ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路 (58回)

2009年10月11日 | 思い出話
           平成15年3月11日(火曜日)
     第52番札所 太山寺  第53番札所 円明寺



  距離:23K  道後 ~ 第52番太山寺 ~ 第53番円明寺 ~ 旅館太田屋


平成15年3月10日1:23  かわしまさん  (送)

メール有難うございます。こちらも寒いです。こちらはジャンパーが脱げません。今、道後温泉
に居ます。次の宿までの都合で、2時ごろに着き町に出ました。(遍路宿は都合よく何処にでも
あるわけではありません。自分の足と相談しながら宿泊地から宿泊地まで歩くのです。)坊ちゃ
ん電車、道後温泉を見るだけ、帰りに丁度カラクリ時計が鳴り出しラキー!昼には絶品の「ぶっ
かけうどん」に出会い、夜はビジネスホテルなので、ローソンのおにぎりとチンしたおかず、この
落差!旅の面白さでしょうか?

8:59  ふじいさん  (送)
こんにちわ。太山寺着。コンビニでローション買ったの。ところが油性用だったの。私乾性仕方が
無いから使っていますが、お肌吃驚しているかな?ラーメン頼んだのにソーメンが出てきたような
ものかな~?櫛も忘れ、少ない髪用では地肌に届かず、家で待っている櫛が思いやられます。

8:50  うえきさん  (送)
昨日は道後ビジネスホテル。貴方がお勧めの道後地ビール栓抜きがなくて諦めました。代わりに
「ず~とすきでいてください」と言う長~い名前の地酒を買いました。お味は?

8:59  かずよ  (送)
天気はグー。此処は寒いというより冷たいという感じです。お父さんが風邪引いたようです。

10:15  和代  (送)
今、風邪薬を貰う為に病院に居ます。今朝であった女の子、カバンを持っていないので聞きます
と、今日は入試ですって。しょうまも来年だな~!と思い出しました。嫌に入学祈願のオフだが目
に付きます。

9:06  ふじいさん  (受)
なんだか何時もと違うXXさん(私)を発見したようで…こちらは少し寒いけどお天気は晴れ。色々
期待しています!?

9:11  かずよ  (受)
お早うございます。今日はこちらも凄くいいお天気です。久々に洗濯物がカラッと乾きそうです。

11:42  ふじいさん  (送)
少し早いけれどお昼にします。時速4Kで来たらしく、52番53番打ったので、後は次まで1泊
ですので、のんびりです。

17:55  ひろあき  (送)
変わりありませんか?愛媛県北条市は「花遍路」の早坂曉さんの生まれた町です。咳は止まり
ましたか?お父さんは今日病院で咳止めを貰いました。

18:29  うえきさん  (受)
地ビールは坊ちゃん湯の横のお店で飲んだので、瓶ではなかったですね。中々面白いお酒の
名前ですね。道後ビジネスホテル懐かしいです。竹筒は結構風流だと思いませんか?今日は
鯛メシだったりして。

19:16  こばやしさん  (送)
今夜は太田旅館。朝なし6千円。鯛メシ美味しい。朝5時15分に出て、延命寺13時着。1時間
近い休憩あり。14時30分南光坊、泰山寺に泊まるつもりが満員。笑福旅館に居ます。朝なし5
千円。設備は値なり。明日は「栄や」まで頑張ります。明後日楽だから。(なんだかこのメール日
時が逢わないんです、きっと書いて直ぐ出さないで翌日出したようです。)

20:54  うえきさん  (送)
ご名答!鯛メシでした。太田旅館に泊まっています。明日から3日間が正念場のようです。心細
いけど、皆さんが出来た事が出来ない事はないと頑張ります。

22:17  ふじいさん  (受)
メールが隠れていました。遅くなってごめんなさい。寒い一日でしたね。お肌とおみ足お大事にね。
おやすみなさい。


松山に入ってから、私は時々「たけだたかおさん」の事を思い出していました。
会社の同僚だった人。主人と1年違いで、主人は旧制大学、彼は新制大学出
と言う事で初任給から違うから損だとぼやいていた人。(新制と旧制では給料
体系が違っていた)。お母さんの写真を何時も定期入れに入れて持ち歩いてい
た人。松山中学から海軍兵学校、名古屋大学に進んだ人。ぼんぼん育ちの人。
松山中学では早坂暁さんとグループだった人(早坂さんの題名は忘れましたが、
松山中学時代の事を書いた本を、自分達のグループの話だと本を貸してくれま
した)東京で早坂さんの舞台が掛かると招待を受けてご夫婦で見に行くと喜ん
でおられた人。亡くなって早3年がたちました。主人は東京出張の折など、お
宅に泊めていただいていましたが、私は退職した時以来お目にかかっていませ
んので、私が思い出す「たけだたかおさん」は若いときのままなんです。


