rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

「仮想の現実化」と「現実の中国化」

2020-05-28 11:32:03 | 社会

新型コロナ感染症患者の発生も世界的に収束を迎えつつあり、世界の都市封鎖や日本の緊急事態宣言も2020年5月26日をもって終了となりました。新型ウイルスによる感染症であり、当初は2003年に流行したSARSの様な強毒性が疑われ、絶対的な封じ込めが必要と予測されたものの、流行が進むうちにウイルスのヒトへの病態が徐々に明らかにされ、「季節性のインフルエンザと大差ない」ことが解りました。しかし「怖いウイルス」「絶対的な封じ込めが必要」というデフォルトの設定は「コロナショックドクトリン」として容易に修正できないほど社会のあり方を変えてしまったと思います。結果としてコロナ後の社会、「新しい生活様式」などという言葉が既に既定路線の如く流布され、太平洋戦争、バブル崩壊、原発事故に至った経緯など、やってしまった事を再検討しないで結果を受け入れてしまう日本人の悪いクセが既に出てしまっています。

 

コロナ騒動後に社会観が変化した事については、経済的な混乱が莫大な損失を招いた全世界において言える事だと思います。私は新型コロナ騒動が社会に及ぼした結果を端的に表現すると、1)仮想(バーチャル)世界の現実化と2)現実世界の中国化 と言えるのではないかと思います。以下に論考を述べます。

 

1)仮想の現実化

 

SNSや匿名投稿などのバーチャルメディアは現実世界での生活(IRL = in real lifeというらしい)とは一線を画しているからある種気楽であり、現実逃避ができる空間として存在発展してきました。趣味や思想を同じくする知らぬ者同士が情報を交換することで現実生活における孤独や不満を解消する手立てにもなりました。グローバル社会により社会の階層化二極化が進み、ネット空間も充実して、現実世界から逃避する事を重視して仮想空間の方に充実感を感ずる人達が出てくる一方で、リアルライフを充実させ、バーチャル空間はほどほどにする「リア充」なる生き方も標榜されてきました。

しかし今回のコロナ騒動では、実生活において人々はsocial distanceを開け孤独化する事が良いとされ、仕事も授業も仮想空間を用いて行う事を強いられました。つまり必要最小限の買い物以外、現実生活の多くの部分を仮想空間で行う事を強制され、それが今後の新しい生活様式であると一方的に規定されてしまったのです。本当にそのような事をする「必要があるか」を問い返す時間も場も与えられませんでした。またそれが適切な処遇であることを科学的根拠に基づいて示す事もありませんでした。全て新型コロナの発祥地であるとされる「武漢」において、未知の感染症が爆発的に広がった時に「非民主的専制国家である中国」が取った措置を「左へ(右ではないと思う)ならえ」と世界中でまねしたに過ぎません。それが結果的に「仮想世界の現実世界化」という結果になったのです。季節性インフルエンザ程度の死亡率しかないSARS-CoV2ウイルス感染症を抑え込むために世界中の人達が経済を破壊し、生活様式を変えねばならない「合理的な理由」などありません。号令をかけた為政者や「コロナ怖い」と震え上がったままの「コロナ脳」の人達に「お前ら、いいかげんに目覚ませよ!」と冷静な国民の半分位の人達が声を挙げれば良いようにも思いますが、少なくとも日本においては諸外国がそのような対応を取らない限り我が国から率先して「普通に生活しようよ」という情報発信をすることはなさそうです。

 

2)現実の中国化

 

上にも記しましたが、世界は中国が初め「武漢の都市封鎖」という処置を行った時に「専制国家ならではの大胆な処置」をするものだと他人事ながら感嘆を持って眺めていたと思います。外出は2日に一回、一家で一人許可証を持参で行く、その様な自由の制限が容易にできてしまう恐ろしさも感じました。詳しく報じられませんでしたが、それ以外の地域でも移動に伴って必ず個人を識別するスマホを駅などで確認登録して、個人の行動を政府に把握してもらう規定も作られました。

