晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

畠中恵 『しゃばけ』

2011-03-23 | 日本人作家 は
地震発生からブログ投稿再開までに読んだ本の連続投稿、
これでファイナルの4冊目。

舞台設定は江戸時代、主人公は廻船問屋”長崎屋”の、今
でいうところのお坊ちゃま(悪くいうとボンボン)一太郎。
と、その周りにいるのは、妖怪。

といってもホラー要素はゼロで、どちらかというと登場人物
はコミカルに描かれています。

そんな一太郎は、幼少の頃から体が弱く、身を案じて今は亡き
祖父が、この若だんなのために、手代(世話係?のようなもの)
として佐助と仁吉という2人をそばに置くことになるのですが、
なんと、この2人は、普段は人の姿に化けた妖怪だったのです。

じつは一太郎の周辺にはふたりの手代だけではなく、さまざま
な妖怪が、この長崎屋に住み着いており、そしてさらに、外に
住む妖怪とも一太郎は接触できます。

ある日の夜、一太郎は佐助の仁吉の目を盗み、どこかへと出かけ
ます。人通りの少なくなった辺りで、夜盗に追われてしまいます。
命からがら逃げ遂せた一太郎ですが、その近くで大工が首を斬ら
れて殺されていたのです。

あの夜盗に顔を見られたかもしれないと怯える若だんな。しかし、
病弱の一太郎がなぜひとりで夜中に外に出ていたのか、手代が聞い
ても理由は明かしません。

ただちに妖怪たちが集められて、犯人探しをはじめます。一方、
長崎屋によく出入りする岡っ引きの親分も、この事件を追っていて、
調べによると、殺された大工の道具が盗まれていて、道具のそれぞれ
がばらばらの店に売られていたのです。

なぜ犯人はそんなまどろっこしいことをしているのか。

そんな中、薬種も扱う長崎屋の店に身なりの貧しそうな男がやって
きて、「ある薬」を所望します。
しかしその「ある薬」とは、匙一杯でこの男のひと月分の稼ぎでも
追いつかないほどの高価な品で、あいにくお売りできないと言う
一太郎や手代に、どうしても欲しいと食い下がる客。

そんなにいうならということで「ある薬」を見せようと倉に入った
そのとき、一太郎と手代は客に襲われて・・・

そして、長崎屋の若だんなが襲われたことをきっかけに、次々と事件が
起こるのです。
犯人はひとりなのか複数なのか、その目的は、なぜ襲われるのか・・・

これがデビュー作だそうで、シリーズ化してもいいくらい、各キャラ
クターがしっかり確立してますね。


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