rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

未完のファシズム米国

2021-02-27 00:25:38 | 社会

慶応大学の思想史、音楽史研究家である片山杜秀氏が著した「未完のファシズム」という名著があり、以前書評をブログで記しました。要約的には、戦前の日本における体制は統一された思想や指導者に完全に統制されたイタリアやドイツの完成されたファシズムではなく、統制派や皇道派などが独自の理屈で日本の政治をかく乱し、「戦争をする」という方向性は決まっていて、国民が異論をはさめるものではなかったものの、 ファシズムとして未完成であった故に両論併記と責任回避を繰り返して結局悲劇的な結末に至った、と説明されるものでした。

片山杜秀氏の未完のファシズム(新潮選書)

 

現在の米国は、「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合」により、ジェンダーや民族の多様性は認めるが、意見の多様性は認めない「ファシズム」に陥っていると誰もが感じています。しかしこのファシズムは大統領であるジョー・バイデン氏が絶対的な権力を掌握した結果ではどうもないようだ、むしろ大統領は痴呆により前後不覚の状態であることが明確になってきました。

 

〇  一体だれが大統領としての決断を下しているのだろうか

 

2月22日31人の民主党下院議員は、(認知症の)バイデン大統領一人が核のボタンを持つことは危険であるから、ハリス副大統領やペロシ下院議長へその権限を委譲するよう求める下記の書簡をホワイトハウスに送ったと報道されました。

また、25日、米軍はシリア国内のイラン武装勢力の施設をバイデン大統領の命令で空爆したと国防総省が発表しましたが、「そんな話は聞いていない」と副大統領のカマラ・ハリスが激怒したという話もあり、一体だれが戦闘開始の指揮を執っていたのか不明な状態です。

民主党下院議員が連名でホワイトハウスに送った書簡      バイデン大統領の指令でシリアを攻撃したとする国防総省の公式発表

 

施政の方針は殆どの閣僚が属している外交問題評議会(CFR)が決めて、大統領令はオバマ時代の国連大使であるスーザンライスやウクライナを地獄に変えた悪女ビクトリア・ヌーランドが決めている。政治表面には一応適応力のあるカマラ・ハリスが対応するとして、日々省庁や情報機関から上がってくる情報や問題に大統領として対応しているのは誰なのでしょう?

今の米国は多様な意見は許されません。民主党バイデン政権の正統性を疑う言論や、WHOの見解に沿わない新型コロナについての意見も大手メディアや言論プラットフォームからは「削除」されます。つまりファシズム国家になっています。しかしファシズムとして単一の意思決定機関や人物がいるのか?というとどうも「無政府状態」であり、それぞれの機関が勝手に意思決定をして認知症の老人の所に「皆のためにここにサインしてください」と命令書を差し出せば「おお、これで米国民が幸せになるのだな」と何も考えずにサインしてくれるようです。だから民主党下院議員たちが恐れるように「ピザを頼むにはこのボタンを押せばよいのかい?」と差し出された核のボタンを押してしまう可能性を否定できないという冗談で済まない状態が既に起きているのかも知れません。

 

2月22日米国最高裁は2020年の大統領選挙に関する全ての訴訟ケースで裁量上訴(Certiorari)を棄却したというニュースがありました。選挙結果の大勢に影響が少なかったなどの色々言い訳が記されているようですが、要は今回の選挙制度について合憲であるかの判断を最高裁は「しない」と決めた。選挙の結果について最高裁は責任を持たない(合憲とも違憲とも判断しないから)という事のようです。だからバイデン政権の正統性は形式的な手順を踏んだという意味での正当性のみで、そこで下された決断は大統領が幻覚妄想状態で判断能力がないのであれば、「誰の責任でもない」事になります。

上訴棄却について述べた最高裁の文書の一部(誰でも見れる)

 

今の米国は「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合による米国版未完のファシズム」と言えるのではないでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナワクチンの接種は打つとしても1回でよいだろう

2021-02-26 14:43:01 | 医療

〇 通販の宣伝に出てくる様な体験談を語り始めた専門家達

 

