rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

メディア解体論

2023-05-29 12:44:12 | 社会

2023年5月21日に独立系ジャーナリスト高橋清隆氏(ご本人は反ジャーナリストと名乗っている)の「誰も伝えないメディアの虚構」と題する講演を聞きました。「ジャーナリズムの本質は、その起源からして富者の意図を一般人(貧者)に伝達することに始まるのだから、一度全てを解体して本質から作り変えねばならない。」とする一見ラディカルな内容でしたが、ご本人の意図として「決して悲観論ではない」と繰り返しておられました。拙ブログでも最近メディア論を取り上げてきましたので、備忘録的にまとめておきたいと思います。

高橋清隆氏

 

I.  公正中立なメディアはあり得るか

 

大手メディアの偏向報道が問題にされ、ネットなどでは「マスゴミ」などと揶揄されるようになって久しいが、メディアは公正中立で市民にとって正義を伝えるのが本来の姿だったと言えるだろうか。演者(高橋氏)の考えるメディアの存在目的とは

(1)権力者に都合の良いプロパガンダの流布: 言葉通り

(2)大衆の知識を一定レベル以下に抑える: 伝える情報の取捨、結論を与えて考えさせない。

(3)亜現実への誘導: テレビや映画などの映像を現実として認識させる。

 

の3点に集約される。そもそもメディアと呼ばれる機構が世の中に登場したのはロスチャイルド家が出資したフランス「アッバス通信社」が嚆矢であり、政府の通信を盗んで投資家に情報を売り、株で儲けるインサイダー情報取得の目的であった。それらの一部を無料で一般大衆にも与えたが、多くは攪乱(ガセネタ)の目的で胴元である資本家が最終的には儲かる様に作られた。アッバス通信社はアジア方面には「ロイター通信社」欧州には「AFP通信社」として発展して行き、日本は下部組織として「共同通信社」が作られた。

 

情報による支配は古代バビロニアが起源と言われ、(1)財の管理(2)法による合法的暴力支配(3)情報統制による知識の統制が行われた。日本におけるメディアの始祖は横浜で外国公使館に通訳として雇われながら「新聞」を発行したジョセフ彦三と思われ、間接的に西洋資本による明治維新という名の日本社会、資産の収奪を助ける結果になったと考える。

 

II.  日本の戦後メディアと記者クラブ

 

戦後「メディア」は米国による日本支配の手段として大いに使われた。1985年の時点で、日本を支配するために(大使館付きなどで)配置された米国CIAのofficerは100人いたと言われ、そのそれぞれに5-6名のエージェントが配置されていたと言う。それらエージェント(工作員)は日本の新聞社、テレビ、メディア、教育界(大学)などに配置され、米国の意図通りの情報統制を行うために豊富な資金を与えられて活動していた。1970年頃までは、政治批判などメディアには現在よりも自由があった様に錯覚するが、統制されていた事実は現在も昔も同じである。

 

日本には手軽にまとめてメディアの情報統制を行う装置として「記者クラブ」制度が設けられ、現在も健在だが、大手メディア自体が記者クラブ制度を「特権として固持」しようとさえしている。

 

III.  デビッド・アイクの思想

 

デビッド・アイクは日本では太田龍に代表されるイルミナティなどの世界支配、爬虫類人類支配説を唱える思想家で、全てをそのまま信用するのは抵抗があるが、世界を一極支配する非情な勢力の存在を仮定する上で説得力があると演者は考えています。

デビッド・アイク氏  太田龍氏

 

グローバリズム(世界一極支配)と多極主義が現在対極に分かれてウクライナ戦争や米中対立の形で争っている様に見えますが、真の支配層からの視点ではどちらの側もそれぞれのpolitical actor(政治家役)が演じている、一見対立している亜現実の世界の現象であろう、と解釈します。トランプのSNSからの排除を回復させたイーロン・マスク氏も、メディアの改革者として持ち上げられていますが、彼はAIとヒトを5Gでつなぐ「ニューラリンク」の提唱者であり、FDAからも2020年にヒト脳内へのチップ埋め込み実験の許可を得ており、映画「マトリックス」で描かれた世界を実現するために称揚されている人物に過ぎない。

映画 マトリックスから

 

ハリウッド映画は娯楽という亜現実を使って将来の世界の姿を予想させる(受け入れの準備をさせる)手段として用いられる事が多い。マトリックスやコロナ感染症を予想させる映画も多く作られていた。事件などのニュースも「取り上げる必要があるから」ニュースとして流しているのであり、類似事件でも取り上げられなかった事件との差異(質や時期=他のより大きな問題を隠す目的)などを考える必要がある。

 

IV.  メディア解体論

 

高橋氏はメディアによる支配体制から脱するためには、ラディカルな意見になりますが、一度全てのメディアを廃棄する必要がある、新聞、テレビラジオ、ネットを含む全てを一度捨て去って生活をし、「直接伝達による情報の交換」のみに戻すことが新たに正しいメディアを作る上で必要と説きます。現実問題としては困難ではありますが、メディアには暗黒の未来しかないという程の悲観論者ではないと話しておられました。

 

