rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

Heinkel He51-B1 ICM 1/72

2020-11-29 10:07:17 | プラモデル

第一次大戦後空軍の所持を禁じられたドイツがドイツ帝国として空軍を復活させた際に始めて正式の戦闘機として採用されたのがHeinkel 51でprototypeは1933年にGunter兄弟により設計され、派生型のB型が1936年から採用されます。同年から始まったスペイン内戦にフランコ反乱軍のナショナリスト派に計135機がコンドル軍団などとして派遣され、A.GallandやH.Trautloftらのエースが誕生しました。エンジンはBMW750馬力、最高速度は330km/h、航続距離は750km、武装は7.7mm2丁でした。初期においてはソ連から派遣された旧式の戦闘機には優位だったものの性能が向上したポリカルポフIー16などには適わず、ドイツは新型のメッサーシュミット1Bf109を急遽採用して対応しました。結局ドイツ軍の戦闘機としてはHeinkel He51は大戦で活躍することなく役目を終えます。

新生ドイツ空軍の初正式戦闘機として認定されたHe 51               スマートにはなったが複葉機で羽布貼りの胴体

モデルはウクライナのICM製で古い金型ではないのですが組み立ては日本製のプラモの様には楽ではなく、例に依って複葉機の羽の取り付けには苦労します。リグはミシン糸と0.2mm真鍮線、引き延ばしたライナーで張ってみましたがどれも一長一短、ネットなどで美しくピンと張ったリグで作っておられるモデラーの作品を拝見するときっと苦労して作ったのだろうと感心します。塗装は下面がライトブルー、上面ペールグリーンとフィールドグリーン(ダークグリーンで代用)、ミリタリーブラウン(レッドブラウンで代用)の3色迷彩にし、1938年GF Peres少佐の乗機とされるものにしました。昔作ったHeinkelの次世代戦闘機Heinkel He112 (Heller 1/72) と並べてみました。Heinkel特有の円形翼でSpitfireにも影響を与えたとも言われる流麗な戦闘機でしたが、結局メッサーシュミットBf109が量産に向くとされて採用される事がなかった機です。

模型はスペイン内戦時のナショナリスト軍側の機体                Heinkel社の後継新型戦闘機He112との比較

He112はHe70や爆撃機He111に採用された円形翼が特徴的で高性能とされたが不採用

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クラウス・シュワブCovid-19:The Great Resetを読む

2020-11-28 00:16:51 | 書評

社会に影響力のある集団が共通の認識を持つと、社会はその集団が考える方向に進んでゆきます。それは陰謀でも何でもなく自然な事です。会社の経営陣が会議で共通の認識を持てば、その会社の経営方針は経営陣の共通認識に基づいて決められて行き、現場の一社員が何を考えようが影響力を持ちえない事は日常経験しているはずです。世界の経済を回している超資本家と政治家が毎年開かれるダボス会議という席で共通の認識を持つよう仕向けられれば、世界の動向はその方向に沿って決まってゆくのです。だからダボス会議を主催するクラウス・シュワブ氏が「世界はこうなる」と本で述べていれば、その方向になることは必定であり、一般人の我々はこの先どうなるか、本を読めば分かります。先のブログで紹介したクラウス・シュワブ教授の近著「Covid-19: The Great Reset」の翻訳本が日経ナショナルジオグラフィック社から2020年10月26日発売になりましたので早速購入しました。

内容は毎年話題になる雑誌エコノミストの1月号表紙ほど暗示的ではなく、選択肢や根拠は示しながらも「このように変化してゆく」と決然と述べられているのが特徴的です。それはどこか「高圧的」で「傲慢」だと感ずる部分も多いのですが、まあ上記の様に世界の経済を動かしている経営陣のご託宣と思えば仕方がないとも思えます。構成は3部からなり、第一部マクロリセット では経済、社会、地政学や環境、テクノロジーのCovid-19によるロックダウン、経済停滞と生活様式の変化による大きな変革の概要を述べます。

第二部ミクロリセット ではより具体的な政府や個人の行動変容について例示的に説明します。

第三部 個人のリセット ではこの社会変容に対応する個人の在り方、倫理観や心身の健康の保ち方などについて著者の思う所が述べられます。全260ページのうち、第一部のマクロリセットが180ページを占め、著者が主に言いたい部分が世界全体の大きな変化であることは明らかです。以下目次に沿ってrakitarouが要約したものをまとめます。

 

「第一部 総論」

緒言として述べられている事は、「新型コロナ感染症は世界を変えた過去の伝染病のパンデミックに匹敵するが、人類が滅亡する様な悪性の病原体ではない、しかしパンデミックによって変化した生活態様がコロナ前(before Corona)の状態に戻ることはない」と断言し、この前提でその後の論が展開されています。理由はウイルス蔓延と情報のスピード、経済社会の複雑性と世界の相互依存関係に基づくとされていますが、これはダボス会議における既定路線と言えそうです。

 

「経済のリセット」

「命を犠牲にしても経済を守るべき論は誤り」とまず規定し、中世的な完全ロックダウンによる経済停滞を正当化します。私が良く問う所の「ウイルスと共存でなく抑え込みと決めつける根拠は?」という根源的な問いは封じられます。そこを問われるのはダボス会議としては痛い所なのでしょう。また経済も命も守るという選択肢も封じられます。欧米メディアの論調がこのダボス路線に沿っていて「逆らうことは許されていない」事も分かります。

その前提で、全人類へのワクチン接種は必須であるものの、経済は当分停滞すると断言します。またパンデミックが収まった後は過去においては雇用が増大し、好景気となったが、今回はAIが人手の代わりとなるから好景気にはならないだろうと予測します。製造業が経済成長の牽引役になるのは第四次産業革命が既に成就された現在無理な話である(65ページ)。したがって政府が主導する環境やサステナブルなエネルギーを育てるグリーンニューディールと呼ばれる政策が雇用対策として必要になる(67ページ)。