いよいよ日本でも新型コロナワクチンの投与がまず医療従事者に対して開始されました。テレビなどでは国民の未知のワクチンに対する「まっとうな警戒心」をなくそうと、投与された医師などの「どうってことありませんでした。」みたいな感想をしきりと流しています。先行する世界からの今までの報告から、投与初期の副反応(健常な人へのワクチンによる副作用を副反応というそうです)は今までの不活化ワクチンなどよりははるかに大きいものの、何とか乗り切れるようだと分ってきました。拙ブログでも紹介している米国VAERSによる副反応集計では投与後死者が2月初旬時点で1,000名近くになってきましたが、数千万人投与後の結果であり、直接ワクチン投与と結びつくとは限らない(コロナ死者統計と同じ)と思われ、むしろ神経麻痺の様なワクチン投与に結びつく副反応が問題だろうと私は考えています。

2月12日集計の副作用報告の集計結果(VAERSのサイトから)数千万人投与して1.5万の副作用報告があったうち5.8%が死亡報告だった。

 

〇  本来医師などの専門家が、コロナワクチンについて説明するべき内容とは、以下の様になるべきだと私は思います。

  • mRNAとして体内に注入される遺伝子配列(AUGCかATGCからなる)の明示(企業秘密らしいが、「明示しないなら承認しない位」の強気を国民への責任がある各国政府は示せ)
  • 投与されたmRNAに反応する宿主側の細胞の特定(筋肉注射なので一応筋肉細胞主体とされる)
  • 反応して作られるタンパク質の機能と構造(mRNA全体が翻訳されるとは限らない。スパイク蛋白の一部なのか全体か)
  • 蛋白を異物として認識する宿主の免疫細胞の特定(メモリーT細胞までの道のり、作成放出された異物蛋白のみでなく、宿主細胞表面の蛋白を異物として認識する事が大事ともいわれている)
  • 宿主が作る中和抗体が多種なのかモノクローナル(1種類)に近いのか
  • 作られた抗体のウイルスへの効果
  • 反応した宿主細胞がいつまで抗原を作り続け、反応した中和抗体がいつまで体内に存続するか(後術するように論文が出始めてはいるが)
  • 注入された遺伝子がレトロトランスポゾン化(以下に説明)して宿主DNAに取り込まれる可能性の有無(ないと明言するならばサイエンスとして実験結果か論文を明示する必要がある)

 

などを解りやすく説明して初めて専門家のワクチン評価と言えます。今メディアで述べられている内容は「通販の使用体験談」以上のものではなく、国民に範を示す専門家として恥ずかしくないのかと疑問に思います。

 

 

それでも、以下に説明するような長期的な遺伝子ワクチンによる影響は「未知」であることは変わらず、「できることなら受ける機会は少なくしたい」と考えている人は少なくないでしょう。しかしながら立場や仕事上「ワクチンは打たない」と断言できない人もいると思います。特に2回目の副反応の強さから、ワクチンは1回で済ませたい、と思うのは誰しも望むところです。ここに来て先行する諸外国からワクチンの有効性についての論文が出始め、中でも「初回のみのワクチン投与で十分に感染予防効果が得られているようだ」とする報告も出始めています。

 

以下に単回接種でも十分有効ではないかとされる報告を載せます。

 

〇  ワクチン1回接種、発症が85%減 イスラエルの研究者

 

(21/02/20記事:朝日新聞提供の記事引用)

 

 新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンの効果をめぐり、イスラエルの研究者らが医療従事者を対象にした研究で、1回のワクチン接種により発症を85%減らす効果があるとの論文を発表した。接種1回でも高い効果が得られれば、ワクチン不足に悩む国が2回目の接種を遅らせる判断をとることも選択肢となってくる。

論文は18日、英医学誌ランセット(電子版)で公開された。執筆したのは、国立シェバ・メディカルセンターのエヤル・レシェム教授ら。9109人の医療従事者を対象に、ワクチン接種前と接種後の感染や発症状況を調べた。