2023年5月15日NHKニュースウオッチ9が、新型コロナワクチン被害者遺族の語りを「コロナ死」遺族にすり替えて放送した事件が問題になり、翌日の新聞各社で取り上げられ、5月16日の番組内でキャスター自ら謝罪をする異例の事態になりました。ワクチン被害を公に認めない政府への忖度に基づく偏向報道、という評価で間違いはないと思われますが、ディレクターは、何故敢えてワクチン被害者に取材をしたか。15日の番組終了後にわざわざ取材した相手に電話で感想を聞いていた事実などをあげて、「体制に不都合な現実を糊塗するピラミッド構造のNHK幹部への現場ディレクターのささやかな反乱ではないか」という見方をされています。

 

講演の最後に米国の著名なジャーナリストだったジョン・スウイントンが1880年のある宴会の席で報道の自由について語ったと言われる挨拶を紹介されました。

(引用開始)

世界の歴史の現時点において、アメリカには独立した報道機関などというものは存在しない。あなたもそれを知っていますし、私もそれを知っています。

自分の正直な意見をあえて書こうとする人は誰もいませんし、もし書いたとしても、それが決して印刷物に載らないことはあらかじめわかっています。私は、自分と関係のある新聞に私の正直な意見を掲載しないことで、毎週給料をもらっています。他の人も同じような仕事で同じような給料をもらっているし、正直な意見を書くほど愚かな人は、別の仕事を探して街に出ているだろう。もし私の正直な意見を私の論文の一号に掲載することを許したら、24時間も経たないうちに私の職業はなくなるだろう。

ジャーナリストの仕事は、真実を破壊し、あからさまに嘘をつき、倒錯し、中傷し、拝金主義者の足元に媚び、日々の糧のために国と人種を売ることである。あなたも私もそれを知っていますが、独立した報道機関を乾杯するのは何という愚かなことなのでしょうか?

私たちは裏で金持ちの道具であり家臣なのです。私たちは操り人形で、彼らが糸を引いて、私たちは踊ります。私たちの才能、私たちの可能性、私たちの人生はすべて他の人の財産です。私たちは知的な売春婦です。

(出典: Labor's Untold Story、Richard O. Boyer と Herbert M. Morais 著、United Electrical, Radio & Machine Workers of America, NY、1955/1979 発行。)

 

心あるジャーナリストは昔も今も沢山いるという事を言いたかったのだと思います。

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千両役者になれなかったゼレンスキー大統領

2023-05-26 17:37:30 | 政治

2023年5月19日から21日にかけて広島G7サミットが開催されました。主なテーマはウクライナ問題だったという事ですが、5月20日ウクライナのゼレンスキー大統領がフランスの政府専用機で広島に到着し、G7に参加することになり注目を集めました。私は「バフムトがいよいよ陥落しそうな時に何をしに日本にやってくるのか?」と疑問だったのですが、唯一意義が残せるとすれば「G7会場で直接ロシアとの停戦を宣言すること」かもしれないと淡い期待を持ちました。

世界へのアピール性は絶大な舞台であった

 

I.  戦争の三態

 

第二次大戦は新旧帝国主義同士の戦いでしたが、それ以降の戦争は、

 

(1)国家同士の争い(中東戦争やフォークランド紛争): 当事国同士で決着がつく。

 

(2)代理戦争(Proxy War): 資本主義対共産主義といった朝鮮戦争やベトナム戦争に代表される一見国家間の争いのようで、別に戦争の目的があるもの。当事国同士で決着がつかない事が多い。

 

(3)テロとの戦争 : 米国一国主義(グローバリズム)が確立されて、軍産複合体の維持のために無理やりテロリストを仕立てて軍を出動させる戦争。COIN(Counterinsurgency)は本来治安維持のために警察が行う仕事であり、末端の個々の兵士が攻撃の可否を決定するという本来の軍にあるまじき指揮系統を取るため、メンタルをやられる兵士が多い。テロリスト(と認定する相手)がいなくなるまで戦争継続可能。

 

の3つ態様に分類されるようになります。しかし「戦争」と名が付く限り、全ての戦争で、五体満足な若者が殺し合い、生き残っても一生癒えない傷を負い、戦争当事者の国家社会に計り知れない負の遺産と経済的負担を強いるものです。だから「責任ある為政者」はあらゆる努力をして戦争は避けるべきであり、始まった戦争は終わらせる道(Off-ramp strategy)を探らねばなりません。

 

現在行われているウクライナ紛争を(1)だと考えている中学生レベルのヒト(ニュースは中学生も理解できるレベルでないといけないのでproxy warについては語れない)も沢山いますが、そのようなヒトは戦争を語る資格はありません。(1)であるなら他国は一切口を出さず、ロシアとウクライナが交渉して戦争を終えるか、仲介国(トルコやミンスク合意の時は独仏)を交えて出口を探れば良いのです。しかし(2)である場合、戦争をさせている元の主体が納得しないと戦争は終わらず、どちらも強力である場合、朝鮮戦争のように「休戦」のまま戦闘だけ終わる可能性もあります。(3)になると目的が軍産複合体維持なので、兵器を買う資本が続く限り(国債を発行してでも)永久に続くことになります。

 