効率のみを求めるグローバリズムはもう成立しない。富は再配分すべきで、それは国家が主導して行われる。経済政策はケインズ式となり、財政出動はMMT理論に沿って大きな政府が期待され、政府は多大な借金を負う(ジャパニフィケーションと呼んでいるが、悪い意味ではないとしている)が、国民が豊かな生活であれば良いと述べる(76ページ)。米ドルの世界通貨としての役割は終わり、それに代わるバスケット制のデジタル通貨的なものが出現する。新自由主義は終焉を迎えるが、それで貧富の不平等がなくなる訳ではなく、溝はより深まる。結果として平等社会を標榜する社会主義的制度を取る国が増加するだろう(89-93ページ)。102ページからの社会契約の変化では、明確には述べられていませんが、著者はベーシックインカム導入を暗示している様に思う。それは最低限の平等化、管理社会の実現、財政出動の容易化に資するから。

 

「地政学的リセット」

グローバリズムはナショナリズムの台頭により成立しづらくなっている所にパンデミックが起きた。グローバリズム、民主主義、国家主義の三者は同時に二つしか成立しない(ハーバード大学ロドリック教授のトリレンマ)事から、トランプ現象や欧州のポピュリズムは後者二つが強くなってきた事が背景にある(114ページ)。米国が世界覇権国を降りようとする現在、今後は地域覇権国(多極主義)によるリージョナル・ガバナンスの時代になる。(見方によってはオーウェルの1984の世界観)

 

「環境・テクノロジーのリセット」

ロックダウンや人の往来がなくなっても環境負荷の改善はわずか(8%炭酸ガスの排出が減った程度)だった。今後は環境対策としての「グリーンニューディール促進」とデジタルテクノロジーの進歩に伴う在宅ワークなど「働き方の変化」が技術的進歩の方向性となる。その際、人間同士の接触が減り、無機質的な監視社会、ディストピアの招来が危惧される。それを避けるのは指導者と国家の見識である(181ページ)。(見方によってはディストピア不可避論にも見える)

 

「第二部ミクロリセット」

集客して行う娯楽、旅行、レストランなどがコロナ前に戻ることはない(と言い切る)ので新しい在り方を模索する必要がある。商品販売やサプライチェーンはデジタル中心になる。

より良い復興(build back better最近いろいろなメディアで取り上げられる言葉)のためにはESG(環境、社会、統治)の重視が大切である。大都市の必要性、必然性は減り、郊外の良い環境で在宅ワークできる社会を形作るのが良い。今後同じようなパンデミックが起きても回復力(レジリエンスが合言葉)の強さを決めるのはESGに基づく社会生活に変容してゆくことだ。

 

「第三部 個人のリセット」

地震や台風などの一過性の災害は人々を団結させるが、パンデミックは人々を孤立させる(接触を断つから)。個人はセレブとして良い物を持つ生活を理想としてきたが、孤立した生活ではセレブを目標とする意味はない。個人の生きる目標は「倫理的正義」や「自己実現」の方向に向かう(これは同意できる内容)。ただ経済停滞と孤立で生活が貧しくなると人は攻撃対象を求めて暴力的になる可能性もある。孤立は心身の健康をむしばむ可能性も高く、個人の生活は自然回帰による健康維持、第二部のESGを重視した生き方にリセットしてゆく必要がある。

 

概略は以上になりますが、総論にのべた大前提が崩れてしまうと全体が成立しなくなってしまう事が分かります。現状世界はGreat resetの方向で進んでいますが、米国はバイデンが勝って大統領になればまさにGreat resetの方向でしょう。大きくは新自由主義に基づくグローバリズムは終焉を迎える、という結論は私も異議なしですが、その後ディストピア的リージョナル覇権主義で、見えないところでダボスの人たちがそのもう一つ上部の構造体として統治するという事を目指し、今後も影の支配者として君臨したいという野望が見え隠れしている所が何となく傲慢で高圧的に感ずる所以だと思いました。

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地球規模の壮大な人体実験が始まるか

2020-11-27 20:23:03 | 医療

I. 地球規模の人体実験か

新型コロナ感染症の拡大が続いています。冬になって夏に収束しかけた風邪が再び流行るのは当然のことで、春の段階で再び冬に感染者が増加することは予想されていました。ただ感染者数は日本が欧米の1/100であることは第一波の時と変わりません。しかし日本のメディアは欧米と同じ深刻さで「このままでは大変な事になる。」と言い続けています。流石に「2週間後にはロンドンやNYと同じになる」と根拠なく決めつける「ホラ吹き臨床家」は出なくなりましたが、医療崩壊を言い募り、危機感を煽るコメンテイターは健在です。

 

2020年11月18日米国ファイザー製薬とドイツバイオ医薬ベンチャー、ビオンテックは、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、発症を防ぐ有効性が95%にのぼったと発表し、米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可の申請をすることになりました。

第三相試験は43,661名が参加し、11月13日には41,135名が第二回目の接種を受けて170名のコロナ感染が起こった試験参加者のうち、ワクチン接種群は8名、非接種群(プラセボ)は162名発症したので154/162=0.95で95%発症を防いだと発表したのです。同時期に第三相試験の結果を発表した米国のモデルナ社も、94.5%と同等の有効性を示したことを発表し、注目されました。これらはメッセンジャーRNA(mRNA)を用いたワクチンで、新型コロナウイルスがヒト細胞に感染を起こす棘の部分であるスパイク蛋白の一部を宿主の細胞にRNAを導入することで作らせてそれに対する主に細胞性免疫を誘導することで感染予防をさせるメカニズムです。

 

