rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

変異種に対する免疫的多様性とワクチン

2021-04-16 22:52:46 | 医療

2021年4月に入ってから、落ち着きを見せていた新型コロナ感染症の新規感染者が世界的に増加傾向にあり、日本でも大阪府を筆頭に関東一円で新型コロナ感染症患者が増加しています。その理由は感染性が高い「変異種」の出現にあると言われています。報道によると、大阪府では変異株PCR検査陽性率は73.7%と、感染スピードが速いとされるイギリス型の変異株の感染が急拡大しているとされます。大阪府の分析によると、第4波は第3波と比べ、発症から重症化するまでの日数が7日と1日短くなっており、変異株陽性者は6日とさらに短くなっているそうです。重症化率も従来株で3%、変異株で5%程度となっており、「母数の少なさ等から単純比較は困難」としつつ、「重症化率は従来株と比べて高い傾向」と指摘しています。また、大阪府内の10万人当たりの新規陽性者数は週47人で、感染状況を示すステージ4の目安となる25人を既に大幅に上回っている由です。

 

今回報道をそのまま引用したのは、今まで新型コロナ感染症の脅威を必要以上に煽るために「医療ひっ迫」をオオカミ少年の様に何度も訴え続けてきたのが、本当に重傷者が増加する傾向が見え始めて、「今度は本当の脅威」になる可能性が出てきたからです。いつも引用するCorona world meterの集計では、全体としての死亡率、治癒率には変化はありません(図)。しかし日々の感染者数と特に重傷者数の推移をみると明らかに増加していて、特に変異種は従来種よりも若年者に感染する確率が高い事は確かなので、重症化した場合の勝負所も長期に渡る可能性が高く、結果的に重傷者が蓄積してしまう可能性があります。軽症者用の病棟の拡充は比較的簡単にできますが、ICUなど重傷者を扱える病床は簡単に増やせません。それは新型コロナだけが病気ではなく、他の疾患による重症対応も今まで通りに行わねばならず、ICUの病床もほぼいままで通りの疾患による患者数に合わせて全国的に作られているからです。私は毎日県内の感染者数や重傷者数を知り得る立場にいますが、明らかに変異種が増加し始めてから重傷化する率や重傷者が増加傾向にあることは明らかです。

世界における新規患者数は3月に一度減少してからまた冬場の様に増加しつつある   死亡率、回復率は全体としては変わらない

そうは言っても、上記図の様に、全体の患者数から見れば、変異種といえども無症状や軽い症状の患者さんが圧倒的に多いのであって、「人類が絶滅するような病気ではない」ことも確かではあります。だから医療者を含む一般の人は今まで通りの「三密を避けて、マスク・手洗い・うがい」以上の事をする必要はありません。

現在治療中の患者は全体としてやはり増加している。感染しないように注意は必要だろう。

 

〇 なぜ特定の変異種が注目されだしたか

 

以前から指摘している様に、新型コロナウイルスSARS Cov2 virusは2019年秋の発生以来、数百種類の変異種に分かれてきました。しかし科学誌Science(1)やNature(2)に特定の変異種の感染性や重症化率が高いことが報告され、WHOは 特定の変異種を2021年になってVariants of concern(VOC) 「懸念される変異種」と定義づけるようになりました。これらはイギリス型とされるB,1.1.7南アフリカ型とされるB,1.351ブラジル/日本型とされるP1などがあります(図)。他にも注意すべき変異種(variant of interest)、医学的に異なる結果をもたらす変異種(variant of high consequence)などの定義があります。

これらの懸念される所は、感染力や重症化率のちがいのみでなく、世界中で施行されているワクチンが効かない可能性がある事で、既にいくつかの報告(3)があります。

本来遺伝子的な変異は1か所ではないが、ウイルス自体の特徴が変わった原因と推定されるものを代表してB,1.1.7の様な表記でなく、N501Yと表しているようだ。

 

〇 なぜワクチンが効かなくなるのか

 

現在世界中で施行されている遺伝子ワクチンは単一のスパイク蛋白に対する抗体を作成します。その抗体は1種類ではありませんが、鋳型となるタンパク質は1種類であり、変異種となってアミノ酸の成分が変わるとタンパク質の立体構造に微妙な変化が生じます。その変化に関係なく宿主の既存抗体が反応してくれれば「交叉免疫」として有効になるのですが、反応しない場合は新たに鋳型を宿主の免疫細胞が認識して新規B細胞に抗体の作成を命じないといけなくなります。しかしワクチンによって宿主免疫細胞が役に立たない従来型のスパイク蛋白に対する抗体を全力で作成し続けていると、本当に必要な変異種に対する抗体を作る余裕がなくなり、かえってワクチンを打ったために他のウイルスに感染しやすくなってしまいます(図)。猫の遺伝子ワクチン投与の実験が失敗に終わって宿主の猫が全て自然のウイルス感染で死亡してしまったのはこのような経過であったと思われます。

従来のワクチンも必ずしも全てが有効ではありませんが、交叉免疫的に有効な例として表示しました。

 

〇 細胞性免疫の重要性

 

遺伝子ワクチンを推奨するにあたって、私が懸念したのは、前回のブログでも紹介した様に「中和抗体の産生量」ばかりが有効性の指標として喧伝されている事で、本当に大事なのは前ブログ内で紹介した論文に述べられていた様に(メモリー)T細胞があらゆる種類のコロナウイルスに対しても反応しえる多様性(図)を維持して存在する事(ファクターX)なのです。だから単一の抗原を作り続ける遺伝子をブースター投与(複数回投与)したり、DNAウイルスを感染させて半永久的に宿主に抗原を作り続ける事は「自然な免疫反応に対して邪道」だと考えます。私は生理的状態より異常に長く蛋白を作り続けるのが不安でしたが、いずれは消えると予想されるmRNAを1回投与なら良いだろうと考えてファイザーのワクチンを1回だけ打ち、2回目は打ちませんでした。私の外来に通ってくれる高齢の患者さんたちから、最近ワクチンの相談を受ける機会が増えましたが、私を信頼してくれる患者さんには、「副反応が強い可能性があるから1回だけ受けたら良いですよ」と余計な説明はせずにお話しています。

遺伝子再構成による10(12乗)種可能と言われる多様性獲得のメカニズム(Kotai bioさんのページから)

 

〇 コロナパンデミックは終息しないのか

前回のブログでは、世界においてはもうある程度集団免疫に達しつつあるのではないか、という見通しを述べましたが、それは今も変わりません。日本が欧米の様な大量感染発生に至る事は今後もないだろうと見込んでいます。また世界における流行もあと1-2回はピークを迎えるかも知れませんが、大きくは終息に向かってゆくだろうと予想します。既にテキサス州のように一切の制限を撤廃して1か月以上経過しても感染者が増加していない地域も出てきています。もっとも「新・新型コロナCovid-21」の様なものが新たに出現したらその限りではありませんが。

参考

(1)Davies, N.G., et al., Estimated transmissibility and impact of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7 in England. Science, 2021.

(2)Davies, N.G., et al., Increased mortality in community-tested cases of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7. Nature, 2021.

(3)Kustin T., et al., Evidence for increased breakthrough rates of SARS-CoV-2 variants of concern in BNT162b2 mRNA vaccinated individuals medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2021.04.06.21254882

コメント

Grumman F4F-4 Wildcat Airfix 1/72, Vought F4U1D Corsair Hasegawa 1/72

2021-04-10 16:07:47 | プラモデル

太平洋戦争時の米海軍艦上戦闘攻撃機2機種を作りました。グラマンF4F Wildcatは日本との開戦直前にBrewster Buffaloに替わって採用されたグラマンの傑作機で、空母のみならずミッドウェイやガダルカナル基地にも海兵隊所属機として配備されて活躍しました。零戦とは互角とは言えないまでも、後期型は12.7mm機銃2丁が追加されて6丁になり、強力な武装を誇ることで後継機F6Fヘルキャットへの橋渡しとなりました。エンジンはP&W R1830 1,200馬力エンジンを搭載し、中高度向け2段過給器を付けて時速650kmを誇りました。計1,169機生産されたと記録されます。

Airfix 1/72 F4F-4 Wildcat  翼を畳んだ状態で作製

模型は新金型で降着装置も精巧に再現されてパズルの様に組み立てて行くと綺麗に仕上がる感じです。4型から採用になった翼をたたんだ状態での選択も可能で、都合2機分の翼が入っているのが素晴らしいです。空母上で翼をたたんだ状態の機を作ってみたかったのでそちらを選びました(Airfixの新金型を敢えて購入したのもこれが目当て)。垂直尾翼のトリムがオフセットされている所も芸が細かい。塗装は1942年頃の標準であった下面ライトグレイ、上面ブルーグレイの2色塗装です。CV−6エンタープライズ搭載の機を再現しています。ブルーグレイに何を使うか迷ったのですが、陽の当たり具合ではもっと青みがかった色にも思えるのですが、制作図の色見本に一番近いニュートラルグレーを選びました。1942年当時は味方同士の誤射を防ぐ目的で国籍マークを目一杯大きく両翼上下に記載し、尾翼も目立つ様に赤白のストライプを描いていました。

機体とプロペラがコルセアの方が一回り大きい

F4Uコルセアは、初めに強力なエンジンありきで設計された珍しい戦闘攻撃機です。P&W(プラットアンドホイットニー)R2800ダブルワスプ空冷エンジン2,000馬力を搭載するため、3.82mもある大きなプロペラを採用、そのプロペラを回して地面に当たらない様に、胴体を挙げる逆ガル式の翼を持った特徴的な機体が開発されました。時速693km、12.7mm機銃6丁を搭載し、1,300kgの爆装が可能でした。F4U1Dは主脚を改装して空母への着艦を可能にした実用型で、シリーズでは計12,000機が生産されました。F4の名称はワイルドキャットと混同することがあり、実際整備面で米海軍内でも問題になったようです。

ハセガワ F4U 1Dコルセア 1/72 3色スキームで塗装してみました。

逆ガル型の翼の特徴が良く解ります。

模型はハセガワ製で1988年とやや古いものの、作り易く整合も問題ありませんでした。塗装は1943年から採用された下面白、側面にインターメディアエイトブルー、上面はシーブルーの3色迷彩にしてみました。コルセアはワイルドキャットと異なり、翼を上に跳ね上げて畳むので、白では目立つため、翼の2/3はインターメディエイトブルーに塗装されます。箱絵は1944年3月以降に採用となった全面シーブルーの塗装で、空母航空群毎に目立つシンボルを記入した物になっています。上向き矢印はCV−17バンカーヒル搭載の機です。F4の2機種を並べてみました。やはりコルセアのプロペラは大きいです。

翼下面の折り畳まれると空母甲板上では上面になる部位はインターメディエイトブルーで塗装されました。

コメント

Messerschmitt Bf 109 E3 Tamiya 1/72

2021-04-06 16:12:23 | プラモデル

タミヤwarbird collection 1/72 戦闘機の定番とも言えるメッサーシュミットのうち、初期型で最も活躍したE (Emil)型を作りました。Bf109は高速多用途機Bf108タイフンをベースに戦闘機として開発され、1936年デビュー後BCD型などの初期型はスペイン内乱ではソ連機を圧倒する強さを見せました。エンジンはD型まではユンカースJumo210を搭載していましたが、E型からは現代の自動車エンジンでは当たり前になった直噴型エンジンのダイムラーDB601A、1,100馬力エンジンを搭載し、最高速度570kmを誇り、機首の7.7mm機銃2に加えて主翼に20mm機関砲2、各60発を装備し(武装強化したE3型)て爆撃機の迎撃も数発命中させれば可能となる強力な武装となり、以降大活躍をします。気化器を用いない直噴エンジンはドッグファイトに絶対的に有利であり、運動のGによって気化器への燃料が減少し、エンジン停止してしまうリスクを下げます。しかし航続距離が660kmほどしかなく、Battle of Britainにおける爆撃機護衛の弱点になりました。