II.  Proxy Warとしてのウクライナ紛争

5月15日クメルニツキの集積所がロシアのミサイルで2度に渡り大爆発、数百億円分の西側兵器弾薬が消滅し、英国製劣化ウランが周囲に飛散して核汚染も起きたと言われる。 5月下旬からウクライナ兵士から最も信頼の厚いザルジニー司令官が重傷を負って一線から退いたという報告。

 

ウクライナ戦争は衰退しつつあるグローバリズム(DS陣営)が米英を中心とした西側諸国とNATO、EUを資金源として、中ロを代表とする非西側諸国(BRICSやグローバル southを含む)多極主義陣営と代理戦争をしているのが実態です。戦況としてはロシアの圧勝であるのに、西側は実態を伝えることができず、戦争終結に向けて話し合うことさえ禁じられている理由がここにあります。上記のどのような態様であっても、戦争が「外交の一形態」である事に変わりはない以上、基本の基として戦争を行う上での「目的」と「戦略」が必要であり、それらを明確にした上で戦争の主体である「軍」に指令を出さねばなりません。今回の紛争で、当初プーチン大統領は特別軍事行動(special military operation)という表現を用いて、あくまで戦争ではなく、特定の目的を伴う軍事行動としていましたが、今年に入ってからはNATO西側諸国がロシアを消滅させようとする試みに対する「正義の戦争」であるとproxy warであることを明確に演説でも表現するようになりました。以下に両当事者たちの戦争の「目的」と「戦略」を記します。

 

(1) ロシアの目的と戦略

 

当初の「目的」は「ウクライナの非軍事化、非ナチ化、ドンバスの独立確保」。戦略としては「ドンバス地域に侵攻してキエフも包囲」することでウクライナ政府に要求を飲ませる予定であった。ウクライナ市民への損害は極力避けていた。

2022年4月トルコなどを仲介とした休戦交渉が英米の命令で中断され、多量の武器供与と共に戦争継続が指示されると、ロシアはキエフ周辺から撤退、ハリコフ等東部地域に戦線構築をし直し、マリウポリ奪還を目指した。現在の戦略は戦線を動かさず、圧倒的火力(砲撃)でウクライナ軍の兵を消耗させる。西側に資本が続く限り武器供与を継続させて経済を衰退させる、という戦略に変更、バフムトでは最大5万人のワグネル傭兵部隊が逐次投入された計30万のウクライナ軍を打ち負かし、70%の兵力を減殺、西側は既に5兆円以上の援助をウクライナに投入しており、今後も米国(バイデン)は5000億円の援助を議会に提出する予定とされ、まさに狙い通りの効果が得られている。

バフムト陥落までに逐次投入(下策)されたウクライナ部隊の総数 これだけの部隊がワグネル一隊に駆逐された。戦死戦傷の6割以上は砲爆撃によるのであり、高価な精密兵器があっても勝てないという良い見本である。

ウクライナへの武器供給はもう限界であるというPOLITICOの記事

 

(2) 西側(ウクライナ)の目的と戦略

ウクライナ国の「目的」としてはロシア軍の完全撤退とクリミアの奪還ですが、余りに非現実的。戦略は援助に頼り、戦術も近代兵器を使う以上のものはなし。西側の非公式な戦争目的はロシアプーチン体制の崩壊とグローバル資本のロシア経済乗っ取り。戦略はウクライナ国民を使って戦争をする。いざとなったら核を使うだが、うまくロシアが核を始めに使った事にしないと「正義」が立たないので苦戦中。公的Off-ramp strategyは今回の広島サミットの状況を見るとゼロに等しい状態です。(殆ど戦術的意味のない廃棄前のF-16供与の合意はしたらしいが)

一時高価なパトリオットミサイル供与がゲームチェンジャーになるという虚報が流れたが、パトリオットは限られた地域の限られた高度に対するミサイル防衛でしかない(左図)。しかもロシアのイスカンデル、極超音速のキンザールは右図の様に尾部から複数のデコイを放出してミサイル本体の撃墜を困難にしている。多数のデコイに惑わされたキエフ防衛に使われたパトリオット乱れ撃ちの画像が問題になり、その後ウクライナ市民は対空防衛などのSNS投稿を禁止された。

市民によって投稿された高価なパトリオットミサイル乱れ撃ちの動画。ロシアの全ミサイルを撃墜したなどというのは嘘である。

 

III.  広島G7サミットは、ウクライナにとって確実に停戦し、ウクライナ国を残せる千載一遇のチャンスだった

 

代理戦争という事実、西側の戦争目標が公の席や記者会見で堂々と宣言できない以上、公的には、ウクライナ戦争はロシアとウクライナという国家間の戦争ということになっていて、西側はウクライナを支援しているという名目でしかありません。従って、広島で全ての西側首脳が集まっている席で、またグローバルサウスの代表たちが出席している前で「ウクライナは、これ以上若者達を戦場で失うことはできません。本日を持って休戦交渉に入ります。」と宣言してしまえば、それを広島の場で、公に否定する事はどの首脳も不可能であったはずです。米軍機を敢えて選ばず、独自の諜報機関を持つ核保有国のフランス機で台湾上空を避けて来日したゼレンスキー氏は、先月習近平と蜜月になったマクロンに頼んで、広島から中国経由でロシアに旅立つ事もできたはずです。その下準備にインド・モディ首相と事前会談することも可能でした(実際真っ先に会談していた)。ロシアの要求を呑んだうえで、現状のウクライナ領土の保全を保証してもらい、非武装・中立化を宣言、ロシアを中心としたウクライナの復興を「広島の地」でEU日本、グローバルサウスに協力要請すれば、世界の一般市民への情報発信としては否定しがたい説得力を持ったと思います。