新型コロナ感染症がその後自由世界に広がるにつれて、程度や形はそれぞれ異なるものの、中国で行われた封鎖と個人行動の把握は世界中で無批判に踏襲されました。これは「現実社会の中国化」と表現して良いと思います。このウイルスが初めに中国でなくパリやロンドンで発見されていたら当初からこのような処置は取られなかったと思いますし、感染が広がる間も、もっと冷静に対処されたのではないでしょうか。

 

今回のパンデミックは2009年の新型インフルエンザのパンデミックとよく比較されますが、2009年のメキシコを発祥とする豚インフルのパンデミックでは、空港の検疫や渡航の自粛は勧告されましたが都市封鎖、行動制限といった処置は世界中どこでも行われませんでした。当初死亡率が高い、発症数日で重篤化する畏れがある、といった今回の新型コロナウイルスと同様の危険性が喧伝され、日本でも感染者は強制入院の対象にされましたが、感染が広がり、症例が増加するにつれて「季節性のインフルエンザと大差ない」事が証明されて人々は冷静に対処するようになり、翌年には収束宣言が出され以降は季節性インフルエンザと同じ扱いを受けています。Wikipediaには重症化するリスクなどもよくまとめられていますが、今回の新型コロナ感染と類似している部分も多く、何故冷静な対応がとられず、今回このような非科学的なずさんな対応になったかの鍵は「発症と最初の対応が中国だったから」という部分が大きい様に思います。

 

再度ワクチンの問題を問う

 

有効な治療法がない(本当か?)現在、新型コロナウイルスに対するワクチンの開発に期待が寄せられている事は前にも述べましたが、米国モデルナ社を初めとするコロナに対するワクチンは何故かヒトへの使用を承認された事も実用化されたこともない遺伝子ワクチン(DNA/mRNAワクチン)を主体とするものが多いです。これは以前からの規定路線だった様です。この実験的にしか使いようがないワクチンは通常の場合は誰も怖くて使われず、承認にも時間がかかるはずですが、今回の場合、商品化された時に「待ってました」とばかりに飛びついて受けるのは「コロナ怖い」の「コロナ脳」の人達でしょう。私は自然に罹って免疫ができる方を選びたいです。詳細は不明ながら、この遺伝子ワクチンは、新型コロナウイルスのヒトへの感染を促すスパイク蛋白の部分の遺伝子をヒトの細胞に「他のウイルスをキャリアにして宿主細胞に感染」させて作らせ、それに対する抗体ができる事で免疫を得るしくみの様で、現状安全性有効性は一切担保されていません。

1976年にも豚を起源とする豚インフルエンザが米国で流行しかかった事があり、当時安全性が確立されていない促成ワクチンを国家の計画に従って4,000万人が受けたそうですが、元の豚インフルでは一人しか犠牲者が出なかったのに、ワクチンを受けた500人が神経麻痺を起こすギランバレー症候群を発症し、30人が死亡したため、当時のフォード大統領はワクチン接種プログラムを中止したとwikipediaの記録にあります。ワクチン製造には莫大な利権が関わっており、利権がらみのニュースにはリテラシーを十分に働かせる必要がありそうです。

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Junkers Ju52 KP model 1/72

2020-05-27 16:54:44 | プラモデル

Junkers Ju52は第二次大戦中のドイツの輸送機で、派生型を含めて5,000機が1955年まで作られました。1932年に生産型となる3発エンジンを搭載したJu52/3mが発売され、ルフトハンザ航空を初めとする欧州、南米の国々に丈夫さや使い易さから汎用されるようになりました。その特徴はJunkers構造とも言われる中空翼と波状鋼板を多用した構造で、軽いジュラルミンの薄板を波状に形成して縦横に組み合わせ、重量約10tで660馬力x3のエンジンで巡航速度300km、航続距離は1,300kmでした。当時の技術の粋を集めた飛行機であり、ミュンヘンにあるドイツ技術博物館でも実機が展示されていて、中にも入れるようになっています。

