rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

各国の超過死亡累計からみた真のコロナ被害

2021-10-27 18:27:24 | 医療

日本は幸いにして新型コロナの流行は一段落していますが、英国やシンガポールなど一部の国々は現在も多数の感染者が出ています。感染者数というのはPCR陽性者数を示しているだけで、他の疾患で数えられる真の罹患数(本当に病気になった人の数)とはかけ離れている可能性があります。またコロナ死というのも、以前から指摘されている様に検査陽性で他の疾患で死亡した場合もコロナ死に数えられており、本当に新型コロナ感染症が悪化して亡くなった数なのか不明です。近い所では米国元国務長官のパウエル氏は「新型コロナの合併症」で亡くなったと大々的に報じられましたが、多発性骨髄腫で亡くなったのであり、コロナに感染したために多発性骨髄腫になった訳ではありません。コロナによる死亡を直接反映しているのではありませんが、コロナ禍の重篤度を反映する一つの指標に例年の死亡者数と比べてどれくらい死者が増加したかを見る「超過死亡」による比較があります。いつも参照しているOur World in Dataから各国の超過死亡比較の累計が出ており、興味深い内容であったので以下に示します。

各国の100万人あたり超過死亡累計(上から米、イタリア、英、仏、イスラエル、独、シンガポール、韓、日本)。 参考までに感染爆増している英国、シンガポールの100万人あたり新規感染者数を示す(上から英、シンガポール、米、イスラエル、日本)。

 

2020年の1月からの人口100万人あたりの各国の超過死亡累計(前年の死亡者数からの増減を累積したもの)を見ると、いくつかの特徴的なパターンがある様に思われます。一つは日本を含むアジア地域で、現在感染者爆増のシンガポールを含めて実は例年と比べて国民の死亡者数は大して変わっていません。むしろ日本は亡くなる人が例年よりも減少している事が解ります。これで「新型コロナ感染症で日本の医療が崩壊」したとか、「医療がなってない」という批判は的外れであり、「失敗したのは飲食業を崩壊させたコロナ対策」の方だったのではと思います。一方でドイツやイスラエルは昨年よりも今年に入ってから(変異株流行)超過死亡が増えている事が解ります。コロナワクチンの投与開始が昨年末からなので、宣伝どおり大変ワクチンが効果的ならばこのような結果ではない様にも思います。そして一貫して超過死亡が増加しているのは当初からコロナ感染症の被害が大きかった英米イタリアであり、コロナの流行に沿って超過死亡も増加累積している事が解ります。感染患者が多かったとされるフランスはイタリアやドイツの中間のパターンの様です。

上記グラフにブラジル、ロシアを加える。ロシアが飛びぬけて多い。

やや理解できないのはロシアのグラフです。昨年末から超過死亡が米国の倍以上急速に伸びている。まるでロシアだけどこかと戦争でもしているような伸びです。新規のコロナ感染者数はロシアが飛びぬけて多い様には見えないのですが、新規死亡者数は今年に入ってロシアは多くなっている。アフリカはワクチン接種が少ないのに感染も死亡も少ない事から、もしかするとロシア製のワクチン(スプートニク)が感染を悪化させるADE(抗体依存性感染増強)を強く発揮している結果かも知れません。まあワクチン接種が少ないから感染した後悪化する人が多いのだという論法も成り立ちます。感染者に占めるワクチン接種者の割合が解ると良いです。

地域別の100万人あたり日々の新規感染者数の推移では、ロシアが特に多い様には見えない(上から欧州、ロシア、米、世界、南米、アジア、アフリカ)。 しかし日々のコロナ死亡者数では今年春以降のロシアの死者数が多くなっている(上からロシア、米、英、独、イスラエル、スウェーデン、仏、日本)。

地域別のワクチン接種率累計の推移(上から南米、米、欧州、アジア、世界、ロシア、アフリカ)。 ロシアは国産のワクチンなのに国民の信頼がなく?さほど多くはない。日本はシンガポールに迫る75%超え。

 