2019年のパリ会談におけるゼレンスキー氏とプーチン大統領    一時は大統領としてアゾフ大隊に停戦を呼び掛ける努力もしていたが

 

本来、ゼレンスキー氏は大統領選挙の際、ウクライナ東部の内戦状態を終結することを目標にしていました。ミンスク合意を尊重する方針であり、2019パリ会談に参加した後に、アゾフ大隊に対して戦闘を止めるよう説得したりもしていました。しかしその後は対ロシア強行派に変容して現在に至るのですが、本心ではウクライナの若者が地球の裏側からの命令でロシアと戦争をさせられて死んでゆく事に忸怩たる思いがあるだろうと私は思っていました。この一年、ロシアとの停戦を画策しても悉く潰されてきた経緯があります。しかしもうそのような気概は微塵もなくなってしまった、西側DSのパペットに徹する人生と決めてしまったようで残念に思います。

 

IV.  ウクライナ戦争の今後

決着のつかない代理戦争は朝鮮戦争型の「凍結」を米国としては狙っている様ですが、私はベトナム型の敗戦になるように予想します。それは西側資本主義経済とドルを中心にしたグローバル資本主義が既に行き詰まっていて、これからはグローバルサウスとBRICS多極主義陣営の実物経済(エネルギーや穀物、架空取引による信用経済とは異なるtangible economy)中心の経済に移行してゆくことが必至であるからです。その際はロシアは元よりロシア語圏であるオデッサも獲得して沿ドニエストルと連絡路を得てウクライナの海への通路を断つと思われます。残るウクライナはゼレンスキー氏が述べている様にポーランドとの国境をなくし、形式上国家は残るもののリヴィウあたりまではポーランド領になり(元々ポーランド領だった)、残りは非武装中立地帯としてロシアとの緩衝国家として残されてゆくのではと思われます。

4月5日に突如ポーランドを訪問したゼレンスキー氏

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Martin B-26 C Marauder Airfix 1/72

2023-05-22 20:22:03 | プラモデル

1939年双発5人乗りの中型爆撃機として米マーチン社で開発されました。高速爆撃機として設計され、アスペクト比の小さい機体であり、初期型のA型は着陸速度が240kmという高速で、それ以下だと失速してしまうことから「後家作り」という不名誉なあだ名を付けられてしまいます。B型以降は翼の拡大などで改善され、爆弾搭載1,800kg、機銃12.7mm8門、機首7.7mm1門、2000馬力、プラット&ホイットニーR−2800 2機を搭載して、最高速度462km、航続距離4,500kmでした。発展型を含めて5,000機が生産され、米陸軍航空隊の他、英国、南アフリカ空軍などでも使用されました。

第9空軍で同様の塗装を施した実機 模型のC型はピトー管が機首下方にある。

模型はAirfix製ですが、金型は1970年代と思われ、モデル自体は1992年頃再販された物でデカールは30年経過してましたが、使用可能でした。レベルやハセガワからも発売されていて、ハセガワ製の物が新しく出来が良いのですが、かなり昔に購入して積まれていた物を今回作りました。古い模型なのでAirfix製でもパテ処理など必要でしたが、機体内部や爆弾槽、降着装置の作りなどは良く再現されていて、接着固定も良好な作りでした。前輪降着なので例に依って機首に錘をかなり入れる必要があるのですが、A-20やB−25に比べるとずんぐりした機体で、航法士席の空洞がパイロット席と爆弾槽の間にかなりあったので釣り用の錘を粘土で固定して多めに入れ、エンジンナセルにも追加して楽に自立できました(かなり重い機体にはなりましたが)。ノルマンディ作戦時のinvasion stripeを施した米第9空軍386爆撃隊所属の機体で、上面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレーの定型的な塗装です。B-25と並べるとずんぐりした機体の特徴が解ります。

ノーズアートはyankee Guerilla 上面オリーブドラブ 下面 ニュートラルグレーの標準塗装

操縦士2名と爆撃手(ハセガワ製の日本軍搭乗員を改造)、上方銃手が搭乗。クリアパーツは綺麗

爆弾槽内、脚収納庫も良く再現されている。 B−25(2000年代、新金型のAirfix)と並べると胴体の太さや翼の短さなど特徴の違いが明瞭。

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日本人のコロナFactor Xは何だったのか?

2023-05-16 17:55:30 | 医療

 2023年5月8日から新型コロナ感染症の感染症法上分類もやっと5類扱いになり、今後は毎日の感染者数発表もなくなり、今後の感染者数もインフルエンザ並みの定点観測として感冒並みの扱いになってゆくものと思われます。世界中で健常者へのワクチン接種は取りやめになってゆく中、未だに定期接種を推奨する日本は「狂気」としか思えませんが、世界を見習えと言わないメディアや人権派の方達はどうしてしまったのでしょう?