旋回性能よりも高速での一撃離脱を前提にした翼面積の小ささは、好敵手のスピットファイアと比較されますが、低速での着陸を可能にする前翼スラット、後縁のスロッテド・フラップなどは現在の航空機でも応用される先進的な機構でした。内側から外にしまう主脚構造は、着陸時の損傷を受けやすい弱点でした。主翼の捻じれ強度を保つための桁を前方25%の位置に置く必要などから本当はフォッケウルフの様に外側からの引き込み脚の方が安定しており、翼内などへの燃料タンク造設も可能となったと思われます。しかし戦時中で大規模な設計変更の余裕がなく、後のK型に至るまで主脚格納についての改善は行われませんでした。

E型のプロペラ・スピナーは先に穴が開いていて、F型以降で標準となる軸内機銃が装着されている様にも見えますが、BD型で一部テストされたものの、安定した作動ができずに撤去されたという事です。実際はメッサーシュミットはF型以降の軸内機銃装着によって前方への集中的攻撃能力が確実になったと思われます。

1937年当初はダークグリーンとブラックグリーンの折線分割迷彩(スプリンター迷彩)が主流でしたが、1939年の大戦開始以降はダーク系迷彩は遠方からも視認可能ということで今回使用した薄い色彩の迷彩になった。

今回使用したダークグリーン71とグレイ02の迷彩の他にグレイグリーン74とグレイバイオレット75の迷彩も使用されるようになるので次回はそちらを試したい。

流石にタミヤの比較的新しいモデル(2000年ですが)なので、凹モールドで墨入れも楽であり、仕上がり後の見栄えが良いと思う。

模型は作って安心のタミヤ模型だけあり、2000年の発売モデルで、細部に至るまで手間なく、また精密に作りこまれています。凹モールで墨入れも奇麗にでき、デカール類も細かいものまで良くできていました。塗装は1940年当時欧州内での制空権を得てから、下面色のライトブルー65を機体側面にまで伸ばした明るい迷彩であり、上面はRLMグレー02とダークグリーン71の折線迷彩です。しかし英国上空での苦戦から側面を目立たなくさせたグレーのモットリングと呼ばれる斑点迷彩が追加されるようになり、今回はそれを加えました。JG54所属の1940年、フランスにおける塗装です。大戦初期の好敵手であったハリケーンと並べてみました。やはり胴体後部が羽布張りであるハリケーンは一時代前の戦闘機という印象があります。

コメント

BS世界のドキュメンタリー「さまよえるWHO」2020仏製作

2021-04-05 12:34:23 | その他

トランプ政権が脱退を表明し、新型コロナウイルス対応でも批判が絶えないWHOの歴史と現状の問題点をフランス独自の視点から遠慮なく描いたドキュメンタリーです。現事務局長のテドロス氏の対抗馬であったデュストブラジ氏の話も交えてかなり批判的な内容ではありますが、国際機関というだけで崇めてしまう日本のメディアには作れない内容の濃さがありました。

以下に新型コロナについての新視点も加えて、歴史的経緯のまとめを印象に残った点を時系列で示して備忘録的に記します。

NHKの番組ホームページからの画像

 

  • 東西冷戦下に弱小国連組織として設立されたWHOが天然痘撲滅で一躍脚光を浴びる。

WHOは1948年に国連の一機関として設立されますが、一部の国々しか参加せず、活動も盛んではありませんでしたが、東西の医師達が協力して天然痘を撲滅した事から政治から独立した、医師と科学者達による人類の健康に資する国際機関として注目されるようになった。

 

  • アル・マータ宣言が却って先進国の反発を招く

1978年、当時ソ連の一部であったカザフスタン、アル・マータにおける総会で、西暦2000年までに全世界の人々を健康にする(医療と公衆衛生を平等に展開する)事を目標に掲げ、WHOの意義が高揚されたが、かえって米英などの先進国から、後進国が平等に発展することへの反発が出る結果に。

 

  • 対AIDS対策では消極的であり後手に回る

1979年に未知のウイルスであるHIVが同性愛者やアフリカで蔓延したが、WHOは道徳的問題を理由に積極的に動かず、結局アフリカに蔓延。

1990年UNAIDSというWHOとは別の機関が作られて対応。

 

  • 予算が足りず、民間財団の寄付に頼る運営

中小国家も大国と同じ1票という状況を嫌がり、大国は負担金をカットして結局民間の財団による「使途限定」というひも付きの寄付金頼みの運営になる(下図)。運営方針はワクチンなどの偏った内容になる。

Wikiに提示されたWHOの出資者 中国は10指にも入っていないが絶大な影響力がある。

GAVIアライアンスは「予防接種のための世界同盟」の事で経済グレート・リセットを目論むWEF(世界経済フォーラム)が設立。ゲイツ財団と共に世界にワクチンを強要する事を目的としている。

参考までに:EUが掲げる全国民へのワクチンパスポート導入への手順(2018年からプロジェクト開始)コロナのお蔭で予定通りに、抵抗なく2022年にはワクチンパスポートが本格的に導入されようとしている。

 

  • 2003年SARS1対策で中国に喝

2002年末のSARS1が広東で発生した際は、当時WHO事務局長、医師でノルウエー首相経験者のブルントラント氏は中国に対して強い態度で情報公開と対応責任を迫り、封じ込めに成功。中国としては大国のメンツを潰された結果となり、国家としてWHO乗っ取り(コントロール)を目標に動き出す。

 

  • 中国の反撃

弱小国も平等に1票を逆手に取り、積極的にアフリカに支援することで国連の主要機関のトップを中国人が占める事に成功。WHOも2007年から2017年の間、香港の衛生トップであったマーガレット・チャン氏がWHO事務局長となった。その次は事務局次長のフランス、デュストブラジ氏が立候補したが、中国が推した現テドロス氏が事務局長になる。

 

  • テドロス事務総長の就任と新型コロナ対策

2019年12月武漢での新型肺炎集団発生の報告を受けてからも、中国の指示で世界的アラートの発令を遅らせ、人の交流も継続する事を中国の言われるままに容認、いよいよ世界で新型コロナが発生してからパンデミックを宣言するWHOの新型コロナへの初期対応の不完全さについては周知のとおり。

 

〇 好対照を示した台湾当局の対応

  番組では台湾の衛生主任である陳時中氏のインタビューを載せていたのですが、注目に値するのは「2019年10月に武漢で正体不明の感染症発生との情報があり、2003年の台湾におけるSARSの経験からすぐに国家的な準備態勢に入り、12月肺炎発生の報告と同時に隔離や入国制限の処置をした。」と台湾における新型コロナ封じ込めの経緯を明かしていました。大事なのは「2019年10月に正体不明の感染症の情報」を既に台湾当局が掴んでいた事実で、当然中国当局も掴んでいたはずです。番組内に非常に大事な事実がシレっと挿入されていました。そしてそれが武漢ウイルス研究所関連であったからこそ、12月に新型肺炎の危険を訴えた民間病院の医師を「騒ぐな」と処罰した訳です。台湾がWHO加盟国(団体)で、しかも2003年当時の様な中国から独立した組織であったならば、10月の段階でWHOにアクションを起こすよう警鐘を発したはずです。

 その後、台湾のジャーナリストがWHOの広報官に今後の台湾加盟について取材をした時の映像が流されましたが、「質問が聞こえない」とはぐらかされた上、再度質問した段階で通信回線を一方的に切る、という対応をされました。

 

〇 彷徨い続けるWHO

  日本ではWHOというだけで、公平中立な上に非常にレベルの高い、権威ある国際組織であると思い込んでいるメディアや人たちが沢山います。そのような時代もありましたが、それは時代と世界情勢によって変化するものです。2000年頃「米国の医療が日本よりはるかに優れている」というとんでもない「デマ」に私も「医学は一流だけど医療は三流だ!」と反論していた事を思いだします。さすがに米国民の医療格差はマイケル・ムーア監督の映画「シッコSicko2007年」などで紹介されて今では米国医療の実態が理解されました。

日本も「日本国民のため」になる政策を、WHOの見解を丸のみにすることなく、独自の情報と解析を行って検討してゆく必要があります。少なくとも欧州の国々にはその基盤と心構えがあることをこのドキュメンタリーは示していると思いました。

コメント

混乱する新型コロナパンデミックのゆくえ

2021-03-27 00:56:25 | 医療

新型コロナ感染症による緊急事態宣言は終了しましたが、新規感染者数は「下げ止まり」であるとか、「緩やかに増加傾向」などとされ、早くも第4波に備えよとせっかちに煽り立てるメディアも出てきました。世界の動向も北半球の冬場のピークは明らかに過ぎましたが、欧州の一部やブラジルなどの南半球は増加傾向を示しています。

いつも引用しているworld meterの図にもその傾向が見て取れますが、変異種がどうであれ回復率や死亡率は変動しておらず、新型コロナ感染症の肝の部分に変化はないと考えます。

世界における感染者、回復者の数の推移 一度低下してやや増加      ウイルスの悪性度は変異種だろうと変化なし

国別の100万人あたりの感染者はワクチン投与が進むイスラエルでは確かに抑えられつつあるようだが一部欧州や南米は増加傾向

 

〇  パンデミックは終息するか

 

2009年の豚インフルエンザパンデミックは翌年の8月にはWHOが終息宣言を出しましたが、決してそれ以降H1N1感染症が0になった訳ではなく、前にも示した様に毎年季節性インフルエンザの一部として流行を繰り返しています。したがって新型コロナ感染症もパンデミック終息のためには感染者が0になる必要はなく、人々が集団免疫(herd immunity)に達したと考えられれば終息として問題ありません。この基本を勘違い、または全く分かっていない人たちが沢山いるようです。2020年のパンデミック初期に集団免疫を獲得することで「感染力は強いが毒性が弱い」この「流行り病」を乗り切ることは何故か「非人道的」と非難されました。人類史上、エボラやペストの様な死亡率の高い「流行り病」は「隔離による抑え込み」で対応するしかありませんでしたが、所謂「流感」に相当する物は多くの者が罹る事で免疫を獲得する「集団免疫」によって乗り切ってきました。だから今回の新型コロナ感染症も私が3月の段階で断言した様に「集団免疫による感染症の克服」が唯一の正しい選択だったのです。しかし誤った「隔離による抑え込み」政策が議論もされずに選択され、感染症による被害と比べ物にならないほど大きなダメージが「経済と人々の生活」にもたらされました。これは仕方がない事ではなく、明らかな選択の誤りですが、もう誰も責任を取る事はないでしょう。

 

そして最近になって「ワクチンによる集団免疫の獲得」という、結局「集団免疫による克服」作戦にこっそり目標がすり替えられ、「だから全ての人はワクチンを接種せよ」というワクチン推進論の根拠にもされてしまいました。

 

〇  誤った液性免疫主導の免疫論

 

ワクチンの有効性や集団免疫の達成度合いを論ずる際に話題になるのは「ウイルスに対する抗体の量」ですが、基本的に誤りではないものの、免疫にはB細胞が作る抗体を中心にした液性免疫とT細胞やNK細胞を主体とする細胞性免疫の二本立てで論じなければ片手落ちです。免疫には自然免疫、獲得免疫があり(それも解らない人は以前簡単に説明した項を見てください)、感染や腫瘍に対する初期の免疫機構は昆虫にもある自然免疫で対応しますが、全力で対処するには細胞性免疫と液性免疫が共同でその異物に特化した獲得免疫の機構を動員して対応します。現在感染症に罹っていれば「治癒」のためには抗体の量が問題になりますが。感染予防や細菌に対する抵抗力を論ずる場合は、抗体の量だけでなく異物に対応する能力を免疫機構が既に持っているか、メモリーT細胞の有無が問題になります。つまり抗体はなくても、T細胞がその細菌やウイルスが侵入してきた時に対応する能力があれば、感染を成立させずに排除できるから「免疫がある」と言えるのです。ただ抗体量の測定と異なり、T細胞の検査は煩雑で集団での検査が困難であるため、論文化にもなりにくい欠点はあります。しかし抗体の有無だけで免疫を論ずるのは誤りなのです。

 

〇  日本やアジアで新型コロナ感染症の感染や死亡が少ないファクターXは何だったか?

一時欧米に比べて日本やアジアで新型コロナ感染が少なく、死亡者も少ない何等かの因子が話題になりましたが、2020年4月の段階で私はT細胞の機能であろうと予測しました。最近各種の論文で、従来からある感冒性コロナウイルスに対する獲得免疫によるT細胞が新型コロナのウイルス感染予防にも役立っている事を証明する論文が出される様になりました。それらの発表を受けて世界は既に集団免疫獲得の段階に達しているのではないか、つまりパンデミック収束に近づいているのではないかという論考も出てきています。以下にBritish Medical Journalのassociate editorであるPeter Doshi博士の論説の要約を載せます。

やや長くなり、意訳になりますが、私がブログで記している内容が根拠のある事であると解ると思います。BMJは英国における権威ある雑誌でくだらない日本のメディアの何十倍も信用できる内容です。よろしければ読んで見て下さい。

(以下引用要約)

BMJ 2020;370:m3563 http://dx.doi.org/10.1136/bmj.m3563 Published: 17 September 2020

 

コロナウイルス:Covid-19 既に多くの人に既得免疫があるのではないか?

SARS-CoV-2は人類が初めて遭遇するウイルスであると信じられているが、それは本当だろうか?Peter Doshiが最近のウイルスへの免疫反応の研究論文から明らかにする

 

COVID19のパンデミックで多くの方が亡くなったニューヨークなどの地域でも人口の20%ほどしかSARS-C0V-2の抗体を持っていません。それ以外の一般人口の中では抗体保有率は一桁代と報告されています。世界中で公衆衛生上この感染症にどう対応するかを検討するにあたって、ウイルスがパンデミックの前に既存の免疫を持たないヒト集団に入った、つまり「全く新しいウイルス」と仮定してWHOの緊急事態の責任者であるマイク・ライアンは考えました。そしてウイルスが「燃えつきて収束するには時間がかかるだろう」と結論づけました。しかし、ウイルスに感染していない人々のSARS-CoV-2へのT細胞の反応を研究した論文の多くは、パンデミックウイルスが人類にとって全く対応できない新種のウイルスであるのかという問いに疑問を呈しています。

 

〇 新型コロナウイルスはそれほど斬新なウイルスではない?

 

世界各地からの6本以上の論文による報告で、ウイルスへの暴露がなかった人達の「20-50%のT細胞」がSARS-C0V-2に免疫的に反応する事が証明されています。しかしこれらの研究は対象にした症例数がまだ少なく、SARS-C0V-2に対する免疫学的反応の正確な推定値を提供するには至っていません。しかし雑誌CellやNatureに発表されたこれら内容は無視できない貴重な証拠であり、これらの事実はウイルスの成り立ちを知る上でも大事な知識となります。

 

〇 豚インフルエンザで見られた例

 

世界保健機関(WHO)がH1N1「豚インフルエンザ」ウイルスを世界的なパンデミックと宣言してから数ヶ月後の2009年後半、アレッサンドロ・セッテは、この豚インフルは特段人類にとって新しいウイルスではないのではないか、という研究をしていました。

彼らの答えは、成人集団における既存の免疫学的応答、特にT細胞は、「疾患の重症度を鈍くする」ことが解りました。つまり既存の反応性T細胞を持つ人々は、H1N1が重症化しにくいという臨床的特徴を持っていたのです。さらに、米国疾病管理予防センター(CDC)が2009年の流行の間に行った研究では、60歳以上の人々の33%が2009年のH1N1ウイルスに対して交差反応性の抗体を持っていたと報告され、CDCは新しいH1N1株に対する「ある程度の既存の免疫」が存在すると結論付けたのです。

このデータは、2009年以前のWHOとCDCの見解を「パンデミックウイルスに対する免疫を持たない」という仮定から、「パンデミックウイルスに対する集団の脆弱性は、ウイルスに対する既存の免疫のレベルの有無に関連している」と認めたものに変えました。

しかし、2020年には、その教訓は忘れられていたようです。

 

〇 新型コロナウイルスは既存の風邪ウイルスの一種か?

 

新型コロナウイルスに暴露していない人が持つ「免疫反応の起源は、構造的に密接に関連しているいわゆる一般的な風邪コロナウイルスである」と、この仮説を確認した論文の上級著者ダニエラ・ワイスコフは述べています。これとは別に、シンガポールの研究者は、一般的な風邪のコロナウイルスの役割について同様の結論に達しましたが、T細胞の反応性の一部は、動物由来のコロナウイルスであっても、他の未知のコロナウイルスから来る可能性があることを指摘しました。要はSARS-C0V-2のパンデミックへの対応はこれらの免疫反応を考慮して、基本的な仮定のいくつかを再検討する必要性があるのです。

 

〇 集団免疫を過小評価していないだろうか?

 

抗体保有率を測定する血清調査は、SARS-C0V-2に感染した集団の割合を評価するには好ましい方法ですが、集団免疫閾値(どこで集団免疫に達したか)の検討には向いていないかも知れません。というのは、最も大きな被害を受けた地域であっても、少数の人々しかSARS-CoV-2に対する抗体を持っていないと言う事実は、ほとんどの疫学者が「パンデミックは終わっていない」と結論する結果になってしまっているからです。調査対象者の5分の1以上が抗体を持っていたニューヨーク市では、保健局は「現状は集団免疫のレベルに達しておらず、監視、検査、接触追跡が依然として不可欠な公衆衛生戦略である」と結論付けました。「その数が何であれ、私たちは集団免疫達成に近い状態はどこにもありません」と、WHOのライアンは7月下旬に言及しました。

 

〇 集団免疫の閾値について

 

理論的には、伝染病の発生は特定の経過に従います。 免疫力を欠く集団では、新しい感染症が急速に成長します。ある時点で 、この成長のピークが発生し、発生率が 低下し始めます。

1970年代には、この変曲点を集団免疫閾値(HIT)と定義し、その大きさを推定するための簡単な式を提供しました:HIT=1-1/R0(R0は病気の基本的な再生産数、または感染性の影響を受けやすい個人によって生成された二次症例の平均数)。この単純な計算は、多くの予防接種キャンペーンを導き、予防接種の目標レベルを定義するために使用されました。

この式は、特定の集団において免疫が均等に分配され、メンバーがランダムに混合するという2つの仮定に基づいています。しかし現実には人びとはランダムに混合することはないことが解り、本当は人々の接触には濃淡があり、集団免疫はもっと早期に達成されることが解ったのです。

ほとんどの専門家はSARS-CoV-2(一般的に2〜3の間であると推定される)のR0を取り、集団免疫に達する前に少なくとも50%の人々が免疫を持つ必要があると結論付けましたが、Gomesたちは10%から20%が本来の閾値だろうと推測しています。

ドイツのミュンスター大学のウルリッヒ・ケイル名誉教授(疫学)は、無作為に分布する免疫の概念は、集団の健康格差の大きなちがいを無視する「非常に乱暴な仮定」であり、「また、社会状況がウイルスの因子よりも感染拡大因子に重要であるかもしれないことを完全に無視している」と言います。

オックスフォード大学のスネトラ・グプタ率いる別のグループは、人々には既存の免疫があることを考慮して、集団免疫閾値は下げて良いと結論しています。人類に既存の免疫を持つ人々が存在する場合、T細胞が反応する可能性があるため、R0が2.5であると仮定する集団免疫閾値は、人々の間で持つ既存の免疫の量と分布に応じて、感染する人口の60%という値を10%まで減少させることができる、とグプタのグループは計算しました。

メモリーT細胞は、「将来の感染に対する臨床的重症度および感受性に影響を与える能力」で知られており、また「20〜50%の人々がSARS-CoV-2に対して既存の免疫的反応性を持っている」事を論文化したT細胞についての研究は、抗体を持つかどうかが免疫反応の全てではないことを示唆しています。

「私たちが血清検査などの測定を行って、ウイルスに感染した人の数だと結論づけたのは、感染の真の姿を検討する上で無頓着でした」と、カロリンスカ研究所の免疫学者マーカス・バガートはBMJに語りました。「免疫反応はより多彩であり、抗体価を調べるだけの研究は、免疫反応を過小評価する結果につながります。生理学的応答は、一般的に想像する免疫的な反応よりも少ないかもしれません。つまり暴露は必ずしも感染につながるとは限りませんし、感染は必ずしも病気につながるとは限りません、そして病気は必ずしも検出可能な抗体を産生しません。そして、体内では、様々な免疫系コンポーネントの役割は複雑であり、相互に関連しています。B細胞は抗体を産生するが、B細胞はT細胞によって調節され、T細胞と抗体は共に体内のウイルスに反応する一方、T細胞は感染した細胞に対して反応し、抗体は細胞が感染するのを防ぐのに役立つのです。」

 

〇 カーブの予期しない変動

 

バガート博士の母国スウエーデンは集団免疫論争の最前線にあり、スウェーデンのウイルスに対する甘い戦略は多くの議論をもたらしました。バガードは2020年8月にこう述べました。「現在、感染者の数は大幅に減っています。200万人の都市で約50人がCOVID-19で入院しています。流行のピーク時には何千もの症例がありました。ソシアルディスタンシングがスウエーデンにおいて常に不十分だったことを考えると、何かが他に起こったに違いない。」

この「何か」を理解することは、既存の疾患への抵抗性と新しい疾患への交叉耐性の変数を組み込んだ集団免疫閾値を計算する方法を開発したオックスフォード大学の疫学者、スネトラ・グプタにとって中心的な問題となりました。 彼女のグループは、集団免疫閾値は「集団の一部がウイルスを伝染させることができない場合、大幅に減少する可能性がある」と主張しています。

「従来の考え方では、流行曲線の上昇に従ってロックダウンが必要になる」ということですと、グプタは説明しました。「だから、いったんロックダウンを解除すると、そのカーブは上昇し続ける」はずです。しかし、それはニューヨーク、ロンドン、ストックホルムのような場所では起こっていません。問題は、なぜ「ロンドンで病気がそれほど広がっておらず、血清学検査が示すようにウイルス感染を経験したのは全体の15%に過ぎないのか」ということです。「そのような状況下で、ロックダウンを解除すると、他の多くの設定で予想されているように、感染症例数の即時かつ相応の増加が見られるはずです」と、グプタはBMJに語りました。それは単純な事実です。問題は、他に考えられる理由が多いという事です、と彼女は言います。一つは、ソシアルディスタンスが行き届いて、人々が広がりを抑えているということです。もう一つの可能性は、多くの人々がT細胞応答または何か他の免疫があるということです。「それが何であれ、感染に対して脆弱でない人々が人口のかなりの割合であるならば、SARS-CoV-2がさほど広がっていない状況についての説明が付くのです。」とグプタは付け加えました。バガートのスウェーデンでの研究は、この立場を支持しているようです。covid-19が確認された患者の親しい家族を調査すると、血清陰性または無症候性である人にT細胞応答を発見しました。(他の研究も同様の結果を報告している。)

「非常に多くの人々は感染したにも関わらず、抗体を作成しませんでした」とバガートは結論付けています。

 

〇 より深い議論

 

T細胞免疫についての研究は、ニュースを支配しているように見える抗体の研究とは対照的に、メディアの注目は集めていません(バガートの推測は、抗体研究の方がT細胞よりも研究が容易で、速く、より安価であるため)。最近の2つの研究では、SARS-CoV-2に対する自然に獲得した抗体がわずか2〜3ヶ月後に衰え始め、繰り返し感染する可能性があるとの憶測が煽られていると報告されています。

しかし、T細胞免疫の研究は、実質的に異なる、より楽観的な解釈を可能にします。シンガポールの研究では、例えば、SARS-CoV-1に対する 反応性T細胞が感染の17年後にもその患者で発見されています。「我々の知見はまた、関連したウイルスに感染した後に生成された長期的なメモリーT細胞が、SARS-CoV-2による感染に対して保護的または改変することができる可能性を高めている」と研究者は報告しています。

T細胞研究はまた、子供たちが驚くほどパンデミックから除かれた理由、なぜそれが人々に異なって影響を与えるのか、そして子供と若い成人の無症候性感染症の割合が高いなど、covid-19ウイルスの他の謎に光を当てるのに役立つかもしれません。

私が話した免疫学者は、T細胞がニューヨーク、ロンドン、ストックホルムのような場所が感染症の波を経験し、その後の再流行を経験していない理由を説明する重要な要因となり得ることに同意しました。これは、血清学だけで測定できるものではなく、既存の免疫応答と新たに形成された免疫応答の組み合わせの結果である免疫の保護のしくみが、現在集団に存在し、新しい感染症の流行を防ぐことができるからであると説明されます。

