rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

NHK BS世界のドキュメンタリー 「アメリカ揺れるユダヤ系新世代」感想

2024-10-03 09:26:38 | その他

米国では政治家達がAIPAC(米イスラエル公共問題委員会)から買収されて悪逆非道イスラエルを支持し続けるとする一方で、真にイスラエルの未来を考えるユダヤ系市民や若者が、イスラエル政府が行う戦争への批難を強めています。それは今年5月に渡米した際にも実際にハーバード大学等でイスラエルを批判する学生達の活動を確かめ確認できました。一方で同じハーバード構内では頭にユダヤ教のシンボルであるキッパーを被った学生が「親イスラエル」の集会を開いている様も見かけました。

2024年5月ハーバード大学構内でピケを張る反イスラエルの学生達  抗議が行われているキャンパスに入るには学生証の提示が求められる(rakitarou撮影)。

 

NHK BS世界のドキュメンタリー 「アメリカ揺れるユダヤ系新世代」

このドキュメンタリーは2023年に10月7日より前に制作され、批評家から絶賛された長編ドキュメンタリー映画『イスラエル主義』を基にしています。世界中の若いユダヤ人にイスラエルへの無料旅行を手配するバースライト・イスラエル財団が主催したエルサレムでの歌と踊りの メガイベントから始まり、米国の親イスラエル・プロパガンダ機構と、一部の若いユダヤ系アメリカ人がそこから得ている道を探ります。中心人物は、ロサンゼルスで育ち、ユダヤ人学校に通い、交換留学プログラムでイスラエルに住んだシモーヌ・ジマーマンと、高校卒業後にイスラエル軍に入隊した同じアメリカ人のエイタンです。

ドキュメンタリーはこれらユダヤ系の若者達が実際にイスラエルやパレスチナを訪れて今まで米国内でユダヤ人として教育されてきた内容と現実の違いをいかに認識し、「真のイスラエル国の平和と安定に必要な事」に目覚めるかを扱った内容で見ごたえがありました。

 

偏向教育のもたらす分断と誤解

紹介される米国生まれのユダヤの若者は小中高とユダヤ人の学校に通います。全米で350校あるとされるユダヤ人学校では12歳までにモーゼ5書は暗記し、中高は全寮制の教育環境が整った環境で高度な教育を受けます。その中でイスラエルがいかにユダヤ人の繁栄に欠かせない場所かを教えられて、実際に現地教育なども受け、中には大学に行かずにイスラエル軍に志願する若者もいます。現在2万人以上の米国籍の若者がイスラエル国防軍(IDF)に所属し、ガザ侵攻に参加していると言われ、米国議員では二重国籍でIDFを除隊した人もいます。在日米大使で10月には帰国し、カマラ・ハリスの指導者となる予定のラーム・イマニュエル氏は米・イスラエル二重国籍でイスラエルの国益のためにも活動している事は有名です。

このユダヤ学校で教えられる教育が、広い視野で公平なものであれば問題ないのですが、ドキュメンタリーで紹介される若者は、それがシオニズムに基づいた一方的な正義の教育であり、アラブやパレスチナの問題を相手の視点から考えさせる内容は一切なかったと顧みます。

イスラエル軍の制服を着て議会に出る米議員    AIPACに同調しないと選挙で落選させられる現実

 

ユダヤ教の教えよりも教育洗脳

大学に進学したユダヤ人女性は、ヒレルというユダヤ系大学内組織でイスラエルを擁護する活動をして過ごしますが、同じ大学で学ぶパレスチナ人達の問いかけに答えられず、自らパレスチナを訪れて答えを見つけます。18歳でIDFに入隊した男性は、ユダヤ人入植地で正当な理由なくパレスチナ人をIDF兵士が虐待する場に居合わせ、自分もそれに加担した事に罪の意識を覚え、除隊後勇気を持って声を挙げます。米国内で反イスラエル・反シオニズムを訴えるユダヤ人達は若者が多く、それはホロコーストのトラウマに囚われ続けて排他的なイスラエルの存立を目指す「シオニズム思想」に疑問を持つことから始まると説明されます。それは神話からなる宗教物語よりもホロコースト・トラウマからの解放、洗脳的思い込みからの解放だと解釈されます。

 

イスラエルの未来は米国系ユダヤ人の若者に託されるか?

現在のイスラエル国内にも停戦と平和を訴える人達が多くいますが、日々周辺アラブ諸国からの攻撃にさらされている状況で、政府は戦争拡大に走っており、状況を変える事は困難であるように見えます。イスラエルの現状を我が事として俯瞰して見ることができる米国やイスラエル国外にいるユダヤ人の若者こそが、将来の望ましいユダヤ国家を創造する源になってゆく可能性があるように思います。米・イスラエル・パレスチナ共同制作のこのドキュメンタリーの主題もそこにあったように見えました。

シオニズムに疑問を持つユダヤ系若者が増加している

 

挑発を続けるイスラエル・自制を続けるイラン

10月1日イランのイスラエル国内へのミサイル攻撃     中東に配備されている米海軍の布陣

2024年10月1日イランはイスラエルに180発の極超音速ミサイルを発射し、イスラエルの防衛網を圧倒しました。この「真の約束2」と名付けられた作戦は、発射の約1時間前に米国に空軍施設が標的になることを通告され、イスラエルはF35戦闘機や空中給油機などの高額兵器を緊急発進して退避させる余裕を与えられた様です。また住宅地などの民間施設も目標とされず、レバノン民間人を巻き込んだポケベル爆弾テロ攻撃、ヒズボラの指導者ナスララの殺害やレバノン南部へのIDF侵攻への対応として「いい加減やめなさい!」と言わんばかりのかなり慈悲深い内容であったと思われます。イスラエルは盛んにイランを「テロ国家」と宣伝していますが、いくらメディアを支配して偏向報道をしかけても現実との乖離が大きすぎて却って滑稽に映ってしまいます。

金で世の中を支配していれば、いかなる「悪」も許される、とするのが現在の米国ユダヤ富裕層がシオニズムを支持し、米国政界を資金豊富なAIPACを通じて操る構図です。しかしアンパンマンや水戸黄門を始め、世界中の童話や寓話は「金で正義を変える事はできない」という「現実社会はその傾向があるがそれは誤りであり、ヒトの心を変えることまではできない」事を繰り返し語ってきました。現在のユダヤ富裕層は「金で正義は買える」が信条であり、それを世界に押し付け通すつもりですが、現在の金満の基になっている「グローバリズム経済が行き詰まっている現実」があるからこそ狂った様に慌ててシオニズムの正義を通そうとしているのだと思われます。

 

中東情勢はアラブ人特有のエトスで理解しがたい

イスラエルとエジプトを旅行した経験から、イスラエル人は西洋人的な思考が理解できればその行動や論理は理解できますが(賛同するかどうかは別)、アラブ人は独特の思考があって理解しがたいと感ずることが多いと思いました。勿論ヒトとして基本的な感情や理屈は同じなのですが、アラブ人同士全く一枚岩ではないし、損得の感覚も異なる。親イスラエルの人もいる。殉教や報復の概念も西洋社会とは少し異なる様で、戦争の勝ち負けの感覚も異なる。多分これは自然が厳しい砂漠での部族社会同士の長い抗争を生き抜いてきた文化によるものだと思われ、文化圏外の我々が安易に介入すべき問題ではない様に感じます。日本人に理解しがたいものは、単純なアメリカ人には猶更理解しがたいと思われ、アメリカの中東政策がアラブに翻弄されるだけでうまく行かない理由でしょう。イスラエル建国は米英権力層が西欧の理屈が通る暴力装置として中東に根付かせる目的があったのでしょうが、アラブの原油の重さが低下してきた現在、イスラエル共々店じまいの時期に来ているのかも知れません。

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イスラエルの狙いは米軍の中東戦争参戦?

2024-09-28 15:51:44 | 政治

2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃(アル・アクサ洪水)以来、イスラエルはガザに対してハマス殲滅の目的でほぼ無差別と言える攻撃を1年続けてきました。現在4万人を超える主に女性や子供の民間人死傷者が出ているにも関わらず、ハマスのイスラエルに対する反撃は収まっていません。2024年9月、新たにイスラエルは北に国境を接するレバノン・ヒズボラへの攻撃を強めていて、戦闘が収まる気配がありません。この戦闘は2006年のハマス、ヒズボラへの2正面戦争に類似してきており、2006年の時は約2か月の戦闘で100名以上のイスラエル兵の死亡、レバノン側は激しい空爆で市民を含む900名が死亡し、3000名が負傷、1/3が子供であり、国際的に大きな批難を受けることになりました。

現在のイスラエル2正面戦争は2006年の再現になりつつある。

I.  用意周到なヒズボラへの攻撃

2024年9月27日イスラエルはレバノンの首都ベイルートに激しい空爆を行い、住宅地地下のヒズボラ拠点を攻撃しました。同日国連総会に出席しているネタニヤフ首相は各国の激しい抗議、批判にも関わらず停戦に応ずる姿勢は見せず、世界中から顰蹙を買う結果になりました。レバノンでは9月17日と18日にポケベルや通信機、太陽光発電施設まで多くの電子機器が所かまわず一斉に爆発し、数千名の負傷者が出ました。米国メディアは米情報筋の話として、これらはイスラエル諜報機関のモサドが15年の歳月をかけて準備した秘密工作であると報道、NYTはこれら通信機器のヒズボラへの配布は2023年夏から始まったと報じました。