調査対象者のうち、昨年12月19日から1月24日までの間に170人が感染した。ワクチン未接種の場合と比較すると、接種から15~28日が経過した場合における感染率には、75%の減少がみられた。また、発症率でみると、接種から15~28日後には85%の減少がみられたという。

論文は「1回の接種後に、感染や発症に相当な早期の減少があることを我々のデータは示している」と結論づけた。調査対象者には2回目の接種まで受けた人も含まれるが、感染や発症が減少した効果の大部分は、1回目の接種の結果だと考えられるという。

(引用おわり)

〇  単回接種後の免疫原性の獲得とブースター接種の時期と効果について

Lancet 2021年2月19日号 Voysey M ら(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00432-3

 

17,000名のワクチン投与群とコントロール群の比較解析から、1回接種後14日から90日後までの感染予防効果は76.0%(59.3-85.9)であった。また単回投与後の中和抗体レベルは90日後まで下降することはなかったが、90日以降はブースター投与として2回目の接種が行われたのでいつまで単回投与の効果が続くかは不明である。2回目のブースター投与は3週目よりも時間を空けて90日後に行った方が、作られる中和抗体量は2倍近く多い傾向であった。(rakitarou意訳)

上記についてのLancetの論文

 

〇  遺伝子ワクチンとして投与された外来遺伝子が宿主の遺伝子内に取り込まれる可能性(レトロトランスポゾン化)について

遺伝子のレトロトランスポゾン化についてはwikipediaなどが解りやすく説明されていますが、簡単に述べると、「本来自分自身が持っていない遺伝子がウイルス感染等の形で体内に入ってくるとそれを自身の遺伝子の中に組み込んでゆく機構が元々生物には備わっている」という事です。ヒト遺伝子の少なくとも46%、犬の31%、マウスの37%の遺伝子はこのような外来性の意味のない遺伝子だろうと言われていて、考古学的にはヒト遺伝子の70%近くが元々外来性だった可能性があるという事です(参考1)。中には内在性レトロウイルス(HERVs)と呼ばれる遺伝的に受け継がれるウイルス疾患(HIVとか成人T細胞性白血病とか)もあり、これは自己の遺伝子の一部というよりもウイルスのまま精細胞内に組み込まれて遺伝してゆくタイプの物です(参考2)。2007年にProbstらは外から与えたmRNAが体細胞内に取り込まれる可能性について発表しています(参考3)。つまり、外来性のmRNAワクチンが投与されたヒトの細胞内で機能するからには、それが(必ずとは言えないまでも条件によっては)下図のようにヒトの遺伝子に組み込まれてゆく可能性は否定できないということです。問題は外来の遺伝子が自分の遺伝子の一部になってしまった場合、自分の免疫が反応すれば「自己免疫疾患」に、反応しなければ同じウイルスが将来侵入しても「免疫が働かない」事になってしまう事です。

胎児に組み込まれた外来遺伝子がその子にも遺伝する場合(A)、精細胞のみに限られ、体細胞には出ない場合(B)、体細胞にだけ出て遺伝しない場合(c)の模式図(文献1から)

 

1回ならば長期合併症は大丈夫という保証はどこにもありませんが、できれば打たないで済ませたいながら、仕方なく打とうという方は、種々のリスクは少ない方が良い事は言うまでもありません。2回目投与後の副反応は1回目と比べ物にならないほど強いことは世界中で指摘されています。その点だけでも1回投与で免疫的記憶が付いている証拠です。治験に必要とされるような、十分な中和抗体を得るには2回目のブースター投与が必要でしょうが、エボラの様な致死性の高いウイルス蔓延の地域に乗り込んでゆくわけではないのですし、今の日本の感染状況を考えれば1回のみの投与で充分免疫的記憶は付くと予想される(2回投与でも保証しているのはイスラエルで6か月のみ)と思います。皆さまの参考になれば幸いです。

参考1 Richardson SR et al. The influence of LINE-1 and SINE retrotransposons on mammalian genoms. Microbiol Spectr. 2015 April ; 3(2): . doi:10.1128/microbiolspec.MDNA3-0061-2014.

