rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ウクライナの万歳突撃称賛は犯罪

2023-06-10 11:22:09 | 政治

広島G7で停戦宣言をしなかったウクライナはいよいよ破滅に向かって「捨てばち」(desperateと欧米評論家は形容している)と言える攻撃を開始しています。西側メディアが「春季反転攻勢」などという戦略的にもっともらしい名前を付けてウクライナに実行を迫っていますが、「停戦を促さず攻撃を称賛する事」は、ウクライナの未来ある若者を無駄死にさせ、戦略も勝算もないまま万歳突撃を強制する「犯罪」に加担していると断言できます。日本の堕落メディアを見ていても一向に真実が見えないので、海外の客観的軍事解説から、この一週間の悲惨なウクライナ軍の現状をまとめておきます。

 

I.  数日間の春季攻勢開始で3700人の犠牲

ウクライナの兵力展開図 東部には多くの部隊がいるが、消耗激しく実効戦力に乏しい

2023年6月4日から6日にかけて、ウクライナ軍は6日に破壊されたノヴァ・カホフカダムの場所より東側のザポリジャ方面を中心に、数か所の本格的攻撃を仕掛けました。それは、4月に機密暴露された「西側各国で整備訓練された10個旅団」を用いた所謂「春季反転攻勢」に相当する内容で、ゼレンスキー大統領も攻勢開始であると認めていました。

春期攻勢の図  虎の子の10個旅団を用いた無謀な攻撃でわずか3日間で多くの死傷者を出した

ウクライナ軍はオレホフスキー線からメリトポリへの突破口を作るために、10個旅団のうち3個旅団を用いて複数個所から攻撃を仕掛けました。その大きな戦略自体は、将来的にクリミアへの補給路を断ち、ロシア軍を分断孤立させる狙いであるので正しいものではありますが、昨年夏ヘルソンからロシア軍が退却して以来、この戦線は動いておらず、半年以上かけてロシア軍はこの地域に誰にも邪魔されずに2重3重に防御陣地を構築してきました。一方ウクライナ軍は3ヶ月足らずの訓練を素人同然の若者に欧米各国バラバラに施して、合同演習もせずにいきなり実戦に投入しているのであり、通常第一線攻撃部隊の裏にはそれを支える後方部隊(logistics)が前線の3倍は必要であるのに、それらの準備もなく(初めの図参照)前線にただ投入されています。これを自殺同然の万歳突撃と言わず何と表現できるでしょう。米国の軍経験者で自由に物が言える人達は異口同音にウクライナ軍の無謀を「兵士達の人命軽視」と批難していますが、表のメディアや日本でも表面的に人権を口にする連中が一切口を閉じている欺瞞は永久に記録に残さねばなりません。

ウクライナ軍はまずはいくつかの攻撃地点に3万人を投入してロシア軍の弱そうな陣地を見極め、突破できそうな重点に後方で待機する残り7個旅団を集中して投入し、メリトポリへの進入路を確保するという作戦です。

6月4日から6日にかけて、この3個旅団が攻撃を開始したのですが、全ての戦線で完全にロシア軍に撃退され、多大な損害を出した。というのが結果でした。ロシア国防大臣のショイグ氏は、この3日で71名のロシア軍死亡、210名が負傷という数字を公表しましたが、ウクライナ側の損失は、3,715人の兵士、52台の戦車、207台の装甲車両、134台の車両、5機の航空機、2機のヘリコプター、48台の砲兵システム、53機のドローンであると発表しました。敵方の損失を多めに見積もる事はあり得るのですが、攻撃失敗であれば人員の10%程度の損失は妥当な所であり、バクムートで一日200-500名のウクライナ兵が損傷(戦死または負傷)していた事実、各所に上がって検証されているビデオ映像などからも真実の様です。つまりウクライナ軍は多大な損害を出しただけでメリトポリへの突破口は開けなかった(数百人が無駄死して、数百メートル前進した後、完全に押し戻された)のが結論です。ドイツ製のレオパルド戦車は確認できませんでしたが、暴露された機密書類に記載されていたフランス製の旧式AMX10等の戦闘車両は多数破壊された事が明らかになっています。

多くの犠牲が出た事を報ずる6月8日のCNN記事

 

II.  ダムを決壊させたのもウクライナ軍の攻撃

 

ドニエプル河のカホフカダムが破壊されて、下流の広い地域が水害にあっており、日本も500億円分の救援物資を緊急で送ると報道されました。ウクライナはあくまでロシア軍がダムを破壊したと主張していますが、客観情勢から判断する人達は結果的にウクライナ軍(ウクライナ国民には不利益だが、基本的にロシア語圏のウクライナ国民は犠牲にするのがキエフ政権の基本姿勢)に利益がある事から、決壊させたのはウクライナ側であると判断しています。