イスラエルを明確に批判するスピーカーには大きな拍手も起こる。

何故イスラエルが9月17日に攻撃対象を軍に規定せず、民間人や子供まで犠牲になるポケベルなどによる方法で一斉テロ攻撃を行ったかは、諸説ありましたが、現在のレバノンへの大規模な計画的攻撃からは「ヒズボラの準備態勢を崩すための先制攻撃」であったと言えるでしょう。そしてネタニヤフの国連における執拗な戦争継続宣言も合わせて考えると、イスラエルはレバノン、イランを挑発し続けて本格的戦闘に持ち込ませ、米軍を中東戦争に巻き込む事を目的としている様です。米軍は陸軍を中東戦争に参加させる計画はありません。それはウクライナへも同様で、NATO参戦につながるロシア国内への長距離ミサイル使用は英国は許可しそうになりましたが、米国は明確に否定しました(珍しくバイデンが英国からやってきたスターマーに激怒し、ゼレンスキーも適当にあしらわれて帰された)。装備、兵員の状況からも無理です。それは米軍内部のみならず、国防総省も明確に示しています。現在通常軍備では、イスラエルはヒズボラにもイランにも劣ります。しかしイスラエルには核を使用する奥の手があります。米国としては中東で核戦争が起こる事は看過できないため、イスラエル軍に加勢せざるを得なくなるとネタニヤフとAIPACは踏んでいるのでしょう。

 

II.  911ではイスラエルが米軍の中東派兵を成功させた

レバノンにおける用意周到な大規模テロ攻撃は、911以来という評価がありますが、米国では911自体をイスラエルのモサドによる用意周到なテロ攻撃であり、結果的に米国をイラク、アフガニスタンに派兵させ、イスラエルの宿敵を排除させることに成功したという分析もあります。2024年9月12日に発表されたワイアット・ピーターソン氏による13000語に及ぶ論考は、当日アフガニスタンの軍病院で透析を受けていたオサマビンラディンと20名足らずの飛行操縦を1から習ったばかりのサウジアラビアの若者があのような緻密に計画されたテロを実行する事が不可能であったこと。911という犯罪を隠蔽するために、準備(ツインタワーの所有や警備会社の所属)、政府対応(政権内に多くのユダヤとネオコン)、事後調査、メディア、法手続きなど細部にわたって全てイスラエルとユダヤ財閥、ネオコン関係者が関与したことを実名付で証明しています。1987年以来WTCの警備契約はテルアビブに本社のあるアトウェル・セキュリティー社が担っており、テロ攻撃の2か月前2001年7月にWTCの所有がNY港湾局から富豪のシオニスト、ラリー・シルバースタインに移っており、彼が1400万ドルしか支払い終えていないうちにテロ攻撃で45億5千万ドルの保険金を受け取り、瓦礫も早々に中国に移送してから処分し、大金を得た事。激突した航空機の空港警備がICTSというイスラエル企業であったこと。飛行機が激突していないWTC7ビルがツインタワー崩壊の数分後には「ここも崩壊するから退避する。」という決定が下されたくだりなど興味深く説明されています。

911後、事件とイラクは全く関係なかったのに「テロとの戦い」という名の下、既定路線の如く派兵命令が下された事は種々の映画などでも紹介された通りであり、大量破壊兵器の存在もでっち上げであったことが事実として証明されています。イスラエルを敵視せず、中東の既存組織を破壊したISの存在や、ネオコン主導でその後展開されたリビアやエジプト、シリアの民主革命(米国・ネオコン寄りの政権を作る)など911以降の展開はイスラエルを利するものであったことは確かです。

 

III.  ウクライナ、中東の今後の展開は?

ウクライナが開発したと言われる新型長距離ミサイルドローンも戦況全体を変える力はなさそうだ。

ウクライナでは、クルスク侵攻は失敗であったものの、ウクライナ製の新兵器(ミサイルドローン)を使ったロシア弾薬集積所への長距離攻撃は一定の成功を見せていますが、戦況を変えるほどの効果はないようです。一方でドンバスの都市がロシア軍に次々と陥落しており、半数以上が平均年齢40歳を超える新兵からなるウクライナ軍の消耗は一層激しくなっています。

米国大統領選はCNNでさえ接戦と評していて、10月に再度CNN主催で討論会を開いて雌雄を決しようとしています。日本は米国から嫌われているから無理かと思った石破氏が自民党総裁に選抜され、ロスチャイルド(麻生)が推す高市(その前は河野だったがあまりの不人気に転換した)は決選投票で13票しか伸びず、いかに麻生が嫌われているかが明確になりました。米国(岸田を切り、菅に小泉を推させた)推しの小泉は中身の無さはカマラ・ハリス並みで、竹中平蔵が米国(ダボス会議)の指示通りに後ろで操るには都合が良かったのでしょうが、落ち目の世界経済フォーラムがヤンググローバルリーダーとして推薦(指示通りに動くコマ)していた河野、小泉、高市にならず本当に良かったです。乱世の2025年を乗り切るには肝の座った石破氏が総理で良かったと心から思います。

トランプが大統領になればウクライナからは直ぐに手を引けると思われますが、米国は政官財メディアの全てにイスラエルとモサドが入り込んでいるから中東紛争はかなり厄介な状況になるでしょう。レバノン、イランはイスラエルの大規模戦争化の狙いを見越して、激しい挑発にも乗らない自制心を見せていますが、イスラエルの挑発は激しくなる一方です。選挙のある11月までが挑発の勝負と見ているでしょうが、イランの新大統領は米国へ非戦闘的態度を示しており、何とか狂ったようなイスラエルの挑発を乗り切れば、世界を敵に回して経済がほぼゼロに転落したイスラエルは自滅の道をたどると思われます。

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映画「コンタクト」感想

2024-09-26 10:21:05 | 映画

映画「コンタクト」1997年(米国)監督ロバート・ゼメキス、原作カール・セーガン。

あらすじ(ネタバレあり)

地球外生命体とのコンタクトを目指すSETIプロジェクト研究者エリナー・アロウェイ(ジョディ・フォスター)はアレシボ天文台で探査と研究をしていた。しかし、先の見えないSETIプロジェクトに対し懐疑的な天文学の権威ドラムリンによって、彼女のチームは研究費とアレシボの利用権を打ち切られ、研究は中断を余儀なくさせられてしまう。

エリーは独自の資金を求め、ついにS・R・ハデンという富豪スポンサーを得ることに成功する。こうして彼女は遂にヴェガから断続的に発信し続けられる有意な電波信号を受信。早速その解析を進めるが、独断でこれを公にしたことで政府(NSA)が介入。探査は進むが、次第にエリーの思惑とは関係ない方向へと事態が進行し、ヴェガからの指示に基づく時空を超える宇宙船建造につながる。

時空を超える装置のモチーフは2017年のやはり異星人とのファーストコンタクトを主題としたロシア映画「アトラクション」でも使われた。

アトラクションのシーン(スペクタクル的にはこちらが上か)

宇宙船第一号機はテロにより破壊されるが、日本の北海道局地に極秘で作られた第二号からエリーはヴェガに旅立ち、ワームホールらしきものを経由し、天国のようなヴェガにたどり着く。エリーはそこで父親を見つけるが、それはただ父親の容姿をしたイメージ。異星人は何億年もの間知的生命体とこのような方式でコンタクトを取っているのだと言い、さらにこの接触は第一段階であり、また会おうとジョディは地球に送り戻される。この間18時間だったが、地球ではマシーンから球体が落ちて着水するまでの時間しか経過しておらず、このプロジェクトは失敗であり、エリーの体験も幻覚だとされるという展開。

宇宙へのロマンを哲学的に追及したカール・セーガンの小説がBack to the futureやフォレストガンプを手掛けたロバート・ゼメキス監督によってスペクタクルで見やすくなったという内容。しかし元々やや難解で退屈なカール・セーガンの作品なので、スピルバーグの様なエイリアン物を期待した人には物足りなさが残る内容と思います。人類の祖先は細菌から進化したものではなく、宇宙から来たのではないか?神とは宇宙にいるのでは?といった思想とつながっています。物語では、政府や学会の世俗的なしがらみや見栄でプロジェクトが翻弄されるのですが、科学、哲学、宗教は全て「真実」を求める点でその目的は共通するものである、というセーガンの考えに基づいて物語が構成されている点が興味深いものでした。エリーが体験した内容を記録した媒体が全てジャミングで解析不能になっていたものの、長さは地球時間の数秒ではなく宇宙時間の18時間であったり、地球外生命体の知性をほのめかす証拠は残されるものの、結局地道に人類自ら真実を探求しつづける、という結論も良き時代のハリウッド映画(米国)を感じさせる内容でした。この後米国資本主義が世界を支配し続けることで「真実追求」よりも「金と権力の維持」が世の中のインセンティブになってしまい、911、テロとの戦争、グローバリズムの台頭、ネオコン・軍産による世界支配、映画界を含むメディア統制(検閲産業複合体)の現在へと進んでしまった事が残念に思います。

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NHK映像の世紀・バラフライエフェクト「9.11あの日が変えた私の人生」感想

2024-09-19 15:02:32 | その他

NHKは時々良く推敲された素晴らしい番組、ドキュメンタリーを放送しますが、これもその一つとして備忘録的に記しておきます。2001年の米国9.11事件、特に世界貿易センタービルへのテロ及び倒壊事件を切掛けにして、世界中の人達の運命を変えた事情をドキュメントした作品でした。

I.  理不尽な一方的暴力(テロ)にどう向き合うか

 

作品の大きなテーマは「突然テロの犠牲者になる」という「理不尽な一方的暴力」にどう向き合うか?という難しいテーマです。番組では大きく「感情による対応」と「理性による対応」の例を紹介します。

理不尽な一方的暴力に「感情」で対応すると「暴力的復讐」になります。米国は国家として911を首謀したアル・カーイダと連携したとするアフガニスタンのタリバン政権、大量破壊兵器を隠匿するイラクを武力攻撃しました。これらは戦争利得者(warmonger)達には用意周到だった可能性さえ取りざたされていますが、米国民を「テロとの戦争」に駆り立てた点では正に「感情による対応」の結果でした。もう一つの例が米国内でのアラブ系住民への迫害で、実際に「正義のため」と信じてアラブ系米国人を銃で複数名殺害したマーク・ストローマンの例が紹介されます。

