rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

偽善的Anti-白人至上主義者達が畏れるNative American迫害の歴史

2017-08-29 00:48:02 | 政治

トランプ政権も内部で揉め事が多く、右腕とされたバノン氏が解雇されたりと、なかなか体制が落ち着かない一方で、反トランプ勢力も、ロシアゲート疑惑をしつこく追求しても行き詰まり、次の手としてシャーロッツビルの暴動を機に、トランプが白人至上主義のレイシストであるということを攻撃材料にしようと試みています。

 

南軍の司令官であったリー将軍の像を撤去しようとすることに反対する人達を「白人至上主義者」(一部KKKやネオナチと呼ばれる変な人達も混ざっていましたが)と決めつけて、これも熱狂したリベラルを自称する主に白人達が集会で集まった人達に汚物を投げつけるなど暴力を振るい、怒って車を暴走させた白人至上主義者(?)によって多くのけが人と死亡者1名を出した、という騒ぎです。これをトランプが「どちらも悪い」と言ったためにトランプはレイシストを容認したと批難されている訳です。

 

これ、冷静な報道を見る限り、「どちらも悪い」が正しい判断です。車を暴走させた犯人も本当は(リベラル側、保守側)どちらの回し者か知れた者ではありません。トランプ当選以来、国民の分断をあおっているのはCNNを初めとするリベラル側だからです。

 

8月27日18:54からBS朝日で放送された「今世界はー特集アメリカの分断」は反トランプとしての米国分断ではなく、冷静に今回の騒動を分析していて参考になりました。特にSNSの発達で米国で社交上言わないことが礼儀であった意見を同じ意見を言い合える場で堂々と話せる(echo chamber)ようになったのはむしろオバマの時代であって、トランプが直接悪い訳ではない、(キャスターの木佐彩子が、トランプが悪いんじゃないのですね!と驚いてみせていた)という解説。またゲストコメンテーターの「パックン(パトリック・ハーラン/ハーバード大学出身)トランプ支持者ではない」が「白人至上主義というレッテルは言い過ぎであって、米国の歴史や文化が否定されることに対する漠然とした怒りを米国人として持つのは当然である。」という素朴な意見を述べていたのは非常に重要な事であると感じました。

 

8月27日の放送内容

 

これは副島隆彦氏も学問道場重たい掲示板(2181)で述べているように南軍の歴史の否定は米国の歴史の否定につながり、分断を助長する危険がある、リベラル派はやり過ぎてしまった(却って全国民を敵にまわすことになるだろう)と言う事です。

 

私が、南軍を「奴隷制を続けた事で批難している」リベラルを称する人達を偽善だと決めつけているのは、所詮Native Americanを虐殺駆逐した北軍や米国建国の歴史まで彼らが否定する勇気を持っていない事を見抜いているからです。Native American虐殺の歴史にまで議論が進み、ワシントンやリンカーンまで否定しそうな話になる前に、反トランプの権力者やマスコミ連中は即座に火消しに回ることは明らかなのです。グローバリズムに則った自分達の既得権益のシステムまでも否定されたら元も子もないからです。

 

このように考えていた所、Fox News2017年8月21日の論説記事に、「連邦主義者、米国原住民:政治的正義が暴走する時—歴史を消してもそれを変える事はできない」という極めて冷静な記事がありました。要は、南軍の歴史的遺産(銅像)を全て撤去しろと言う動き(下院議長のナンシー・ペロシまでがそう主張している)があるが、Native American達の悲惨な歴史について、彼らの主張を聞いてはいないではないか、国内にある建国に関わる全ての遺産を撤去することなどできないではないか、遺産は残して、それぞれの意味について考える事を惜しまない事が同じ過ちを冒さないための、我々の先祖達の努力や犠牲に報いる事になるのではないか、という内容の良い記事でした。

 

Fox newsの記事

 

今後のトランプ政権の方向性は?

今後のトランプ政権について適確に予想しているメディアは皆無です。メディアの解説者達も表面的な評論に終始するばかりで、素直に「解りません」と述べていればまだマシな方と言えます。一番理解しているだろうと思われる副島隆彦氏も必ずこうなる、とは言い切れていませんが、トランプ政権が目指している方向性についてはある程度予想できます。以下いちいち典拠は出しませんが、私が予想するトランプ政権の今後についてまとめます。

 

1)      国内政治 民主党—国務省系列のグローバリズム/エスタブリッシュメント(反トランプ陣営)との戦いでは、当分決着は付かないものの、反トランプ陣営を国民が支持していないので次第に尻窄みになると思われます。しかし国民が期待するー「政治を国民の手に取り戻す(就任演説でトランプが述べた)」のは困難で今までの権力者達とは別の権力者達に権力の移動が起こるのみで終わるのではないかと思います。所詮ヒラリーの対立候補バーニー・サンダースが掲げた政策とは異なります。ただ権力者が代わる事はトランプと支持者達の主張する”Drain the swamp”溝さらいをして既得権益者達を追い出す、事の一部実現にはなると思われます。

2)      経済 世界における資本主義自体の行き詰まりはトランプでもどうすることもできないでしょう。ただ「国を閉じる」事で米国のような大国家は国内の産業に活力を戻す事はできそうです。ただ政府に金がないので何とか小さな政府にして民活を盛んにすることを図ると思います。民主党が嫌がるロシアとのシベリア開発(そのためにティラーソンが任命された)ができれば、かなり経済的には有望でしょう。