昨年夏の段階でウクライナ軍はダムの破壊を計画していました。また今回も破壊前から、上流のウクライナ側が管理するダムの水を放出させ、カホフカダムの水位を記録的に上昇させていました。ダムが決壊した後も下流の村落が水没する中、ウクライナは上流のダムの水門を閉じていません(つまり水害が大きくなる作為がある)。カホフカダムを管理しているのはロシア軍であり、水害を起こしたければ破壊せずに水門を開ければ良い。しかもダムからはロシアが管理するクリミア半島への水の供給が行われており、それを犠牲にする必然性がロシアにはありません。破壊したのはウクライナ側以外ないのです。

ウクライナ側がダムを破壊する準備があると報ずる昨年8月のワシントンポスト記事と実際に砲撃があったとする昨年8月BBCの記事

 

米軍が破壊したノルドストリームパイプラインも、当初ロシアが破壊したというヨタを平気で西側は報道していましたが、シーモア・ハーシュ氏に米軍が破壊したと暴露され、ウクライナ側がヨットで破壊したという無理筋な作り話を後付けで出しました。

 

III.  NATO加盟国の一首脳であるヴィクトル・オルバンの言葉

 

G7の項でも述べた様に、戦争開始以降ウクライナに勝算がなく、無辜の若者達が無駄死するばかりである現状から、責任ある政治家が取るべき行動は「停戦」と「平和交渉」以外ありません。しかし哀れな事にこの小学生でも解る「当たり前の事を堂々と主張する政治家」が数えるほどしかいません。NATO加盟国ハンガリーの首相であるヴィクトル・オルバン氏はその一人で、BBCの番組でロシア寄りの発言を引き出して批判しようとするインタビュアーに対して、堂々と「事実に基づいて判断すれば、ウクライナに勝ち目は一切なく、NATOは参戦もしない。国際政治が行うべき事は命を救う事だ。まず停戦して平和交渉をすることだ。」と明言しました。CNNの番組に出演したトランプ元大統領も、「殺し合いは直ちに止めるべきだ。私が大統領なら24時間以内に停戦させる。」と発言して聴衆から大喝采を浴びています。日本でも鳩山元総理や鈴木宗男氏が停戦を公の場で明言していますが、彼らを「ロシア寄りの怪しからん政治家」と印象づけようとするインタビュアーらの知性の軽薄さと品性の薄汚さが目立ち、私はこれらの犯罪者達に嫌悪感以外感じません。

政治家のやるべき事は戦争で失われる命を救う事だ      唯一の解決策は「停戦」であるとインタビュアーの誘導尋問に乗らずに堂々と答えるオルバン氏

 

全てのヒトに「戦争で死んで行く事」は止めねばならない。 私が大統領なら24時間以内に停戦させる、と明言するトランプ氏

 

グローバリストに嫌われて、表舞台から降ろされる結果になっても、堂々と当たり前の自説を述べる政治家やジャーナリストが増えれば、社会は変わる(実際西側社会以外の世界は既に変わって来ている)と期待するのは私だけでしょうか。

まず戦争を止めさせよ、と説く鈴木宗男氏 全ての政治家は見習うべきだ。


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9 コメント

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ウクライナに必要ないフンセン! (ローレライ)
2023-06-12 12:48:20
ベトナムに無謀戦争を仕掛けたポルポトに反抗した旧クメールルージュの将軍からベトナム和解派の政府を立ち上げたのがカンボジアのフンセン首相である。
カンボジアバトナム戦争もアメリカが仕掛けたもの!
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日本版怪僧ラスプーチンこと佐藤優 (宗純)
2023-06-12 13:40:35
毎日新聞書評
今週の本棚6月10日

佐藤優・評 『池上彰の「世界そこからですか!?」 ニュースがわかる戦争・国家の核心解説43』=池上彰・著

奇妙な日本国外務省次官が田中真紀子外務大臣のスカートを踏んだ摩訶不思議なスキャンダル(★注、実は日本がうっかりアメリカの虎の尻尾を踏んだ)に関連して失脚した鈴木宗男と組んで二島返還交渉で暗躍した佐藤優の「池上彰」著書の解説によると、
アメリカはロシア軍に抵抗できる程度武器援助をするが「ロシアを敗北させてしまってはいけない」と言っているようなものあり・・・
ロシアが勝たないように、ウクライナも勝たないように。
(目的がマスコミ有識者の解説とは別なので)これではいつまでたっても戦争は終わりません。
佐藤優によれば、戦争を長引かせ、関係する諸国の力を失わせるのがアメリカの狙いであり、
まさに、「管理された戦争」で、「この戦争は何時までも終わらない」まさに怪僧ラスプーチンと同じで他とは大きく違い3手先の裏を読んでいる。
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TBSヘタレの関口宏サンデーモーニング (宗純)
2023-06-12 14:16:54
「管理されている」と言えば政府自民党から「偏向報道だ」とニュースステーションに続き名指しされたサンデーモーニングでは、圧力に屈服したのか現在は誰よりも政府や権力に忠実です