911では世界貿易センタービルに勤務していた14名の日本人も犠牲になったのですが、テロで息子を失った日本人の2人の父親の対応が「理性による対応」の例として紹介されます。一人は事件を明らかにするため、米国政府の数百ページに及ぶ911事件の正式報告書の日本語訳を数年かけて書籍として出版する人。もう一人はテロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンに手紙を書き、アフガニスタンに出向いて地元の人達と交流する人が紹介されます。アフガニスタンでは米軍の一方的な攻撃で手足を失ったり重症を負った人達に出会います。特に重症を負った少年との交流が紹介されますが、その少年は米国の理不尽な一方的暴力(テロ)に復讐で報いたい、と感情による対応を誓います。

 

II.  どちらの対応にも正答はない

 

「理性による対応」で探していた答えが得られたか?というと得られません。それは模索に終わります。「感情による対応」は一時的カタルシスを得るように見えますが、現実としては新たな「理不尽な一方的暴力」を産みだし、憎悪の連鎖が広がる結果を突きつけられます。つまり理性の対応に答えはなく、感情の対応は「誤りの答え」しか出ないという事です。

アフガニスタンで復讐を誓った少年の10数年後現在の正確なその後は不明ながら、米軍がアフガン撤退時に米兵にテロ攻撃を行って死亡したタリバン兵が少年と同じ姓名だったと紹介されます。アラブ系米国人を無差別的に殺害攻撃し、死刑が確定したストローマンは、彼の銃撃で片目の視力を失った被害者からの助命嘆願運動を聞かされます。死を前にしたストローマンは自分が一方的に攻撃した相手に涙ながらに「自分が間違っていた事、相手の行動は次のストローマンを産みださないために貴重な行動である事」をビデオ通話で語り掛けます。ストローマンに攻撃された被害者は「彼が死刑になってもテロに対する感情的な対応で新たな悲劇が生まれる社会自体は何も変わらない」と助命運動の動機を語ります。

III.  テロへの正しい対応

 

テロリストを警察活動によって追い詰め、逮捕して裁判で全ての背後関係などを明らかにして裁きを受けさせる事は正しい対応と思います。テロを起こすに至った背景や経緯を明らかにし、社会として対応する事も新たなテロを防ぐ上で重要でしょう。理不尽な一方的暴力を受けた個人は、感情で対応する事は誤った答えしか出ず、理性で対応しても望む答えは出ないという苦しい立場です。だからといって「国家」としてテロリストが属した国家と戦争による報復を行う事も正しい結果は産まないでしょう。番組としてウクライナ戦争や昨年10月のハマスの攻撃に対するイスラエルの対応はどうなの?と問いかけはしないものの、「誤った答えは解るが、正しい答えは出ない」という結論を短い時間で描いた点は一見の価値がある優れたドキュメンタリーだったと思います。

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Consolidated Liberator Mk3 (PB4Y-1) Revell 1/72

2024-09-17 17:15:02 | プラモデル

B-24 リベレーターの海上哨戒機版であるPB4Yを作りました。1960年代のレベル製で当時郡是産業から発売されていました。設計図にはイギリス海軍向けの塗装説明とスライドマークも付いていて米軍仕様とどちらも選択可能だったのですが、イギリス海軍向けを元々作るつもりであったのでそちらを選択。英国海軍のリベレーターはMk1、Mk3ともハセガワから2000年以降の新しい金型のものが出ているのですが、現在入手困難であり、中古プラモ点で見つけた古いレベルキットからASVレーダーなどはスクラッチで作製することにしました。

同じスコードロン内の機体にも種々のバリアントがある。プロペラは厚かったのでアカデミーのBー17から流用。

 

1941年カリフォルニア州サンディエゴのコンソリデーテッド社でAM929として4発重爆がロールアウトされると、U-boatによる通商路破壊に悩まされ、航続距離の長い対潜哨戒機を必要としていた英国は、早速英国製の機雷などを搭載し、ASVII対海上レーダーを装着できる改装版をLiberator Mk1として発注しました。1942年8月に北アイルランドのバリケリーの第120対戦哨戒隊に配属されると、米国から供与されていたカタリナやB−17以上の活躍を終戦まで発揮しました。種々のバリエーションがあるものの、B-24としては18,188機が生産され、英国海軍には164機が供与されました。大戦中損傷を含めて93隻のU-boatがB−24(米海軍所属を含む)によって沈められたと記録されています。Liberator 3(PB4Y-1)はB−24D型が改装されたもので、Platt & Whitney R1830 supercharger1,200馬力エンジンを4機搭載、巡航速度は346kmで、航続距離は薬2,500km。爆弾搭載量は1,200-3,000kgでした。対潜哨戒型は上下部の旋回銃座を省略したものや、ASVレーダーの他に夜間照射用レイライトを翼に付けた機体、機首や機体中央下部にレーダードームを装着した種々の派生型がありました。

機首の機銃用の穴からレーダーアンテナを出す。無線ワイヤも哨戒機は胴体から直接出ていた様だ。下面銃座は撤去。

 

モデルは自分とほぼ同じ年齢の古いもので、子供の頃から模型屋で見かけたものでしたが、レベル製B−24D爆撃機型は中学の頃作りましたが、PB4Yは初めてです。機体内部や操縦席はえらく簡略化されていて、他の模型の流用や厚紙などから追加の器材を作製しました。銃手を含めて5名の搭乗員が付いていて、定員は7名なので模型に載せる分としては十分でした。ASV II radar は支柱などがSunderland飛行艇、B-17、ウエリントンなどでそれぞれバリエーションがあるので、今回は伸ばしライナーから自作してみましたが、曲がってしまう傾向があり、真鍮線で作り直しました。整合は比較的良好だったものの、付いていたスライドマークは流石に全く使えず、別買いの物を使用しました。前輪降着モデルでB-24は特に前よりに車輪があるため、機体が片手で持てない程機体前部に重りを入れる必要があります。これで十分と思っても、H型尾翼を付けたら後ろにのめったため、まだ付けてなかったエンジン部を丸くくり抜いて3gの釣り用の重り8個を追加、計50g近くを粘土と共に機体前部に入れて、やっと自立しました。機体上面はエクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩、下面は白ですが、疲労感を出すために白のサーフィサーを吹いた後にレッドブラウンを縦のリベット部に筆塗りしてからつや消し白をスプレーしました。下面は淡いグレーの墨入れを軽く施しました。エンジンカウルの熱排出用に可動する部分は2Bの鉛筆でスジを入れると綺麗に入ります。機首に旋回機銃のあるAirfix製B−24Hと並べてみました。

上面はエクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩。

Airfixの爆撃機型B-24H

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崩壊するクルスク戦線と英国権力層の賭け

2024-09-12 13:14:45 | 社会

9月11日のクルスク戦線は、前回本ブログに示した様に補給を断たれて陣地戦に陥ったウクライナ侵攻軍が包囲殲滅される方向に向かっています。図で示される様に、クルスク西部は既にロシア軍部隊に包囲され、北部へ突出した部隊も補給路を分断され包囲されつつあります。先週クルスク近郊のウクライナ側にあるスミ近郊にあるウクライナ軍の集中補給基地がイスカンデル超音速ミサイルで攻撃され、武器、砲弾の車列が壊滅してクルスクへの補給が断たれた状態でした。

9月12日クルスク侵攻部隊はロシアによる包囲殲滅戦の危機にある。 ウクライナ側の物資補給部隊は9月初旬のロシアによるミサイル攻撃で壊滅状態

その様な中、ブリンケン長官はウクライナを訪問、ゼレンスキー氏が懇願する供与されたミサイルのロシア領内への長距離使用許可を求めました。選挙を前にした米国は既にウクライナ支援は腰が引けていて、NATOの直接参戦につながるミサイルの長距離使用には消極的ですが、EUなどどうでも良い英国権力層は供与したストームシャドウのロシア領内使用を既に許可したと言われ、NATOとして英国は戦争参戦する気満々の様です。欧州全体がウクライナの様な廃墟になっても良いと英国(権力層DS)は考えており、欧州市民達はふざけるな!という想いでしょう。それは今回のドイツ州議会選結果にも表れています。

愚かにも英国DS勢力はミサイルのロシア領内使用許可を既に出してしまった。 ブリンケン長官はレイムダックのバイデン政権として戦争開始の責任を取りたくない(許可すれば100%選挙には負けるだろう)から金で何とか誤魔化したい。

欧州の市民は自国が戦場になるなど絶対否である。「辛い結果」を免れたいのは市民の方だ!  ハリス氏との討論会でもトランプ氏は無駄な死をなくすウクライナ停戦を主張

 

〇 トランプ・ハリス討論会の行方

共和党のグローバル派(悪名高いチェイニーとか)からも支持してもらってるの、と討論会で得意げに話すハリス氏 WSJは中間層の収入はトランプ氏の2019年の方が多かったと指摘

9月10日接戦州のペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党を支持するABCニュース主催で行われた討論会は、米国主流メディアは、まともに討論できなかったバイデン氏に比して、トランプ氏への口撃がしっかりできたと高評価です。しかし経済や移民問題について司会者からの質問にも答えず、司会者も敢えてそれ以上答えを要求しないなどハリス氏のempty suit(中身のなさ)ぶりについてはそのままで、トランプ氏の「あなたは権力についていたこの3年半何もやらなかった。今からでも遅くないからホワイトハウスに戻ってあなたが今素晴らしいと自賛している政策をやるべきだ。」という最後の言葉が現在の彼女の実力を表していたと思います。討論会後に歌手のテイラー・スイフトがハリスを支持したと話題でしたが、トランプを支持していたらあらゆるメディアから大批判を受けていたでしょう。ポピュリズムを批判するメディアが人気者の動向を大喜びで報道する様は異様です。

体制派グローバル側を支持すればメディアから褒めてもらえる哀れな芸能人達   比較的中立なC-spanの討論結果の集計(9月12日31万人)

 

〇 体制派としてのグローバリズム

 