新型コロナワクチンの開発は米国で新型コロナ感染症が流行り始めてワクチンの早期開発が叫ばれ、Operation Warp Speedと名付けられて2021年1月までに3億回分のワクチンを開発量産備蓄するという計画で100億ドル1兆円の予算が付きました。4月には125のワクチン候補が対象でしたが、5月には14候補に絞られ、6月には5製品候補まで絞られました。ファイザー、モデルナ、MSD、ヤンセン、アストラゼネカがそれぞれ開発中で、11月になって前記2候補の結果が出されたわけです(ファイザーは独自開発とも言われる)。ワープスピードでワクチンを開発するには、製造が簡単な遺伝子ワクチンが選択肢になりやすいのですが、問題は人類史上遺伝子ワクチンが実用化されたことがない、という事実です。遺伝子技術をがんワクチンや感染症のワクチンに使用する技術は2010年頃からやっと実用化のめどが立ち始めた段階で、動物実験では実績がありますが、大規模に人間に使用したことはありません。遺伝病などで遺伝子欠損がある患者さんにその欠損を補う治療はある程度実用化もされてきています。図はその方面での日本の権威である位高氏の総説から引用したものです。mRNAを感染症のワクチンに用いる実験的開発は既にエイズやジカ熱などで試みられてきて、ほぼ完成に近い所まで来ていたので新型コロナワクチン開発でいきなり始まった訳ではありません。「今後のワクチン開発はがんワクチンを始め遺伝子ワクチンが主流になるであろう」という時代に入りかけていた所で新型コロナのワクチン開発が行われたという状態です。

参考文献(1)位高氏の総説から核酸医薬について説明した概略図

私は前から遺伝子ワクチンなどという訳の分からない物を新型コロナ程度の感染症に全人類規模で半ば強制的に使うことは反対であり、自分なら打たない(少なくとも家族には勧めない)と公言してきました。それは今も変わりません。ただし私は「全てのワクチン反対派」という訳ではありませんし、遺伝子創薬全てに反対している訳でもありません。私の医者人生は遺伝子科学の発達と共に歩んできたと言っても過言ではないと思います。小学生の頃にワトソンとクリックが二重らせんのDNA構造を発見し、大学の生物の入学試験ではまさに「デオキシリボ核酸の構造を書け」という問題が出ました。医者になってからは白血球の種類・分化による免疫学の進歩、癌遺伝子の発見、mRNAなどの機能解析からヒト全ゲノム分析、遺伝子のリン酸化などエピジェネティクスによる機能変化という風に遺伝子工学、免疫学が初歩的な時代から飛躍的に進歩する時代に医者をやってこれたのはとても勉強のしがいがありましたし、幸運であったと思います。学位の副論文もがんと正常細胞のmRNA発現の違いを臨床検体で検証したものでした。最近では、数年前に理論化され実用化された免疫チェックポイント阻害剤を今では毎日の様に多くの患者さんに使って、以前ならば亡くなっていたであろう病態の患者さんが元気に暮らせているのを実感できるのは予想外の副作用に出会い、慌てる事もありますが大変すばらしい事です。だから遺伝子創薬自体否定する気は全くありません。

 

II.   リスクと利益のバランスは取れているか

 

全ての医学的治療には副作用というリスクが伴います。副作用がないのは偽薬と励ましだけです。がん治療に用いる分子標的剤や免疫製剤は比較的安全とは言えますが飛んでもない副作用が出ることがあります。その副作用は時期、程度、内容について予測可能でない物も多いです。それは我々がまだ遺伝子や免疫の機能について知っているようで知らない事の方が多いからです。エボラ出血熱の様に感染すると高率に死亡する病気であれば、かなりのリスクを冒しても実績のない治療を全人類に試す意義はあるでしょう。しかし感染力は強いけど毒性が高くない新型コロナ感染症に長期的副作用が全く未定の新しいワクチンを拙速に全人類に行う必要が本当にあるでしょうか。私が前から主張している「SARS型の抑え込みが本当に必要か?」という根源的な問いを熟考せずに遺伝子ワクチンを接種することは「倫理的に良いのか」とリベラル、意識高い系を自称する人たち、「集団免疫」を唱えるだけで「年寄や弱者を犠牲にして良いのか?」などと脊髄反射的に唱える人たちは考えているのか、私には疑問です。先日発表されたファイザー製薬のワクチンの有効性と言っても43,000人の被験者のうち170人が発症した新型コロナ感染症について比較したに過ぎません。42,830人はワクチンか偽薬を打って、そこそこの副作用を経験しただけでコロナ感染症については何も影響がなかったとも言えます。幸い重篤な副作用はなかったようですが、今後何等かの長期的副作用が出る可能性は否定できません。4万人に及ぶ被験者たちはそのリスクを冒す必要があったでしょうか。

 

III.   mRNAワクチンで疑問に思う事

 

文献などで調べても分からない事、また文献で指摘されている毒性についてまとめます。

1) mRNAが導入される細胞は体内のどの細胞か

  生きている細胞ならば全ての種類の細胞がmRNAを取り込んで蛋白を作る機能を持っているはずですが、外から皮下注射などで導入されたmRNAは一体どの細胞に主に取り込まれて標的蛋白を作るのか、どの文献にも明記されていません。鼻腔からの気道粘膜への投与であれば標的細胞はウイルスが感染する粘膜細胞だろうと想像できますが、皮下投与であると軟部組織の細胞、或いは血中に吸収されて体中のあらゆる細胞が標的になりえます。標的となった細胞では本人のものではないmRNAの指令で本人と関係がない蛋白を作らされて放出、または細胞表面に抗原として提示します。宿主の免疫細胞はこの放出された異物蛋白や標的細胞の表面に提示された抗原を認識して抗体を作ったり、細胞性免疫を発動したりします。特にコロナウイルスに対しては抗体産生よりもT細胞を介した細胞性免疫が重要と言われているので、後者のシステムが重要と考えられます。この宿主細胞表面に異物として出された物を攻撃対象と認定する過程で、宿主細胞自体を攻撃対象と認定してしまうと、いわゆる自己免疫疾患が誘発されることになります。本来「自分自身の細胞を攻撃対象にする事はない」のが免疫システムですが、世の中に自己免疫疾患が溢れているということはこのような事が割と頻繁に起こりえる事を意味します。