しかし、彼らはこれが憶測であると注意喚起もしています。正式には、既存のT細胞反応性の臨床への影響は依然として未解決の問題です。「人々はまだエビデンスがないと言いますが、彼らの主張は正しいです」とバガートは言います。彼の研究の過去に集められた献血者標本はすべて匿名化され、時間系列的なフォローアップを妨げていると付け加えました。

T細胞応答は有害である可能性があり、疾患の重篤化につながるという考えがあります。「私はその可能性があるとは思わない」と、セッテは完全否定ではないことを強調しながら言いました。「これは誤りである可能性もあります。交叉免疫の能力が小さすぎるか、ウイルスには弱い影響しかないかもしれません。もう一つの結論は、交叉免疫が違う結果を生み出し、より良い反応を生み出すことです。ヴァイスコプフ博士は次のように付け加えました。「今、私はあらゆる可能性があると思います。私たちは知らないだけです。私たちが楽観的な理由は、(T細胞応答が)実際にあなたを助ける事を他のウイルスの例に見てきたからです。その一例が豚インフルエンザで、既存の反応性T細胞を持つ人々が臨床的に軽症化された事が研究で示されているのです。」

ヴァイスコプフとセッテ博士は、SARS-CoV-2への暴露前に登録された人々の集団に継続的に適切に計画された前向きの研究を行う事で、説得力のあるエビデンスが得られ、既存のT細胞応答の有無にかかわらずそれらの臨床過程を比較することができるだろうと主張している。

既存のSARS-CoV-2 T細胞反応性の保護値を理解することは「ワクチンの状況と同じです」と、シンガポールのデュークNUS医学部の感染症教授アントニオ・ベルトレッティは述べています。「ワクチン接種を通じて、抗体とT細胞産生を刺激することを目指し、このような免疫の誘導が保護されることを願っています。しかし、実際に効果を発揮するには、第III相臨床試験が必要です。」ドイツの研究者は、彼らのT細胞所見は、既存の反応性を臨床結果にマッピングする「世界的な前向きな研究を開始する決定的な根拠」を表していると主張し、同じ結論に達しました。他のグループも同じことを求めています。「パンデミックの開始時に、重要な全体図は、誰が感染し、何人が保護されたかを理解するために抗体データだけを調べる事から脱却する思考が必要だったということです」と、インペリアル・カレッジ・ロンドンの2人の免疫学者は7月中旬の雑誌サイエンスの免疫学の解説で書いています。「この新型コロナ感染症という困難な感染についてより多くのことを学んだので、T細胞データも本当に必要だと認める時が来たのです」

理論的には、covid-19ワクチン試験のプラセボアームは、既存のT細胞反応性を持たない人々とSARS-CoV-2の臨床結果を比較することによって、このような研究を行う簡単な方法を提供することができると推測されます。しかし、2つの大規模なプラセボ対照第III相試験で研究されているすべての一次および二次的な結果尺度のBMJによるレビューは、そのような分析が行われていないことを示しています。

既存の免疫は、将来のワクチンよりも新しいウイルス感染から身体を守ることができるでしょうか? 「T細胞の集団的データを解析する」という研究をしなければ、私たちはその答えを知り得ないでしょう。

 

(引用終わり)

コメント

新型コロナワクチンについての諸々

2021-03-25 14:07:26 | 医療

日本では医療従事者に対して、ファイザー社製mRNAを用いた新型コロナワクチン(コミナティ)の投与が開始され、既に30万人以上に1回以上投与されています。幸い生死に係わるアナフィラキシー反応は報告されておらず、急性期反応に関しては「安全そうだ」という結論です。私も3月中旬に1回目の投与を受け、他の人にも数十人投与しました。私の病院においては、周辺医療圏の医療従事者を含む数百名に投与しましたが、1回投与目においては重篤な副反応は見られませんでした。自分個人について、通販製品の使用感想のような報告になりますが、投与直後はややぼうっとした感じでふらふら感があり、椅子に座っていましたが、30分くらいで普通に歩けるようになって業務に戻りました。1-2日投与された左肩に痛みはありましたが、腕が上がらない程の腫脹はなく現在に至っています。私個人としては、以前からブログで解説しているように2回目の投与は必要性のエビデンスがなく、副作用が強くなり、永続的な障害につながるリスクが高いので受けません。まわりの医療従事者間でもワクチンに対しては「仕方なく受ける」「明確な意思を持って受けない」「積極的に受ける」に分かれており、それぞれ自己判断で決めれば良いと思います。成人していますが、自分の子供達には「まだ受けないほうが良い」と話しています。

 

以下に世界で報道された種々のワクチンの最近の話題についてまとめます。

 

1) Sinovac(中国)製不活化ワクチン

多くの論文でヒトに対する第1相試験が2019年4月に開始されたことが明らかになっています(参考1)。また全人代を前に先日Sinovacの幹部達が2019年3月に社内で先行投与を受け、現在も高い抗体価を維持していると「自慢」する報道がありました。

Covid-19は全ゲノムの配列が明らかになったのは2019年1月中旬です。不活化ワクチンを工業製品として製品化するには、確実なウイルスの同定、分離培養、適切な不活化、効果の確認(適切に不活化されているかを含む)、vero細胞(アカゲザルの株化した腎上皮細胞)など(インフルワクチンは鶏卵を用いるが、ウイルス全体を培養するコロナはveroを用いたと書いてある)を用いたウイルスの工業的純粋大量培養と不活化した製品化、という過程を経る必要があり、これを2ヶ月で行なうことは「不可能」です。論文では「ワクチンに使用したウイルスは武漢の患者から得た」と記載されていますが、時間経過として物理的に不可能であり、ウイルスは2019年秋の段階で分離同定されていた、つまり「武漢のウイルス研究施設で既に分離培養されたウイルスがあった」と考えざるを得ないのです。この素人でもわかる明確な事実をメディアが取り上げないのは何故なのか不思議です。

この武漢ウイルス研究施設で同定された「原種Covid-19」は、パンデミック以降の段階で既に800以上の変異種に変化しています。Sinovac製不活化ワクチンの効きが悪いという評判があり、ADE(抗体依存性免疫増強)による感染の悪化さえ危惧されている原因はこの「原種を不活化」したという点にありそうです。日本で毎年投与される季節性インフルエンザ不活化ワクチンがA、Bの大きなくくりが一緒でもHやNといった変異型が違うと効果がなく、毎年投与が必要になることからも理解できると思います。

 

2) アストラゼネカ製DNAワクチン

チンパンジーのアデノウイルスをベクターにしてその中にコロナウイルスのスパイク蛋白の遺伝子を組み込んでヒトに感染させ、スパイク蛋白の抗体を作らせるという仕組みですが、ウイルスは増殖しないものの感染細胞は蛋白を作り続ける事になるので作られたスパイク蛋白が血栓症の原因になる可能性が否定できないという点で一時欧州の国々で使用中止になりました。コロナウイルスのスパイク蛋白が血管内皮にあるアンジオテンシン変換酵素(ACE)に接着してそこから血栓形成が惹起される事は多くの論文(参考3)で証明されています。EMA欧州医薬品庁は「ワクチンのメリットはリスクを上回る」という特に広範なエビデンスを示さない「決意」ともとれる異例のメッセージを公布して、ワクチン投与を再開させましたが、勿論誰も責任はとりません。

 

3) ファイザー製mRNAワクチン

コミナティワクチンについては、前回のブログなどでもその危険性や不可解な部分について説明してきました。新型コロナワクチンとしての効果はあるだろう、と思っています。不活化ワクチン(正しく作られたものであれば)の方が安全性は高いと思いますが、DNAワクチンの様にずっと抗原が作られ続けるリスクや、1度しか投与できない(ベクターに対する抗体もできるから)という物よりは安全かもしれないとは思っています。しかし

  • 細胞外に大量の非生理的なmRNAが存在する状態は、「全生物の進化」の過程において一度も経験したことがない事象である、という事実。
  • 細胞内で通常数時間以内に分解され、消滅するmRNAが「2週間以上存在し続けて蛋白を作り続ける」などという異常に生物細胞は「正常状態」を保ち続けられるのか、について一切の検証がなされていないことには大きな懸念があります。

 

現在自分の体内で上記の事が起こっており、自分の身体を使ってどのような異常が起こるかを検証中でもあります。

 

参考1 Zhang Y et al. Safety, tolerability, and immunogenicity of an inactivated SARS-CoV-2 vaccine in healthy adults aged 18–59 years: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 1/2 clinical trial Lancet infect disease 2021,21, 181-192

https://doi.org/10.1016/ S1473-3099(20)30843-4

 

参考2 Xia S et al Effect of an inactivated vaccine against SARS CoV2 on safety and immunology outcomes. JAMA 2020 324 (19) 1-10 doi: 10.1001/jama.2020.15543: 10.1001/jama.2020.15543

 

参考3 Rodoriguez C et al. Pulmonary endothelial dysfunction and thorombotic complication in COVID-19 Patients. AJRCMB 2020 12 10.1165/rcmb.2020-0359PS

コメント (6)

街を唄った洋楽とラップ

2021-03-24 18:18:38 | 音楽

今回のブログは思いつきで音楽を語っているので、まったく専門外、勘違いや思い込みが多い内容ですが、まあ個人の経験と感想ということで受け流して頂ければと思います。

 

街の生活を唄った洋楽は昔からありますが、街そのもののご当地ソングというよりはそこに生きる人の気持ちとか、特に都市部での既成社会への若者のプロテストが賞賛されてヒットにつながるといった傾向は洋の東西を問わずあると思います。特に不満や葛藤を強く訴えかける内容が現在の「ラップ」や「ヒップホップミュージック」につながっていったのだろうと感ずるものがあります。

 

Stevie Wonder  “Living for the city”  スティービーワンダー「汚れた街」1973

中学・高校の頃に耳にして「何だこれは?」という感覚を覚えたのはまだあまり日本で知られていなかったスティービーワンダーの「汚れた街」という曲で、1973年のビルボードR&B1位を取ったヒット曲です。何を唄っているか良く分からなかったものの、単調なリズムに乗せて訥々と訴えかけてからサビで「何とか街で生きているぜ」みたいな曲だったので今までにない新鮮さがありました。日本でも「謡」とか西洋の宗教的なチャントといった言葉で訴える様な歌い方がありますが、日常的な生活の不満やプロテストをメロディよりもリズムを主体にのせて唄うやり方が洋楽の分野に現れたのは衝撃だったと思います。

 

Crusaders  “Street life”  クルセイダーズ 「ストリート・ライフ」1979

ジャズを聴くようになったのは大学に入った1980年頃からですが、カリフォルニアの街の特に黒人たちの生活を唄ったストリートライフはラップではありませんが、当時全く若手だった黒人シンガーRandy Craufordをフィーチャーして長尺の曲構成で、ストリートで生活する黒人たちの様子を歌い上げた点が新鮮でした。Wilton Felderの突き抜けるようなサックスがラップではないものの「ナラティブ」にイメージを伝えます。1993年頃に1年間ニューヨークで単身留学生活を送りましたが、寮で良く聞いていたラジオで週1度はこの曲がかかっており、「NYのイメージにも合っているのだろう、スタンダードと言われる曲はこうして作られるのだろう」と思いました。日本人にはピンときませんが、「十字軍」という名前の黒人グループの画期的といえる楽曲は、キリスト教社会の米国ではそれなりに強い衝撃で迎えられたのではないかと思います。

 

Pet Shop Boys “West end girls”  ペットショップボーイズ ウエスト・エンド・ガールズ1985

ブリティッシュロックのラップの走りかな、と思うのがこれです。唄っている内容はどうにも憂鬱で自殺願望的なのに「なんともファッショナブル!」と思わせるサウンドでPVもロンドンの街並みが懐かしい感じです。今でも大人気で2012年のロンドン五輪の閉会式でも演奏され、2019年ウエストエンドのハイドパークでのライブでは会場全体で大合唱であり、「割と暗い歌詞なのに、どんだけ英国人はこの曲好きなんだ!」と思わせます。確かに英国らしい重厚で、格調を感ずる所もあって私も今聴いても新鮮さを感じます。

 

Jay Z featuring Alicia Keys “Empire State of Mind”  ジェイZ  エンパイア・ステイト・オブ・マインド 2009

これはもうラップ、ヒップホップの完成形とも言えると思います。2009年の全米1位のヒット曲ですが、雰囲気は1993年頃に私が単身赴任でNYの街を歩き回っていた頃の感じそのもので懐かしい感じがします。スティービーワンダーの汚れた街ではNYに着いた途端に麻薬の冤罪で逮捕されて散々だ、という内容が唄われますが、このJay Zの曲はそこまで否定的ではなく、「うまく行かない事も多いけど、夢や希望がある」内容です。それもそのはずで、作詞はJay Zと同じアパートに昔住んでいた人がロンドンでホームシックになり、NYを懐かしみながら書き上げた物だそうで、一度却下されたものがたまたまプロデューサー目に留まって大ヒットにつながった曲だそうです。Alicia Keysのグラマラスなサビの歌声もまたいい感じだと思います。

コメント

新型コロナ変異種は脅威か?