ミュンヘンのドイツ技術博物館を訪れた際に撮った実機(これはフランス製らしい)        思い入れのある「空軍大戦略」のシーンの様な風景にしてみた。

 

同機の思い出と言えば、何と言っても1969年の映画「空軍大戦略」(Battle of Britain)の導入部で当時飛行可能であったJu52を使って多数の本物のハインケル111(全てスペイン空軍で実用されていた)を並べて撮影された映像が忘れ難く、私も両機を並べて写真を撮ってしまいました。

空軍大戦略の冒頭シーン

KP modelsは2009年にチェコのKPを買収して航空機のモデルを販売しているハンガリーの会社で、ややメジャーでない渋い航空機のモデルを作っていますが、このJunkers52はフランスのHellerの金型を使っていてかなり精度が良く、OEM生産していたものにデカールなど付けて新しくした物のようです。Ju52の特徴である機体の波板構造や、翼後縁全体を二重にエルロンやフラップを加えた様な二重翼と呼ばれる構造など忠実に再現されています。翼のエンジン後方にある操縦席から見るオイルゲージと燃料計も再現されていて芸が細かいと思いました。モデルで再現された繊細な波板構造を活かしたかったので塗装はダークグリーンとブラックグリーン、下面ライトブルーの標準的なスプレー塗装にしましたが、マスキングはやや面倒でした(そこが作る楽しみですが)。

金型はHeller製で、モデルとして特徴的な波板構造や二重翼が良く再現されている。デカールも軟化剤を使うと波状に貼れて良い。

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マスコミが触れたがらない新型コロナDay 0(初感染者はいつ発生?)問題

2020-05-18 18:44:24 | 医療

新型コロナ感染症は、ほぼ拙ブログで予想した通りに「欧米の様な爆発的感染者拡大は起こらず」「感染者総数は1-2万の間でほぼ横ばいに推移し」「5月の連休後には収束に向かう」方向になりました。それは公になっているデータと論文を読んで、メディアの明らかなデマは無視し、予断を入れずに分析していれば私の様な専門家でない医者でも解る範囲の事です。当然政府の専門家会議や感染症学会の人達は公の席では言いませんがほぼ同じ見解だったと思いますし、そのような判断で対策を提言(デマに基づく素人の批判も多く、政治的な判断もいろいろ入ったとは思いますが)してきたと思います。

 

I   新型コロナ最初の患者報告≠最初の患者

 

2019年12月末にSARSに似た新型肺炎のクラスター4名が中国武漢で発生したという報告が第一報として出されました。メディアなどはそれを新型コロナ初患者(Day 0)と勘違いして(或は意図的に)報道し続けているようです。各国の感染者第一号もPCR検査で初めて確認できた人をその国における初感染者の如く報道し、そこから感染者数の累積が始まっています。当初は米国CDCもインフルエンザ様の感染症が前年秋から増加していたため、コロナウイルスが以前から流行していた可能性を示唆する報道がありましたが、報道管制が敷かれたか最近は一切言わなくなりました。

CDCがまとめたインフルエンザ様の疾患受診率 例年よりも2019年末からかなり多い

私はブログ「前から流行ってましたと言えない・・」で新型コロナの発生を2019年11月と設定してそこがDay0だと言う前提で、非常に感染力が強く、不顕性感染者が多い新型コロナ感染症は、武漢から日本を含む世界にすぐ拡散して12月末には日本でも初期型で症状がL型よりも比較的マイルドとされるS型が流行していただろう、と予測しました。昨年12月にはインフルエンザ陰性のコロナ感染症にそっくりの症状(1週間つづく高熱と気管支炎症状)の感冒にかなり多くの日本人(私の家族を含む)が罹ったので、1月以降は日本では新たな感染拡大は起こらないと考えました。そこで新型コロナ発生を11月とする論文などの根拠を以下にまとめてみます。

