様がいっぱい。

2007年02月10日 | 地域の話
今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ26cm〔3500円〕
赤唐草をベースに、黄色を合わせた配色Ⅱパターンです。男性用としては奇抜な部類に入るのかも知れませんが、ときにこうした配色も面白いと思います。

秋田わか杉国体冬季大会が開幕しました。今日は開会式、双子の中学校も、1・2年生全員が参加しています。昨日は一足早く、秋篠宮さまが仙北市にお入りとのこと、雪のない当地に驚かれていたかも知れません。

国体開催と同時に、当地の冬祭りが各地ではじまりました。仙北市上檜木内地区の「紙ふうせん上げ」、仙北市白岩地区の「白岩城燈火祭」も今晩です。
秋田の冬祭りで一番に名前が挙がるのは、男鹿市の「なまはげ紫灯(せど)祭り」じゃないでしょうか。こちらも昨晩開幕を迎えています。

「なまはげ」で思い出す、ひとつの出来事があります。昨年の夏のこと、西宮家にお越しになったのは、お父さんがアメリカ人でお母さんが日本人という、7歳の少年です。その日は、お母さんとお母さんのご実家のご両親、そして少年の4人でした。

私の隣りに、かつてオリジナル商品として販売していた、川連塗のテレホンカードを並べていました。その中に「なまはげ」の蒔絵をほどこした一枚があり、少年はそれをたいへん気に入ってました。
少年は一見して日本人そのものなんですが、これまでの生活がアメリカのため、片言の日本語しか話せません。私は、なまはげは「鬼」ではなく「神様」であることを教えたくて、お母さんに通訳をお願いしました。するとお母さん、なにやら困惑したお顔をされています。
訊いてみると、少年は敬虔なクリスチャンで、お国が違うとは言えこの世に複数の神様がいるなんてことは、理解の範疇じゃなかったんですね。

凡人の私目なんぞは、お盆に墓参りをし、新年には神明社を参り、クリスマスにはケーキを買ったりします。その場その時で神様がいっぱいです。まして日本には、「お客様は神様です」なんて言葉もあるくらいですから、それこそいたるところに神が存在するわけです。

もし私に英語力があったとしたら、きっとお母さんの手を借りずに自ら説明したでしょうね。なまはげは「神」、そして草履をお買い上げの少年も「神」なんて言ったら、少年は目を白黒したでしょう。
英語が話せなくて良かったと思う、唯一の出来事でした。

コメント
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