世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

髪と職人

2005年03月13日 22時44分25秒 | Weblog
勤務中の定番ヘアスタイルは、背中まで伸びた髪を下ろしているか、横および頭頂部の髪だけバレッタで留めるいわゆる「お嬢様頭」である。
株主総会などの特別な日や、寝坊してブローする時間がない日はアップにすることもある。
また、なんとなく巻髪にすることもあるが、私の場合、前夜に巻いて寝るのでカーラーが首に当たって寝心地が悪く、本当に気が向いた時にしか巻かない。
小さい頃から臀部を越える長さのロングだったので、ストレートのロングが好き。
ボブにしたこともあったが似合わず、切ったその日に伸ばすことを決意した。

最近、頭頂部の髪が「もりもりッ」とボリュームアップしてきて取り扱いに不便なため、今日は池袋の美容院へ。
多毛、くせ毛、剛毛の三重苦の私の髪。
しかも痛みやすいので、1,2ヶ月に一度、鋏を入れないと落ち着かない。年に2度、縮毛矯正をかけているが、特殊な縮毛矯正のため、施している美容院が少ない。今通っている美容院を選んだ理由もこの縮毛矯正を採用していて、家から近いことが一因だった。

担当は店長の関根さんという30代半ばの殿方。
私が上京してから、ずっとお世話になっているから、かれこれ5年も私の難毛に付き合ってくれている。

今日は毛量&毛先調整とトリートメントをお願いした。
まずはシャンプー。
洗ってくれるのが年下の女子だったりすると損した気持ちになるのは私だけだろうか。コンビ二食しか食べてなさそうな顔色、今にも折れそうな細い腕で私の重い頭を洗わせるのは非常に心苦しい。彼女の負担を考慮して、頭に重量がかからないように腹筋を駆使してしまう。今日、シャンプーしてくれたのは、勇ましい男子だったので安心して巨頭を彼の腕に預けた。力加減も強くて気持ち良く、思わず涎が…。
席に連れていかれ、トリートメントを塗られ、暫し放置される。雑誌を渡されるが、ここで「オレンジページ」などの料理本だったりすると萎える。今日はファッション誌。仕事柄、宝石のページをよく見る。
トリートメントを流して、いよいよ散髪。
切っている間、関根さんはよく喋る。私の髪のクセも私の好みも熟知しているので、安心して任せしている。簿記に詳しい彼に決算書や勘定科目のことを訊いたり、ブローの仕方を教わったり、馬鹿話したり…いつも話題は尽きない。
話の最中、「ぎゃはははは~!」と笑いながらも、鋏をチャキチャキ動かし、鏡の向こうに映る彼の目がいつも真剣なのを私は知っている。
10代でこの世界に身を投じ、20年。
彼もきっと人には言えない苦労があっただろう。
職人みたいな鋏さばきを見ながら、そう思う。
仕上がりはいつも満足。5年間同じ髪型をしている所以がここにある。
ファッション誌で見る「ふわふわセミロング」等に憧れたことがないと言ったら嘘になる。
もし、私がその希望を出しても、彼はきっと職人技で私に似合うようにしてくれる筈だ。でも、やっぱり私は関根さん作のこの髪型が一番好き。
美容師を変えるのは恋人を変えるのより難しいっていうけど、
関根さんが一発発起して、もし海外に行ったらどうしよう…と真剣に悩む今日この頃である。


そして、「この件に関しては彼女しか知らない」と言われるような職人肌の会社員になるべく、自分の仕事への取り組み方を振り返ろう…と、切りたての毛先を風に靡かせながら帰宅した。

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