著者のデビュー作「池袋ウエストゲートパーク」では、池袋の
カラーギャングの抗争といった、大都会東京のダークサイドを
描き、少年たちは少年たちなりに精いっぱい生きている様子
が面白いのですが、本作「4TEEN」も同じ東京、とはいえど、
こちらは月島が舞台、14歳の中学生4人組がああでもない
こうでもないと考えて行動する話で、この時期をすでに送った
大人にとってはガラクタのような時間やモノでも、今まさにこ
の年代を過ごす子どもたちにとっては、大切な宝物であり、
きっと十年二十年先でも語るであろう思い出に「なりうる」と
信じている、そんなビタースイートな共通点があります。
優等生のジュン、デブで大食いなダイ、若年性老化症という
病気のナオト、そして「ぼく」の同じ中学に通う4人組が、さま
ざまなことに悩み、苦しみ、笑い、喜び、地元月島を自転車
で走りまわります。
月島という土地(島)は、対岸に築地、銀座といった抜群の
ロケーションで、それこそリバーサイドでアーバンライフを勤
しむための高級マンションが乱立していますが、それでも、
佃界隈は今でも100年前から変わってないような下町情緒
を残し、もんじゃ焼きのお店が軒を連ねている、新旧入り交
ざった「トーキョー」がまさに顕著です。
4人組は中学生なので交通手段はもっぱら自転車なのです
が、ポケットには携帯電話と、なんだかアンバランス。
もっとも、大人びてみたりそれでもやっぱり子供だったりする
この年代は人間としてアンバランスな年代。
「ガキンチョ」がメインの物語は、大抵が読む対象は大人で、
甘酸っぱい青春群像をある程度期待するものですが、この
作品はいい意味で甘酸っぱくはありません。
著者はアンバランスをいかにバランス良く描ききるか、これ
に長けているなあ、と感じました。
カラーギャングの抗争といった、大都会東京のダークサイドを
描き、少年たちは少年たちなりに精いっぱい生きている様子
が面白いのですが、本作「4TEEN」も同じ東京、とはいえど、
こちらは月島が舞台、14歳の中学生4人組がああでもない
こうでもないと考えて行動する話で、この時期をすでに送った
大人にとってはガラクタのような時間やモノでも、今まさにこ
の年代を過ごす子どもたちにとっては、大切な宝物であり、
きっと十年二十年先でも語るであろう思い出に「なりうる」と
信じている、そんなビタースイートな共通点があります。
優等生のジュン、デブで大食いなダイ、若年性老化症という
病気のナオト、そして「ぼく」の同じ中学に通う4人組が、さま
ざまなことに悩み、苦しみ、笑い、喜び、地元月島を自転車
で走りまわります。
月島という土地(島)は、対岸に築地、銀座といった抜群の
ロケーションで、それこそリバーサイドでアーバンライフを勤
しむための高級マンションが乱立していますが、それでも、
佃界隈は今でも100年前から変わってないような下町情緒
を残し、もんじゃ焼きのお店が軒を連ねている、新旧入り交
ざった「トーキョー」がまさに顕著です。
4人組は中学生なので交通手段はもっぱら自転車なのです
が、ポケットには携帯電話と、なんだかアンバランス。
もっとも、大人びてみたりそれでもやっぱり子供だったりする
この年代は人間としてアンバランスな年代。
「ガキンチョ」がメインの物語は、大抵が読む対象は大人で、
甘酸っぱい青春群像をある程度期待するものですが、この
作品はいい意味で甘酸っぱくはありません。
著者はアンバランスをいかにバランス良く描ききるか、これ
に長けているなあ、と感じました。