角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

土地の想い出〔長野編〕

2008年02月21日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ25cm土踏まず付き〔4500円〕
紺地の井桁プリントをベースに、合わせはエンジです。過去に一度登場した配色ですが、男性用Lグループにも作ってみました。サイズは大きくとも、「秋田おばこ調」はやはり私の本流と思います。

一昨日の未明からあれだけ降雪があったのに、結局昨日は除雪車が来ませんでした。まぁ、一日来なくても生活に大きな混乱はないのですが、心配したのは今朝です。二日分の雪となるとオペレーターさんもたいへんでしょう。予測通りわが丁内へやってきた時刻は午前10時、みなさん出勤した後でした。
わが家の隣りが除雪した雪を溜める場所になっています。今朝の状態は掲示板へ

「冬」と言えば北海道や東北を思い浮かべそうなものですが、「長野県」はスキー場が有名ですね。あとは善光寺に松本城、戸隠そばも有名です。そんな長野県も私が担当した営業コースでした。
やはりこちらもお茶屋さんを多く歩いてましたから、巡った範囲は広いです。飯田市・伊那市・上田市・大町市・岡谷市・駒ヶ根市・小諸市・塩尻市・諏訪市・長野市・松本市、あと木曾漆器の産地である木曽郡楢川村やその周辺にも行きました。樺細工も全国的なジャンルに分けると「漆器」に含まれますから、いわゆる同業者の立場で営業していました。

仕事の性格上いろんな観光地へ行くのですが、旅行しているわけではないのであんまり見物というのはないんです。でもなぜか「善光寺」だけは必ず立ち寄ってました。投宿していた長野市のビジネスホテルから近いせいもあって、朝一番に歩いて行きましたね。厳かな寺です。

観光立県としての長野県は、秋田県よりずいぶん先を行っていた印象があります。観光地によくあるお土産品、これらはその土地で作っているものがすべてではなくて、県外や国外からの仕入れ品も多いんです。そういう商品を開発・製造・卸売りする企業がいくつもあるのですが、長野県には業界最大手がありました。私も何度か訪れましたが、それはもう一流の会社でしたね。

実は長野県には苦い想い出があります。今はなくなったようですが、とある百貨店の物産展に参加しました。こうした物産展は年に10回ほどあって、私もいくつも担当しています。
首都圏のど真ん中にある百貨店では、一週間の催事で200万~300万を売り上げるものでしたが、地方都市ではなかなかそうはいきません。そんな中で一日だけ、売上ゼロを記録したことがあります。それが長野市の百貨店だったんですね。

草履職人となった今、西宮家で出逢うお客様に長野県の方は多くはないです。でもときに出逢うと、そんな懐かしいことが蘇ってきます。

コメント
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