 がん細胞というのは本来自分自身の細胞でしたが、「がん」という本来あるべき姿から離れた細胞形態になった事で自分の免疫システムが反応して「がん排除」に向けて活動するのが「がん免疫」であり、広い意味では自己免疫「的」な活動です。だから「がん免疫」が暴走しないようにチェックポイントを設けて「がん免疫」を抑制するシステムが人間には備わっているのですが、そのチェックポイントをわざと外して「がん免疫力を高める」薬がノーベル賞受賞の本庶先生達の開発した「免疫チェックポイント阻害剤」です。この薬剤の最大の副作用は「自己免疫疾患」が誘導されてしまう事です。私もこの薬を患者さんに使っていて突然自己免疫疾患による甲状腺機能低下が起きて驚いたことがあります。他生物のmRNAで無理やり異物蛋白を作らされた細胞が、異物蛋白のみでなく、細胞自体も攻撃対象に認定されてしまう恐れはないのか、現状では誰も保証していません。

 

2)非生理的な量のmRNAを一度に注入される弊害はないか

   細胞内には遺伝情報の基本となるDNAとそれを基に活動する用の遺伝子としてRNAがある事は知られています。RNAには作る蛋白をコードするメッセンジャーRNA以外にも蛋白をコードしない多数のRNAがあって、non-coding RNAと言われてこちらの方が量としては沢山あります。蛋白合成に関わるトランスファーRNAやリボソームRNA、遺伝子発現や細胞内分布を調節する調節RNAと総称されるものがあります。mRNAというのは量としては非常に少なく、「こんな蛋白を作ってね」という指令を届ける伝令に過ぎません。その「伝令が普段の何千万倍という数で一度にやってきたら正しく対応できるだろうか」という素朴な疑問があります。参考にした文献にも単元を設けてmRNAの毒性、mRNAに関連した「炎症反応」の問題という表が掲載されています。要約すると、外からの「異物」に対する「炎症(組織修復反応)」によって、注入されたmRNAは有効に作用しない。自己由来でない遺伝子は細胞内のミトコンドリア(ミトコンドリア自体が細胞内非自己とも言われている)に毒性を及ぼしミオパチー(筋萎縮とか)の原因になる。現状、mRNAは複数回の投与が必要とされ、その度に副作用のリスクが増します。

 

3)複数回投与のリスク

この複数回投与によるリスクについては既にコロナワクチンについて報告も出ています。Just the Newsによると米国内科学会のDr. S Fryhofer氏によると「とても公園を散歩するような気軽な気持ちでワクチンを受けることはできない。特に2回目の投与後がきつい」と述べ、モデルナ社のワクチン接種のボランティアになった50代の女性は「1回目の投与後は大したことなかったが、2回目は激しい頭痛と疲労感で1日はぐったりとして動けなかった」と感想を述べています。それは新型コロナ感染症にかかったのと同じ位辛い症状であるとCDCも注意喚起を促しています。

以下newsの原文(引用開始)

Side effects from the COVID-19 vaccine won't be a 'walk in the park,' doctors warn

The vaccines in final stages of trial are said to induce symptoms similar to the virus.

Doctors are suggesting that the CDC warn the public that the new coronavirus vaccines, which are expected to be approved by the FDA in the next few weeks, will have unpleasant effects on patients.

Pfizer and Moderna each have acknowledged that their vaccines could induce side effects similar to the virus itself, with possible muscle pains, chills and headache.

In a Monday meeting with Centers for Disease Control and Prevention advisers, doctors said public health officials and drugmakers need to warn people about the rough side effects so they are prepared and not scared away from getting the second dose.

Both vaccines that are in the process of approval by the Federal Drug Administration require two doses, according to Dr. Sandra Fryhofer of the American Medical Association. Fryhofer says she's warned that her patients won't come back for the second dose if the side effects are bad enough.

"We really need to make patients aware that this is not going to be a walk in the park,” Fryhofer said during a virtual meeting with the Advisory Committee on Immunization Practices, an outside group of medical experts that advise the CDC. “They are going to know they had a vaccine. They are probably not going to feel wonderful. But they’ve got to come back for that second dose.”

Participants in the September vaccine trials reported symptoms including a high fever, body aches and daylong exhaustion after receiving the vaccine.

The side effects also raise the question about whether getting the vaccine outweighs the risk of getting the virus.

A 50-year-old participant in the Moderna study said she suffered a bad migraine and loss of energy.

“If this proves to work, people are going to have to toughen up,” she said. “The first dose is no big deal. And then the second dose will definitely put you down for the day for sure. ... You will need to take a day off after the second dose.”

(引用終わり)

 

4)長期的弊害の検証をせずに世界中の人類に使用して大丈夫か

   mRNAは外から投与してもDNAや他のハウスキーピングRNA(細胞を維持するために必要な永続的にあるRNA)には影響を及ぼさないとされていますが、長期経過を検討した実験はなく(そもそも使用され始めて数年ですから)、全人類に使ってしまって「これはまずい」という長期的な影響が出ても取り返しはつきません。「2020年の段階では予想できませんでした。」「コロナが大変だったので使う以外の選択肢はありませんでした。」という言い訳を使うつもりでしょうが、「予想はできています」し、「慌てて使う必要はない」という意見はいくらでもあります。今回の新型コロナウイルスワクチンによる「薬害」は、製薬会社には製造責任を問わない事が既に決定しています。薬害補償は政府(国)が負う事を条件に製薬会社から国民の人数分のワクチン供給を受ける契約ができています。国が責任を負うということは、責任は国民が取る(個々人ではないが自己責任)を既に承諾している事を意味します。こんな拙速を本当に後悔することはないのでしょうか。二酸化炭素が数ppm上がって大騒ぎをするエネルギーがあるなら、将来人類の遺伝子が改変されるリスクが僅かでもあるmRNAワクチンを拙速に使う事に対して声を上げるのが「真のリベラル」ではないでしょうか。

 

参考文献

(1) mRNA医薬開発の世界的動向 位高啓史ほか PMDRS 50(5) 242-249 2019.