2021-03-16 19:09:43 | 医療

新型コロナ感染症の感染者数が春の訪れとともに世界的に減少しています。延長した非常事態宣言も終了の方向になりつつありますが、新型コロナウイルスの変異種による感染が広がりつつあり、その変異種の毒性が強いという「触れ込み」で新たな恐怖を煽る行為がメディアによって続けられています。論文名やジャーナル(専門誌)も紹介して死亡率が高いといったアジテーションが行われています。また旧来型よりも若年者の感染が増加している事も変異種の脅威を強調する原因として使われています。私も基になった論文を読んでみて、メディアで紹介されている事は「事実」であると確認しました。但し、事実記載のどこを紹介するかによって「脅威が事実」かどうかは変わります。以下に医学論文を「脅威に見せるマジック」について科学者の目で種明かしします。

 

〇 死亡率は1.64倍だが、生存率が99.7%から99.6%になっただけ。

 

変異種と元の種の死亡率を比較したBritish medical journalの論文(参考1)では要旨(abstract)の結果に示した様に「95%の信頼区間をもって感染者の死亡率が1.64倍増加した」(図の黄線)とあります。しかしそれは倍率の比較であって、死亡者の実数はそれぞれ5.5万人の患者のうち、死者141人と227人の比較であって、生存率は99.7%であったものが99.6%になっただけだということも論文で示されています(下図)。100人の患者のうち、0.3人が死亡していたのが0.4人になったのが天下の一大事でしょうか?しかも後に示すように、この増加も「統計的なマジック」である可能性があるのです。

BMJの論文研究のデザインがMatched cohort studyと明記されている事も注目  結果に旧型生存率(99.7%左コラム)と変異種生存率(99.6%右コラム)を示す

 

〇 変異種は感染力と若年層への感染は増加したが、死亡率や毒性は変わらない。

 

やはり変異種と元の種の感染性と毒性を比較したCellの論文(参考2)では、要旨に「変異種の感染例には死亡率と臨床的な重症度の増加は認めないが、感染力と若年層への感染増加を認めた」(図の黄線)と明記されています。BMJもCellも世界的に一流の雑誌ですが、何故片方は死亡率が増加し、片方は死亡率や毒性は変わらないという結論になるのでしょう?それは統計を取るための母集団の調整にあります。やや面倒くさい内容になりますが、興味のある方は読んでみてください。本来科学論文を正しく解釈するのは面倒くさいものですし、それができない人、嫌な人は元々専門的な科学・医学を語る資格がないのです。

論文要旨に死亡率と重症度は変わらないと明記されている

 

〇 Cellの論文は実数の比較で論じている。

 

Cell論文の図3として示されているものを示します。図Eは診断後28日以内に死亡する率の変化をグレーの旧型とオレンジの変異型に分けて示したもので、どちらも変わらない事が図上で解ります。一方で図Fに示す様にオレンジの変異種に感染する年齢層が60代以下に多いことが解ります。図Gではゲノムコピーが614Gの変異種で(ゲノム量を測れるリアルタイムPCR上)多く見つかった事が示され、変異種の感染力の高さが示唆されています。これらの結果から「感染力(ウイルス増殖)と若年者への感染は増加したが、死亡率や毒性は変わらない」という結論が導かれたのです。

感染確認から4週以内の死亡率(オレンジが変異種)    感染者の平均年齢の推移(オレンジが変異種)    感染確認時のウイルス量の比較(これはグレーが変異種)

 

〇 BMJの論文はmatched cohort studyと断っている。

 

一方で死亡率を比較したBMJの論文は比較した集団の条件を厳密に一致させた上で死亡率を比較した論文です、と見出しの部分にわざわざ記載しています。これは「医学論文において、ある治療法や薬物の効果、死亡率を比較する時は比較する集団の条件を一致させる必要がある」という大原則に従っている事を示しています。一方が元気な若い人ばかり、もう一方が80歳以上の高齢者で死亡率を比較すれば同じ100人の比較でも高齢者の死亡率が高いのは当然です。だから年齢、性別、人種、医療サービスのレベルなどを一致した上で旧来型と新種の死亡率を比較したのがこのBMJ論文です。しかし全体の母集団から同じ条件の集団を選別してゆく過程で実は「現実」からの乖離が起こってしまうリスクがどうしてもあるのです。図は191万人の患者から条件を合わせるために旧来型54,906名、変異種54,906名に数を絞ってゆく過程を示したもので、母集団のわずか5.7%の集団について検討して、死亡率を比較した事を示しています。もう一方の図に示す用に、年齢、性別、民族は両群間でほぼ一致していることが解るので、比較試験としては適切であると言えます。

母集団から比較する集団を絞り込んでゆく過程     絞り込んだ結果、各集団の条件が年齢、性別、人種間で合っている事を示す

 

〇 matched cohort studyで死亡率に差がでる仕組み

 

この集団を調整する過程で死亡率に差が出る仕組みを非常に単純化した図で説明します。10人中3人が死亡する死亡率30%のウイルスで変異種Aは50歳以下が3名、Bは若年層にやや多い6名が感染したとします。生死は0か1で0.5人死亡はありえないので、本当はx100倍の人数で計算するべきかもしれませんが、単純化のため敢えて10人で計算します。51歳以上の高齢者の死亡率は共に半分位で42%、50%です。死亡率のマジックは、病気で死亡したとは限らない事です。世界中のコロナ死亡の多くは元々ある合併症の悪化であったり、老衰であったり、中には交通事故でなくなった人も感染陽性であればコロナ死亡になっている事は良く知られています。これは医学統計では常識であって、overall survival(総生存率)はdisease specific survival(疾患特異的生存率)よりも常に低いのが当たり前なのです。上記の参考論文では、いずれもコロナ感染による死亡を「感染判明後4週目までに亡くなった人の数」で定義していますが、これでは頑張って治療したけど6週間目に死亡した人は「生存者」に、元々心不全で死にそうだった人がたまたま感染陽性と診断されて2週間目に亡くなっても「コロナで死亡」にカウントされて統計化されてしまいます。これは感染判明後4週間までに亡くなった人を「コロナ感染症が悪化して死亡」とカウントするのが実際の感染症による「疾患特異的死亡」の実数に近い、という論文化された中国武漢での研究結果を踏まえたものだと論文内に説明されています。一般的には世界の「新型コロナ感染症の統計」で感染者の死亡は2-4%とされていますが(日本は2%前後)、発症して重体になり死亡する「疾患特異的」な死亡は全死者の6-7%とCDCも発表していますので、論文で示されている生存率99.7%程度というのは感染判明者の疾患特異的な生存率の近似値として正しいだろうという事になるのです。

ここで、集団を合わせる事で死亡率が変わる説明になります。変異Aと変異Bの死亡率を比較するためにmatched cohort studyをするため、50歳以下と51歳以上の人数を合わせます。Aの50歳以下は3名なのでBも3名にするほかなく、51歳以上のBは4名なのでAも4名で合わせるほかありません。ではそれぞれの人数に調整した後、死亡率を比較すると、Aは24%、Bは35.8%と変異Bの死亡率が上がってしまいます。これはかなり解りやすく単純化したものなので極端な例と言えますが、母集団における死亡者数は変わらないのに集団の調整をした段階で死亡率だけが変わってしまった事が解ると思います。

 

比較をするには集団の条件を合わせる必要があるので、変異Bの死亡率はAより高いという結果は嘘ではありません。しかし、全体の死亡者数が同じである、というのも真実なのです。これが統計やサイエンスの限界であると言えるでしょう。要は論文をどう読み解いて、それを実際の政策や治療に生かすかという「ヒト」の意図や能力が問題なのだと理解いただけたでしょうか。

 

参考1 Challen R et al. Risk of mortality in patients infected with SARS-C0V-2 variant of concern 202012/1: matched cohort study. BMJ 2021 372n579

 http://dx.doi.org/10.1136/bmj.n579

 

参考2 Volz E et al. Evaluating the effects of SARS-C0V-2 spike mutation D614G on transmissibility and pathogenicity. Cell 184, 654-75 2021 (Jan 7)

https://doi.org/10.1016/j.cell.2020.11.020

コメント

Covid-19ワクチンに対する疑問に答える

2021-03-10 18:16:14 | 医療

前回の医療系の話題である「コロナワクチンの接種は打つとしても1回でよいだろう」でも言及しましたが、コロナワクチンについて説明するべき内容について具体的に指摘しました。今回in deepさんのブログでドイツにおいてCovid-19感染症への対応に批判的な科学者達の団体が企画したワクチンについての専門家(ヴァネッサSクリューガー博士、ほか)を招いた公聴会が紹介されていて、ファイザー/BioNTech製のワクチン(コミナティ)について同社がリリースした資料に基づく説明がなされていて疑問を解く参考になったので紹介します。尚、コミナティについての厚労省の説明はここで示されています。

 

以下にrakitarouが提示した疑問に対する、聴聞会などで示された答えに相当する部分と、その答えについての感想を示します。

 

〇  mRNAとして体内に注入される遺伝子配列(AUGCかATGCからなる)の明示

 

トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA)  厚労省による説明ではスパイク蛋白の全長が含まれるとされます。但し、聴聞会で明らかにされたように、製品であるコミナティにこの有効成分がどれだけ確実に含まれるか、夾雑物(増殖用大腸菌のDNAやmRNAの断片)がどの程度あるかは明らかではありません。製品の品質を調べる「標準製品」が現在作られていない由です。

 

〇  投与されたmRNAに反応する宿主側の細胞の特定

 

主たる細胞は注入部位の筋細胞ですが、注入後15分で20%は肝臓内でも特定され、脾臓や生殖器細胞でも血流で運ばれた事が発光酵素ルシフェラーゼmRNAを用いた実験(使用量はワクチンで用いられる30マイクログラムの15分の1である2マイクログラムで実験)で証明されている。つまり体内いずれの細胞にも作用し得ると言える。

 

〇  反応して作られるタンパク質の機能と構造

 

mRNAの設計上はスパイク蛋白の全長が作られる事が企図されているが、断片化されている場合は異なる3次構造を持つ蛋白が作られることになり、それに反応する抗体も本来のスパイク蛋白とは異なる物が作られ得る。タンパク質は4次構造まであることは高校以降の生物学で習うと思う。聴聞会ではこの誤った蛋白が宿主免疫に悪影響を及ぼす可能性は少ないと分析している。

 

〇  蛋白を異物として認識する宿主の免疫細胞の特定(メモリーT細胞までの道のり)

 

クリューガー博士が公聴会で説明しており以下になります。抗原提示細胞(APC マクロファージ、樹状細胞、B細胞)がmRNAに反応して異常蛋白を作った細胞が発する何等かのサイトカインを認識してT細胞を連れて異物蛋白を作る細胞の所に行き、反応した細胞が作って放出したスパイク蛋白を捕食したり、蛋白自体を分解して提示している反応細胞に対応することで、APC細胞表面のクラスII MHC分子にスパイク蛋白(や破片)を乗せてヘルパーT細胞に免疫応答するよう指示します。このT細胞がB細胞や他のT細胞に抗体産生や細胞攻撃の指令を出して獲得免疫が形成されます。ただこの機序は単純ではなく、特に本来自己である(筋)細胞が異物を提示することでキラーT細胞からアポトーシスを命じられたり、遺伝子の媒体である陽性荷電したLNP(脂質ナノ粒子)が細胞毒として機能する事も考慮する必要があります。参考の図はコロナ制圧タスクフォースのサイトから引用しました。