参考2 Nelson PN et al. Demystiied... Human endogenous retroviruses.  J Clin Pathol: Mol Pathol 2003;56:11–18

参考3 Probst J et al. Spontaneous cellular uptake of exogenous messenger RNA in vivo is nucleic acid-specific, saturable and ion dependent. Gene therapy 2007, 14, 1175-1180.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国家権力と企業権力の融合+リベラルの正義

2021-02-15 18:52:45 | 社会

〇  何かおかしいバイデン政権

2021年1月6日、不正な選挙で、連邦議会に民衆が乱入するという珍事がありながら、民主党のバイデン氏が第46代米国大統領に選出される選挙人票が公式に選出されました。そして1月20日に大統領就任式が行われ、バイデン氏が大統領、ハリス氏が副大統領になりました。就任演説でバイデン氏は「私たちは、民主主義と真実に対する攻撃に直面している」と述べ、「真実を守り、うそを打倒する責務が私たちにある」、「恐怖ではなく希望の、分断ではなく団結の、暗闇ではなく光の、アメリカの物語を一緒に書いていきましょう」と(自らの全てを棚に上げて)良くぞ言ったという内容の演説をしましたが、民主主義のために正しい選挙を行い、真実を確かめるために疑惑に対して裁判で全てを明らかにし、外国からの干渉を排除して米国民が団結し、陰謀のない、言論弾圧のない公明正大で開かれた「明るい米国社会」を是非作ってほしいものだと思いました。

就任式で演説を行うバイデン氏(BBCnewsから)

 

〇  違和感が残るその後の政権の動き

 

大統領就任までは公にされた部分については特に違和感なく過ぎていたのですが、その後の政権の動きが異例づくめであり、違和感がぬぐえません。以下にキーワードでいくらでも検索できるので出展はいちいちリンクしませんが列挙してみます。

 

  • 就任初日に17もの大統領令に署名(大して重要でないものから国民に十分な説明と理解が必要なものまで)、その後も大統領本人から説明もせず(記者会見は質問を制限と記者たちからも不満が出ている)40本も乱発し、「独裁者」(Dictator)という異名も。
  • その大統領令は本人が書いておらず、内閣(cabinet)の一員ではない「国内政策会議(DPC)委員長」の元国連大使スーザン・ライス氏が全て起請して決めているという噂があり、それを否定する見解が出てこない。
  • 執務しているオーバルオフィスが嘘っぽいとか、セキュリティを呼ぶsoda buttonが他の大統領執務机には必ずあったのにバイデン氏のにはないとか、移動に使っているのがエアフォース1ではない(確かに双発機で中央扉から乗り込む)とか、移動時に5m以内にいなければならない核のボタンを持った軍人がいないとか、車がビーストでなくシボレーのSUVだとかいろいろネットでは指摘されるのに、それら情報がフェイクであると否定する「是正する報道」がどこからも出てこない。
  • トランプ氏弾劾裁判は「違憲である」と連邦最高裁が判断し、上院での審判における裁判長就任が拒否され、上院議長で副大統領のハリス氏も拒否したのに無理やり「合憲」という採決を行って裁判を始めた事。話し合いで評決に持って行った後、民主党側が約束を反故にして「再度証人喚問」を言い出し、多数決で証人喚問を行うと決めた後に、トランプ氏側が「証人にハリス氏とペロシ議長を指名」と言った途端に腰砕けになり、結局評決して結局無罪になったこと(この経過はメディアで報道されない)。
  • トランプ政権が命令した「薬剤価格引き下げ令」を撤回して、薬価が数倍になり、国民の不満爆発とか、パイプライン工事停止により多くの労働者が失業し不満爆発とか、史上最高の得票で国民から大人気のはずのバイデン政権を賞賛する声がメディアからもネットからも全く聞こえてこない。
  • DCの軍による過剰な警備活動が騒乱状態はなくなったにも関わらず続いている。
  • 小児誘拐についての逮捕・取締がトランプ政権末期から非常に活発化し最近だけで500名以上の逮捕者が出ているが、それについて積極的な言及が政権からなされていない(FBI捜査官の殉職のお悔やみのみ)。
  • 当初は対中強硬政策と言っていたが、貿易規制を緩和し、孔子学園の援助を再開し、軍の動きはまだ台湾重視で変わらないものの、民間においては1か月で緩くなりつつある。