 

II    2020年3月の一流誌論文で提示された推定Day 0

NEJMに掲載された2019年12月以降の感染者数分布

2020年3月26日の米国New England Journal of MedicineのLiらの論文「新しいコロナウイルス感染による肺炎の武漢に置ける伝搬動態1)」という論文では、上図の様に2019年12月7日に遡って感染者が確認され、初期の患者は海鮮市場とは関係がない事も明示されています。また2020年3月の米国内科学会誌Annals of Internal MedicineのLauerらの論文「Covid-19報告例から類推する新型コロナの潜伏期間2)」では報告例の最初の感染源への接触は12月1日頃と推定され、12月以前からウイルスは存在したであろう、とゲノム分析の結果からも考察されています3)。

 

III    新型コロナ肺炎を「全く新しい疾患」と中国武漢の医師達は何故疑ったか

 

80代の高齢者や合併症のある患者さんが肺炎、気管支炎をこじらせて亡くなるのは日常的な事であるのは前回のブログでも説明しました。日本でも年間13万人が肺炎で亡くなっていて、中規模以上の病院では週1-2人は肺炎で亡くなっているはずです。私の病院でもコロナ騒ぎのこの一月にコロナ以外の肺炎で数名の方が亡くなっています(PCRやCT、喀痰培養などでコロナでない事は確認してます)。これら多くの患者さんに混ざって、武漢の病院で何故新型コロナ肺炎が見つかったかはNature2月のZhouらの論文「コウモリ由来と思われる新型コロナウイルスによる肺炎の拡大4)」にも説明されています。つまり「pneumonia of unknown etiology surveillance mechanism原因不明の肺炎を見つける調査基準」に従って38度以上の発熱、レントゲン所見で肺炎がある、白血球は正常か低下でリンパ球減少(細菌感染でない)、3-5日抗生剤投与で症状改善がない、の4条件を満たした時に未知の病原体を検索するというものです。ただこのような調査基準があったとして、「未知のウイルスによる肺炎だろう」と日常診療において一般の医師が推定するのは難しい事だと思います。「良く解らないうちに亡くなった肺炎患者さんが身近に集中して沢山出現」しないと「おかしいぞ?」という疑問は湧かないのが普通ですからある程度「インフルではない肺炎患者」が急激に増えて、しかも2003年SARSが出た中国でSARS研究のメッカであるウイルス研究所がある武漢であったという土地柄が「新型肺炎発見」につながったのではないかと推定します。まあだからといって「2019年の秋頃に元々のウイルスが武漢の研究所から漏れた疑惑」は拭いきれませんが。

 

IV    Day0は2019年後半という報告が増加している。

抗体検査の普及や世界中のウイルスRNAの変異解析が蓄積されるにつれて、新型コロナウイルスの発生は中国の始めての報告より前であろう、という報道が散見されるようになってきました。米国ニュージャージー州ベルビル市長のマイケル・メルハム氏 は、自分はコロナ抗体が陽性だが、肺炎になったのは2019年11月だったと暴露して話題になっています。フランスでも2019年12月にコロナ感染になった例が確認されたと報道がありました。以前紹介した日本のゲノム解析の論文京都大学からの報告の他にも、ロンドン大学のFrancios Balloux教授は7500例の世界中のコロナ感染者のウイルス解析から中国で発見される以前の2019年後半には世界中でこの感染症が広がっていたと科学的に考えられると述べています。トランプ大統領は新型コロナ肺炎が武漢発祥であるから、世界の感染拡大の責任は中国にあると金銭的な補償を含めた責任論を展開しています。世界中でロックダウンを行って経済を破滅的に停滞させた国々も「2019年後半に既に流行していた」感染症に対して2020年に都市封鎖をしても何の意味もない(実際科学的統計では何ら効果はなかった)事が明らかになると為政者の政治責任が問われるので非常にまずい事になりそうです。

 

