世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

肩ごしの恋人

2007年07月05日 23時25分30秒 | Weblog
民放のドラマを観なくなってからどのぐらい経つのだろう。
最後に観たのは「anego」だった気がする。
今日からドラマ「肩ごしの恋人」が始まった。原作は唯川恵の直木賞受賞作である。
萌役に米倉涼子、るり子役に高岡早紀といった、何とも海老蔵絡みのスキャンダラスなキャスティングも去ることながら、前々から凄く楽しみにしていた。

2001年、本社に来た私は、他部署のある先輩(女性、8つ上)と仲良くさせていただいていた。一方的な私の片想いという形で二人の関係は始まった。…といっても、恋愛ではない(一応、私と彼女はノンケ)。

なんて言うのだろうか。…上手く言い表せられない。強いて言うならば、お姉さんみたいな存在といったところだろうか。

初めて会った時から、薔薇のようなゴージャスな彼女の存在感に圧倒させられていた。

飲み会では静かに煙を吐く。あんまり笑わない。
仕事では吠えまくる。…そんな彼女に怒られて、涙したことがあったっけ。

彼女はよく本を貸してくれた。
色々な作品を借りた。
読了する度に彼女には感想文を提出していた。

「肩ごしの恋人」の感想文を提出してから暫くしたある朝のこと、ニュースで本作品の直木賞受賞を知った。

さっそく、彼女にメールで報告。
「そうそう!驚いた~」
と、彼女にしては珍しく、少し興奮気味の返信があった。

先日、書類を渡されたときに、あの受賞の朝のことを話した。
「あれから6年経つのよねー。早いね」
彼女は気だるそうに言った。

かつてのように、一緒に温泉や映画に行くようなことはなくなった。
しかし、彼女はいつも静かに私を気にかけてくれている。

強い、怖いと全店中に噂されている彼女だが、本当は凄く繊細でよく泣くことを、私は知っている。

自身を守る為に棘を纏う、やはり薔薇のような彼女に、…明日、ドラマの感想をメールで届けよう。


…って、ドラマの感想をブログに書こうと思っていたのに。
前振りだけで終ってしまった。


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