 

 そのような中、3回目のワクチン接種で下肢静脈血栓症と悪性リンパ腫になり、抗がん剤治療を終えて「死を覚悟」した立憲民主党の衆議院議員 原口一博氏が、連日ディープステートの真実についてyou tubeで激しく暴露している事が注目されます。彼の認識は国会議員であれば全員にとって常識の範囲の知識であり、逆らえば横田基地経由でやってくるCIAに見せしめの様に暗殺され、警視庁によって自動的に不自然な「自殺扱い」される今までの事例を怖れて与党も野党も黙って従っている現実があると考えられます。出入り自由な米軍基地が日本中にあり、日米委員会を通さなければ国内の政治課題が決められない現状がある限り、誰が政権に付こうがこの構造は変わらないでしょう。米国は必要になればいつでも日本に原爆を落とす国です。

 

I.  新型コロナ流行初期のFactor Xとは何だったのか?

 

 新型コロナday 0 問題の所で明らかにしていますが、流行初期において日本人の感染が少なかった理由は、既に2019年12月の時点で武漢型(L型)の前駆型である(S型)が国内で流行しており、日本人の多くが既に抗体を持っていたから、というのがFactor Xの正体でした。その項でも引用した京都大学 上久保 靖彦 氏に先日お会いして講演を聞く機会がありました。その際いただいた論文の要約や図など提示しながら、季節性インフルエンザの流行状況を加味した、諸外国の新型コロナ感染率、死亡率の差を説明したGスコアについて備忘録的に記しておきます。

 類似したものを違う記号SとかKとかの名称で記しているので紛らわしいのですが、一応論文に沿って記します。

 

 分析には3つの感染症的前提を用います。その1として、それぞれの変異種は感染力(R0)が異なり、各R0の値によって、国民の何パーセントが感染すると集団免疫に達してそれ以上感染が広がらず、収束に転ずるかが計算式で表されます。確かに今までの第〇派、の流行状況は国民の一定数が感染すると必ず収束してきています。これが前の型との交叉免疫(前の型に罹っていて免疫があれば今回罹らない)がある群とまだない群との差で、新たに感染する総人数が計算できるとするものです。基本的な考え方は8割おじさんと言われた同じ京都大学西浦博氏と同じ方法ですが、既に感染が広がっていたという前提になることで全てが変わってくるのです。

 

 第2の前提が、季節性インフルエンザと新型コロナ感染症は同時に流行しない(ウイルス干渉)という事実です。2022年の冬には、「コロナとインフルが同時流行する」という予測がまことしやかに囁かれましたが流行したのはコロナだけでした。(インフルが流行した場所ではコロナは流行しなかった)上久保氏のコロナ流行予測はこの理屈に基づいており、2019年冬にインフルエンザが十分流行した所はコロナが入っておらず、免疫がないために2020年以降コロナが流行しやすくなったと分析されます。

日本におけるインフルエンザと新型コロナ流入によるインフルエンザ抑制の模式図

 第3の前提が、抗体依存性感染増強(ADE)の存在です。ウイルス感染によって抗体が作られますが、スパイク蛋白のレセプター結合部(RBD)への抗体は中和抗体として感染抑制に働きますが、それ以外の部位への抗体はウイルスが細胞内に侵入しやすくなる可能性があると言われます。他にもスパイク蛋白が変異すると当初は中和抗体であった物が感染増強抗体になってしまう可能性もあります。上久保氏はS型のコロナ感染で得られた中和抗体はそれに続くK型の感染予防に役立つが、G型に対してはADEとなり却って感染を悪化させると考えました。K型の中和抗体はG型に対してもある程度効果があるとしています。

 

 S → K → Gの順で流入した日本は感染拡大ならず

 

武漢の研究所で作成され、何らかの原因で外部に流出、ヒト→ヒト間で感染が拡大したオリジナル(S型)が武漢を中心に瞬く間に中国全体に感染拡大します。その軽度変異型がK型と名付けられた株で、Sの後を追う様に中国で感染拡大しました。SとKの違いは、感染力は同様(S:R0 2.19、K:R0 2.21)で発熱などの毒性はKの方が強い事です。日本は武漢閉鎖後も3月9日まで中国からの渡航制限がなかったため、日本国内でSもKも同様に感染して集団免疫に達していたと2019年のインフルエンザ流行曲線とPCRで感染者の遺伝子解析をした結果から推測されました。

 

S→K→Gの順で暴露された社会は初期型の新型コロナには集団免疫があったが、S→Gは逆効果だった

 

一方で、より強い毒性(case fatality rate CFR:罹患した人が死亡する率)を示したのがL型変異(ORF8部位の変異で当初SとLを分けたが、世界にCOVID-19の名前で広がったので新たにglobalのG型と呼んでいる)で、武漢G型が新たな感染症として世界に拡散して行きました。武漢G型は日本にもその後到来しますが、K型の集団免疫を持っていた日本では欧米ほど広がりませんでした。武漢G型は欧米では別の変異型、欧米G型に変異して大きいCFR(4%近く)を示しましたが、欧米ではS型は中国の旅行者を介して流入していましたが、早期に渡航制限をかけたため、K型の流入は少なく、却ってS型の抗体がADEを示して欧米G型の感染拡大を招いたと分析しています。欧米各国の2019年インフルエンザ流行状況からG型の感染可能性(Gスコア)を国別に示したものが下図です。