(2)  A Comparison of Plasmid DNA and mRNA as Vaccine technologies Liu MA Vaccines, 7,37 2019; doi:10.3390/vaccines7020037

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一元的執政府論を核にした映画VICE感想

2020-11-17 14:50:42 | 映画

VICE 2018年米国映画 監督アダム・マッケイ 主演クリスチャン・ベール(ディック・チェイニー)エイミー・アダムス(リン・チェイニー)スティーブ・カレル(Dラムズフェルド)サム・ロックウェル(GWブッシュ)タイラー・ペリー(コリン・パウエル)他

第一級の政治映画 VICE 実在の人物そっくりの配役も見もの

 

米国ではかなり話題になり、アカデミー賞8部門ノミネートとなり、主演のクリスチャン・ベールはゴールデングローブ賞主演男優賞に輝いた作品です。日本では政治映画に興味がないと敢えて見ようとはしない映画かも知れません。とにかく最近製作された政治映画としては第一級の名作だと思います。近現代のドラマを描くにあたり、実在の登場人物の多くが存命中であったり、メディアなどで皆が知っている人たちを映画として描くのは戦国時代のドラマの様に時代考証さえできていれば本人のイメージと似ていようがどうでもお構いなしという訳には行かないのが難しい所です。この映画は2000年代に入ってからの911以降のJr.ブッシュ時代の人々を描くのですから大変なのは当然ですが、メイクの技術もさることながら俳優たちが見事に本人に成りきって演じている所が「素晴らしい」の一言に尽きます。

 

同時期に製作され、やはり俳優たちが見た目にも役に成りきって話題になった映画に「チャーチル」と「サッチャー」という共に英国の首相を扱った映画があります。いずれ感想を書こうと思いますが、この2作品の様にある程度名声もあり、評価もされている主人公、米国ならばキューバ危機におけるケネディの苦悩を描いた13デイズ(2000年米国ケビン・コスナー「ケネス・オドネル補佐官」、ブルース・グリーンウッド「ケネディ」主演)の様な物ならなぜ映画化したか理解できますが、悪役のイメージしかないディック・チェイニーを何故映画化したかが不明でした。しかし映画を見て少し理解できた気がします。監督・製作者は社会の悪を暴くといった正義感から映画を製作した訳では全くなく、「悪い奴」チェイニーの「悪い奴ぶり」がどのようなモチベーション、心理構造で成り立っているかを描きたかったのではないか、というのが私の解釈です。

ブッシュ政権の影の存在に徹するが殆どの権力を握っていたチェイニー副大統領

 

ストーリーは1960年代半ば、名門イエール大学に入学するも、学業に励まず酒癖が悪く警察のお世話にも複数回なるという「ダメンズ」(映画ではろくでなし、クズ野郎と紹介される)のチェイニー青年が成績優秀でしっかり者の後の妻リンに尻を叩かれて議会の研修生になり型破りな下院議員のドン(ドナルド)ラムズフェルドのかばん持ちになって政治のイロハを学んでゆく所からスタートします。孟母ならぬ猛妻リンの存在がチェイニーを形作る必須アイテムになるのですが、彼女の母親もダメンズと言える男性(リンの父)と結婚しており、後年入水自殺的な最期を遂げ、好きな男のタイプは母親譲りなのかなと思わせます。しかしダメのままを許してしまう母と違う所は何事にも成績優秀なリンが有無を言わせず陰に陽にチェイニーを引っ張ってゆく西部劇に出てくる強いヤンキーガールである所でしょうか。後年になっても強面のチェイニーは奥さんには頭が上がらない(というか彼女に従うのが正解と芯から理解している)状態です。

 

ラムズフェルドの下を離れて故郷のワイオミング州から下院議員になったチェイニーは共和党内で国防長官を始め次第に実力を付けて議会の重鎮にまで成ってゆきます。米国の政界は大企業と回転ドアと言われるように、政界を離れる時は政界でのコネを利用して企業の重役になり、また政界に復帰するといった経歴を重ねます。面白いのはチェイニーは演説が下手で選挙期間中心臓発作で入院したのが逆に幸いして演説の上手い妻のリンが駆け回って当選に至る様などが描かれます。政治家になってからは度々「権力の法的根拠」とか大統領職の「一元的執政府論」(Unitary executive theory 合衆国憲法第二条により連邦政府の各省庁全てを一元的に掌握、指示できるとする理論、本来ホワイトハウスに属する首席補佐官と各省庁は分かれていて閣僚級の長官職を介してコントロールされ、大統領と直結している訳ではないとされる。)を重視する様子が描かれ、911以降は凡庸なブッシュ大統領をを操る「影の大統領」として、一元的執政府論に基づいてイラク侵攻、タリバン、アフガン侵攻、テロとの戦い、愛国者法制定など米国が国内、世界で自由に振舞えるようにする立役者として活躍し、自ら重役を務めるハリバートン等の戦争企業が莫大な利益を上げるようになります。大きな問題になったテロリスト容疑者への拷問も「国内でやると違法だが国外でやる分には問題ない」とシレっと言ってのけホワイトハウスのスタッフを呆れさせる様なども描かれます。(より詳しいあらすじはこちらが良さそう)

 