            朝6時前の道後温泉西側から写しました



午前6時開館を前に忙しく立ち働く人の影が障子にシルエットを作っていまし
た。やぐらの中には大太鼓が見えました。開店の時刻に打ちならされるそう
です。6時耳を澄ませておりましたが、距離が離れた為か、残念ながら触れ
太鼓の音を聞く事はで来ませんでした。

道後の町を少し離れて暫くした時、急にお腹が痛くなりトイレの要求が強くな
りました。しかし夜明けを迎えて白みをました街並みにトイレはなさそうです。
大きな郵便局を見つけました。トイレを借りようと近づきましたが、施錠され
ていて開かず、テレビだけが明々と今日の天気を予報していました。

仕方無しに歩いている私の目に「TOILET]の文字… 天の助け… 「あれ
トイレと読めるけど?ちゃう?」「そうやわ…」その場所はガソリンスタンドの
ように外に向かってドアがあった。道路からかなり奥まっている。その前の
空き地にはロープが張ってありました。「鍵かかっているやろな~?」「行っ
て見たら}と主人。私はすがるような思いで駆け出しました。

何と、何と、ドアは開きました。アノ嬉しさは忘れられません。「お前、ようあ
の字が読たな~」ほんと、ほんと、心眼と言うものがあるならば、それである。
まだ開けきらぬ薄明かりの中、私の目に飛び込んだ「あの字」。忘れられな
い道後の思い出です。




暫く歩くと、学生が学校に吸い込まれていきますが、カバンを持っていません。
終業式にしては少し早いな~と思いつつ「今日は終業式?」と聞いてみました。
「いいえ入試です」「そう頑張って!!」「有難うございます」私の話した女の子
二人はニッコリ笑ってくれました。この子達はきっと希望校に入れるでしょう。
お遍路さんに出会う事は良い事だそうですが、この子達も「縁起がいいな~」
と思ってくれたでしょうか。

都会の大方の子は塾に行っています。でもこの辺りには塾もなさそうですし、
1人で勉強しているのでしょうか?ラジオ講座だろうか?と考えてしまいまし
た。そうだとすれば都会の子より、人に頼らない勉強の仕方を知っていて、
実力があるのではないだろうか。色々『勉強』と言う事について考えてしま
いました。


                         太山寺


                  重要文化財の八脚門


太山寺を出て間もなく、医院の看板を見つけた主人が、夜になると咳き込む
というので薬を貰うと言い出しました。「せべ循環器科・内科」其処では「張る
咳止め」と言うのを頂きました。小1時間そこで費やしました。とても奇麗な、
近代的な病院でした。前は「蕁麻疹」今度は「風邪」と四国の病院に二度お世
話になりました。二度ある事は三度ある。もう一度あるのかな?

第53番札所 円明寺 は道路に面していて、町なかのお寺と言う感じでした。
門だけあって塀が無い、何処からでもどうぞって感じです。

お参りを済ませて出てくると、軽トラックにみかんをいっぱい積んだおじさんが
「みかん」を接待してくださいました。お遍路さんに接待する為に待っておられ
るようでした。ありがたい事です。

少し歩いてサテンで昼食を取りました。「今日の日替わり定食はコロッケ」を注
文しました。長~く待たされました。そのはずです、お客さんの注文を受けてか
らコロッケを作っておられるようでした。都会のように冷凍物を揚げるのとは違
う味、小さな小さな土筆がちょこんとのっておりました。季節感も忘れないで居
てくださるお店…、嬉しい昼食でした。


                第53番札所 円明寺




国道沿いにずんずん進み「花遍路」の舞台になった町、北条市の旅館「太田
旅館」に着きました。表の看板にも「鯛めし」がうたってありました。益々期待
が高まります。お料理は美味しかったのですが、「鯛めし」は沢山焚いたもの
を、小さな釜に入れて出すという感じでしたが、遍路仲間のうえきさんの「鯛
めし美味しい」の言葉に釣られて正解でした。
コメント
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