日曜日の朝は報道番組が少ないのでTBS系列のサンデーモーニングは時間があれば必ず見るのですが、
もう、みんな忘れていると思うがトヨタの新車を連ねてイラク西部に侵攻して「イスラム国」建国宣言を行ったISIS騒動勃発の2014年6月。毎日新聞やテレビ各局、田中 宇の国際ニュース解説「旧バース党とISISが連動してイラクに侵攻」『隠然と現れた新ペルシャ帝国』との英紙ガーディアンをネタの奇妙なお馬鹿ニュースを流していたのですから情けない。中学生でも間違わないガセネタ。
関口宏のサンデーモーニングだけがいち早く今と同じ程度の「正しいニュース」を放送していた。
この時、他は全部が真っ赤な嘘「ISIS快進撃はイラクのフセイン大統領のバース党が支援したから」との出来の悪いアメリカ製の爆笑プロパガンダで胡麻化していたのですよ。当たり前ですが知的エリートなので真実を知っているが、「玉音放送」前なので大本営発表を行っているだけ。サンデーモーニングだけの独自スクープはゼロだが、他のメディアより少しだけ早く報じる傾向がある。

ヘタレの関口宏は6月10日ロシアがダムを爆破したのは確実だと言い、若い女性キャスターの解説文を2回も読み直させる不手際を演じるが、サンデーモーニングがテレビに持ち出した当該ドニエプル川支配地域の地図が傑作で、ロシア軍が撤退してへルソン市など西岸だけではなく、爆破ダムの東岸にもウクライナ軍が進駐している(支配している)ウクライナ軍反転攻勢大成功後の望ましい将来の予測図を提示していたのですよ。
自分が叩かれるのが死ぬほど怖りヘタレの知的絵リードなので、ウクライナが爆破したとは言えない。仕方がないので、わざと奇妙な将来図をコッソリ提示して誤魔化したらしい。
参加者全員が「ロシアが悪い」に徹するサンデーモーニングでは寺島実郎一人だけ「即時停戦」を言い、誰にも分からないようにジャーナリスト枠の松原耕二がザポロジエ原発を砲撃するウクライナのネオナチ親衛隊テロリスト集団の蛮行を密かに批判するとの構図。
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寺島実郎はいつ本当の事を言うか (rakitarou)
2023-06-12 15:09:25
著作などテレビ以外では、ネオコンや巨大資本がグローバリズム体制を維持するためにコロナやウクライナ戦争を仕掛けていると解説している寺島氏なので、楽屋では全て解説済みなのだろうと思います。まあテレビでは永久に本当の事は言わないでしょうが、誰も気が付かない程度にぽろっと真実を部分的に言うのが私も楽しみで見てはいるのですが。
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勝てばジノサイド再開のウクライナ (ローレライ)
2023-06-13 10:11:49
勝てば、、ロシア系市民ジノサイド再開の悍ましい体質のウクライナナチスの体質を隠蔽している西側諸国の悍ましい情報操作ノース上でのウクライナ応援では、ロシア系の民衆の西側諸国への反抗を広げる!
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水没した住民を救っていたロシア兵 (rakitarou)
2023-06-13 13:39:32
西側メディアで水没した住居の住民をボートで救出している映像はよく見ると「ロシア軍」である事が解ります。そこまで図々しくやるのがウクライナ側西側メディアだという事。
元々訓練不足のウクライナ兵を平気で死地に送っているのは西側であり、マインクラッシャーを先頭に団子でレオパルドやブラッドレーを進めて、10km後方からロシア軍ヘリから発射されたミサイルで先頭車が破壊、その後団子の戦車も狙いうちされて大損害を繰り返しています。ロシア軍の暗視装置はNATOと同等に高性能という事を知らず、延々とロシア軍の後進性や武器不足を信じているNATO上層部が失敗を重ねている図。いい加減負けを認めて譲歩しないとウクライナ人自体がNATOが強要するジェノサイド万歳突撃で浄化されてしまいます。
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3日で崩れたウクライナのデマ (宗純)
2023-06-14 09:48:34
日本とイギリスメディアを除き、肝心のアメリカを含め3日で形勢逆転「ロシアがやった」がウクライナの戦争プロパガンダ(真っ赤な嘘)である事実が次々と明らかになっています。世界のリベラルメディアは都合が悪いのでダム破壊は誰も喋らなくなった。
それにしても今も「ロシアが悪い」の日本の低能マスコミ有識者の腐敗堕落は目に余る。

戦争で「ダム破壊」なぜ?どうやって? 敵味方とも影響大 WW2や朝鮮戦争の「ダムバスターズ」たち(6月10日)乗りものニュース 白石 光(戦史研究家)
ではイギリスやアメリカ軍によるダム破壊が詳しく紹介されているのですが、歴史的に戦時の軍隊の作戦は最大の洪水被害は1938年黄河決壊(堤防の爆破破壊)による大洪水で数十万人が死亡しています。(その後の飢饉発生では300万人が死亡)これは日中戦争勃発で中国国民党軍(蒋介石)が日本軍の進軍を遅らせようとした軍事作戦なのですが、無茶苦茶にも程がある。この結果は皆さんよくご存じの様に国共内戦での米軍が支援する圧倒的な装備と規模を持っていた国民党軍が負け、共産党軍が勝って1949年に建国宣言を行う。
アメリカですが今もロシア叩きを行っている風を装っているが、「台湾危機」にシフトしています。もちろん日本も軍事費に倍増でピッタリと台湾有事にシフトする金魚の糞状態なのですが、
テニス全仏オープンでは新コロmRNAワクチン拒否のセルビアのジョコビッチが優勝するわ、女子ダブルスでは中国と台湾のペアが優勝するわ(ジョコビッチは嫌々小さく報じたが、中国台湾ペアの優勝の方は通信社の記事だけで、大手マスコミは全員アメリカを怖がって沈黙しています。
今朝の毎日新聞科学担当論説委員「水説」ダム破壊という人災=元村有希子
ではダラダラと駄文を連ねて最後に一言だけ「そして何より、戦い続ける愚かさに為政者が気が付くこと、まともな正常な大人なら誰でも知っている常識「即時停戦」を誰にも分からない曖昧表現で書いている。まさにヘタレ
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戦略的撤退で罠に誘うロシア (rakitarou)
2023-06-15 04:30:43
ウクライナ6個村奪還などと日本のメディアが騒いでいましたが、高台に撤退して平地に進撃したウクライナ軍を殲滅する作戦に過ぎない物を何故寿ぐのか。
戦争音痴なのは解るが、余りにも幼稚過ぎる。

自衛官の銃乱射、昔から危なそうな奴の実銃訓練はピリピリしていつでも飛びかかって止められる状態でやったものだが、候補生で一見マトモそうに見える狂ったオタクが入隊して来たと言うことか。メディアの戦争煽りの弊害がこの様なところにも出てきた。
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ウクライナの反転攻勢 (宗純)
2023-06-19 15:59:05
イギリス国防省がロシア軍のヘリからの攻撃で反転攻勢のウクライナ軍に大損害と言い出したが、そんなことは去年2月の時点で分かっている。
近代戦では制空権を奪われた時点で勝敗は決しているが、
今回はロシアのプーチン大統領が、ウクライナの首都キエフ訪問後にモスクワを訪れた南アフリカ大統領などのアフリカ5カ国和平提案について、去年3月末のトルコのエルドアン大統領が仲介したイスタンブールでの直接交渉で合意した和平文章を1年以上時間が経過した、今ごろになってやっと公開した。
ウクライナ和平合意で、キエフ近郊からのロシア軍撤退の結果、ブチャ大虐殺の顛末も説明しています。去年二月の時点のベラルーシでのウクライナ和平の直接交渉成立は代表団の国会議員を惨殺してぶっ壊し、続く3月のトルコでのウクライナ和平合意はブチャ大虐殺でアメリカやイギリスNATOがぶっ壊した。
ところが、3度目の正直で、今回のプーチン大統領のちゃぶ台返し的な暴露話でダラダラ意味なく続いた腹立たしいウクライナ紛争も、とうとうウクライナのネオナチを支援したアメリカNATOの敗北で終わったようです。最大限、思いっきり引き延ばしたが、とうとう「時間切れ」で終わったようです

そもそも無理筋の八百長プロレス(出来レース)であり、不真面目が過ぎるでしょう。
だれよりロシア事情に詳しいDEEPLY JAPAN記事が現在ピッタリ止まっているのは、たぶん、インチキ戦争である事実にブログ管理者が、やっと気が付いた結果だと思われます。
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