この底知れぬ不気味なほど「悪い奴」の精神構造はどうなっているのか、を映画は分かりやすく描いています。チェイニーは良き父親であり、釣りが好きで次女がレズであると告白されても変わらず娘を愛し、「その事が大統領選の弱点になる」という理由であっさり大統領候補を諦めます。そんな人間的な面も見せながら、権力や利を追求するにやぶさかではありません。彼の強みは「どうせ俺は勉強はできない、学業インテリではない。」と諦観しきっている所です。「合法」でさえあれば「合理」である必要も「正義」である必要もないと割り切っているのです。それは若い時から学問ではカミさんに頭が上がらない、法律で分からない所は弁護士に聞けばよい、という反知性主義を実践してきた経験からだと思われます。ラムズフェルドのかばん持ちであった初期には正義感もありましたが「お前何青い事言ってるの?」と豪放磊落なラムズフェルドにたしなめられて政治とは(合法的)権力であるという現実に目覚めてゆきます。のちには出藍の誉れで師であるラムズフェルドの上司になって彼を国防長官として使う立場になります。その対比が最もよく現れるのは国務長官コリン・パウエルとのやり取りです。パウエルはNYハーレムで生まれて従軍して陸軍大将にまでなり、湾岸戦争で統合参謀本部議長という制服組トップにまでなった努力と勉強秀才の人でもあります。国務長官としてイラク戦争を始めるには「正義」が必要と考える。イラクが大量破壊兵器を所有していて、911の犯人であるアルカイダとも関係があり、米国と国際社会の敵だとするには根拠が少なすぎる事を政府内で意義を唱えます。チェイニーは「そういう彼だからこそ適当に作り上げた「証拠」とされる物を国連で演説させて国際社会に訴えれば戦争を始めるにあたり世界から理解が得られる」とパウエルに演説をさせるというくだりが出てきます。うーん、インテリである故の弱点(勿論美点ですが)がそこにあるという冷徹な事実が描かれます。

 

911自体チェイニー達のやらせではないか?という陰謀説を滲ませるような場面も出てきたりするのですが、映画全体がブッシュ政権を悪く(ブッシュのおバカぶりも描かれている)描きすぎているという批判を受けることを予想してか、所々自己批判的なおちゃらけ(保守派とリベラルの視聴者が論争して殴り合ったり)や韜晦をちりばめて、一度終了したと見せかけて続きがあるようになっていたりするのですが製作者は十分真面目に作りこんでいったものと思います。主演のクリスチャン・ベールは役に成りきるために20kg太ったとも言われており、もう役のために体形を変えるのは辛いからやらないと言ったと言われます。ブッシュや遠目でしか出てきませんがブッシュのおもり役と言われたコンドリーサ・ライスもそっくりでそれらの配役を見るだけでも一見の価値ありの映画と思います。

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成功しつつあるA flu d’etat (感染症にかこつけた生活態様改造)

2020-11-13 22:22:37 | 社会

I.   成功しつつあるA flu d’etat (感染症にかこつけた生活態様改造)

冬が近づき新型コロナ感染症の感染例が増加し、本格的な第三波が流行しつつあります。冬に風邪が流行るのは当たり前のことなので、これは予想された通りの展開と思われます。

新型コロナ感染症という正体不明の感染症をダシに人々の日常生活を「コロナ後の時代」などと言う誰も望んでいない生活様式に科学的証明も民主的な手続きもせずに変えてしまう状態を「強制的な政体変革(クーデター)」に準じて”A flu d’etat”(コロナ感染症という風邪にかこつけた思考と生活態様改造、PsyOPと表現している)と米国のジャーナリストPeter Barry Chowka氏が命名しました。日本も含めて世界はまさにA flu d’etatが成功しつつあると言えます。

 

II コロナ感染症は感染力が増大したが悪性度は弱いまま

以前から引用しているworld meterの世界のコロナ感染症の図を示しますが、ここに来て感染例は明らかに増加していますが、感染死亡率は変化なく経過しています。冬に肺炎で亡くなる人が増えるのは今までも普通の出来事であり、コロナ感染症が増加してコロナの死者が増加するのも自然経過と言えます。前から主張するように、人類が滅びる訳でもない、インフルエンザと同程度の新型コロナ感染症をいつまで「特別扱い」して経済を止め、人類の日常生活を破壊し、自殺者を増やし続ける必要があると考えているのか、という事です。今後新型コロナウイルス感染症がなくなることはありません。今後5年10年ずっと先まで毎日「新型コロナの患者が何人出た!」「PCRをやらなければ!」「新型コロナが怖いから人と会うのは止めよう!」と言い続ける覚悟を「コロナ狂騒曲に踊り狂っている皆さん」は確信の下に持っているのでしょうか。

世界の新たな感染例は10月以降明らかに増加している。主に欧米の患者増によると思われる。      悪性の度合いを示す死亡率、回復率は改善傾向のまま変化はない。

地域別の感染例100万人あたりの感染者数は欧米において明らかに増加している。        しかし死亡率はどの地域も低下傾向であることは変わらない。

 

III 2009年の新型インフルエンザは毎年流行っている

2009年から2010年3月にかけて、WHOはAH1N1pdm09型豚インフルエンザのパンデミックを宣言し、その後は特別扱いせず、豚インフルも季節性インフルと同様の扱いになりましたが、毎年行っている4価のインフルエンザワクチンには必ずH1N1が含まれていますし、2020年前期までの世界で流行したインフルエンザにはH1N1pdm09も含まれています(図の薄い水色)。つまり風邪の原因となるウイルスの1割程度は旧来のコロナウイルスが原因なのですから、新型コロナウイルスによる風邪ももう無くなることはないし、今後も毎年流行ってゆくのですから旧来のコロナウイルスと同様に扱い、必要に応じてPCRなり抗体検査なり検査、診断をし治療をしてゆけば良いと私は考えます。

WHO GISRSのサイトから得た世界で毎年流行するインフルエンザの型(一番下の薄い青がA H1N1pdm09の豚インフル)

 

IV コロナ治療はインフル治療に近づいた

2020年11月号の日経メディカルの記事「コロナ治療はインフル治療に近づいた」では

(引用開始)

2017/18年シーズンの全国500施設において、インフルエンザ入院症例は2万759人で、ICU利用患者は3.7%(776名)、人工呼吸器を使用した患者は2.7%(555名)、インフルエンザ脳症発症は0.8%(171名)とされ、人口動態統計でインフルエンザによる死亡は2569人(2017年)、インフルエンザに関連して死亡した超過死亡は1万人前後と言われている。