超過死亡累計のグラフは日々報道される感染者数や死亡者数だけでは比較しにくいコロナ禍の実態について、別の側面を示してくれている様に思います。

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ぐわんばれ社〇党

2021-10-26 18:45:29 | 政治

歴史における役割を終えて、消滅してゆく組織というものはあります。1980年代後半から土井たか子氏を中心にフィーバーを起こし、55年続いた自民党政権に一度終止符を打った頃の社会党に対する国民の期待は大きいものでした。しかし社会民主主義的な新党ブーム(私は昔からある民社党を応援していたが)から保守層を取り込んだ「社会党が中心になった村山内閣誕生」を契機に、理想だけ述べていればよかった時代が過ぎ、現実的な政治課題に対応せざるを得ない状況にぶち当たると、革新層からは失望が、また保守層からは頼りなさが指摘されて、社会党は勢いを失い、所属する政治家達が離合集散するなかで現在の弱小社〇党に収束してゆきました。

現在の党首が先日テレビのインタビューに答えている姿を見て、「これは肝不全の末期」の様な土気色の顔色であると心配になりました。顔色が気になって話している内容が入ってきませんでした。医師の目からは、転移性肝がんで余命わずかな人の表情がこんな感じです。まあ勝手な見立てなので外れてくれれば良いのですが。ただ党首のみならず、党の存在そのものがほぼ次の選挙では存続が危ぶまれるほどになる事は予想できます。党のホームページを見ても今の社会状況に不安を感ずる多くの人達の心をつかむ綱領がありません。歯の浮く様な奇麗ごとは沢山書いてありますが、今人々が望むのはそれではない。「おたかさん」の時代のスローガンをいまだ引きずってどれだけの若い人たちが魅力を感じて投票してくれるでしょう。消えゆく組織というのはこんなものか、と思わせる内容でした。

議員会館に官僚を呼びつけて、地方から物見遊山で上京した高齢支持者達に昔の社会党的追求をしている様子を見学させるパフォーマンスを行っているようですが、結局この「おたかさん」時代からの高齢支持者が消滅したら現在の社〇党も消滅する、で良いということなのかもしれません。

私が党幹部ならば、せっかく「行き過ぎた新自由主義による格差をただす」という目標を掲げているのですから、1)ダボス会議を司る「経済支配者」が決めたグレートリセットには従わない。2)コロナやワクチンに対するタブーのない正しい科学的アプローチを追求する。3)ビックテックや権力者による情報統制、情報支配(デジタルファシズム)に反対する。4)信用経済や不労所得に適切な課税を行い、労働による所得税、消費税は減額する。といった政策を大々的に掲げるでしょう。どうせ消滅する運命ならば、国民の30%位は現在の世界や社会が「おかしい」と感じている所、口にすると「陰謀論」というレッテルを貼られて黙らせられる内容を堂々と「おかしい」と表明して勝負すればよいと思います。N国党よりもよほど賛同が得られるでしょう。恐らく「おたかさん」世代の時代遅れの高齢支持者は離れてゆくでしょうが、これからの若い支持層を得るにはそれくらいの柔軟性が必要です。

まあ社〇党はそのような進化をすることもなく、歴史の役割を終えて消滅してゆくでしょうが、敢えて大化けを期待して「ぐわんばれ社〇党」というブログの題名にしました。

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North American B-25 Mitchell Mk.II Airfix 1/72

2021-10-25 16:48:15 | プラモデル

英軍所属のB-25 ミッチェル爆撃機を作りました。B-25は地味ながら中型爆撃機として、或いは対潜哨戒などに欧州、アフリカ、太平洋戦域 など広く用いられ、計1万機の生産を誇ります。B型(英国ではMk I)は、空母に搭載されてドーリットルによる東京空襲で有名になりました。また1945年エンパイアステートビルに衝突したことも有名です(ビルは一部倒壊したものの補修された)。H型は75mm砲装備、J型は12.5mm機銃を12丁装備した対地攻撃用のガンシップとして使用され、操縦性の良さがうかがわれます。乗員5名、エンジンはWright R-2600(1700馬力x2)、最高速度は430km/hで後続距離は2100kmでした。

ノースアメリカン B-25 Mitchell Airfix 1/72 英国空軍仕様     コックピット内部まで良く作りこまれている

模型はAirfix製の新金型で非常に精巧にできており、今回作ったのは蛇の目の英軍仕様(Royal Air Force Dunsfold, Surrey, England, 1943)でしたが、他にも米軍仕様、アフリカ戦線仕様などいくつかのバリエーションで発売されています。コックピット内部など見えない部分まで良く作りこまれていて胴体中央の側面は透明部品になっていたので窓以外を塗装してしまうのをためらう程でした。いくつかB-25の製作記を読んでみましたが、他のモデラーの皆さんも前輪降着をいかに自立させるかで困っておられたようです。このモデルは胴体前面はガラス部分が多く、内部も作りこまれているのでバラストを入れる空間があまりありません。私は爆弾倉の前(操縦席の後方)とエンジンカウリングから主車輪の間に粘土と小さい釘などを入れて主車輪より前方を重くして自立させました。塗装は上面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレーのスプレーですが、モールドが自然に浮き立ってくれたのでいい感じになりました。細かいスライドマークが多いのでアンテナなどを付ける前に貼付した方が良いでしょう。また爆弾にもスライドマークがあるので忘れない様にしないと胴体を合わせてからでは困難です(大変でした)。英国製爆撃機ウエリントンと並べてみました。