社会は常に「反体制」の存在を必要とします。しかし体制派の権力維持が困難になるほど、反体制への締め付けが強くなるのが世の常です。1990年代にソ連東側の社会主義国家が倒れて、経済だけは世界中が資本主義になると、経済が国の垣根を超えてグローバル経済として発達し、資本の元になる会社も世界規模になって世界統一基準(グローバリズム)が2010年以降主流になって「体制」を形作ります。ここで「反体制」となるのは社会主義経済ではなく、同じ資本主義でも多極(multi-nodal or multi-polar)な体制であり、輪転機を回して無限に「資本」を作れる西側先進国(G7)と対立して行きます。輪転機を回し過ぎてグローバル陣営の資本主義が実体経済に対する信用経済の割合が大きくなりすぎて、富の偏在が極端になりすぎ、健全な成長が望めなくなると、実体経済(食料、資源、人材と消費)がG7よりも大きい多極主義陣営(BRICS、グローバルサウス)が経済の主導権を取ろうとしてきます。西側とみられていたサウジアラビアやトルコは既に多極側に傾きつつあります。米国も共和党・トランプ陣営は多極主義の一極を米国に置くという政策ですが、グローバル陣営は民主党を勝たせようと支配するメディアを駆使してあらゆる手でトランプ勝利を阻止しているのが現在の状況です。

体制派であるグローバル陣営は、自由と民主主義を守ると言いながら、表現の自由を元に民主主義的に多極主義に移行することをあらゆる専制主義的制限と束縛で阻止しています。多極主義への移行を「分断」と称して、グローバリズムによる思想統一が素晴らしい事である様な幻想を押し付けますが、日本のメディアはまだ体制派であるグローバリズム一色であり、日本国民が意識改革に目覚めるのがいつになるか未定です。歴史的には、日本人は明治維新による幕藩体制から天皇制への移行、終戦による天皇制から立憲君主制への移行と反体制だったものが一機に体制へと変換する歴史変革に慣れているとも言えます。グローバリズムから多極主義への移行は今までの革命的大転換に比べれば大した変革ではありません。私は多極主義派で現在は反体制ですが、米国がトランプ体制になり、ウクライナ戦争が終結し、イスラエルが消滅して世界が平和になると、日本の意識変革、体制移行もスムーズに行われるでしょう。

しかし断末魔のグローバル陣営による画策が成功して、ウクライナ・NATOが世界戦争になり、中東も米国・イスラエル対イラン・アラブ諸国の世界戦争になると、世界中の多くの一般市民がくだらない戦争の犠牲になり、多くの文化・資産が失われる人類の大損失につながる事になるでしょう。そうならないための論説を私は細々と続けていますが、主流メディアでの議論が普通に行われる日本に早くなって欲しいものです。

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最期の賭けだったかもしれないウクライナのクルスク侵攻

2024-09-07 09:03:55 | 社会

ロシアはウクライナ全土の電気などの重要インフラに容赦ないミサイル攻撃を仕掛け、既にウクライナで電気が使えるのは30%あるかどうかと言われています。これは日常生活のみならず、補給や傷病者の医療にも深刻な影響を与えます。2024年の8月初旬にウクライナ軍はNATO指揮下に東部戦線から使える軍備を引き揚げてクルスク侵攻に踏み切りましたが、これは客観的にはPublicity Stunt(人目を引くPR活動)にしか見えませんでしたがゼレンスキー前大統領にとっては「最期の賭け」だった様です。つまりロシア軍の虚を突いてクルスク原発(核施設)を確保し、ロシアと有利な条件で交渉をする、或いはNATOを本格的に対ロシア戦争に引き込む、事を目的としていたらしいことがウクライナ軍捕虜などの証言で明らかにされています。

 

I.  沈む船から大挙して逃げ出す

 

NATOから供与された(オランダから?)虎の子のF-16戦闘機は、味方のパトリオットに対ドローン攻撃の混戦の最中に撃墜され、オレシュチュク空軍最高司令官は責任を取って罷免されました。NATOのIFF(Identity Friendly Foe)システムが対応しきれていない事が原因とも言われていますが、防空・防衛システムが不十分であり、混乱していることは間違いありません。

虎の子のF-16撃墜はウクライナ友軍か

クルスクに侵攻したウクライナ軍はほぼ壊滅状態で、残る軍を再び敗走しつつある東部戦線に再配置しているのがシルスキ司令官の現状であり、ロシア軍は大型誘導爆弾などで大きくロシア領内に引き入れて退却しきれなくなったウクライナ軍残党を殲滅しています。侵攻したウクライナ軍にとっては、戦車や装甲車などがほぼ破壊されて補給線が伸びた状態で陣地戦を強いられる最悪の状態と言えます。

沈む船から大挙して逃げ出す人達

 

9月初旬、とうとう沈む船から大挙して逃げるネズミの様にウクライナ中枢のメンバーが次々と辞任し始めました。外相のドミトロ・クレバ氏、法相のデニス・マリウスカ氏、戦略産業大臣アレクサンダー・カムイシン氏、ルスラン・ストレレツ環境・資源大臣、オルガ・ステファニシナ副首相、イリナ・ヴェレシュチュク副首相、大統領府副長官のロスティスラフ・シュルマ氏などです。逃げられないウクライナ市民が一番悲惨な目に遭います。日本国民はウクライナに戦争継続を応援することは止めるべきだ。

 

II.  軍事訓練センターミサイル攻撃

現地からは被害の悲惨な状況が報告されている。

9月3日のポルタヴァにある軍事通信教育研究所に対するロシアの極超音速ミサイル攻撃は、長年の中立政策を棄ててNATO入りを果たしたスウェーデンからの教官を含む200名以上(一説ではもっと)が死亡、300-500名が負傷したと言われ、米軍の現役中佐も非公式ながら(同日ポーランドで死亡と発表)犠牲になった様です。この攻撃で明らかな事は極超音速ミサイルによる攻撃は防ぎようがない、空襲警報が鳴ったと同時に避難する時間なくミサイルが着弾するという現実です。西側メディアはロシアのミサイル攻撃による民間人の死傷者数を発表しますが、多くは軍事施設を狙ったミサイルをウクライナ側のミサイルで撃ち落とした結果の破片などによる被弾であるため、死傷者が10名程度で済んでいるのであって、初めから居住施設を狙った場合は数百名の犠牲者が出るのが普通です。

 

III.  その他の戦術の進化

ウクライナ軍の実態は訓練不足による犠牲の増大が深刻と言われます。友軍への誤射で負傷する兵士も多いのが現実でしょう。軍歴を知らない日本人には理解困難でしょうが、戦場で撃つ、撃たないの判断を正しくできるようになるには訓練を含めて数年はかかります。それまでは経験豊富な下士官、兵に従う事が生き残る手段であることは洋の東西を問いません。そのような中でも戦争の長期化によって戦術の進化は進んでいます。

前回ある程度まとめて、2024年7月号の「紙の爆弾」誌にも発表しましたが、それ以降の進化として、(1)高精度ドローンの撃墜に安価な自爆ドローンが多用される、(ISR情報、観察、偵察の取得が開戦初期より困難になりつつある)(2)ドローンや通信の妨害技術が発達し、有線(光ファイバー)ドローンの有用性が認識され、偵察や車両への自爆ドローン攻撃に実用化、といったことが挙げられます。これらは既に中国軍ほか各国の陸軍戦闘教範に取り入れられて訓練で応用されると思います。わが陸上自衛隊の教範や戦術訓練も当然改定されつつあると期待しますが、その変化の速さは驚くばかりです。

ロシアで実戦に使用されている光ファイバー誘導ドローン

 

IV.  ネタニヤフの敵はハマス、ヒズボラ、イラン、ユダヤ教徒、政権内部、イスラエル国民

9月2日人質になっていたイスラエル市民6名が遺体で返還されたことに怒ったイスラエル国民は、真摯に人質解放交渉を行わずガザ虐殺を続けるネタニヤフ政府に対してゼネストを行いました。既にイスラエル経済は壊滅的打撃を受けており、政権内部からもネタニヤフ首相を批判する声が多く見られます。バイデン政権とAIPAC、米国議会はいつまで世界を敵にまわしてネタニヤフを応援し続けるのでしょう。一体何の国益が米国と米国民にあるのでしょうか?

 

V.  日本にも拡大する検閲産業複合体

9月6日発売の「紙の爆弾2024年10月号」に拙の論説が掲載されていますので、ご笑覧下さい。巻頭にカラーの図も載っています。

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レプリコンワクチンをめぐる問題

2024-08-31 13:54:28 | 医療

日本政府は2023年11月28日に海外で開発された「レプリコンワクチン」と呼ばれる遺伝子ワクチンを承認し、2024年10月1日から健常日本人への接種が開始される予定です。日本看護倫理学会は「緊急声明」として安全性の確立されていない自己増殖型ワクチンを医療従事者たる看護師たちに接種推奨する事に反対する声明を出しました。このきわめて論理的で真摯な声明に対して、より医学的専門家である医師会や専門の学会が沈黙している事の情けなさはいかがであろうかと思います。

暫くコロナワクチンについて論考していませんでしたが、現状で入手できる論文などから検討し得る自己増殖型ワクチンをめぐる問題について整理したいと思います。

 

I.  結論

 

まず結論から申すと、私はレプリコンワクチンを使わないと死ぬ確率が高い状態であれば「使う」ですが、新型コロナ予防のためには「使わない」です。以下にその根拠となる説明をしてゆきます。

 

II.  全ての感染症「X」に対する対応

 

全ての感染症「X」と表現します。は以下の図に示す4通りの分類と疫学的対応に分かれます。これを明確に分類・指示しないと経済や個人の対応が混乱します。今回の新型コロナに対する混乱で実証済みです。今年WHOが世界各国に強要した「新パンデミック条約」に対応するため、厚労省でなく内閣危機管理室が「新型インフルエンザなど対策政府行動計画」をまとめて、それに対してパブコメを募集していたのでrakitarouが送付した内容もこれに基づいています。

