今日の草履は、彩シリーズLグループ25cm土踏まず付き〔4500円〕
昨日と同じベースに、合わせを紺にしてみました。同系色合わせの典型、この配色であれば男性用として無難でしょう。
国内有数の観光地である北海道、このブログでも北海道の話題はたびたび登場します。サラリーマン時代の出張もそうですが、西宮家で出逢うお客様も北海道の方が実に多いんですね。
北海道の人は大らかで明るく、人懐っこい気がします。少なくとも当時お世話になっていたお得意先の方々は、ほとんどそんな感じでした。
反面土地の歴史が浅いせいか、根差した「しきたり」のようなものがあまり感じられなかったです。そういうのが女性喫煙率や離婚率の全国1位に表れているんじゃないですかね。当時札幌のお得意先にこれを言って叱られたことがありました。草履職人が「一言多い」のは昔からなんですねぇ。
秋田県庁の出先機関に「秋田県北海道事務所」というのがあります。札幌時計台のほど近く、北海道経済センタービル内にありました。当時そこへ私の同期生が勤務していて、出張のたびに連絡を取り合い飲み歩いたもんです。彼のおかげで旨いものをずいぶん知りましたねぇ。
少なくとも年に三度は訪れた北海道、その中の6月か7月を「北海道一周コース」として、およそ二週間かけて車を走らせました。はじめて稚内市を訪れたときはちょっとした感動がありましたね。
昭和20年代後半、私の祖父が漁師の出稼ぎで稚内にいたことがあったらしいです。それが病名はよく分かりませんが、突然倒れたとの一報が角館のオヤジにあったんですね。おふくろと結婚する以前の話です。当時二十歳代だったオヤジが、祖父を迎えに稚内まで来たという話を聞かされたことがありました。
三代に渡り同じ土地に立ったということが、なんとなく嬉しく感じたものです。
稚内市のお得意先は、陶器店一軒だけでした。店主のおじいさんが実に優しい方で、『おぉ、よぐ来たなぁ』と言って毎回熱いお茶を入れてくれるんです。樺細工という商材は業種を選ばない反面、お世辞にもたくさん売れるものではありませんでした。それでもこちらのおじいさんは、必ず何かを注文してくれました。おそらくそれが「お土産」だったんでしょう。
留萌市にあるギフト店の社長さんは面白い人でした。私が秋田県から来ていることは誰しも知っていますから、あんまり言葉には気を遣いませんでした。秋田弁丸出しでは通じないにしても、「訛り」ははっきりあったと思います。こちらの社長さんはそんな私に、『おめぇが来るとこっちも訛っちゃうんだよなぁ』といつも言ってましたね。昼時にかかると私の分まで弁当を注文してくれて、「口は悪いが人はイイ」の典型のような社長さんでした。
釧路市にある贈答品商社、道東・道北ではナンバーワンの販売力を持つ企業です。こちらにはじめてお伺いしたとき、社長さんが晩ごはんをご馳走してくださると言うのでついて行きました。『ここが炉端焼き発祥の店ダっ!』という居酒屋さん、どうやら社長さん自慢のお店らしく、内地(北海道民は本州をこう呼びます)から来た人間をよく連れて行くんでしょう。
当時私は22歳くらいですから、社長さんにしたら息子より若かったかもしれません。『好きなモノを食べろっ』と言われ、私が好きなイカソーメンを注文したら、『今はその季節じゃないだろっ』と叱られましたね。
昨夏、私の友人が旭川市へ転勤しました。ときどき北海道の様子を知らせてくれるのですが、聞く土地の名前すべてに想い出があります。本当に北海道のみなさんにはよくしてもらいました。
西宮家で出逢う北海道の方とのおしゃべりには、そうした「ご恩返し」も少しはあるんです。