3)      国際政治 副島氏が主張するように大戦争は起こさないで小さな戦争でできるだけ事を穏便(損得折半)で終わらせるようにすると思います。ロシアとは戦争しない。シリア内戦はISを退治して終わらせる。エジプト、イエメン、カタール、トルコなどとは現状のまま、イラン問題はロシアと話し合って決める。中国とも戦争はせずに覇権を折半(朝鮮半島で)で済ますように図ると思います。幸い国防総省の愛国派将軍達がトランプ側に付いているので無茶な戦争はしない(フジテレビ報道2001の解説は正しく<軍人は無茶な戦争はしないものです>と述べていた)と思います。

4)      日本に対して 金を出せ(GPIFの基金で米国内投資をしろ)、ミサイルを買え(実現しそう)、言う事を聞けば中国から守るし仲良くもする。安倍氏であってもポスト安倍氏であっても対応は同じでしょう。経済的には次第に無理難題を押し付けてくる可能性大かも知れません。

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成長が必須である事が資本主義の宿痾か

2017-08-08 00:24:52 | 社会

経済成長が0%であっても、現状と同じ状態が続くならば誰も不幸にならないのではないか、と誰でも疑問に思う所ですが、世の中は「経済成長」は絶対的な事項という前提で進んで行きます。それに対して異を唱える事は「問題外」とされるような雰囲気があります。

 

話題作「善と悪の経済学(東洋経済新報社2015年刊)」を書いたチェコの気鋭の経済学者であるトーマス・セドラチェクは、成長しすぎている時はブレーキが必要であるし、停滞している時にもそれなりの過ごし方、生き方を模索することで成長必須と決めつける必要はないのではないか、と「欲望の資本主義(東洋経済新報社2017年刊)」で述べています。私は「善と悪の経済学」読みたい所ですが、500頁を超える大作であり、まだ読めずにいます。

 

資本主義が何故「経済成長」が必須であるか、鮫のように泳ぎ続けていないと死んでしまうのか、について「資本主義の終焉と歴史の危機」を著した水野和夫氏は新著「閉じて行く帝国と逆説の21世紀経済(集英社新書0883 2017年刊)の中で「資本は常に蒐集する性質がある」事を歴史的に示し、「だから資本が蒐集できなくなると資本主義は終焉する」と説明しています。

 

これを私なりに解釈してみると、小額の貯金をする場合でも、貯金したら元金よりも減ってしまうのであれば誰も貯金はしない。銀行も最低でも手数料になる程度の利子を取らなければ貸し付けはしないものです(日銀のマイナス金利というのは常識破りですが)。資本家は投資をしたら損益合計すればプラスになる事を目標に投資するはずです。つまり「資本」のある所、必ず増加(蒐集)の方向にベクトルが向いていることは間違いありません。

 

経済全体の大きさが100として、その大きさが100のまま変わらなければ、初め10人の資本家が50所有し、50人の労働者が50所有して全体の経済が回っていたとしても、資本家の所有が「資本の蒐集」によって60になれば、必然的に労働者の所有は40に、90になれば労働者は10になってしまい、50人の労働者は初め1ずつ所有して売買していたのに終いには0.2の経済しか回せなくなって経済は停滞してしまうことになります。ここで50とか100を貨幣の単位としなかったのは経済成長=貨幣を増やす事ではないからです。

 

この経済の大きさ=貨幣の多さと考える事は所謂リフレ派と言われる人達の思想で、金融緩和をして貨幣をじゃぶじゃぶにすれば経済成長するという理論になるのですが、どうも実体経済の成長は伴わないことがこの10年くらいの間に立証されてしまいました。金融緩和をして投資をさせて、物を沢山作れば需要が増加するというのは「セイの法則」と言われますが、どうもこれは限られた条件(経済が成長する余地がある)状態でないと成立しないことが明確になりました。高度経済成長が終了してしまった西欧や日本などの先進国は、いくら金融緩和をしても仮想空間における信用経済が膨らむだけで、実体経済は成長しない、結果として一部の資本家に利用しきれない余剰貨幣が集まるだけで経済が回ることに貢献しなかったというのが現在の状況といえます。

 

水野氏はこの状態を持って、「資本主義は終焉した」からそれに代わる新しい体制を考えるべきではないか、という提言をしています。一方で米国や欧州の巨大資本家は経済が回らなくなった状態を脱するために、出来上がった秩序をもう一度破壊するために「第三次世界大戦」を起こそうとしている、所謂War economyによる経済活性化を試みていると思われます。ロシアをけしかけて、中東やウクライナで何とか戦争を始めさせようとした試み(ことごとく失敗しましたが、未だにトランプのロシア疑惑を執拗に追求し、ロシアに経済制裁を課す事でプーチンが怒り出して戦争になるようにしていますが)ました。ISISが消滅したことで、中東で大規模な戦争がおきなくなったので、今後は北朝鮮、中国の火種で戦争がおきなければもう第三次大戦はおきないでしょう。War economyによる経済活性化ができなければ、旧来の資本家がいままでの資本主義のありようで繁栄を続ける事は不可能になります。

 

ここから先は素人の夢想になりますが、私はこのどうしても蒐集してしまう資本の管理を個人ではなく国家や共同体、或は人格を持たないブロックチェーンのような物が代行することで労働者である国民に富の再分配を強制的に行って行くようなシステムができないものかなあ、と考えます。これは新手の共産主義と言われかねませんが、所詮生まれてくる時も死んで行く時も人間は無一文なのですから、使い切れないような資産を残す必要などない(資産家の人はこのような考えは絶対持てないでしょうが)と私のような庶民は考えます。第三次大戦を起こされて、恨みもない人同士が殺し合いをして経済をスクラップ&ビルドさせられるよりもマシではないかと私などは考えますがどうでしょう。

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