角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

モノを売る・心を売る。

2008年02月28日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
緑基調の絣風をベースに、合わせはグレー基調の鷹プリントです。合わせに柄物を使うのはあまり多くないのですが、ときには新鮮味がありますね。お若い男性にもOKと思います。

ラジオリスナー投稿からもうひとつ、こちらは商売人としてちょっとした感動がありました。
念願の女の子を出産した若いお母さん、女の子が授かったら「雛人形」を買ってあげるのが夢だったそうです。生後数ヶ月の赤ちゃんを抱っこして人形屋さんを訪ねました。そこでお店のご主人が言った言葉は・・・。

『そうですか、女の子が生まれたらお雛様を買ってあげるのが夢だったんですね。そう思っていただけるのは私たちもとっても嬉しいですヨ。
でもね、今買ってあげたとして、赤ちゃんには買ってもらった喜びがありませんよねぇ。三歳くらいになってから、女の子も一緒に選んだら一生の記念日になりませんか』。

投稿者である若いお母さんは店主のその言葉に深く納得し、楽しみをもう少しとっておくことにしたそうです。
お母さんも触れていましたが、『ひとつでも売れれば売上になるところを…』。フツーの商いは、三年後の売上より今日の売上を優先するはずです。でもこちらの店主はそれを選ばなかった。

でも確かに「商い」はしましたよね、モノは売らずに心を売る「商い」です。こうした商売の心というものを、いつもどこかに持っていたいものです。

コメント
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