角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

わが娘の就職先。

2009年01月27日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調の花柄プリントをベースに、合わせはエンジです。定番配色③もそうなんですが、こうした赤の統一は人気が高いです。炎のように燃えるイメージが、やはり「元気」を象徴するせいじゃないですかね。
「おまかせシリーズ」の「赤系」には、こうした配色がもちろん含まれます。

高校一年のわが家の長女と次女、二年生進級を目前に希望進路の確定が急がれています。二年生から「進学コース」と「就職コース」に分れ、一度決めると変更は叶わないそうです。ふたりが出したひとまずの結論は「進学」、けれどもそのためには相応の成績が伴わなければなりません。

これにずいぶん苦労しているようですし、進学となればいかような学校でもお金が要ります。そこで私が、『無理するもんでねぇ、高校出たら働けばイイねがっ!?』と言いました。すると次女、『だったらとーさん、就職先見つけてけれなぁ』。

今日西宮家へお越しは、30歳代と思しきお母さんと小学校低学年の男の子、そして20歳代と思しき女性の三人旅。お母さんが私を見つけ、『あっ、おじさんがなんか作ってるゾー、見せてもらおうか!?』。お母さんが小さな子どもへこのように声をかける姿、これも実演席の定番です。

三人で実演を眺めながら私の説明を聴いていると、次第に興味が湧き出したのはおとなの二人。これも実演席ではよくある話なんですね。
結局それぞれにお好みをお選びになり、さらにそれぞれお母上へのプレゼントもお買い上げくださいました。この真冬の大雪に、誠にありがたいことです。

おふたりとのおしゃべりで気づいたのは、どうやら日本にお住まいではないらしいことでした。よくよく聞いてみると、おふたりとも香港の近くにお住まいで、共に日系中国企業へお勤めなんだそうです。男の子のお母さんは札幌市のご出身、そして20歳代の女性はなんと角館のご出身でした。
ちょうど中国では今が「お正月」で、多くの企業や学校が二週間ほどのお休みなんだそうですね。そのお休みを利用してお里帰り、そして旅行を愉しんでお出ででした。

角館出身の女性に、中国企業へ就職した経緯を伺いました。地元の高校を卒業後何年かOLを経験した女性は、『手に職をつけたいっ』と一念発起し、語学留学で中国へ渡ったそうです。
その後ふるさと角館で職をとも思ったそうですが、そうした経験を活かせる仕事が角館にあるとは思えません。女性はそのまま現地で就職活動をし、現在の会社勤務がはじまったとのことでした。

『角館で仕事って言ってもなかなかないですからねぇ。確かに不景気ですけど、今の会社はお給料もイイんですよっ』。屈託なく笑う女性に、今の生活が充実しているんだなぁと感じました。毎年この時期が帰省と言いますから、ぜひ来年もお顔を見せて欲しいものです。

それにしても角館のご両親、中国行きと現地就職をよく認めましたね。私くらいの年齢になると、むしろそっちのほうに感心してしまいます。
わが家の娘たちの就職先を私が探すなんてことは念頭にありませんが、それぞれの希望が海外なんてことは、さらに念頭にないですなぁ。

コメント (2)
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