欧州の初期新型コロナ感染症の重症流行リスク(イタリアや英国は高かった) 米国も州によって感染率や死亡率に差があった

 

この流行は第2波までの世界の流行状況を説明しており、2021年1月以降のα変異株、8月のδ株や2022年2月以降のオミクロン株など3年かけて種々の変異株の流行はワクチン接種によってウイルスがスパイク蛋白を中心に生き残りのために変異を遂げ、しかも感染力も上がり、ADEも恐らく関与してワクチン接種が多い国ほど感染者が増えるというパラドックスを産んでしまったために数式的な予測が不可能になっています。

 

II.  政権中枢はコロナの実態を理解していた?

 

 上久保氏らのグループは上記研究を日本学術振興会の科研費から公にサポートされて研究(KAKENHI17H03597)し、当時の安倍政権中枢や与党、野党の議員たちにも複数回説明会を開いて解説してきたそうです。特に経済の停滞、一定の職業形態の国民に一方的な犠牲を強いる活動自粛の解除や全例のない遺伝子ワクチンを緊急で導入する必要性の有無(全国民へのワクチン投与の必要性はないと明確に説明した由です)について繰り返し説明してきたそうです。その際総理や各大臣、野党党首らと一緒に撮った写真も見せてもらいました。

 

 この3年間で起こった種々の政策で、緊急事態宣言の比較的突然の解除や政府専門委員会の解散についても上久保氏らのグループの解説が功を奏したと言います。変異種と感染率を高める「ワクチンの国民全体への繰り返し接種」も害のみで利がない事を繰り返し説いてきたそうですが、トランプ政権ができなかったことでワクチン接種継続を止められなくなったと話していました。

 

 現在WHOも欧米各国も健常者への新型コロナワクチン接種の継続は推奨しない、と明確に方針を打ち出しています。日本だけは6回目接種券を配り、私の所にも接種OKでしょうかと患者さんからの問い合わせが多数来ます。どうしても受けたい人を止める事はしませんが、世界は接種を推奨せず、日本だけが世界を見習わず接種を続けている事は説明するようにしています。誰に命令されているのか分かりませんが、もう健常な日本人にワクチン被害を出す事は止めにしたいと心から思います。

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メディアの劣化が止まらない

2023-05-03 13:32:24 | 社会

前回メディアの堕落が止まらないという記事を挙げましたが、それに呼応するようにウクライナ情勢についてのお粗末な記事がメディアを賑わしているのを見て、余りの情けなさにこのような題にしました。

 

I.  「バフムト攻略に失敗」と言い切った東京新聞

5月3日の東京新聞の記事(もう少しまともな新聞かと思っていた)

バクムート(バフムト)が陥落しない訳でも解説しましたが、ロシア軍(ワグネル)は敢えて時間をかけて要衝バフムトを攻略し、ウクライナの3-5倍の砲爆撃を加えることで、ウクライナ側に7:1の圧倒的損失を与えて「脱軍事化」(demilitarization)の目的を達成しつつ戦争を継続してきました。それを米軍でさえ「バフムト肉引き器」と表現した事はNewsweekの記事からも明らかです。ワグネルは私設軍事会社(PMC)であり、設立者のプリゴジン氏は商売人で、ハッタリ屋としても有名です。それはイラクで有名(悪名高く)なったブラックウオーター(現アカデミ)も同様です。常に犠牲を多く宣伝し、ロシア国防省により多くの器材を要求し、揉め事を起こしてみせます。問題はそれを真に受けて嬉々として「露軍内の不和」とか「犠牲多大、敗戦必至」などと報道する西側メディアがいることです。圧倒的に犠牲が大きく、息も絶え絶えのウクライナ軍の実態を報じたくない事もあるのでしょうが、「虚報」はいけません。ロシアのPMCはワグネルだけではなく、ネフスキー、ストリームと言った会社もあります。ワグネルは強力なPMCであることは間違いなく、優先されていると考えられますが、それを見せつけるためにロシア国防省が英語でカウンターリリースしたワグネル宛の兵器供与書類というのが出ています。

ワグネルPMC宛の供給報告書    RPG−7 一日2,500発使用可能 ロシアには兵器や弾が枯渇しているという報道が嘘だと解る

それによると、3月から4月にかけて、55,000発の122mm砲弾や40,000発の152mm砲弾、182,000発のコーンフラワー82mm自動迫撃砲ランチャー弾など圧倒的な量であり、135,000発のRPG−7(写真)は、一日2,500発分に相当する量であり、いかにバクムートを責めるワグネルが強力に武装されているかが解ります。先に漏洩された機密書類でもロシア軍はウクライナ軍の数倍、砲爆撃を加えている事が明らかにされており、犠牲者数も1:6でウクライナ側が多いことも暴露されています。ロシアがバフムトで10万の死傷者であるなら、ウクライナ側は60万の死傷者となります。ウクライナ側の犠牲を報じず、ロシア側の犠牲者だけ示して「攻略失敗」とはよくぞ言ったり、です。太平洋戦争において、硫黄島や沖縄で米軍は多大な犠牲を出しましたが、「米軍硫黄島、沖縄攻略失敗」と言い張る当時の大本営発表と全く同じ。恥という概念は既にメディアにはない!という事でしょう。

 

II.  米機密情報漏洩でロシア大慌てという「選択5月号」

ここまでネジ曲がった報道をしなくても?