V    日本は当初はまっとうな対応をしていたと思う

 

日本は以前から指摘していたように新型コロナ感染症に対して適切なPCR検査やクラスター対応など「まっとうな対応」をしてきたと思います。しかし「馬を馬」として正しく対応していたのに「馬を鹿」だと言い張る世界の多くの国々や日本のアジテーター達から「異常だ」と言われ続けて、3月下旬以降は無理矢理「鹿かも知れません」と言わされたような格好になりました。悪性の感冒程度の新型コロナ感染症を「怖いぞ、怖いぞ、死ぬぞ!」とメディアを使って脅し続けて世界経済を意図的に破壊する「コロナショックドクトリン」は大成功を収めました。豚インフルエンザのように集団免疫を作るしかない物を「第二波が来るぞ」「次はもっと酷くなるぞ」「自粛解除は拙速だぞ」と科学的根拠を示さず脅し続けているのは「コロナショックドクトリン進行中」であるとメディアを見ていれば良く解ります。

 

VI    未知のワクチンに不安を示さない人達

 

新しい感染症に対して効果的なワクチンが開発されることを期待するのは当然の心理と思います。しかし中国が開発中と言われる不活化ワクチンはまだ解りますが、人間で成功例がないmRNAワクチンやDNAワクチンといった得体の知れない物を製薬会社が「ここぞ」とばかりに開発して売り出そうとしている情勢はいかがなものでしょうか。ウイルスが人間の細胞に感染して勝手に蛋白を作って増殖するのが気持ち悪いのに遺伝子を注入されて蛋白を作らせてそれに対する抗体を作って免疫を得る事は成功例がないだけでなく「長期的な影響は大丈夫か?」と思います。現在新型コロナウイルスに対する有効な中和抗体が何かは不明ですから、不活化ワクチンかウイルスの蛋白を注射してそれに対するポリクローナルな抗体を作るのは理にかなっているように思いますが、どこの部位(抗原)を入れれば正しい中和抗体ができるか不明な状態で「ウイルスの遺伝子の一部を体内に入れます」というのは、私は不安です。PCR検査が少ないからいつウイルスに感染するか不安だと言い続けている人達はウイルスの遺伝子を使ったワクチンに対しては全く不安をいだかないのでしょうか。ワクチン製造には世界中の政府が補助金を出して、完成の暁には世界中の人間が受ける(強制的?)から大もうけ間違い無しです。コンピューターからワクチンに宗旨替えしたビル・ゲイツも笑いが止まらない事でしょう。

 

参考文献

1) Li Q et al. Early transmission dynamics in Wuhan, China, of novel coronavirus-infected pneumonia. NEJM 2020,382,1199-207

2) Lauer SA et al. The incubation period of coronavirus disease 2019 (Covid-19) from publicly reported confirmed cases: Estimation and application. Ann Intern Med. doi:10.7326/M20-0504

3) Genomic epidemiology of novel coronavirus (HCoV-19). 2020.Accessed at https://nextstrain.org/ncov on 29 January 2020.

4) Zhou P et al. A pneumonia outbreak associated with a new coronavirus of probable bat origin. Nature 579, 12 March, 2020, 270. https://doi.org/10.1038/s41586-020-2012-7

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Morane Saulnier MS406 SMER 1/72

2020-05-11 17:41:55 | プラモデル

モラン・ソルニエMS406は第二次大戦初期にフランスで実用化された軽戦闘機で実戦ではフィンランドに輸出された105機が最も活躍したと思われます。632馬力の12気筒イスパノスイザエンジンを搭載し、最高速度490km、とやや非力ながらプロペラ軸に20mm機関砲1門に60発の弾丸を備え(フィンランドでは12.7mmに換装したものも)、両翼に7.5mm機銃各300発の弾丸で近接戦闘に持ち込めばそれなりの破壊力を示す事からソ連の爆撃機を相手にしたフィンランド空軍の活躍は納得できます。