下図に示す様に、ワクチン接種が始まる前の2020年秋には、新型コロナウイルスがどんな変異種に変化しても(3)の感染力は強く毒性が弱いタイプであることは判明していました。ウイルスや細菌は自己保存(増殖)しやすい様に、変異するたびに毒性は弱くなり、感染力は強くなります。専門家にとっては常識中の常識です。だから2020年秋の時点でこのウイルスは起源が何であれ、今後人類に危機的状況を及ぼすことはないと判明していたのです。この科学的真実を政治的意図(経済的意図?)で明確に宣言しない政府やWHOは極悪以外の何物でもなく、人類の健康と命を預かる組織として信用に値しないということが解ると思います。

データが追える2024年2月まで、新型コロナ感染症は一貫して回復率は上昇し、死亡率は低下している。

 

III.  コスタイベ筋注用について

 

厚労省は、2024年10月1日以降に新型コロナウイルス感染症に対する世界に先駆けて接種開始となるJN1株(オミクロンBA2の亜種)に対する明治製菓ファルマのレプリコンワクチンの概要について5月29日に公開しています。内容は起源株(武漢株)を用いたレプリコンワクチンをベトナム人16,000名に対してデルタ株が流行している時期にファイザーのコミナティワクチンと比較した所、起源株に対して非劣勢(同等)の中和抗体価が6か月継続。有害事象はコミナティと有意差なし。BA.4-5(オミクロン株)対応の2価ワクチンを追加免疫した所、コミナティよりも抗体価が高く、有害事象は有意差がなかった。日本人に投与予定のJN1株に対してはマウスを用いた試験しかしていないが、良好な抗体価が期待できる、という内容でした。

厚労省発表のワクチンの効果についての実験結果(中和抗体価が増えているということ)

 

IV.  ワクチンとしての良い点、悪い点

 

後でレプリコンワクチンの構造(しくみ)や、ベクター型遺伝子ワクチンとの違い、遺伝子ワクチンが免疫寛容(免疫力が弱まる事)を起こす理由などを説明しますが、ざっと今回のレプリコンワクチンの良い点、悪い点をまとめます。

良い点  1)抗原にRBD(レセプター結合部位)(図)のみを用いているため、スパイク蛋白全体を抗原に用いた従来の遺伝子ワクチンよりも理論的には抗原原罪は起きにくく、ウイルスに変異が起きてもRBDが大きく変わらなければ抗体は有効である。スパイク蛋白全体を作らないので血栓などの有害事象が起きにくい可能性がある。2)mRNA自体にシュードウリジンを用いていないのでmRNA自体の分解は速やか。3)LNP(脂質ナノ粒子)をキャリアに使用できるため、ベクターとなるウイルス感染は不要。

今までのワクチンと異なり、スパイク蛋白全体ではなくレセプター結合部位(RBD)のみを抗原にしている。Nターミナルドメイン(NTD)や以下のS2部位が一つの蛋白となって、それが3本集まると(左の)スパイクタンパク質となる。また感染するにはRBDが活性化(UP)している必要があると言われる。

悪い点  1)健康な細胞に遺伝子増殖のためにαウイルスの一部を新たに感染させる必要があり、これが長期的に健常細胞と人体全体に与える影響について未知である。2)増殖のブレーキが設定されていないので、産生されるスパイク蛋白RBDがいつまで続くか、量的にどれだけ産生されるか個人差の想定ができない。3)抗原の大量刺激は免疫減弱を起こすIgG4産生の原因となる。4)遺伝子ワクチン全ての欠点である工業製品としての品質一貫性の保証がない(一定の割合で生物的に意味不明の遺伝子が製品に入る。コミナティは30-40%がどんな遺伝子か分からない状態だった)。5)生物の進化の過程を無視したワクチンであり、健常細胞の異物化による自己細胞障害の誘発(自己免疫疾患)、発がん監視機構の減弱化が起こる。

 

V.  レプリコンワクチンのしくみ

図に通常のmRNAと、自己複製機能を持つmRNAの違いを示します。目的抗原の遺伝子コードは、mRNAワクチンの場合は分解が遅いシュードウリジンを用いますが、複製型は細胞内で複製されるため、通常のウリジンが使われ、使用後は速やかに分解されます。しかしレプリカーゼとαウイルス由来の増殖プロモーターがあり、これにより細胞内の図の様に増殖工場が細胞膜内部にぶら下がる様に作られてmRNAが無限に?産生されて目的抗原蛋白が細胞内に作られるしくみです。このmRNA産生がいつまで続くかは不明で、ベトナム人への治験では6か月後も高い抗体価を示したことから、産生している細胞が死滅するまで続くと考えられます。個々の細胞の寿命はそれぞれで、消化管粘膜の様に数日のものから神経細胞や卵細胞の様に一生変わらないものもあります。筋肉内に投与された遺伝子ワクチンは、濃淡はあっても数時間で全身に広がる事は実験で証明されています。

尚、スパイク蛋白などの体外への排出(シェッディング)を問題視する人もいますが、私は単体で大量に体外に排出するとは考えられず、粘液や皮膚片などのゴミに付着して蛋白の破片が体外に出る可能性がある程度であり、それが他人に有害事象を起こすとはとても思えません。シェッディングによる有害事象を証明した基礎データや論文も皆無であり、これはワクチン問題全体を偽情報にすり替えるスピンドクターの可能性もあり、私は問題視しません。

 

VI.  遺伝子ワクチンと免疫寛容、IgG4増加

科学論文にまとめられた新型コロナワクチンの有害事象

スパイク蛋白を抗原とする新型コロナウイルスワクチンの直接的有害事象は、図に示される様に血栓や心筋炎など世界中で患者が出て報告されたために有名になりました。もう一方の間接的に時間をかけて出てくる有害事象が、種々の仕組みが解明されて明らかになってきました。総合的免疫力の低下、自己免疫疾患の増加、進行がんの増加といった事象です。中でも特殊な免疫グロブリンの一種であるIgG4の増加は、mRNAワクチンを2回以上受けた人に顕著に表れることが確認されていて、スパイクタンパク質への自然な免疫反応を抑制してコロナに罹りやすくなる他、過剰な抗原に反復して暴露することがIgG4の増加スイッチになっている事も指摘されています。IgG4によってウイルス感染への免疫が抑制されるしくみは、図の様に細胞障害性T細胞が感染細胞に作用する事をIgG4抗体が邪魔をすることによります。

IgG4によるウイルス感染症免疫の低下メカニズムとがん免疫低下のメカニズム

またがん免疫を阻害するしくみも図の様に抗体、細胞障害両方をIgG4が阻害する事が証明されています。

発がんのメカニズムについては、人体の各所で異物であるスパイク蛋白が作成されることで、宿主となる正常細胞が自己の免疫細胞から「異物産生細胞(がん細胞)」認定を受けて排除されようとする際に、自己免疫を抑制するPDL1を産生することが考えられます(図)。採血で証明できるワクチン接種者の末梢血細胞のPDL1増加は既に論文化されています。

抗原蛋白合成を強制された宿主健常細胞によるPDL1産生が、発がん監視機構を障害するメカニズムが考えられる。

 

VII.  ワクチン接種と超過死亡の増加

 

Unz ReviewのEugene Kusmiak氏は2024年5月に世界各国のワクチン接種数と超過死亡の相関についてまとめを発表しました。 2022年に国民一人当たりのワクチンを接種した回数と2023年の超過死亡増加率を国別にまとめた図が以下のもので、日本の接種数と超過死亡増加がいかに特異的か分かります。それによると相関式は

2023年超過死亡率=8.31x2022年の一人当たりワクチン接種回数

となります。

米国は州によってワクチン接種の積極度が異なりますが、2021年と22年の各州毎の住民一人当たり接種回数と州毎の2022年と23年の超過死亡率の増加(緑が21年、赤が22年の接種で示す)は明らかに接種回数によって超過死亡率が増加している相関関係があると思われます。

医療には必ずリスクが伴います。リスクよりも医療を行う事によるベネフィットが大きいならば、敢えてリスクを承知で医療を行う正当性が生まれます。ワクチン接種は健常人に対して行う医療行為です。医療を受けた結果病気になったり、増して死亡するなど絶対にあってはならない事です。その厳しさを理解せず、安易に予防医療(コレステロール低下や抗血栓治療含む)やワクチン接種を行ってはいけないのです。私はワクチン投与全てを反対する者ではありませんが、コロナワクチンに対する異論を簡単に「反ワク」などとレッテル付けして排除するようなレベルの低知能者は医療を語る資格はありません。医療を受ける時は必ずリスクとベネフィットを比較して熟考した上で、最悪の有害事象も受け入れる覚悟をした上で医療を受ける必要があります。

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馬脚を露す

2024-08-24 09:29:09 | 政治

馬脚を露す(ばきゃくをあらわす :芝居で馬の足を演ずる役者が、うっかりして姿を見られてしまうことから、取り繕っていた事などが露見してしまうこと)。

2020年、民主党大統領予備選を這う這うの体で退却し、当時アイオワ州の大統領予備選選挙スタッフにさえ一切事情を説明せずに突然撤退したことから「組織運営能力がゼロ」と厳しい評価を受けていたカマラ・ハリス女子。当時の選挙事務所は怒号が飛び交い、ボランティア学生は泣き崩れ、支持者からの詰問にスタッフが謝罪を続けるという阿鼻叫喚で、二度と関わりたくないという民主党員も多数とか。2020年、棚から牡丹餅で突如バイデン大統領から指名されて副大統領になった彼女は2024年、再び予備選挙も党内調整も全て省略して、次期大統領候補に指名されました。あり得ない粉飾キャンペーンでトランプ候補と僅差(逆転?)などと持ち上げられ、民主党大会に臨みましたが、流石に「空の器」(empty suit 米国ではかなり強い表現)と評される様に、直接言葉を話し始めると「馬脚が現れる」のも早かった様です。

日本では知られていないが、米国では前回のハリス氏予備選挙の醜態は伝説化しているようだ。 彼女は「中身がない」と酷評する当時は民主党だったTulsi Gabbard議員

 

I.  国家が食料品の価格統制を行う?

8月16日に急遽発表されたハリス・ウオルツ候補の政策アジェンダ  Fox Newsは「3つの災厄的な失敗」と手厳しい

次期ハリス大統領候補がぶち上げた経済政策にウオール街のみならず、普通の民主党系メディアも腰を抜かしてツッコミを入れています。保守系のフォックスニュースは「カマラ政策3つの災厄」として副大統領候補に支持率が高いペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏を選ばず、超左派のワルツ氏を選んだ事、インフレ抑制のために食料品の価格統制や資金源のないバラマキ政策、現在進行中で自分達が行ってきたバイデノミクスが失敗であったと認めた事、の3点をあげています。特に経済価格統制は粗利益が少ない食品だけ行うことは不可能で、原材料、人件費、輸送費、エネルギーコスト全てを統制しないと誰も食品を作らなくなり、現在のベネズエラの様に食品棚がカラで配給制になり、ブラックマーケットでのみ高額で買えるという「崩壊したソ連経済を目指す政策」になります。ハリス氏が大学生レベルの経済知識もなく、米国副大統領を3年以上してきたことに驚愕せざるを得ませんが、民主党陣営がここまで酷い事をいつまで日本のメディアは隠し続けることができるでしょうか?