2023年4月6日夜からSNSなどに米軍の機密情報が暴露された問題では、今までの米英のプロパガンダ情報がほぼ否定された内容であり、ウクライナ軍の貧弱な「春期反転攻勢」の兵力まで明らかになってしまい、米国、西側が大慌てであった事は紹介した通りです。前回「雑誌選択」の内容が酷い事を紹介しましたが、5月号において、この米機密情報漏洩についての記事もかなり酷い内容でした。一応「ウクライナ政府に冷や水」となる厳しい見通しの内容、とコメントはありますが、具体的な内容は一切触れず、替わりに「プーチン大統領の健康不安とその治療にかこつけたクーデター計画が記載されていてロシアが大変慌てただろう」という内容が延々と解説されていました。「プーチンを排除したい西側」に対して、この手の撹乱情報(与太情報)は今までも山ほどカウンターリークされてきて悉く外れてきました。はったり屋のプリゴジンが「バフムトから撤退するぞ」と言ったのを真に受けて報道する阿呆と同じでどこまで「馬鹿丸出し」なのでしょう?

その次には「欧州議会の極右化」とあるので、ウクライナのネオナチを支持するEUを危惧した記事かと思ったら、欧州各国が自分達の利益を無視した中央集権的なEU方針に反対し、直接民主制に近いそれぞれの国民の声が各国議会選挙の結果に現れつつあるのを「極右化」と表現した内容。「民主主義=右傾化」、中国の様な「中央集権=リベラル」だといつ定義が変わったのでしょう?もう一度小学校から入り直して勉強し直せ、バカ共!

 

III.  追いつめられた西側の奥の手「偽旗核使用」

 

現実にはウクライナはロシアに負けつつあります。数日前にもロシアは春期攻勢のために準備中であったウクライナ軍の集積地にミサイル攻撃を行い、NATO軍の将校を含む数十名が犠牲になり、多くの兵器器材が破壊されたという報道がありました。

ミサイル攻撃で西側軍人も既に犠牲になっている。

ここで西側はこれ以上の犠牲を増やさず、ポリティコの記事が示唆する様にソフトランディングを目指して停戦交渉に進むべきなのですが、人類が滅んでも良いと考えるネオコングローバリズム勢力が第三次大戦を本当に起こす可能性がある事が心配です。具体的な方法はタッカー・カールソン氏がクビになる前にテレビで危惧を指摘した様に、ウクライナにある核を「偽旗」として使う可能性がある事です。それはCNNやその他のメディアが伝える事からも明らかです。

米国が関与するウクライナの核技術とは核兵器だとメディアで躊躇無く危惧を表明したクビ前のタッカーカールソン氏とそれを示唆するCNNの記事

シリアの化学兵器を政府側が使ったと偽旗攻撃された時と同じ手で、ウクライナ側が使用したのに「負けそうなロシアが戦術核を使用した」と白痴メディアを使って言い切り、メディアも躊躇なく尻馬にのって報道し、第三次大戦を始めかねません。今のメディアはそこまで劣化してしまっているのです。

米政府は核攻撃に備える用意をウクライナにすると伝える。

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メディアの堕落が止まらない

2023-05-01 15:11:01 | 社会

前回のブログでスーダンの内戦問題と、それを何故今起こったのかの背景をメディアが報じない問題を取り上げました。それには権力に阿る主要メディアの問題があり、まさにそのタイミングで他メディアが触れない「巨大権力による横暴」を批判していたFOXニュースのタッカー・カールソン氏が解雇されるという事件があり、それも取り上げました。タッカーカールソン氏は解雇の原因になったと推察される巨大製薬企業などを痛烈に批判した放送で、メディアの堕落・買収・カネまみれ(Corruption)を第一にあげていました。

 

I.  市民ジャーナリストJose Vega氏の追求にグーの音も出ないメディア幹部

upper manhattanにある名門コロンビア大学が主催した公開講座「民主的メディア構築のために」

 

2023年4月25日、New Yorkコロンビア大学のジャーナリズム学科で、2日を費やして「民主的なメディアを構築するために」という公開講座が開かれ、初日の午後からの1セッションとして「政策とメディア」(Policy and the Press)と題するパネルディスカッションが開かれました。パネラーとしてNY times, LA times, Washington Post, Reutersという米国を代表する主要メディアのチーフエディターが招かれて討論する企画でした。そこで開始10分程度の所で聴衆であった市民ジャーナリストのホセ・ベガ氏が立ち上がり、