フィンランド空軍のモランソルニエ実機 小編隊で神出鬼没な戦法を用い、冬戦争においてもソ連軍を苦しめたと言われる。

SMER(セマ)は前にも紹介したチェコのプラモメーカーですが、この模型の金型はフランスのHeller製で、機体の裏にHellerの刻印がありました。模型はフランス空軍と45機輸出されたトルコ空軍の塗装とマークが入っていたのですが、敢えてフィンランド空軍の機体を作りました。資料では大戦初期にはフランス空軍の迷彩塗装のままフィンランドの国籍マークと機首、胴体、翼端の黄色塗装を施して戦った機体も多かったとされ、1941年当時の機体を再現しました。以前作成したハセガワ製のブルーステル(米国製ブリュースターバッファロー)と並べてみました。やはり米国機の方が一回り大きく馬力もありそうです(ライトサイクロン950馬力)。また同じフランス機のPotez 63と比べると機体の流麗な雰囲気は似ています。模型ではポテはスプレー塗装でMSは筆塗りですが、どちらもそれなりの良さ(実際に見ると)があるのですが、写真ではスプレー塗装の方が見栄えが良いようです。

バッファローも母国米国でよりもフィンランドでの活躍が目立った       同じフランス機のpotez63.11との比較

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Vickers Wellington B III Airfix 1/72

2020-05-05 15:18:30 | プラモデル

1927年にVickers社とArmstrong  whitworth社が合併したのでVickers Armstrng Wellingtonと呼ばれますが、1936年に同期で登場したホイットレー爆撃機がArmtrong Whitworth Whitleyと呼ばれる事が多いのでこちらはVickers Wellingtonの方が通り良いようです。むしろ漫画のキャラクターからWimpeyの愛称で呼ばれる事が多いと言われます。英国空軍はランカスター等の4発大型爆撃機が実用化されるまで双発のこれら爆撃機(他にもハンドレページハンプデンやブリストルブレニムなど)を使用するのですが、中でもWellingtonはMk14まで様々な派生型が作られ、大戦を通じて計5,000機が作られました。本機の特徴は大圏式構造と呼ばれる細いリボン状の鋼材を籠を編む様にして骨格を形成し、それに羽布を張って縦通材や肋材を使わずにプレハブ建築の様な軽量化を果たした点にあります。模型でも胴体や翼の網目模様にその特徴が現れていますが、量産には向かない構造ながら損傷に強く、パイロットからの信頼が厚かったと言われます。前後に先進的な回転式砲塔を備えたWellingtonは無線方位探知機や航法士席にドームを設けるなど昼間爆撃用の装備を持っていましたが、1939年12月のドイツウイルヘルムスハーフェン爆撃で24機中10機を撃墜される損害を得てから夜間爆撃専用に転化されてゆき、上面のみ迷彩が残る塗装になります。BIIIはBristol Hercules II、星形14気筒1,380馬力エンジンを搭載して最高速度410km、航続距離3,540km、爆弾搭載量は4,000ポンドでした。

模型は30年前に米国で購入した物で中古だったかもしれず、ビニール袋内にパーツが入っておらず、いざ作ろうとした時に操縦席の風防がないことに気づきました。やむなく最近購入したAirfixのホイットレー爆撃機に2種類の風防が入っていたのでそれを流用して何とか形を付けました。整合は古いなりにけっこう努力が必要でしたが、それ以外は割と良くできていてWellingtonの特徴が出ている模型だと思いました。夜間爆撃の好敵手だったかも知れないフォッケウルフのナハトイエーガーと並べてみました。

Wellington IIIの実機 銃座の様子が良くわかり、多数の出撃マークが書かれている。

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勝ち組となるコロナ集団免疫獲得(Herd Immunity)国家群

2020-05-02 09:31:17 | 医療

新型コロナ感染症で人類が滅びることはない。新型コロナ感染症で日本人が絶滅することもない。この感染症は人類の6-7割が感染して免疫を持つ事で自然と収束するだろう。以上の事を否定する人はもういないでしょう。