(引用終了)という記事があり、これは日本における新型コロナ感染症の治療実態に類似していると思いました。記者もその前提で使用する薬剤などは異なるけれども、新型コロナ感染症も重症度に応じて治療を使い分けてゆけばインフルエンザの治療と同様に対処できるだろうと述べていて、私もその通りと思います。

 

V 世界経済フォーラム・ダボス会議主催者の目論むGreat Reset

世界経済フォーラム・ダボス会議を主催するKlaus Schwab氏(写真)は近著”COVID-19: The Great Reset”2020年7月刊(既に評判の本らしい)にて、Covid-19は人類が滅びるような感染症ではないが、コロナ後の世界がコロナ前の世界に戻ることはない(許さない)、これは世界経済のGreat Resetなのだ、と宣言しています。「世界経済のしくみをリセットする」という概念はコロナ感染症で初めて出現したものではなく、2011年頃から資本主義経済が拡張しきってバブル崩壊の気配が押し寄せてきた頃から提唱されていたものです。しかし、2017年に第四の産業革命としてアリババやアマゾンなどネットによる取引とグローバリズムの隆盛を提唱してから、逆にトランプや欧州ポピュリズムなどによる反グローバリズムの動きが盛んになったことから今回のGreat Resetでscrap and buildを図ろうという計画になったのではないかと思います(私はあらすじしか見てないので間違ってたらすみません)。

世界経済フォーラムのKlaus Schwab氏(かなり怖そうなおじさん)と近著Covid-19とグレートリセット

VI “A flu d’etat” 成就か

米国大統領選挙はコロナ感染症(の対応失敗)でトランプが敗北した、という理由付けが何故か説得力を持って受け入れられているようです。そして次期大統領候補のバイデン氏は早速Covid-19 panel(対策委員会)としてVirek Hallegere Murthy氏、Marcell Nuez-Smith氏、David Kessler氏らの名前を上げて、国民にマスク着用の義務付け、Covid検査の拡充(国民全員検査)、ワクチン強制施行を前提とした免疫パスポートの導入の可能性について言及しました。世界の流れがこの方向に進むと、日本も有無を言わせず同じ方向に進むことになるでしょう。そこに科学的妥当性を検討する余地は許されません。A Flu d’etatですから。

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誰が投票するかではなく誰が開票するかだ(スターリン)

2020-11-06 20:41:09 | 政治

I.   誰が投票するかではなく誰が開票するかだ(スターリン)

スターリンの秘書であったボリス・バジャーノフの回想録でスターリンが述べた言葉とされるもので「選挙の結果を決めるのはだれが投票するかではなく、誰が開票するかである」といういかにも独裁者スターリンらしい言葉です。現在米国の大統領選挙の開票作業が続いていますが、まさに「誰が開票するか」によって結果が不正に変えられてしまうという事態が起きているようです。既にネットでは話題になっていますが、当初トランプ氏が優勢に見えた開票集計経過が後半突如バイデン氏の票が伸びて逆転するという州が特にスイングステートと呼ばれる激戦州で続出しています。後から加えられる郵便投票の結果はバイデン氏を推す民主党系の票が多くなるから異常ではない、という意見があります。まさしくその通り、今回民主党が大統領選挙で仕掛けた必勝のからくりが前々からトランプ大統領が「フロード(インチキ)」と糾弾していた中身です。

11月6日朝時点での州ごとの開票結果               州内のカウンティごとの開票結果(激戦州も地域的にはほとんど真っ赤)

 

II.  不正選挙、不正集計が疑われる状況証拠

民主党と共和党の接戦州と言われる州でどのような状況が現出されているか、民主党側が不正を行っていると仮定すると、どのような戦略で不正を仕掛けるか、は結果が出ている州と州内のcountyと呼ばれる選挙区ごとでどのような結果だったかを比べてみると割と明確になります。上図はFox newsのサイトから日本時間11月6日朝の時点での各州と州内の選挙区ごとで民主党(青)と共和党(赤)のどちらが勝利したかを示したものです。選挙区毎の図は、殆どが赤(共和党勝利)で占められています。NY CA WAなどはさすがに青が多いですが、最終的に民主党が勝利した州も、選挙区毎では共和党が勝った所がほとんどで、大都市部で有権者が多いごく一部が青で、結局その都市部票が州の帰趨を決めた事が明らかです。つまり、戦略として全ての選挙区で不正をせず、大票田である一部の都市選挙区に絞って票を集めれば結果的には州全体で勝利を得られる訳です。当初は目立たない様にバイデン票の不正積み上げをしていたのですが、小細工で勝てるつもりでいたフロリダ州を民主党が落とした時点で尻に火がついて、それ以降素人目にも「おかしい」と分かる露骨な手口を見せるようになったということでしょう。

それら一部選挙区で行われた不正の方法を、現在ネットなどで状況証拠として挙げられている手口と思われる状況証拠を以下に示します。

 

1)憲法、州法では開票作業に両陣営の監視員を一定数加えないといけない事になっているが、ペンシルベニアなどいくつかの州では共和党の監視員を締め出して集計が行われている(その間にバイデン票が積み増しされて増加している)。

2)保守系の「フェデラリスト」誌によると、ミシガン、ウィスコンシンで数十万の「バイデン」と記載された未集計の投票用紙が発見された(後からいつでも必要数をバイデン票のストックとして追加できるようにでは、という疑惑)。

3)ミシガン州、ウィスコンシン州では夜中、集計監視員がいない時間帯に10万票を超えるバイデン票が上乗せされ、それまでトランプ優勢であった集計が逆転してバイデン勝利になった。(下図 all Biden voteと呼ばれる突然の直角的票の伸び)

深夜の直角的なバイデン票の伸び(積み増し)で逆転勝利の図

 

4)ウィスコンシン州では前代未聞の90%の投票率が記録された(他はせいぜい有権者の70-80%)。それ以上にノースカロライナ州では登録者519万人に対して539万人が投票した。