他にも、選挙不正についてのトランプ政権末期に起こされた訴訟について、判決が出つつあり、半分以上の訴訟で原告(トランプ側)が勝訴して、不正選挙疑惑が裁判判決を伴う不正選挙であったという事実認定に変化しつつあるのですが、これをどう扱ってゆくのかなど、政権側からのコメントが現状ありません。

 

〇  体制リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合

 

最近の傾向は政権である国家権力が「常識外れ」な行動を矯正しないでいる事を見て、国家権力と融合している「企業権力」も常識外れを矯正しなくなっている事です。大手メディアやプラットフォームがあからさまな「政治偏向」に基づく規制や報道を行い、それを企業代表や広報が「暴力を防ぐため云々」という説得力のない理由で堂々と「自身の偏向を肯定」してしまっています。

第一段階として米国では「中央銀行が経済を支配し、国家権力と企業権力が融合して国民を統制し、全体主義と親和性が高いAntifaなどの左翼暴力装置で国民を脅しながら、一方で左翼的ポリコレを主張することで表面的な正義を取り繕う」というのが現在進行中の「グレートリセット」「世界ディストピア化計画」の姿です。一般の人たちは「なんかおかしい」と「違和感」を感じているのですが、「誇張された新型コロナ騒ぎ」に忙殺されて、その実態を把握できないままいるのが実情であると思います。気が付いたら自由にモノが言えない、どこかに行くのも許可証(免疫パスポート)が必要、物の購入も全てデジタルで国家に掌握される、というディストピアになっている可能性が大となりました。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Douglas F4D Skyray 1/72 Tamiya

2021-02-14 11:00:12 | プラモデル

 前に取り上げたドイツの全翼機Horten 229でホルテン兄弟を支援したアレキサンダー・リピッシュ博士は、戦後米国のペーパークリップ作戦(有能なドイツの科学者の戦争責任を問わず米国に移住させて利用する)で新基軸の飛行機開発に活躍しました。彼のコンセプトを生かして、海軍戦闘機として開発されたDouglas F4D Skyray(空のエイ)はコックピット後ろから大きく広がるデルタ翼を持ち、メッサーシュミットMe163ロケット機の様に水平尾翼を持たない飛行機のジェット機実用型として初めて開発されました。1951年1月に初飛行し、1956年に就役、1964年退役したので、朝鮮戦争ベトナム戦争などの実戦に参加することはありませんでしたが、最高速度1,200km/時という音速を超える実用戦闘機で空母からの発着艦が可能であり、近代戦闘機の基礎を築いた記録的な機体でした。操縦桿はコンピューター制御ではありませんが、F−16の様なFly−by−wire形式のスティック状のもので、油圧式であり、評判はそれぞれでしたが操縦に完熟するとそれなりに安定感があったようです。総生産機数は419機で、高度15,000mまで2分36秒と俊足で、両翼に20mm機関砲計4門、サイドワインダーミサイル2基、爆弾1.8t搭載可能、航続距離は1,900kmでした。

デルタ翼機の模型を持つアレキサンダー・リピッシュ博士          実用化されたダグラス・スカイレイ戦闘機

 

 プラモデルはタミヤ製だけあって安定の作りで、操縦席周りの作り込みも精緻で作り易いものでした。下面は白、上面はガルグレー、マーキングは海兵隊第114戦闘飛行隊の物を使用しました。一世代前の艦上戦闘爆撃機であるF9Fパンサーと並べてみました。10年以内の経過ですが、当時の航空機の進化のスピードを感じさせます。