参考図はワクチンに対する反応ではなく、一般的なウイルスに対する免疫反応の機序を示す

 

この機序については極めて重要ながら、複雑系で個人差もおこり得る内容であり、将来自己免疫疾患やアレルギーに発展する可能性がある部分です。本来ならばこの機序について安全性の見極めに数年かけるのが常識であって、「とりあえずやっちゃえ!」が今回のワクチン接種であることは知っておくべきだと公聴会でも説明されます。「mRNAワクチンは安全」などと自信満々で話す人は明らかな「嘘つき」あるいは、「科学は無知」のどちらかと断定して良さそうです。

 

〇  宿主が作る中和抗体が多種なのかモノクローナル(1種類)に近いのか

 

スパイク蛋白以外の部位への抗体ではない、と言う点ではポリクローナルながら目標は一つという事。但し、大量に注入される媒体であるLNPに対する抗体も作られる可能性が高い。またLNPが肝機能障害(門脈血管周囲細胞の空胞化という組織障害が動物実験で見られた)を起こす可能性も指摘されている。

 

〇  作られた抗体のウイルスへの効果

 

これについては示されていない。いくつかの論文では作られたIgG抗体の量が測定されている。

 

〇  反応した宿主細胞がいつまで抗原を作り続け、反応した中和抗体がいつまで体内に存続するか

 

数時間で蛋白は作られ始めて、抗原は1-4週間後も作られ続ける、主にmRNAの安定性によるが、スパイク蛋白のmRNA安定性の細胞内評価のデータはない。中和抗体は他の論文では1回投与で90日後にも存在したとされる。

 

〇  注入された遺伝子がレトロトランスポゾン化して宿主DNAに取り込まれる可能性の有無

 

公聴会ではクリューガー博士は明言を避けているが、注入されたRNAが細胞内のどこに落ち着くか(核、ミトコンドリア、細胞質)によるとだけ答えている。但し、筋肉注射されたワクチンは生殖細胞にも移行する事は証明されているし、胎児への影響・移行についての情報は全く皆無と言ってよい。ファイザー自体が世界からの副反応などの情報提供を希望している。

 

 

他にも興味深い情報として、今回のコミナティワクチンは1回30マイクログラムのmRNA注入を基本としているが、臨床試験では10マイクロ、20マイクロ、30マイクログラムがテストされ、免疫的な反応の強さはそれぞれでほぼ同じであったが、副反応は量を増やすほど増加したという結果が出ている。しかし何故か製品化された段階で最も副反応が強い1回30マイクログラム投与と決められた。この理由は明らかにされていないが、試験用はかなり純度の高いmRNAが用いられたが、工場で大量生産されている製品化されたコミナティは純度が40-50%の物もあり、ロットによって一様ではない(そもそも検定されていない)ので効果としての安全策で最大の30マイクロが選択されたという工業製品としての純度の問題が背景にありそうだ。また2回打ちの間隔3週間というのも明確な科学的根拠を基に決められたわけではないと明らかにされた。

また基質の一部として使用されるポリエチレングリコール(PEG)に対するアレルギーの危険性も指摘されています。PEGは化粧品や保湿剤としても汎用されていて、女性が日常的に化粧品として使用しています。世界中のアナフィラキシー例に女性が多い事、日本において先行接種された医療関係者のアナフィラキシー例11例中9例が女性であったことも(日本は全例重篤にならず救命しえている)化粧品などに含まれるPEGに対する抗体が既に存在したために起こったアナフィラキシーである可能性があります。

粗製乱造ではない、通常の医薬品の様な製薬基準を満たした純度の高い製品であれば、量によって増加する副反応が少ない10マイクログラム投与で十分であり、最近の研究からも1回投与で十分な免疫的効果が得られると私は考えている。それでも量にかかわらずアナフィラキシーは起こるので注意が必要と思いますが。

 

欧米の数十分の一の患者しかいないのに、同じ程度のGDP低下という経済損失を招き、慌てて粗製乱造のワクチンを言い値で購入して言われた通りの投与方法で健康な日本人に次々と投与する「なんとあっぱれな国民ではないか!」

コメント

グローバリズム・反グローバリズムから時勢を読む

2021-03-06 09:58:12 | 社会

昨年(2020年)からの世の中は新型コロナ感染症や不正選挙が強行された上でのトランプ政権の終了といった予測不可能な事態が立て続けに起こっており、どのような力学で世の中が動いているのか理解し辛い状態です。やや強引ではありますが、大きな流れをグローバリズム推進派(所謂ディープステートDS側)と反グローバリズム(ナショナリズム、ポピュリズムなどと形容される)派との相克に分けて検討してみようと思います。

 

〇  それぞれの側が持つ武器と目標

 

まずグローバリスト達の武器は国境を越えて。グローバルで共通の対応を余儀なくさせる新型コロナウイルスです。参議院予算委員会で政府新型コロナ分科会の尾身会長は新型コロナが通常の季節性インフル同様の認識になるのは来年以降との見解を示しましたが、ウイルス自体は同じなのに対応が変わるというのはあくまで人間側の都合であるということが奇しくも明らかになったと言えます。

次の武器は、インターネットを通じて瞬時に取引を成立させるデジタル経済の存在です。また若者達を中心にした気候変動に対する危機感の高まりから、脱炭素社会を目指すSDGsの潮流もグローバリズムが目指すグレートリセットの一環に含まれています。これらの情報発信は国連やWHOからほぼ「議論不要の決定事項」として発信され、国ごとの変容は認められません。そして世界中の人が利用する巨大テック企業がグローバリズムの方針に従い、その方針から反れた情報発信を拒否(Ban)することを公然と始めた事から、反グローバリズムの多数のネット民から反感を買っているものの、優勢の指標で示した様に、企業権力としては圧倒的に巨大テック企業側に利があります。

グローバリズムの目指す目標は単一の価値観、文化観であり、徹底した管理社会(ディストピア)の完成です。リベラルの掲げるLGBTの概念や移民受け入れの強要は、一見多様性を推進する思想の様に「錯覚」しますが、そこが狙い目であり、「多様な意見」の存在を認めないファシズムが目標なだけです。「自分で物を考えられない人」ほど表面的な「多様性」という台詞に騙されて勘違いしてしまいます。現状は、どちらが優勢かを判定すると全体としてはグローバリズムが勝っているように思います。

 

〇  各国の情勢をグローバリズムと反グローバリズムから見る

では、各国の情勢をグローバリズムか反グローバリズムかで分けると、図のようになり、必ずしもグローバリズム優勢とは言えない部分もあります。米国は形の上ではバイデン政権になりましたが実体が明らかでなく、前のブログで示したように民心は圧倒的にトランプにあります。欧州は政権としてはEU中心でグローバリズム側が優位ですが、新型コロナ感染症で酷い目に遭った民衆が次第にナショナリズムに目覚めつつあります。

中国を大きく括弧付けにしたのは、習近平、反習近平ともに権力闘争にグローバリズム、反グローバリズム勢力を利用しているのであって、トランプと歩調を合わせていたかに見えた習近平も自由な社会を目指していたわけではなく、共産党的管理社会を強くすることを目指している点ではDS側の目標と一致しています。ロシアのプーチン政権も中国と同様ですが、反プーチン勢力は明らかにグローバリズム側です。

日本の政府は「強い方に付く」のでどちらとも言いがたいですが、メディアは明らかにグローバリズム側で政府がそちらに即した方針を取らないと激しく攻撃します。人気があるのに力を持てない自民の石破氏はDSに従わない派であり、DS側は断固総理にはさせないつもりに見えます。

先月クーデターを起こしたミャンマーはスーチー氏がDS側であるのに対して、軍部は中国とつるんだ反DS側の様です。国連は軍部を徹底的に批判しています。

中東は力関係が入り組んでいて色分けが難しいですが、イスラエルやUAEはうまくグローバリズム側に付いて地位を確保しようとしている様に見えます。バイデンがイラン核合意に安易に戻ると宣言したために、イスラエルとイランは核戦争の危機が高まりました。米軍がシリアにあるイランが支援する武装組織を空爆したことは、強い態度を見せながらも実力行使を避けてきたトランプ政権の努力を無にし、中東情勢を一層複雑で危険なものにしたと考えられます。「米国が戻ってくる(America is back)」と安定が崩れるという見本の様な失敗作です。

五輪は日本や中国が何とか開催に漕ぎ着けたいと四苦八苦していますが、DS側は中止を目論んでいるように見えます。

 

〇  結局民心を得たほうが最後には勝つだろう

現状はグローバリズム、反グローバリズムが入り乱れてどちらが優勢とも言えない状況と思いますが、グローバリズム側は「世界経済を牛耳っている」という圧倒的強みがあります。しかし数の上で一般の人たちが離反すれば暴力装置を持つ側(国軍、ミリシア民兵であっても)が最終的には勝つでしょう。経済はシステムを作り直せば済む話ですし、人間の寿命は無限ではないので、上に立つ人間はいくらでも入れ替わる事ができます。メディアによるプロパガンダが強いか、SNSなどの民衆の声が勝つか、ビッグテックによる思想統制が大きなファクターになると予想します。

コメント (2)

未完のファシズム米国

2021-02-27 00:25:38 | 社会

慶応大学の思想史、音楽史研究家である片山杜秀氏が著した「未完のファシズム」という名著があり、以前書評をブログで記しました。要約的には、戦前の日本における体制は統一された思想や指導者に完全に統制されたイタリアやドイツの完成されたファシズムではなく、統制派や皇道派などが独自の理屈で日本の政治をかく乱し、「戦争をする」という方向性は決まっていて、国民が異論をはさめるものではなかったものの、 ファシズムとして未完成であった故に両論併記と責任回避を繰り返して結局悲劇的な結末に至った、と説明されるものでした。

片山杜秀氏の未完のファシズム(新潮選書)

 

現在の米国は、「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合」により、ジェンダーや民族の多様性は認めるが、意見の多様性は認めない「ファシズム」に陥っていると誰もが感じています。しかしこのファシズムは大統領であるジョー・バイデン氏が絶対的な権力を掌握した結果ではどうもないようだ、むしろ大統領は痴呆により前後不覚の状態であることが明確になってきました。

 

〇  一体だれが大統領としての決断を下しているのだろうか

 

2月22日31人の民主党下院議員は、(認知症の)バイデン大統領一人が核のボタンを持つことは危険であるから、ハリス副大統領やペロシ下院議長へその権限を委譲するよう求める下記の書簡をホワイトハウスに送ったと報道されました。

また、25日、米軍はシリア国内のイラン武装勢力の施設をバイデン大統領の命令で空爆したと国防総省が発表しましたが、「そんな話は聞いていない」と副大統領のカマラ・ハリスが激怒したという話もあり、一体だれが戦闘開始の指揮を執っていたのか不明な状態です。

民主党下院議員が連名でホワイトハウスに送った書簡      バイデン大統領の指令でシリアを攻撃したとする国防総省の公式発表

 

施政の方針は殆どの閣僚が属している外交問題評議会(CFR)が決めて、大統領令はオバマ時代の国連大使であるスーザンライスやウクライナを地獄に変えた悪女ビクトリア・ヌーランドが決めている。政治表面には一応適応力のあるカマラ・ハリスが対応するとして、日々省庁や情報機関から上がってくる情報や問題に大統領として対応しているのは誰なのでしょう?