5)同時に行われた連邦議会選挙の民主、共和の得票数は普通大統領選挙の得票数とあまり変わらないもの(議会で共和党に入れると大統領も共和党に入れるのは普通)だが、一部の州では共和党側の得票数は変わらないのに民主党の大統領候補バイデンだけが飛びぬけて議会立候補者の得票数より多い(議員候補は嫌いだがバイデンは好きという人はそんなにいるはずない)。

 

例 ミシガン州

 トランプ 2,637,173 共和党上院 2,630,042 差異 7,131

 バイデン 2,787,544 民主党上院 2,718,451 差異 69,093

 

 ジョージア州

 トランプ 2,432,799 共和党上院 2,433,617 差異 818

 バイデン 2,414,651 民主党上院 2,318,850 差異 95,801

 

この不自然な差異がなければバイデン勝利はなかった票数です。

 

他にも投票期日を過ぎて到着した郵便票を数えると公言している州など、不自然で不正な票集計が公然と行われているのが今回の大統領選挙です。民主党は正々堂々と戦って、敗れたとしても次の期の選挙で勝てるような負け方をすればよいのに、何故今回の選挙で不正を行ってでも遮二無二勝とうとしているのか。よほどこのままトランプがもう一期大統領をしてしまうと取り返しがつかないダメージを民主党側の幹部(deep state側)が被ると考えたからでしょう。それがウクライナや第三世界で不正に蓄財してきた経済的な悪行なのか、噂される上流階級のペドフィリア疑惑があらわになる事なのかは分かりませんが、よほどの困った事態が予想されていた事は事実でしょう。

 

III.  それでも状況証拠だけでは裁判に訴えても結果は覆らないだろう

素人目にも明らかな選挙不正が行われているようです。では正式に集計結果が公表され、僅差であってもバイデン候補が勝利し、大統領に指名される選挙人数を獲得した場合、トランプ側が主張している「最高裁まで行っても争う」という戦術で選挙結果が覆るか、というと私は無理だろうと思います。米国の裁判は日本と異なり、状況証拠の積み上げで有罪になることはありません。よほど明らかな不正の証拠「不正を命ずる動かぬ書類、金の動き、ビデオ、不正を行った本人が大勢名乗り出る」などしない限り正式な管理者が正式に出した票集計の結果を無効にすることはdue processが踏まれている限り困難でしょうし、票の再集計も票自体の正当性を一票毎に確かめることは既に不可能ですから結果が覆ることはないでしょう。法律の専門家達が時間をかけて(多分1年以上前から)練った作戦ですから簡単には裁判では覆すことはできないとみるべきです。その点国民から支持されているから大丈夫だろう、と考えた共和党陣営に隙があったとみるべきです。ここまであからさまに民主党側が不正を行って来るというのは想定外だったのではないでしょうか。

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Hannover CLIIIa airfix 1/72

2020-11-03 18:02:53 | プラモデル

1960年代金型の古い袋詰めプラモデルを作りました。Hannover CLIIIaは大戦後半の1918から使用された偵察攻撃機で前回制作したソ連のIL-2が当初地上偵察攻撃両用に考えられて設計されたのと同様の系譜になります。Rosenzi迷彩の実例で示したミュンヘンのドイツ技術博物館に展示されていたRumpler CIVは重量1,600kgのCクラスと呼ばれるやや大型の偵察攻撃機でメルセデス260馬力のエンジンを搭載し175kmの速度でした。Hannoverは小型のCクラスを表すCLクラスの偵察攻撃機で重量717kg180馬力のArgusIIIエンジンを搭載して165kmの速度でした。尾翼が2段になっているのが特徴的で、後席銃手の射角が大きく取れ、操縦性も良好で評判が良かったようです。モデルは5kg爆弾10発と後席後方に投擲弾10発を搭載して、前方はプロペラ連動のシュパンダウ機関銃、後方はパラベラム機関銃を備えていました。大戦中はローラント社でのライセンス生産を含めて700機が作られました。

懐かしい袋づめのAirfixまだ家に買い置きがありました。  ミュンヘンのドイツ技術博物館に展示されたRumpler C IV Rosenzi迷彩が全面に施されている。       

 

モデルは古い金型ながらさすがAirfixで実機の形や雰囲気を奇麗に再現させる作りで、整合も最近のRodenなどに比べても作り易い内容でした。説明書の塗装図からRosenzi迷彩の物しか記載されておらず、これは何としてもRosenzi camouflageを作らねばと思ったのですが、前回Gotha GIIIでは筆塗りで非常に苦労した割りには納得度は今ひとつであったので、今回はハイキューパーツが提供しているインクジェットプリンターで作るデカールを使ってみました。ネットなどでRozenji迷彩の見本をコピーしてパワポなどで型紙を作り写真グレードで印刷をして指示に従ってクレオスのスプレー仕上げ塗料を5回位に分けて吹き付けて定着させます。十分乾燥させて行わないとデカールを水に付けた際に塗料が溶け出してしまいます。写真に示す様に翼上面(濃い色調)、下面(やや薄い色調)、胴体(やや大きい柄)に分けて使用しましたが思いのほか綺麗に貼れて、実物がプリントされた布を貼ったのと同じ様な感じになりました。少し剥げた所などはパッチを当てる様に追加でデカールを貼るとそれなりに違和感ない出来になり意外でした。60年前の模型なので付属のデカールが劣化していることは予想できたのにRosenzi迷彩のデカールを作る時に国籍マークのデカールを一緒に印刷しなかったのは不覚でした。Rigは可能な範囲で張ってみたのですが、使えるかと思って0.3mmのテグス(ナイロン)を買ってみたものの、思ったよりも硬く、いつものミシン糸と真鍮線の方が良いと解りました。Cクラスの比較で以前作ったRoland C11と並べてみました。

インクジェットプリンター用のデカールでRosenzi迷彩をプリント           下面はやや薄い色の迷彩                   小型爆弾と投擲弾を搭載、特徴的な二段尾翼

後方銃手がこちらを向いている感じ            Cクラス偵察戦闘機のRoland C11と比較

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