価格統制など無理だと全てのメディアから批判集中

元々食料品の粗利は市場平均と比べても非常に低い事を全く理解していない。

 

 

II.  クルスク侵攻はウクライナのトドメになるか?

 

未だにウクライナがロシア領土に直接侵攻したことを寿ぐ日本のメディアがあることには唖然としますが、8月初旬に始まったクルスク侵攻の実像が次第に明らかになるにつれて、この暴挙がウクライナの息の根を止める結果になりつつある事が解ってきました。以下に経過をまとめます。

2024年8月5日クルスク地方の脆弱なロシアの国境警備を約3,000名の整備された機械化ウクライナ部隊が突破してロシア領内に侵攻。軍事施設はほぼなく、住民の居住施設に対して攻撃を行い数日で30km近く侵攻した。攻撃計画は主にNATO、英国主導で行われたと言われる(ドイツは知らなかったと一応表明)。国境近くへのウクライナ部隊の集結は衛星画像などからロシア側も知っていたはずだが、上層部の指揮統制が取れておらず、無対応になったと言われる。

8月11日、ウクライナ軍はロシアが管理するザポリージャ原発をドローン攻撃。クルスク侵攻もクルスク原発攻略が目的の一つであったことが判明。しかし1週間で攻略予定であった原発までの行程の半分ほどでロシア軍に押し返され、目的は頓挫した。ウクライナ軍は引き続き侵攻部隊を増加させて1-3万名の部隊をロシア領内に侵入させたと見られている。そのうち数千名はポーランド、英国、米国などの外人傭兵部隊であることも確認された。ウクライナ側は東部防衛戦線から多数の軍を引き抜いてクルスク侵攻に当てたが、ロシア側は東部の部隊を移動させず、国内の予備軍とチェチェン、ワグネル軍などを予備部隊と合わせて対抗していて、規模はウクライナ軍の半分と言われている。

8月20日の段階で、侵攻部隊は激しい攻防を繰り返し、犠牲は東部戦線における通常の倍と報道されている。西側メディアの多くは、クルスクがウクライナ兵と武器を消滅させる新たなロシア側の罠になりつつあると懸念を表明している。ウクライナ側は確保した土地を航空支援なく堅守する方針ですが、ロシア側は既に住民は退去させているので、強力な誘導爆弾で徹底的に破壊して捕虜は取らない方針を明確にしている。愚かな指導者に従っているウクライナ側の兵が気の毒でなりませんが、結果は侵攻軍の全滅しかありません。一方で兵力を引き揚げられて防御力の減弱した東部戦線はロシア側の進撃が続いており、ウクライナ軍はドニエプル川の対岸まで撤退を余儀なくされつつある。

クルスクにおけるウクライナ軍の武器損失率が東部戦線の倍であると報告するForbsの記事  東部戦線が崩壊するというキエフ・ポストの記事(赤矢印がロシアの進撃)

 

クルスク侵攻作戦は、戦術的には成功しましたが、戦争全体への戦略は極めて乏しく、戦略的価値は皆無のまま兵と武器の浪費という結果に終わりつつあります。Publicity stuntとして成功させるなら「夜陰に乗じて全部隊を退却させよ」と拙が前ブログで示した通りであったと思います。

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富士山、男体山登頂記

2024-08-18 15:03:10 | その他

夏場には毎年家内に付き合ってどこかの山に行くことにしていますが、今年は定年したこともあり、昨年台風で断念した富士登山を達成したいと思い予めツアーで申し込んで行きました。体力は大丈夫と思いましたが、三千メートルを超える登山であり、高山病が心配だったので予行演習を兼ねて7月22日に日光男体山、8月12日に富士山に登りました。

 

I.  日光男体山

中禅寺湖と男体山 関東平野からも好天だと3本爪でひっかいた様な山肌が見える

日光男体山は栃木県日光市にある標高2,486mの火山で、紅葉時は混雑で有名ないろは坂を上った中禅寺湖畔にある二荒山神社に登山道の入り口があります。神社境内に登山者用の駐車場があり、山自体が神社ご神体でもあるので入山料を社務所に払って記帳してから登ります。猛暑を見込んで平日朝6時半に神社に到着したので車は数台しかなく、登山口から木々に囲まれた静かな登山道を登り始めます。

二荒山(ふたらさん)神社の境内に登山口がある

基本ずっと上るだけの道で、険しい岩場などはないのですが、急登や階段が続くので同じペースでゆっくり登らないとバテる可能性があります。3合目から4合目まではアスファルトの林道を使います。少し赤みがかった木々もありましたが、早い紅葉か夏枯れかは分かりません。しかし下から頂上まで無数のトンボが乱れ飛んでおり、登山道で何度も踏みつぶしそうになりました。

9合目から上は赤土の登山道、ゆっくり行けばシニアでも大丈夫

6から8合目位までは、ゴツゴツした岩場の登山道になりますが、手を使って三点支持で登るような所はなく、細かいつづら折りでジグザグに脚力で登る感じでした。9合目位から視界が開けて赤土の登山道で直射日光が暑く感じます。二千メートルを超える辺りから「空気薄い?」と感ずる様になり、ゆっくり呼吸しながら登ります。頂上には神社の奥宮や鐘楼、剣のモニュメントなどがあり、360度の眺望も絶景で、休憩を含めて30分位ゆっくり過ごしました。次に登る富士山は霞んでましたが、北アルプスから月山方面まで見渡すことができました。

頂上から中禅寺湖を一望できる。    頂上には剣のモニュメントや銅像などいろいろある。

 

登りは11時までかかったので約4時間、下山は2時間少しで再び登山口まで戻り日帰り登山を楽しみました。

 

II.  富士山

 

富士山は入山規制や山小屋の予約、往復の交通の事など考えてツアーを申し込みました。新宿発の「四季の旅8合目白雲荘泊」で約4万円のツアーに申し込みました。結果的には大変良かったと思います。1)何も考えなくてもベテランガイドさんが全て指導してくれる。2)食事や往復の交通、運転の手間なし。3)帰りに温泉にも入れる。4)とにかく山素人さんでも登れる様に標準の1/2のスピードでゆっくり登る(下りは各自のスピードで自由になる)。5)途中の見どころや八巡りも詳しく教えてもらえる。といった点が良い点。あとは天候さえよければ何の問題もありません。30名のツアーで、2名ほど高山病で8合目から下山しましたが、あと2-3名軽い高山病になりながらも山頂までゆくことができました。

麓の浅間神社に参拝してから5合目に向かいます。吉田口登山道の入り口もここにあります。  5合目の駐車場で多くの人はここから登山開始。

朝7時半に新宿集合、中央道が混雑で1時間ほど予定が遅れましたが、浅間神社にお参りしてから富士スバルラインで5合目に向かいます。吉田ルート5合目から2時ころから登山開始。既に男体山頂上の2,500mを超えているので口をすぼめた深呼吸をしながらゆっくり登ってゆきます。6合目を超えるまでは急登といえるほどの場所はなく、列をなしてゆっくり歩いてゆく感じです。中国やベトナムからの観光客がとにかく多い。異様に軽装の人も見かけましたが、この日に限っては寒さや雨もなかったので大丈夫だったでしょう。私も8合目まで上長袖の2枚、下はズボン1枚で登山靴でした。翌日未明はフリース1枚とウインドブレーカーを羽織りました。

夕暮れ時に影富士を拝むことができました。    7合目の山小屋群 登山道沿いに6件位並んでいる。右上が頂上方面で下山道は左方の須走りの手前に別ルートとしてある。

8合目白雲荘に夜8時に到着。満天の星と神奈川、東京の夜景が遠くに見えます。夕食のハンバーグカレーを食べて2段ベッドで仮眠。夜1-2回手洗いに行きますが午前2時半に起床。前夜もらった朝食のっパンを食べてからヘッドランプを付けて(頭に付けると締め付けて頭痛になるから頸から下げる)頂上を目指します。実は頂上からのご来光を見るためには、もう一足早く起きて出発する必要があり、夜を徹して登ってくる人など含めて9合目以上は登山道各所に警備員を配置して誘導が必要なほど登山道が渋滞混雑します。これでは集団行動は困難なので9合目「御来光小屋」で眺める事ができる様に登ってゆきます。富士山自体が神であり、9合目より上は神域であるため、同じく神である太陽を上から眺めて日の出を見ることは不敬ということで9合目御来光小屋から眺めるのが「富士山信仰の本道」ということになっている由。9合目からでも十分に美しいご来光を拝む事ができました。

御来光小屋から日の出を拝む。絶景。

明るくなってからいよいよ頂上を目指します。3,700mはさすがに空気が薄いと感じました。腹が張ってくるので副交感神経が活発になり、水分は摂っているものの血圧は下がり気味で「気持ち悪い」感じになります。これも高山病の一種ですが、頂上について早速300円払って便所を使わせてもらってすっきりすると気分も爽快になりました。頂上の食堂で1,000円の豚汁を食して元気を取り戻します。

浅間神社奥宮と山頂郵便局。  馬の背と呼ばれる急坂を登ると日本最高峰3,776mの剣が峰があります。

吉田口頂上から帰る組みと別れて、富士山火口を一周する八巡りツアーに参加しました。浅間神社奥宮や山頂郵便局、3,776mの観測所跡がある剣が峰(本当の頂上)に行くには吉田口頂上から1時間半ほどの火口巡りが必要です。体力と天候に恵まれたので頂上のツアーを堪能してから吉田口下山道で3時間ほどで5合目駐車場まで下山しました。登りと下りは全く別のルートになっており、下山道は赤土の砂利のつづら折りがひたすら続くだけの道になります。呼吸はどんどん楽になるので何も考えずにすいすい降りてくることができます。

帰りは富士急ハイランド傍の温泉ですっきりしてから中央道の渋滞はありましたが、夜に新宿到着、無事帰宅しました。

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相手を見くびれば100%負ける

2024-08-15 15:57:24 | 社会

全ての勝負事、戦いにおいては、「相手を見くびれば100%負ける」(常に全力で戦え)という法則があります。「敵を知り、己を知れば100戦危うからず」も同じ事です。現役の外科医時代においても、「これは楽勝」と考えた手術で手痛いしっぺ返しを食らって途中から全力で回復戦に臨まねばならない事態が多々ありました。敵を見くびれば負けるのです。

第二次大戦において、「享楽主義のアメリカ人など初戦でダメージを与えれば容易に折れる」と見くびってパールハーバーに臨みましたが、結果は眠れる獅子を起こし、最終的に原爆を2発も落とされて、日本を5分割され、80年後の今も日本は米国の隷属国です。

自分に都合が良い解釈ほど非現実的なものはない。

 

I.  テロリスト(抵抗者)を殺せば後は全員服従する?

 

「抵抗者(テロリスト)を殺せば後は全員服従する」のであれば歴史は太古の時代から変わっていないことになりますが現実は異なります。「力でねじ伏せれば従う」は時の支配者が陥る陥穽ですが、短期的には成立しますが、長期的には相手を絶滅させない限り100%いつかはこちらが負けます。だから「テロリストを殺せば後は全員服従する」という論理で行動する者は「阿呆」「無知性」「間抜け」と断定して良い。米国はテロリズムで英国から独立を勝ち取ったにも関わらず、2001年からの「テロとの戦い」で負け、世界中から嫌われます。同じ過ちをシオニスト・イスラエルは現在繰り返しています。そして100%負け、下手をすると数年でイスラエルは地上から消滅する(パレスチナという多民族国家が成立し、その中でユダヤ教を信奉する一部ユダヤ人が他の世界と同様生活する)ことになるでしょう。イスラエル軍部が声明を出した様に、ハマスは思想であり、組織ではないので殲滅は不可能だからです。

 

II.  ロシア本土に進撃すればロシア人は怯む?

8月14日時点でのクルスク侵攻でウクライナ軍が軽車両で一時的に通過した村の範囲(白丸)と、実際確保している地域(緑)

 

ロシア本土に進撃すればプーチン体制が弱るどころか、ロシアの団結が一層高まり、プーチン体制が盤石になる事位理解できないのでしょうか。911で米国人は怯み、アルカイダに降伏しようという機運が高まる、ハマスが攻撃すればイスラエルは怯んで要求を呑む、そのような理論が100%誤りであるのと同様、テロとの戦争や本土進撃は愚策の限りです。では実質publicity stuntでしかない本土進撃でしたが、多大な犠牲と準備を要した攻撃の意図がそれだけであったかは最近明らかになった事象で明確になりました。

ロシアがトレードを持ちかけていると(夢見る)ザハロワ報道官を使ったフェイク動画  ウクライナは思い通りにゆかず、ザポリージャ原発にやけくそドローン攻撃

 

ウクライナ軍は計画ではクルスク原発の奪取を目論み、クルスク原発と欧州最大の発電力を持つロシアが開戦2日後に占領したザポリジャ原発をトレードする事を本気で考えていた様です。それはザハロワ外務省報道官がクルスクからの撤退とザポリジャ原発をトレードしたいというフェイク動画をウクライナ側が製作したことからも明らかでした。思惑に失敗したウクライナは肝心のザポリジャ原発にドローン攻撃を仕掛けて冷却塔に火災を生じさせました(ロシア側がタイヤを燃やして煙を出しているという説明もある)。いずれにしてもロシアは住民に避難命令を出しており、住民避難後は進出したウクライナ軍に躊躇なく誘導爆弾で殲滅攻撃を行うことができるでしょう。寄せ集めと言っても3,000名以上のまともなウクライナ兵を東部戦線から引き揚げて攻撃に使い、ロシア軍の集中砲火で犠牲にしてしまうのですから、ドンバスの東部戦線が崩れる速度が一層早くなることは否めません。しかも今回の攻撃では、ウクライナ軍は軍事施設ではなく、民間人を攻撃対象にしたのでロシアはウクライナ軍を「テロ組織」と断定、今後は停戦交渉を行わないと通告した様です。この愚策でハンガリーのオルバン首相の仲介も無駄になり、ウクライナの損失は計り知れないと思います。愚かな指導者(既に前大統領でしかない)と無責任なアドバイザー兼スポンサー(米英)の現実を我々日本人は良く見ておくべきです(後から米国からかかった分の金を出せ<復興資金として>と言われるでしょうが)。

ウクライナは卑怯な攻撃により既に国家としての交渉権を失ったとするノーボスチの記事

 

III.  イランは攻撃するか?

5000kmのジャミング能力を持つムルマンスクシステム

パレスチナにはハマスを含めて14の抵抗組織がありますが、7月下旬に中国で署名された北京宣言で中国の王毅外相は、パレスチナを一つの国家とし、まずイスラエルとの停戦を実現した後、パレスチナ統一政府によるガザとヨルダン川西岸地域の統治、パレスチナの正式国連加盟の3段階を提示しました。また王毅外相は、イランに対して中国は外交的立場において常に後援すると伝えています。ロシアは5,000Kmの範囲の電波障害を起こす能力がある「ムルマンスク・システム」を既にイランに搬入していて、イスラエル、米国のミサイル防衛システムの無力化に貢献しています。今やBRICSの主要国ロシア、中国、イランが一体化しつつあり、インドやトルコが中立的静観に回ると、元々戦争をしたくない米国(裏でイランに多くの譲歩をしているという情報もある)は最終的にイスラエルを見捨てる選択を強いられる可能性も出てきました。

パレスチナ統一となる北京宣言  イランに攻撃をとどまらせるため、裏で譲歩を強いられた米国

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Publicity Stuntとしてのクルスク侵攻

2024-08-10 15:15:49 | 社会

クルスク原発敷地にミサイル破片か 露がIAEAに通報 ウクライナ軍到達の情報なし

2024/8/10 10:57(産経Web)から

在ウィーン国際機関ロシア代表部は9日、ロシア西部クルスク州のクルスク原発敷地内で、撃墜されたミサイルの破片とみられるものが8日に見つかったとして国際原子力機関(IAEA)に通報したと通信アプリで明らかにした。クルスク州には6日からウクライナ軍が侵入、越境攻撃が始まった。代表部は、クルスク原発が立地する同州クルチャトフ市内、原発、インフラ施設への直接攻撃は現時点でないと表明。「ウクライナの無謀な行動がロシアの原子力施設を脅かしている」と批判した。

クルスク原発はウクライナ国境から最短でも約60キロ離れ、ロシア領内に侵入したウクライナ軍が到達したとの情報はない。同原発では越境攻撃を受けて治安当局の警戒態勢が強化されている。(共同)

ロシア領内ズチャはウクライナ軍が制圧した様ですが、右図の様に10日の段階で、周辺は既にロシア軍の予備部隊が囲みつつある。

 

2024年8月6日からウクライナ北部クルスクに接する国境からウクライナ軍約1,000名が30両ほどの車両と共にロシア領内に進撃、国境を護っていた50名ほどのロシア警備隊を蹴散らして30km以上ロシア領内に進撃を続けています。米国の親ウクライナである戦争研究所(ISW)の8月8日レポートでは、今回のクルスク侵攻の戦略的目的は不明(あえて予想しない)と報告しています。

米戦争研究所のdaily reportの要約(8月8日)

東部戦線で毎日1,000名近い犠牲を出し、既にウクライナ軍の敗北が確定しているこの戦況において、軍事的にほぼ何の意味もないロシア領内への小規模部隊による侵攻は、「人目を引くPR活動」(Publicity Stunt)が目的であるならばロシア軍の反撃部隊が十分に揃う直前に夜陰に乗じて全ての侵攻部隊が国境まで撤収すれば「成功」と言えるでしょう。侵攻部隊は東部戦線に送られている「全く訓練されていない強制徴収兵」ではなく、それなりに装備と訓練が整った兵であると言われます。制圧した地域を維持するには軍容が一桁足りません。ロシア領内侵攻を「快挙」だと寿ぐ親ウクライナ応援団は、昨年夏のウクライナ反撃において、ロシア軍が第一防御線を敢えて突破させてから殲滅させる作戦であったのに「ロボチネ制圧大勝利」などと大騒ぎした二の舞を今回もやらかすのでしょうか?