コックピットの両側に空気取り入れ口を持ち、内部にプラット&ホイットニー社製 J57-P-81エンジン1機を搭載している。取り入れ口のデカールは軟化剤を用いないと曲面にうまく貼れない。

特徴的なデルタ翼  胴体中央にNAVPAC航法パッケージ、その両側がサイドワインダー対空ミサイル、その外側に燃料タンク、rocket package(ロケット弾ポッド)が装着。

F9F Panther と F4D Skyray

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ陽性になったら気をつけること

2021-02-05 17:19:46 | 医療

2021年2月に入って、緊急事態宣言が延長になりました。一方で前回のブログで記した様に1月中旬をピークに感染者数は世界中で減少傾向にあります。感染者数の減少は厳然たる事実で誤魔化しようがないのでそのままメディアでも報じられていますが、それでは危機感を煽る事を要請されているメディアの役割を果たせないので今度は感染陽性者の死者数が「最多を更新」ともう必死の状態です。この1年で日本における新型コロナ感染症陽性者の死亡は6,000名ですが、コロナ感染症が重症化して死に至った例は2割程度と思われ、他の合併症がコロナ感染も多少影響して悪化したため亡くなった方が大多数であることは諸外国の事例も含めて明らかです。

 

〇 新型コロナ陽性と言われたら気をつけるべきこと

 

多くの人にとって、それでも急激に重症化して亡くなる例などが報道されると、「新型コロナ感染は怖い」と感ずるのは当然の事です。そこで恐怖を煽るだけのワイドショーなどでは出てこない「新型コロナ感染陽性と診断されて気をつける事」について、コロナ感染症を良く診療している医師からの情報を踏まえて記しておきます。

 

〇  感染から2週間は血中酸素飽和度の低下に気をつける事

 

血中酸素飽和度は「パルスオキシメーター(写真)」で測定できます。測定する部分を指先の爪に挟んで指先に酸素が十分供給されているかをチェックする事で肺の機能を見るのですが、健常なヒトでも器具の付け方が悪いと正しく計れません。また息を止めると低下し、深呼吸をすれば改善する、とても感度の高い機械ですが数千円で購入できます。病院などでは患者さんの呼吸状態を把握するために日常診療で多用しています。問題なのは、家でコタツに入ってテレビを見ているような状態では、コロナ感染症の特徴である間質性肺炎の状態が進行して、血中酸素飽和度が低下しても気がつかない事です。通常血中酸素飽和度は90%以上ありますが、80%に低下するのはガス交換がかなり低下した状態、富士山の頂上に急に上ったような酸素状態ですが、安静にしている限り苦しいと感じない事が多いのです。しかし階段の登り降りなどをすると辛いと感じます。しかし酸素飽和度が60-70%まで下降すると安静にしていても息苦しいと感じます。しかしこの状態は既に人工呼吸器管理が必要な状態に近いです。メディアで報道される「家で待機している感染陽性患者が急変」というのはこのような状態なのです。

〇  家で急変を避けるには

 

多くの自治体では入院するほどではないが、観察を要する新型コロナ陽性者に対して、専用のホテルや宿舎での待機を指示しています。そこでは看護師などが待機していて、一日2回程度血圧や体温、呼吸状態、酸素飽和度を測定し、自覚症状なく病態が悪化していないかチェックします。そして入院加療が必要な状態と判断されると、自治体の保健所などが入院できる病院を紹介してくれます。その段階を経ずに多くの陽性者が入院してしまうと本当に入院が必要とされる状態の患者さんが入院できず、「医療崩壊」になってしまうのです。新型コロナウイルス検査で陽性と診断されたら、自治体などが指示する施設に入所することが安全だと思います。また施設などがいっぱいで入所待ちの状態の時には「注意すべきこと」を良く聞いて、自覚症状がなくてもチェックすべきことを実践し記録しておく事が肝要です。

 

〇  多くの重症患者は治癒している

 