語る内容がちがうだろう!と訴えるVega氏

「 ああ、ここはシーモア・ハーシュ氏の「米国によるノルドストリーム破壊の暴露」について討論する場であると思っていたのにどうしたのですか?この問題は今世紀最大の「政策とメディア」に関するスキャンダルです。あなたはNY Timesの編集長でしょう?あなた方はペンタゴン・ペーパーやウオーターゲート事件を暴露した同じメディアの責任者ですよね。この20年あなた方は政府に逆らって真実の報道をしましたか?イラクも虚報、シリアも虚報、ロシアゲート、まったくの虚報。ゼレンスキーは開戦1年目にモスクワを爆撃して世界を第三次大戦に巻き込もうとしたのに、一切批判も報道もしようとしない。タッカー・カールソンはシーモア・ハーシュではないが、戦争を堂々と批判してFOXを頸になった。あなたたちは臆病者だ。ジュリアン・アサンジが、あなたたちがやるべき仕事をして代わりに刑務所で健康を損ねている間、あなたたちは成人病の検査を受けている。このイベントは「メディアと言論の自由」を構築するためのシンポジウムだ。さあ、これらについて討論してください。」

(原文はここで読めます)

と追求しました。壇上のパネリストたちは痛い所を指摘され、苦虫をかみつぶした様な顔で呆然と黙り込むばかり。これが本当に一流メディアの主幹達なのでしょうか?

苦虫をかみつぶした様に黙り込む大メディアの主幹ジャーナリスト達

 

Vega氏によると、「メディアと言論の自由」を訴えた彼はこのあとコロンビア大学の警備員にタックルされて会場からつまみ出され、この後のシンポジウムでは何事もなかったかのように、彼の訴えもシーモア・ハーシュについても一切語られなかったという事です。メディアの堕落の実態を世間に知らせたと言えます。彼らには既に「ジャーナリストの良心や矜持」といった精神は全くないのでしょう。Judge Napolitano氏が結論づけるように「メディアは市民の目や耳であるべきで、政府の言論代弁者(マウスピース)であってはならない」のです。

市民ジャーナリストVose Vega氏とNapolitano氏の対談you-tube

 

II.  雑誌「選択」の堕落

 

雑誌「選択」は三万人の情報誌と銘打って、定期会員から年間1万2500円を徴収して、電通などを通じて広告収入を得るために制限がかかる大手メディアでは報道できない大企業の内情や政府官僚の問題点など深堀した記事を載せる事で定評のある雑誌です。私もquality paperとして一目おいてこの20年愛読していました。しかしウクライナ戦争が始まって、編集長が何故かロシア出禁リストの50番目にアップされるなどして、ウクライナ戦争については一方的に反ロシアの態度を取ってきました。それでも真実を報道した上で「本誌の立場はウクライナ支援です」とか「グローバリズム支持の立場」から言論します、と断って記事を載せている分には問題ないのですが、ウクライナ側に都合が悪い情報は載せず、むしろ「明らかな虚報」を元に記事がかかれるようになって、さすがに私も編集部に苦言をメールの形で送りました。今回の米軍内部文書リークでも明らかになった米軍情報の虚報部分の指摘や「米軍や米国政府の関係者の談話を情報源にするのは良いが、メディアに乗る事を前提に出された情報はプロパガンダなのだからそのまま載せるのではなく、解釈を加えてカウンターであるロシア側の情報と比較して載せるべきだ。」という控え目な意見を送りました。今までも医学的内容で「ここはおかしい」といった疑義を送った時には丁寧に返事が来ていたのですが、今回は2回別々の要件で疑義紹介をしたにも関わらず、一か月経っても一切返事がきません。NHKと同様、企業の広告料ではなく、読者の購読料で成り立つメディアとして、スポンサーである読者からの照会に「当社の編集方針なので・・」レベルの返事も返せないというのは完全に「ジャーナリズムの堕落」以外の何物でもないでしょう。残念なことです。

 

III.  反ジャーナリスト「高橋清隆」氏

高橋清隆氏

日本にも市民ジャーナリストと表現しても良い「政府や大手メディアが報道しない」情報を地道に情報発信するジャーナリストが多数おられます。反ジャーナリストを名乗る高橋清隆氏もその一人で、氏のブログ「高橋清隆の文書館」で活動の一端を伺うことができます。4月29日には羊の様に飼いならされる事をなくす「No-Sheep」運動の協賛で講演会をされており、ブログで内容を見る事も出来ます。私はアベノミクス批判で不祥事冤罪の嫌疑をかけられて政府の委員を追われた植草一秀氏が運営する政策連合「オールジャパン平和と共生」の講演会で、高橋氏が「新型コロナワクチン被害者遺族をつなぐ会」の活動をジャーナリストの立場で報告されたので知り合いました。次回は5月21日に横浜駅近傍の神奈川県民センター会議室で「誰も伝えないメディアの虚構」という題目で講演をされます。

 

報道は日常生活には必要不可欠なものと思いますが、それは「悪意」を持って支配者が「無力な一般大衆をコントロールする手段」として存在するべきではありません。初歩的な小学校レベルの認識ですが、民主主義においては、市民が自分の権利の一部を代表である行政府に預けて社会秩序を構成しているのであり、メディア、ジャーナリズムはNapolitano氏が結論づけた様に「市民の目と耳」として大衆の現実を報道し、行政府の暴走を監視する役割があるのです。特に巨大資本が権力と一体化しつつある21世紀においては、「巨大資本に取り込まれない矜持」こそがメディアが「本来のメディア」として生き残る「唯一の条件」と言えると思います。

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