 

自制求められるイスラエル

欧米はテヘランでイスラエルによって殺害されたハマスのハニーヤ最高幹部の報復として、イランによるイスラエルへの攻撃が今週中にも行われると予想されていましたが、エジプトやカタールなどの働きかけで未だ時期を見ている状態と思われます。「自制求められるイラン」ですが、本当に自制を求められているのはイスラエルの方です。ハマス内の穏健派で米国等の仲介で行ってきた休戦交渉の交渉相手を暗殺した意図は「休戦交渉の阻止」をイスラエルが狙っていた事は明白です。イスラエルはガザ北部にも新たに避難命令を出して、既に4万人の虐殺を行ったガザのさらなる破壊を目指しています。長崎の式典に招かない程度の緩い抗議では「日本のくせに生意気だぞ!」(のび太のくせに生意気だぞーというジャイアンの声で)くらいにしか思われないでしょう。

自制を求める相手が違う。

外国からの資金提供で他国を利する政策を公務員や政治家が行うことは米国でも「スパイ行為」とみなされるはずですが、AIPACから金をもらって明らかに米国の民主主義に反する政策を進め、ネタニヤフの演説にstanding ovationを繰り返す議員達は「スパイ防止法」違反でしょう。
日本にいるエマニュエル米国大使はイスラエルの国益のためにG7大使たちを強要して長崎に行かせず、日米の親善を損ね、米国の国益を損ねた時点で「イスラエルのスパイ」だという証明がされたに過ぎません。まあ米国のご主人がイスラエルだという事ならば筋は通ります。(現在のイスラエル政府の主人はシオニズムを操作する英米巨大資本ですが)のび太のくせにと言われるのは米国もかも知れません?

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米国大使が長崎の平和式典を欠席へイスラエル招待されず英も欠席

2024-08-08 08:15:28 | 社会

ダブルスタンダードを強要し、日本人を見下して「ジャップなど圧力をかければ簡単に屈する」と考える欧米諸国の傲慢さがこれほど明確にニュースになることは珍しいと言えます。

「これは大変だ!直ぐにでもイスラエル様に謝罪して招待状を出せ。」と言い出すバカ(売国奴 既に何人かメディアに登場)を炙り出す事にも役立ちます。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/region/ASS8711XRS87UHBI00SM

式典を政治利用する国などいらない! 真に平和を願う人と国だけが参加してもらえれば良いと思う。

世界中の人が今後の日本の対応に注目しています。核の悲劇を身をもって証明し、戦後の核戦争勃発を防いできたのは日本です。

世界はもっと日本に感謝するべきです。しかし欧州(NATO)ではロシアと戦術核を使用した拡大ウクライナ戦争に向かいつつあります。核装備可能な時代遅れのF-16供与に湧き上がる様を「危険!」と報道するメディアはありません。所詮核の悲劇を彼らは心から理解などしていないのです。欧米グローバリスト達は核の式典を政治利用し、日本人への人種差別つまり自分たちと同じではない劣等人種、核を落とされて当然な奴らと見なして圧力をかけてきます。

戦闘機としては50年選手のF-16をありがたがるのは核装備可能だから

 

今後の長崎の対応が「やはり日本人はこの程度」(ちょっと脅せばすぐ折れる)と世界の欧米グローバリスト以外のまともな人達から将来に渡って軽蔑される元凶にならないよう祈ります。

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Messerschmitt Bf109 G6 TAMIYA 1/72

2024-08-05 17:07:06 | プラモデル

ドイツ軍戦闘機の定番と言えるメッサーシュミット109Gを作りました。メッサーの1/72としてはE型エミール1、F型フリッツ1、G型グスタフは2機目なのでシリーズ4機目になります。メッサーシュミットは合計3万機以上が作られましたが、G型はほぼ完成型とも言えて、13,000機以上が作られました。零戦もそうですが、後期型になると基本設計が同一である所に無理矢理武装強化やエンジンの強力化が計られて無理が生じて本来の設計思想の良さが活かせなくなる傾向がありますが、このメッサーシュミットも同様で、本来小型に設計された機体が重装備になり軽快性などがそこなわれています。その点やや大型のフォッケウルフFw190の方が強力になった連合軍機との交戦には優れた性能を発揮したとも言えます。

Gー6実機 エルラハウベ型風防を装備している。迷彩やスピナのらせん塗装はモデルと同様。

G6型は離昇出力1,475馬力のダイムラーベンツDB605エンジンを搭載して、機首の7.92mm機銃を13mmにしたため、機首両側面に円形のボイレ(こぶ)と呼ばれる飛び出しがあるのが特徴で、翼下面に20mm機関砲を追加できる改造型もありました。帰還能力を高めるZVG16方向探知機とループアンテナが追加装備され、後期型では中央と後部のキャノピーを一体化したエルラハウベと呼ばれる視界改良型も採用されました。

モデルは盤石の田宮製でしかも2019年発売の細かい所まで設計が行き届いた気合いの入った新金型であり、安心して作れました。ドイツ機特有のらせん型スピナー塗装はいつも難しいと感じますが、これがスライドマーク化されているのも素晴らしいと思います。上面はグレーグリーンとグレーバイオレットの迷彩、下面ライトブルーですが(RLM74,75,76)機体側面のモットリングをもう少し細かくできれば良かったと思います。以前作った翼下に20mm機銃を追加したG6と並べました。

老舗のタミヤ模型の新しい製品だけあって模型の出来は非常に作りやすく細かい部品も0.1ミリ単位でぴったり合っている。

翼下に追加機関砲を装備したタイプとの比較。攻撃力は増えるが、空力性能はその分低下した。

 

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ハリス氏の反イスラエルは本物か?(担ぐ神輿は華やかで軽い方が良い)

2024-08-03 09:55:42 | 政治

バイデン氏が大統領候補から撤退して、地滑り的にハリス氏が指名され、メディアでは「ハリス挙げ」の大合唱が繰り広げられています。というのもこの4年間ハリス氏が表舞台に出る事は殆どなく、外交ではブリンケン、国内ではFRB議長などが政策を決め、記者対応は複数変わった報道官がしてきたので、「ハリスの政策」「能力」について評価がされる機会がなかったので好きな様に色付けできると言えます。

 

I.  民主的選択は絶対行うな!

 

バイデン氏が撤退した際、予備選で圧倒的多数の代議員を獲得していたため、撤退によって代議員(3939人)は誰を選んでも良いという縛りのない状態になり、代わりに「即席予備選挙」を民主党内の候補者から行うという案がありましたが、「則却下」されました。結局「党幹部」による密室談合指名でハリスが8月の党大会で選ばれる様、他の候補者が立候補できない状況が作られました。予備選挙で政策討論をすれば「経済」「ウクライナ情勢」「イスラエルへの対応」など現民主党バイデン政権が抱える大問題を討論せざるを得ず、ハリスの無能ぶりどころか、他の民主党候補者の欠点まで大統領選直前に露わになってしまいます。

8月6日号のNewsweekには昨年の予備選からRFK Jr.を締め出し、ハリスを「公的選択を経ず」に実質指名した事に「民主主義の危機」を憂える文言が一言でもあるかと期待したのですが、案の定「バイデンの勇退は勇気ある決断」「勇退を強引に進めたペロシの力は素晴らしい」「ハリスは既にトランプ再選を阻止し得る勢い」と絶賛の嵐でした。

メディアはハリス挙げに奔走

 

II.  ハリスの反イスラエルは本物か?

さすがに戦争犯罪者の演説など聞きたくないのが「まともな人情」  心配なかれ!もともと確固たる政策など持ち合わせていない

 

イスラエルのガザ虐殺に武器とカネを貢ぎ続けているバイデン政権ですが、2024年7月25日戦争犯罪人として指名手配されているネタニヤフ首相が米議会で4回目の演説を行った際、上下院議長が座るべき席にハリス氏は欠席、代わりに上院の民主党重鎮が座り、しきりにスタンディングオベーションを繰り返しました。共和党1名?民主党38名の議員が欠席と言われ(これは評価して良いが、ウクライナ支援は共和党の方が反対であり是々非々を貫いている議員は少ない)、ハリス氏の欠席は「他の用事で」という事になっている様ですが、ネタニヤフ氏は激怒していたというニュースもあり、彼女なりの意思表示であったことは否めません。小学生でも理解できる「イスラエルによる虐殺」主犯の演説など聞きたくない、という「嫌なものは否!」という女性らしい主張を通せる所は本物だろうと私は思います。取り巻きの視点ではハリスの「そこは厄介」「扱いにくい」所となるでしょう。しかし元々「強い政治信念」などなく州検事総長、上院議員、副大統領と昇進してきた経歴から「ハリスは華やかで軽い」という現在バイデン陣営を仕切っているネオコン達から見て都合が良い存在であるから、「バイデンの代わり」に選ばれた事は相違ありません。ハリス氏の具体的成果を一切報じないメディアの記事が何より証拠です。

しょうがないから会ってあげたわ、と握手   お金をくれるAIPACが嫌いなわけではないのよ!

 

III.  ハリス押しキャンペーンと接戦州の選挙不正でまた勝てるか?

 

ウクライナ戦争はロシアの勝利、トランプ暗殺は失敗、イスラエルは世界から批難増大、期待した感染症Xは不発(鳥インフルとかサル痘とか新種コロナとか繰り出した様だが全て不発に終わり、パンデミック条約も否決された)、グローバル陣営の画策は所詮富裕支配層の我欲煩悩がインセンティブであり、神の加護も民衆の理解も得られず、うまく行きません。米国支配の継続がメディアによる「ハリス押しキャンペーン」と前回と同様の手口による「接戦州の選挙不正」で達成できるかが、次の数か月で明確になります。

イスラエルはイランとの本格的中東戦争を始めて、米国、NATOを巻き込みたい意向に見えます。多極派の中心は現在中国であり、ウクライナ停戦を7月24日にはクレバ外相を招いて会談、またパレスチナ各勢力の結束を仲介するなど積極的に動いています。日本はお追従以外に何かしているのか?と心もとない限りですが、オリンピックを見る以外にも世界の動きに注視したいものです。

次の覇権国家は実質中国になりつつあると言えるかもしれない

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