コロナウイルス陽性で亡くなったとされる人で重症新型コロナ感染症が改善せずに死に至る例は2割程度と言いましたが、私が把握している例でも90歳台や80歳代後半で通常の市中肺炎でも亡くなる様な免疫力の方がコロナ肺炎で亡くなることはありましたが、60歳台から70台前半くらいで人工呼吸器を装着したり、ECMO装着まで必要とした例でも月単位の治療は要しますが多くの患者さんは治癒して退院しています。中にはその後他の病気になって手術を受けた患者さんもいますが、大きな合併症も併発せず退院しています。重症患者さんが再度悪化するのは、一度改善傾向になって人工呼吸器を離脱した頃に気道分泌が非常に増加する時期があるのだそうです。サイトカインストームで激しい免疫機構で気管組織が破壊され、再度組織構築が起きる段階で気道内の分泌物が増えた際にうまくその分泌を吸引などで取り除かないと、閉塞して再度細菌性の肺炎などになってしまうそうです。そのためには気管切開をして呼吸管理をしたほうが特に高齢者などは安全であるということでした。以上この1年のコロナ感染症対応で大事な部分は、

 

     1)       無症状増悪期を酸素飽和度チェックで見逃さない事

     2)      重症からの回復期で多分泌期の吸痰をしっかり行い乗り切る事

 

であり、特に一般の患者さんにとっては1)の時期を医師や保健所の指示通りに施設(可能な限り)や家庭(しっかりした家族との同居が望ましい)でやや面倒ながら対応してゆく事が肝要と思います。

 

〇  いよいよ日本もワクチン接種が始まる

 

日本でも2月下旬から医療従事者を優先的に、またその後順次高齢者などにも新型コロナワクチン接種が開始されます。前回指摘した様に、ワクチンの「新型コロナウイルス」に対する予防効果は確実にあると思います。しかし通常のインフルエンザワクチンと副作用や局所反応が同じではない事も確かです。米国のワクチンの副作用を報告する公的なサイト(VAERS)によると、2021年1月22日の時点で9845件の副作用報告のうち、ワクチンによる(ワクチン接種後の)死者は329例、回復不能な状態(麻痺とか?)104例と半端な数字でない副作用が出ています。命に係わる状態(life threatening)も273例。数百万人接種でこの数字ならば、日本の人口1億人に接種すると20倍としても6000名のワクチンによる死者が出る、ほぼコロナウイルスによる今までの死者(ウイルス感染陽性で死亡)と同じ数の死者がワクチン接種後に出る事を覚悟しないといけない事になります。随分思い切った決定を軽々と政府は決めたものです。欧州(ドイツ)ではファイザー製のワクチンが高齢者に効果が薄いという事で、接種を控え始めていますが、本当は高齢者の副作用が激しすぎて公表できないほどの犠牲が出ているというのが真実ではないでしょうか。だからこそモデルナのワクチンですが、2回目接種は半量で、という話も出ていると思われます(効果を確実にするには半量接種の推奨はあり得ない)。今はワクチン接種にあまりに前のめりで、長期効果や副作用、遺伝子レベルでの影響など一切問答無用で物事を進めています。誰も責任を取る気はないし、誰も責任を取る能力がない事を全世界の人類は理解した上でワクチン接種を受ける決断をするべきです。心配になって病院の医師たちに聞いても、誰も答えを持っていません。本当です。

 

VAERSの報告のページ 報告される例は一部であると言われている。

 

〇  追記: ワクチンはアマビエではない (祈れば疫病退散とはいかない)

 

1月29日に米国VAERSのサイトで1週間後の副作用集計が出されました。ワクチン関連の死亡者は200名近く増加して501名になっています。

2月6日東京新聞にはイスラエルで実際にファイザー製のワクチン接種を受けた記者の体験が報告されていましたが、「2日ほど歯がガタガタする震えと激しい頭痛に襲われた」がその後回復したので「大したことない」という物でした。予防効果はある、と言う結論は私と同じですが、「ワクチンの副反応がどうなるか分からず怖かった」という結論を書けない立場ながら正直に状況を記事にしている事は評価できます。

1月29日までの報告が集計されたVAERSのデータと東京新聞の記事

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする