新型コロナウイルス 政府 対策基本方針を決定
2020/02/25 13:02 webNHK ニュース&スポーツより
新型コロナウイルスの感染の拡大に備え、政府は患者数が大幅に増えた地域では、重症者向けの医療体制を確保するため、症状が軽い人には自宅療養を求めるなどとした対策の基本方針を決定しました。
政府は25日昼、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、感染の拡大に備えた対策の基本方針を決定しました。
基本方針では、現在の状況について「国内の複数地域で感染経路が明らかではない患者が散発的に発生し、一部地域には小規模な集団感染が把握されている状態だ」としています。
そのうえで、感染経路について「飛沫か接触感染で空気感染は起きていないと考えられる」とする一方、「閉鎖空間で近距離で多くの人と会話するなど、一定の環境下であれば、せきやくしゃみがなくても感染を拡大させるリスクがある」と指摘しています。
また、重症度は、致死率が極めて高い感染症ほどではないものの、季節性のインフルエンザと比べて高いリスクがあるとし、高齢者や基礎疾患がある人は重症化のリスクが高いと分析しています。
そして、感染拡大の防止策を講じ、患者が増加するペースを可能なかぎり抑えるとして、国民や企業に対して発熱などかぜの症状がみられる場合には、休暇を取得したり外出を自粛したりすることや、テレワークや時差出勤の推進を強力に呼びかけるとしています。
また、イベントの開催は現時点で、全国一律の自粛要請は行わないものの、感染の広がりなどを踏まえ、開催の必要性を改めて検討することなどを求めています。
さらに、臨時休校などについて、学校が適切に実施するよう都道府県から要請することにしています。
一方、今後、患者数が大幅に増えた地域では、重症化した患者向けの医療体制を確保するため、症状が軽い人は、自宅での安静・療養を原則とするほか、診療時間や動線を区分するなどの対策を講じたうえで、一般の医療機関でも患者を受け入れるとしています。
また、患者数が継続的に増えている地域については、患者の濃厚接触者に対する健康観察は縮小し、広く外出を自粛するよう協力を求めるとしています。
そして、こうした対応に切り替える際は、厚生労働省が考え方を示したうえで、地方自治体が判断して、地域の実情に応じた最適な対策を講じるとしています。
引用終わり
Day 0を武漢の肺炎発生におけば、昨年12月には日本でも新型コロナが流行
現在の世間やマスコミでは、武漢の新型コロナ肺炎が爆発的に流行して「封鎖」が起こった時点を「Day 0」として、それ以降の各国の対応とPCRによる感染確認を持って発生数であると表示しています。「公の広報」をする上では、現状他に感染確認の方法がないので仕方ないのですが、サイエンス(真実を検討する考え方)としては「Day 0」を武漢の肺炎発生に置いて考えるべきです。前回新型コロナで判っている事でまとめた様に、2019-nCoV(現在の正しい名称はSARS-CoV-2)は、1)感染力は強く2)潜伏期は14日前後と長く3)その間も感染力があり4)発症しても軽症者が多いが高齢者や合併症があると重い呼吸器感染症として重篤化する、という特徴があります。昨年11月、武漢での感染症の複数発生をDay 0として、強い感染力で無性状或は軽い症状の中国人が以降も月単位で無制限に世界中を飛び回っていた事を考えると、正確には判らないものの中国の他の地域と同程度にその後世界中で新型コロナが広がったと考えるのが妥当だと思います。
米国では今年の冬、季節性インフルエンザ、或はインフル様症状の強い呼吸器感染症に2,500万人が罹り、1万人以上が亡くなったと報じられていて、実は新型コロナが既に流行っていたのではないかとCDCが調査を始めたというニュースがありました。日本でも昨年暮あたりに高熱が1週間程続き、咳などの強い呼吸器症状を呈する「インフル陰性の風邪」が大流行して30-50代の会社員などが次々と病院やクリニックを受診しました。実は我が家でも私を除く妻と娘が罹り、1週間臥せっていました。幸い私は軽い喉痛程度で済みました。