今の米国は多様な意見は許されません。民主党バイデン政権の正統性を疑う言論や、WHOの見解に沿わない新型コロナについての意見も大手メディアや言論プラットフォームからは「削除」されます。つまりファシズム国家になっています。しかしファシズムとして単一の意思決定機関や人物がいるのか?というとどうも「無政府状態」であり、それぞれの機関が勝手に意思決定をして認知症の老人の所に「皆のためにここにサインしてください」と命令書を差し出せば「おお、これで米国民が幸せになるのだな」と何も考えずにサインしてくれるようです。だから民主党下院議員たちが恐れるように「ピザを頼むにはこのボタンを押せばよいのかい?」と差し出された核のボタンを押してしまう可能性を否定できないという冗談で済まない状態が既に起きているのかも知れません。

 

2月22日米国最高裁は2020年の大統領選挙に関する全ての訴訟ケースで裁量上訴(Certiorari)を棄却したというニュースがありました。選挙結果の大勢に影響が少なかったなどの色々言い訳が記されているようですが、要は今回の選挙制度について合憲であるかの判断を最高裁は「しない」と決めた。選挙の結果について最高裁は責任を持たない(合憲とも違憲とも判断しないから)という事のようです。だからバイデン政権の正統性は形式的な手順を踏んだという意味での正当性のみで、そこで下された決断は大統領が幻覚妄想状態で判断能力がないのであれば、「誰の責任でもない」事になります。

上訴棄却について述べた最高裁の文書の一部(誰でも見れる)

 

今の米国は「リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合による米国版未完のファシズム」と言えるのではないでしょうか。

コメント

コロナワクチンの接種は打つとしても1回でよいだろう

2021-02-26 14:43:01 | 医療

〇 通販の宣伝に出てくる様な体験談を語り始めた専門家達

 

いよいよ日本でも新型コロナワクチンの投与がまず医療従事者に対して開始されました。テレビなどでは国民の未知のワクチンに対する「まっとうな警戒心」をなくそうと、投与された医師などの「どうってことありませんでした。」みたいな感想をしきりと流しています。先行する世界からの今までの報告から、投与初期の副反応(健常な人へのワクチンによる副作用を副反応というそうです)は今までの不活化ワクチンなどよりははるかに大きいものの、何とか乗り切れるようだと分ってきました。拙ブログでも紹介している米国VAERSによる副反応集計では投与後死者が2月初旬時点で1,000名近くになってきましたが、数千万人投与後の結果であり、直接ワクチン投与と結びつくとは限らない(コロナ死者統計と同じ)と思われ、むしろ神経麻痺の様なワクチン投与に結びつく副反応が問題だろうと私は考えています。

2月12日集計の副作用報告の集計結果(VAERSのサイトから)数千万人投与して1.5万の副作用報告があったうち5.8%が死亡報告だった。

 

〇  本来医師などの専門家が、コロナワクチンについて説明するべき内容とは、以下の様になるべきだと私は思います。

  • mRNAとして体内に注入される遺伝子配列(AUGCかATGCからなる)の明示(企業秘密らしいが、「明示しないなら承認しない位」の強気を国民への責任がある各国政府は示せ)
  • 投与されたmRNAに反応する宿主側の細胞の特定(筋肉注射なので一応筋肉細胞主体とされる)
  • 反応して作られるタンパク質の機能と構造(mRNA全体が翻訳されるとは限らない。スパイク蛋白の一部なのか全体か)
  • 蛋白を異物として認識する宿主の免疫細胞の特定(メモリーT細胞までの道のり、作成放出された異物蛋白のみでなく、宿主細胞表面の蛋白を異物として認識する事が大事ともいわれている)
  • 宿主が作る中和抗体が多種なのかモノクローナル(1種類)に近いのか
  • 作られた抗体のウイルスへの効果
  • 反応した宿主細胞がいつまで抗原を作り続け、反応した中和抗体がいつまで体内に存続するか(後術するように論文が出始めてはいるが)
  • 注入された遺伝子がレトロトランスポゾン化(以下に説明)して宿主DNAに取り込まれる可能性の有無(ないと明言するならばサイエンスとして実験結果か論文を明示する必要がある)

 

などを解りやすく説明して初めて専門家のワクチン評価と言えます。今メディアで述べられている内容は「通販の使用体験談」以上のものではなく、国民に範を示す専門家として恥ずかしくないのかと疑問に思います。

 

 

それでも、以下に説明するような長期的な遺伝子ワクチンによる影響は「未知」であることは変わらず、「できることなら受ける機会は少なくしたい」と考えている人は少なくないでしょう。しかしながら立場や仕事上「ワクチンは打たない」と断言できない人もいると思います。特に2回目の副反応の強さから、ワクチンは1回で済ませたい、と思うのは誰しも望むところです。ここに来て先行する諸外国からワクチンの有効性についての論文が出始め、中でも「初回のみのワクチン投与で十分に感染予防効果が得られているようだ」とする報告も出始めています。

 

以下に単回接種でも十分有効ではないかとされる報告を載せます。

 

〇  ワクチン1回接種、発症が85%減 イスラエルの研究者

 

(21/02/20記事:朝日新聞提供の記事引用)

 

 新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンの効果をめぐり、イスラエルの研究者らが医療従事者を対象にした研究で、1回のワクチン接種により発症を85%減らす効果があるとの論文を発表した。接種1回でも高い効果が得られれば、ワクチン不足に悩む国が2回目の接種を遅らせる判断をとることも選択肢となってくる。

論文は18日、英医学誌ランセット(電子版)で公開された。執筆したのは、国立シェバ・メディカルセンターのエヤル・レシェム教授ら。9109人の医療従事者を対象に、ワクチン接種前と接種後の感染や発症状況を調べた。

調査対象者のうち、昨年12月19日から1月24日までの間に170人が感染した。ワクチン未接種の場合と比較すると、接種から15~28日が経過した場合における感染率には、75%の減少がみられた。また、発症率でみると、接種から15~28日後には85%の減少がみられたという。

論文は「1回の接種後に、感染や発症に相当な早期の減少があることを我々のデータは示している」と結論づけた。調査対象者には2回目の接種まで受けた人も含まれるが、感染や発症が減少した効果の大部分は、1回目の接種の結果だと考えられるという。

(引用おわり)

〇  単回接種後の免疫原性の獲得とブースター接種の時期と効果について

Lancet 2021年2月19日号 Voysey M ら(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00432-3

 

17,000名のワクチン投与群とコントロール群の比較解析から、1回接種後14日から90日後までの感染予防効果は76.0%(59.3-85.9)であった。また単回投与後の中和抗体レベルは90日後まで下降することはなかったが、90日以降はブースター投与として2回目の接種が行われたのでいつまで単回投与の効果が続くかは不明である。2回目のブースター投与は3週目よりも時間を空けて90日後に行った方が、作られる中和抗体量は2倍近く多い傾向であった。(rakitarou意訳)

上記についてのLancetの論文

 

〇  遺伝子ワクチンとして投与された外来遺伝子が宿主の遺伝子内に取り込まれる可能性(レトロトランスポゾン化)について

遺伝子のレトロトランスポゾン化についてはwikipediaなどが解りやすく説明されていますが、簡単に述べると、「本来自分自身が持っていない遺伝子がウイルス感染等の形で体内に入ってくるとそれを自身の遺伝子の中に組み込んでゆく機構が元々生物には備わっている」という事です。ヒト遺伝子の少なくとも46%、犬の31%、マウスの37%の遺伝子はこのような外来性の意味のない遺伝子だろうと言われていて、考古学的にはヒト遺伝子の70%近くが元々外来性だった可能性があるという事です(参考1)。中には内在性レトロウイルス(HERVs)と呼ばれる遺伝的に受け継がれるウイルス疾患(HIVとか成人T細胞性白血病とか)もあり、これは自己の遺伝子の一部というよりもウイルスのまま精細胞内に組み込まれて遺伝してゆくタイプの物です(参考2)。2007年にProbstらは外から与えたmRNAが体細胞内に取り込まれる可能性について発表しています(参考3)。つまり、外来性のmRNAワクチンが投与されたヒトの細胞内で機能するからには、それが(必ずとは言えないまでも条件によっては)下図のようにヒトの遺伝子に組み込まれてゆく可能性は否定できないということです。問題は外来の遺伝子が自分の遺伝子の一部になってしまった場合、自分の免疫が反応すれば「自己免疫疾患」に、反応しなければ同じウイルスが将来侵入しても「免疫が働かない」事になってしまう事です。

胎児に組み込まれた外来遺伝子がその子にも遺伝する場合(A)、精細胞のみに限られ、体細胞には出ない場合(B)、体細胞にだけ出て遺伝しない場合(c)の模式図(文献1から)

 

1回ならば長期合併症は大丈夫という保証はどこにもありませんが、できれば打たないで済ませたいながら、仕方なく打とうという方は、種々のリスクは少ない方が良い事は言うまでもありません。2回目投与後の副反応は1回目と比べ物にならないほど強いことは世界中で指摘されています。その点だけでも1回投与で免疫的記憶が付いている証拠です。治験に必要とされるような、十分な中和抗体を得るには2回目のブースター投与が必要でしょうが、エボラの様な致死性の高いウイルス蔓延の地域に乗り込んでゆくわけではないのですし、今の日本の感染状況を考えれば1回のみの投与で充分免疫的記憶は付くと予想される(2回投与でも保証しているのはイスラエルで6か月のみ)と思います。皆さまの参考になれば幸いです。

参考1 Richardson SR et al. The influence of LINE-1 and SINE retrotransposons on mammalian genoms. Microbiol Spectr. 2015 April ; 3(2): . doi:10.1128/microbiolspec.MDNA3-0061-2014.

参考2 Nelson PN et al. Demystiied... Human endogenous retroviruses.  J Clin Pathol: Mol Pathol 2003;56:11–18

参考3 Probst J et al. Spontaneous cellular uptake of exogenous messenger RNA in vivo is nucleic acid-specific, saturable and ion dependent. Gene therapy 2007, 14, 1175-1180.

コメント

国家権力と企業権力の融合+リベラルの正義

2021-02-15 18:52:45 | 社会

〇  何かおかしいバイデン政権

2021年1月6日、不正な選挙で、連邦議会に民衆が乱入するという珍事がありながら、民主党のバイデン氏が第46代米国大統領に選出される選挙人票が公式に選出されました。そして1月20日に大統領就任式が行われ、バイデン氏が大統領、ハリス氏が副大統領になりました。就任演説でバイデン氏は「私たちは、民主主義と真実に対する攻撃に直面している」と述べ、「真実を守り、うそを打倒する責務が私たちにある」、「恐怖ではなく希望の、分断ではなく団結の、暗闇ではなく光の、アメリカの物語を一緒に書いていきましょう」と(自らの全てを棚に上げて)良くぞ言ったという内容の演説をしましたが、民主主義のために正しい選挙を行い、真実を確かめるために疑惑に対して裁判で全てを明らかにし、外国からの干渉を排除して米国民が団結し、陰謀のない、言論弾圧のない公明正大で開かれた「明るい米国社会」を是非作ってほしいものだと思いました。

就任式で演説を行うバイデン氏(BBCnewsから)

 

〇  違和感が残るその後の政権の動き

 

大統領就任までは公にされた部分については特に違和感なく過ぎていたのですが、その後の政権の動きが異例づくめであり、違和感がぬぐえません。以下にキーワードでいくらでも検索できるので出展はいちいちリンクしませんが列挙してみます。

 

  • 就任初日に17もの大統領令に署名(大して重要でないものから国民に十分な説明と理解が必要なものまで)、その後も大統領本人から説明もせず(記者会見は質問を制限と記者たちからも不満が出ている)40本も乱発し、「独裁者」(Dictator)という異名も。
  • その大統領令は本人が書いておらず、内閣(cabinet)の一員ではない「国内政策会議(DPC)委員長」の元国連大使スーザン・ライス氏が全て起請して決めているという噂があり、それを否定する見解が出てこない。
  • 執務しているオーバルオフィスが嘘っぽいとか、セキュリティを呼ぶsoda buttonが他の大統領執務机には必ずあったのにバイデン氏のにはないとか、移動に使っているのがエアフォース1ではない(確かに双発機で中央扉から乗り込む)とか、移動時に5m以内にいなければならない核のボタンを持った軍人がいないとか、車がビーストでなくシボレーのSUVだとかいろいろネットでは指摘されるのに、それら情報がフェイクであると否定する「是正する報道」がどこからも出てこない。
  • トランプ氏弾劾裁判は「違憲である」と連邦最高裁が判断し、上院での審判における裁判長就任が拒否され、上院議長で副大統領のハリス氏も拒否したのに無理やり「合憲」という採決を行って裁判を始めた事。話し合いで評決に持って行った後、民主党側が約束を反故にして「再度証人喚問」を言い出し、多数決で証人喚問を行うと決めた後に、トランプ氏側が「証人にハリス氏とペロシ議長を指名」と言った途端に腰砕けになり、結局評決して結局無罪になったこと(この経過はメディアで報道されない)。
  • トランプ政権が命令した「薬剤価格引き下げ令」を撤回して、薬価が数倍になり、国民の不満爆発とか、パイプライン工事停止により多くの労働者が失業し不満爆発とか、史上最高の得票で国民から大人気のはずのバイデン政権を賞賛する声がメディアからもネットからも全く聞こえてこない。
  • DCの軍による過剰な警備活動が騒乱状態はなくなったにも関わらず続いている。
  • 小児誘拐についての逮捕・取締がトランプ政権末期から非常に活発化し最近だけで500名以上の逮捕者が出ているが、それについて積極的な言及が政権からなされていない(FBI捜査官の殉職のお悔やみのみ)。
  • 当初は対中強硬政策と言っていたが、貿易規制を緩和し、孔子学園の援助を再開し、軍の動きはまだ台湾重視で変わらないものの、民間においては1か月で緩くなりつつある。