 

新型コロナに対するHealth careの目標

以前も載せた新型コロナ感染症に対するHealth careの目標

新型コロナ感染に対するHealth careの目標は感染のpeakを低くし、遅らせる事である事は前のブログにも示した様に至る所で明示されています。つまり最終的には集団免疫を付ける事が目標なのです。しかしこの明確な目標を実はWHO、日本政府(多くの諸外国政府も)とも明確に示して実行していない所に最大の問題があります。前ブログ新型コロナの収束はSARS型か豚インフル型かで論考したように、新型コロナ感染の収束は豚インフル型以外にはない事が既に明らかになっています。

 

コロナ風邪をSARS二世(SARS-CoV-2)と命名した意図?

 

新型コロナウイルスの遺伝子配列はコウモリのβコロナウイルスのうち、サルベコウイルスという亜型に属するRaTG13と96.2%同じと報告されています。しかし初代SARSウイルスとは79%、MERSウイルスとは50%の相同性で「あまり似ていない」と専門家は評価しています。しかし今回のコロナ感染を「新型コロナ風邪(ウイルス)」と命名せずに封じ込め型で収束させたSARS-CoV-2とSARSの二世であるかの様に命名したために、未だに新型コロナをSARS型の封じ込めを行う物と思考停止のまま信じ込んでいる人達が「特に医療関係者以外」に多数います。コロナウイルスであり、SARSの研究から製造された疑惑のあるウイルスなのでSARS二世と名付けたかったのかも知れません。

 

季節性インフルでも統計では新型コロナと同等の死亡者が出ている

季節性インフルエンザについての世界統計資料

今回のウイルス感染症を「新コロナ風邪(New Corona flu)」程度の命名にしておけば季節性のインフルでも毎年3000万人以上感染し、29-65万人の死亡者が世界で出ているのですから、5月1日現在新型コロナ感染が世界で330万人感染し、23万人の死者が出ていても、今後収束に向かうのであれば「新型コロナ風邪」という悪性の風邪と考えて経済を一度完全破壊する程の大騒ぎをする必要などなかったと言えるのではないでしょうか。

 

PCR偏重と隔離重視は「封じ込めによる収束」が目的

 

スウエーデンの様な適度な感染制御を行った国と主要欧米国家の様なLockdownを行った国で感染制御に差が出ないという結果が明らかになりました(これを意地なのか執拗に認めようとしない人、真実を認めると経済が復活してしまうので意図的に認めない人がいる)。Lockdownは経済を停滞させ、失業者を増やし、中高年の心血管イベントの発症率や成人病を悪化させて死亡率を高め(既に救急外来における脳梗塞の件数は増加傾向にあるし、一般外来における糖尿病や高脂血症のコントロールも悪化傾向が見られる=rakitarouの外来診療における実感)ます。英国の統計ではLockdown開始後コロナ以外の死亡者の急増が見られるという報告もあります。つまり封じ込めの政策は不顕性感染が多く、感染力がとてつもなく強力な新型コロナウイルスには無効であるだけでなく、副作用のために却って死者増加(生命軽視)につながっていると言えます。既に免疫を持っているかを見る「抗体検査」は集団免疫獲得の目安として重要ですが、「今誰が罹っているか」を見るPCR検査は感染者の治療を行う上では重要ですが(他の全ての感染症と同じである)集団免疫獲得の状況を知る上では参考になりません(治った人は当然陰性)。

 

ニュージーランドや台湾は勝ち組と言えるか、またワクチンは万能か

 

ニュージーランドや台湾は流行当初からの厳しい隔離政策によって、「封じ込め」によって新型コロナを早期に収束させたとして賞賛されています。しかし効果的なワクチンがない現状では、今後経済交流を再開させて、集団免疫を獲得した国家群から人や物の往来が激しくなると、再び新型コロナ感染の流行に怯えることになります。ワクチンについては勘違いをしている人が大勢いますが、毎年行うインフルエンザワクチンによる抗体獲得率は60-80%程度です(4価なので株によって獲得率が異なる)。つまりワクチンを打っても宿主の免疫力が十分でなくては抗体は獲得できないのです。これは前回指摘したように、自然感染においても宿主側の因子で発症せずに抗体獲得に至るという「集団免疫を獲得する発想」と基本的には変わらない事を理解すべきです。ワクチンを打っても抗体ができない人はインフルエンザ同様感染すれば発症します。この医学的な常識が理解できていない人が沢山いる様に思います。

爆発的な感染拡大で一時は医療崩壊にまでなった欧米国家ですが、既にピークは過ぎて都市閉鎖を解除し、現在少しずつ経済を再開させる方向にあります。封鎖を解除すると再び感染爆発が起きると恐怖をあおる人達がいますが、封鎖しなくても同じであったスウエーデンの例や封鎖解除後も異常がなさそうな中国の例を見れば「もう感染爆発はおきない」という事は理解できるでしょう。サイエンスとしてのエビデンスがない推測は無意味です。感染が収束し、集団免疫を獲得した国家群はこれから注意深く経済を復活させてゆき、これに乗り遅れた国々は新しい経済秩序から置いて行かれる結果になるでしょう。

 

高齢者施設における正しい対応

2018年の厚労省による死亡統計                 新型コロナ感染症による年齢階級別重傷者死亡者数累計

厚労省の死亡統計によると、2018年は肺炎(94,000名)、インフルエンザ(3,300名)、気管支炎(400名)、誤嚥性肺炎(38,400名)の方が亡くなっていて合計136,000名の方が広い意味での肺炎で死亡しています。しかし全国で人工呼吸器が足りないとかICUが満床といった評判はなく、むしろ「急性期病床は段階的に減らす」計画でした。年々増加する医療費に対してメディアも人権派を気取る人士もこの構想に表立って異を唱える事はありませんでした。2020年4月30日の日本国内の感染者数13,929(症状のある患者は8,515名なので騙されないように)名、死亡者は415名です。つまり2018年における年間の肺炎死亡者数の0.3%の死亡者のために現在日本中で経済を止める非常事態宣言が行われているのです。客観的に見てこの事態を「正しい」と未来永劫言い続ける自信は皆さんあるでしょうか?私は異常だと強く感じています。

年間13万人が肺炎で亡くなっているのに、人工呼吸器が足りない状態が起こらないのは「人工呼吸器など使わない」からです。勿論医学的に回復の見込みがある若い急性気管支炎や間質性肺炎患者に適切に人工呼吸器を使用する事は当然ですが、合併症が多く、高齢で認知症もあり回復の見込みがない肺炎患者は無理のない可能な範囲で治療を行って自力回復がなければ看取りを行うのが当たり前です。その意味で千葉県の高齢者施設で施設内集団感染が起きてしまった事は残念な事ですが、感染者を施設内で治療して挿管などの無駄な治療をせず看取りを行った事は大変重要な誇るべき対応であったと言えます。患者さんにとっても知らない病院で挿管され眠らされて管だらけにされて亡くなるより自分のベッドでそのまま安らかに亡くなる事が何より望ましい事であったと思います。諸外国においても施設内でのコロナ死亡はそのように対応しているのが普通であり、ベルギーは感染確認のPCR検査を行わず「多分コロナ死亡」と判断される場合も「コロナ死亡」に含めているから100万人当たりの死亡率が他国よりも高い事が明らかになっています。図からも解る様に、日本における新型コロナ感染の重症、死亡者数は70代以降の高齢者が殆どであることから、悪性の風邪として通常の対応をしている限り、医療崩壊も経済封鎖も心配ありません。日本も皆で「新型コロナ風邪」と呼んでコロナウイルスによる感冒として対応し、国民が正気に戻って一日も早く生活を普通の状態に返す事を願ってやみません。

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