この高熱が出る風邪の流行は開業医や病院において外来、救急を担当していた医師なら日本中で経験しています。だから密かに「あの時の風邪がコロナだったかな」とは医療者は薄々皆気がついているのです。現在日本各地で、PCRで確認されている新型コロナウイルスはどうも武漢のものとは変位しているという報告があります。国立感染症研究所のマニュアルに従ってPCRで判定して増幅された遺伝子346か493塩基対(ORF領域とSpike領域)をシークエンス解析すると武漢のオリジナルと異なる物が検出されるというのです。それは米国や香港など他の国も同様変位が見られる(もうすでに流行してしまっている)というのです。
いつまで「新型コロナ狂想曲」に踊り続けるか
季節性インフルでも毎年3,000人以上の日本人が亡くなります。私が勤めている病院でも80代の高齢者が亡くなっています。それ以上に市中肺炎(肺炎球菌などの一般的な肺炎や誤嚥性肺炎)で週一人くらいのお年寄りが私の病院でも亡くなっているのを目にします。高齢者が肺炎で亡くなるのは普通の事で新型コロナに限った事ではありません。今「何人陽性者が出た」「また死亡者が増えた」といちいちニュースとして大騒ぎをしていますが、これは新型コロナ狂想曲に日本中(世界中?)が踊っている状態と言えるでしょう。新型コロナも季節性インフルも流行らないに超した事はないので現在の対応は大きな見方をすれば「正しい行動」です。しかし狂った様に踊り続けるのはほどほどにした方が良いと私は思います。
昨日のニュース(NW9)で感染症専門家が「軽い症状の方は医療機関を受診しないで、検査も受けないで。」と(察してと言わんばかりに)しきりに訴えていましたが、そりゃ既に流行してしまって2ヶ月遅れで今罹っている人に感染源不明のコロナが出ているだけですから、「重症化したら一般病院でも(他の肺炎と同様に)入院加療する方針とし、新薬のアビガンも増産を政府として指示しました。」という日本の政府の対応は極めて正しいと言えるでしょう。検査すればするほど陽性者が出る(回復者も陽性になると報告あり)のですから、日本がパンデミック認定されれば現在の世界情勢では渡航も制限されオリンピックも中止で、経済への影響も計り知れません。
中国の厳しい封鎖政策は反政府的行動を封じる権力闘争の一環だろう
現在中国各地は準戦時体制が取られて、外出禁止令が出され、街は封鎖されています。勿論感染拡大を防ぐという大義名分はありますが、本音はこれを機会にわき上がる習近平政権への不満や共産党独裁体制への反政府行動を抑え込む事だと考えるのが妥当です。実に効果的だと思います。ただ物流はもう再開しないと助かる国民まで栄養失調で倒れてしまう。次第に封鎖を解く方向にありますが潮時と思います。しかし中国をまねて韓国の大邱、イタリアなどの都市も封鎖を行う気運があるようですが、不要不急の外出制限は良いとして、物流までも止めてしまっては治る病気も治らない、下策と言えます。日本は絶対まねしてはいけません。
それでも「新型コロナは人為的に作られた」と思う
ゼロ・ヘッジの記事に指摘されるように、20世紀末に遺伝子操作の技術が飛躍的に進歩してから「新型の感染症」が急激に増加しています。兵器として作られたかどうかは別として、これら「新型感染症が人為的な操作由来」と考えるのは科学的です。医師兼末端科学者の私でもプラスミドに遺伝子を入れたり、PCRやそのプローベを自分で設計して作製する位は若い時分にやってました。つまり少し細胞生物学を学んで施設とノウハウがあれば誰でも遺伝子操作などできるのです。「ウイルスは人為的に作られたなんて陰謀論だ」などと言っている人は「遺伝子操作は難しい」と信じ込んでいる理系生物系の知識に無縁の人でしょう。私は、今回の感染症騒動における最も大きな教訓は新しい「未知の感染症に対して日本は国家として体系的な対応を取るCDC的な組織がない」事を再確認した事だと思います。新型コロナが季節性インフル+α程度だから良かったものの、エボラのような致死率の新しい感染症がまたやってくる可能性は大きいです。今回の失敗や教訓を活かし、これを機会に日本版CDCを設立し、宗純さんのブログでご指摘のように感染症公衆衛生の中枢になる、国立感染症研究所の予算を充実させてゆくべきだと思います。