他にも、選挙不正についてのトランプ政権末期に起こされた訴訟について、判決が出つつあり、半分以上の訴訟で原告(トランプ側)が勝訴して、不正選挙疑惑が裁判判決を伴う不正選挙であったという事実認定に変化しつつあるのですが、これをどう扱ってゆくのかなど、政権側からのコメントが現状ありません。

 

〇  体制リベラル左翼とポリコレを利用した国家権力と企業権力の融合

 

最近の傾向は政権である国家権力が「常識外れ」な行動を矯正しないでいる事を見て、国家権力と融合している「企業権力」も常識外れを矯正しなくなっている事です。大手メディアやプラットフォームがあからさまな「政治偏向」に基づく規制や報道を行い、それを企業代表や広報が「暴力を防ぐため云々」という説得力のない理由で堂々と「自身の偏向を肯定」してしまっています。

第一段階として米国では「中央銀行が経済を支配し、国家権力と企業権力が融合して国民を統制し、全体主義と親和性が高いAntifaなどの左翼暴力装置で国民を脅しながら、一方で左翼的ポリコレを主張することで表面的な正義を取り繕う」というのが現在進行中の「グレートリセット」「世界ディストピア化計画」の姿です。一般の人たちは「なんかおかしい」と「違和感」を感じているのですが、「誇張された新型コロナ騒ぎ」に忙殺されて、その実態を把握できないままいるのが実情であると思います。気が付いたら自由にモノが言えない、どこかに行くのも許可証(免疫パスポート)が必要、物の購入も全てデジタルで国家に掌握される、というディストピアになっている可能性が大となりました。

コメント (6)

Douglas F4D Skyray 1/72 Tamiya

2021-02-14 11:00:12 | プラモデル

 前に取り上げたドイツの全翼機Horten 229でホルテン兄弟を支援したアレキサンダー・リピッシュ博士は、戦後米国のペーパークリップ作戦(有能なドイツの科学者の戦争責任を問わず米国に移住させて利用する)で新基軸の飛行機開発に活躍しました。彼のコンセプトを生かして、海軍戦闘機として開発されたDouglas F4D Skyray(空のエイ)はコックピット後ろから大きく広がるデルタ翼を持ち、メッサーシュミットMe163ロケット機の様に水平尾翼を持たない飛行機のジェット機実用型として初めて開発されました。1951年1月に初飛行し、1956年に就役、1964年退役したので、朝鮮戦争ベトナム戦争などの実戦に参加することはありませんでしたが、最高速度1,200km/時という音速を超える実用戦闘機で空母からの発着艦が可能であり、近代戦闘機の基礎を築いた記録的な機体でした。操縦桿はコンピューター制御ではありませんが、F−16の様なFly−by−wire形式のスティック状のもので、油圧式であり、評判はそれぞれでしたが操縦に完熟するとそれなりに安定感があったようです。総生産機数は419機で、高度15,000mまで2分36秒と俊足で、両翼に20mm機関砲計4門、サイドワインダーミサイル2基、爆弾1.8t搭載可能、航続距離は1,900kmでした。

デルタ翼機の模型を持つアレキサンダー・リピッシュ博士          実用化されたダグラス・スカイレイ戦闘機

 

 プラモデルはタミヤ製だけあって安定の作りで、操縦席周りの作り込みも精緻で作り易いものでした。下面は白、上面はガルグレー、マーキングは海兵隊第114戦闘飛行隊の物を使用しました。一世代前の艦上戦闘爆撃機であるF9Fパンサーと並べてみました。10年以内の経過ですが、当時の航空機の進化のスピードを感じさせます。

コックピットの両側に空気取り入れ口を持ち、内部にプラット&ホイットニー社製 J57-P-81エンジン1機を搭載している。取り入れ口のデカールは軟化剤を用いないと曲面にうまく貼れない。

特徴的なデルタ翼  胴体中央にNAVPAC航法パッケージ、その両側がサイドワインダー対空ミサイル、その外側に燃料タンク、rocket package(ロケット弾ポッド)が装着。

F9F Panther と F4D Skyray

コメント

新型コロナ陽性になったら気をつけること

2021-02-05 17:19:46 | 医療

2021年2月に入って、緊急事態宣言が延長になりました。一方で前回のブログで記した様に1月中旬をピークに感染者数は世界中で減少傾向にあります。感染者数の減少は厳然たる事実で誤魔化しようがないのでそのままメディアでも報じられていますが、それでは危機感を煽る事を要請されているメディアの役割を果たせないので今度は感染陽性者の死者数が「最多を更新」ともう必死の状態です。この1年で日本における新型コロナ感染症陽性者の死亡は6,000名ですが、コロナ感染症が重症化して死に至った例は2割程度と思われ、他の合併症がコロナ感染も多少影響して悪化したため亡くなった方が大多数であることは諸外国の事例も含めて明らかです。

 

〇 新型コロナ陽性と言われたら気をつけるべきこと

 

多くの人にとって、それでも急激に重症化して亡くなる例などが報道されると、「新型コロナ感染は怖い」と感ずるのは当然の事です。そこで恐怖を煽るだけのワイドショーなどでは出てこない「新型コロナ感染陽性と診断されて気をつける事」について、コロナ感染症を良く診療している医師からの情報を踏まえて記しておきます。

 

〇  感染から2週間は血中酸素飽和度の低下に気をつける事

 

血中酸素飽和度は「パルスオキシメーター(写真)」で測定できます。測定する部分を指先の爪に挟んで指先に酸素が十分供給されているかをチェックする事で肺の機能を見るのですが、健常なヒトでも器具の付け方が悪いと正しく計れません。また息を止めると低下し、深呼吸をすれば改善する、とても感度の高い機械ですが数千円で購入できます。病院などでは患者さんの呼吸状態を把握するために日常診療で多用しています。問題なのは、家でコタツに入ってテレビを見ているような状態では、コロナ感染症の特徴である間質性肺炎の状態が進行して、血中酸素飽和度が低下しても気がつかない事です。通常血中酸素飽和度は90%以上ありますが、80%に低下するのはガス交換がかなり低下した状態、富士山の頂上に急に上ったような酸素状態ですが、安静にしている限り苦しいと感じない事が多いのです。しかし階段の登り降りなどをすると辛いと感じます。しかし酸素飽和度が60-70%まで下降すると安静にしていても息苦しいと感じます。しかしこの状態は既に人工呼吸器管理が必要な状態に近いです。メディアで報道される「家で待機している感染陽性患者が急変」というのはこのような状態なのです。

〇  家で急変を避けるには

 

多くの自治体では入院するほどではないが、観察を要する新型コロナ陽性者に対して、専用のホテルや宿舎での待機を指示しています。そこでは看護師などが待機していて、一日2回程度血圧や体温、呼吸状態、酸素飽和度を測定し、自覚症状なく病態が悪化していないかチェックします。そして入院加療が必要な状態と判断されると、自治体の保健所などが入院できる病院を紹介してくれます。その段階を経ずに多くの陽性者が入院してしまうと本当に入院が必要とされる状態の患者さんが入院できず、「医療崩壊」になってしまうのです。新型コロナウイルス検査で陽性と診断されたら、自治体などが指示する施設に入所することが安全だと思います。また施設などがいっぱいで入所待ちの状態の時には「注意すべきこと」を良く聞いて、自覚症状がなくてもチェックすべきことを実践し記録しておく事が肝要です。

 

〇  多くの重症患者は治癒している

 

コロナウイルス陽性で亡くなったとされる人で重症新型コロナ感染症が改善せずに死に至る例は2割程度と言いましたが、私が把握している例でも90歳台や80歳代後半で通常の市中肺炎でも亡くなる様な免疫力の方がコロナ肺炎で亡くなることはありましたが、60歳台から70台前半くらいで人工呼吸器を装着したり、ECMO装着まで必要とした例でも月単位の治療は要しますが多くの患者さんは治癒して退院しています。中にはその後他の病気になって手術を受けた患者さんもいますが、大きな合併症も併発せず退院しています。重症患者さんが再度悪化するのは、一度改善傾向になって人工呼吸器を離脱した頃に気道分泌が非常に増加する時期があるのだそうです。サイトカインストームで激しい免疫機構で気管組織が破壊され、再度組織構築が起きる段階で気道内の分泌物が増えた際にうまくその分泌を吸引などで取り除かないと、閉塞して再度細菌性の肺炎などになってしまうそうです。そのためには気管切開をして呼吸管理をしたほうが特に高齢者などは安全であるということでした。以上この1年のコロナ感染症対応で大事な部分は、

 

     1)       無症状増悪期を酸素飽和度チェックで見逃さない事

     2)      重症からの回復期で多分泌期の吸痰をしっかり行い乗り切る事

 

であり、特に一般の患者さんにとっては1)の時期を医師や保健所の指示通りに施設(可能な限り)や家庭(しっかりした家族との同居が望ましい)でやや面倒ながら対応してゆく事が肝要と思います。

 

〇  いよいよ日本もワクチン接種が始まる

 

日本でも2月下旬から医療従事者を優先的に、またその後順次高齢者などにも新型コロナワクチン接種が開始されます。前回指摘した様に、ワクチンの「新型コロナウイルス」に対する予防効果は確実にあると思います。しかし通常のインフルエンザワクチンと副作用や局所反応が同じではない事も確かです。米国のワクチンの副作用を報告する公的なサイト(VAERS)によると、2021年1月22日の時点で9845件の副作用報告のうち、ワクチンによる(ワクチン接種後の)死者は329例、回復不能な状態(麻痺とか?)104例と半端な数字でない副作用が出ています。命に係わる状態(life threatening)も273例。数百万人接種でこの数字ならば、日本の人口1億人に接種すると20倍としても6000名のワクチンによる死者が出る、ほぼコロナウイルスによる今までの死者(ウイルス感染陽性で死亡)と同じ数の死者がワクチン接種後に出る事を覚悟しないといけない事になります。随分思い切った決定を軽々と政府は決めたものです。欧州(ドイツ)ではファイザー製のワクチンが高齢者に効果が薄いという事で、接種を控え始めていますが、本当は高齢者の副作用が激しすぎて公表できないほどの犠牲が出ているというのが真実ではないでしょうか。だからこそモデルナのワクチンですが、2回目接種は半量で、という話も出ていると思われます(効果を確実にするには半量接種の推奨はあり得ない)。今はワクチン接種にあまりに前のめりで、長期効果や副作用、遺伝子レベルでの影響など一切問答無用で物事を進めています。誰も責任を取る気はないし、誰も責任を取る能力がない事を全世界の人類は理解した上でワクチン接種を受ける決断をするべきです。心配になって病院の医師たちに聞いても、誰も答えを持っていません。本当です。

 

VAERSの報告のページ 報告される例は一部であると言われている。

 

〇  追記: ワクチンはアマビエではない (祈れば疫病退散とはいかない)

 

1月29日に米国VAERSのサイトで1週間後の副作用集計が出されました。ワクチン関連の死亡者は200名近く増加して501名になっています。

2月6日東京新聞にはイスラエルで実際にファイザー製のワクチン接種を受けた記者の体験が報告されていましたが、「2日ほど歯がガタガタする震えと激しい頭痛に襲われた」がその後回復したので「大したことない」という物でした。予防効果はある、と言う結論は私と同じですが、「ワクチンの副反応がどうなるか分からず怖かった」という結論を書けない立場ながら正直に状況を記事にしている事は評価できます。

1月29日までの報告が集計されたVAERSのデータと東京新聞の記事

コメント (2)