上面オリーブドラブ、下面はニュートラルグレーで米軍と同じ塗装

爆弾倉内なども良く作られている。  ウエリントン爆撃機との比較 

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NHKBS欲望の資本主義2021特別編「生き残るための倫理」が問われる時

2021-10-16 19:31:39 | その他

BS1スペシャル 欲望の資本主義 特別編 「生き残るための倫理」が問われる時

BS1スペシャルとして定期的に放送されている優れた番組で、いつも楽しみに見ています。今回コロナ禍を過ごす中で資本主義のグレーとリセットを強要された世界がどのように生き残るべきかに焦点を当てた内容が放送されたのでサマライズして紹介します。今世界はエネルギー不足とインフレを迎えています。次は食料危機が計画されている様です。その事実も踏まえて視聴しました。

二極化を象徴するK字回復の先に見える世界は?資金繰りが苦しい中小を尻目に巨大資本は業績を伸ばす。そんな中、企業に「倫理」性を求める声も高まっている。パーパス=目的経営の意味とは?そしてGAFAM、中国経済の行方は?「監視資本主義」でデジタル革命の罪を問うズボフ、「資本主義だけ残った」で世界秩序の行方を説くミラノヴィッチほか、個性的な世界の知性たちと、減速から回復へと舵を切る経済と社会の今を考える。

出演

ランディ・ザッカーバーグ 、ショシャナ・ズボフ 、ミノーシュ・シャフィク 、ブランコ・ミラノヴィッチ 、コリン・メイヤー 、トーマス・セドラチェク 、早川英男 、神田慶司

2021年9月23日放送 (以上NHKのホームページから)

 

第一章「遠い世界の(コロナ)収束」

アフリカにもワクチンを(世銀ミノシュ)、そして富の再配分をまず目指し、バランスと豊かさを大切にするべき(NY市立大教授ミラノヴィッチ)。負債を増やして利益を得るのでなく、仕事をして価値を作る日本の様に「働く事に価値」を見いだし、日本的な労働規範を世界は見習うべき(経済学者セドラチェク)。

 

第二章 宴なき祭りのあと

オリンピックの後は負債と不景気が残っただけだった。90年代以降観光やサービス業は投資をした分の発展をしてこなかった、つまり目指す方向が間違っている(大和総研、神田慶司)。大企業は交際費がなくなった分収益増だがその分サービス業の利益が激減(日銀理事、早川英男)。

 

第三章 パンデミックが加速させるパーパス(企業の存在目的の明確化)

パンデミックという世界戦争を経験した世界は、企業においては自分の企業の社会における存在意義、目的を明確化させる必要がある。SDGsやESGといった中での目的化が必要だろう(オックスフォード大、コリン・メイヤー)。ミルトン・フリードマンは収益が目的で良いとしたが、今は倫理に基づく問題解決への貢献を収益との兼ね合いをどこで境界線を引くかが問われている(投資家ザッカーバーグ)。

 

第四章 デジタル頼みの中、進む監視

AIを駆使して大衆を監視し、そのデータを勝手に利用する「監視資本主義」が出現している(ハーバード、ショシャナ・ズボフ)。Big techはBig dataを独占し、情報資本を集積してそれを一部企業が自由に使い莫大な収益につなげている。全ての経済活動が監視経済になってしまっている。

 

第五章 資本主義だけが残った

形は違えど、世界には資本主義しか残っていない。資本家と労働者が分断されて、資本家は資本所得ばかり追うようになっている。しかも米国は中国化して同じ手法を取りつつあり、多極主義による政治的(国家)資本主義に向かっている(NY市立大ミラノヴィッチ)。下図

番組で紹介された図を一部rakitarouが改変

第六章 企業家がファシストになる時

企業家はゲーマーとしてモノポリー(独占)を目指す(セドラチェク)。利益を上げる中で起こした問題は得た利益から払うのが企業倫理だ(コリン・メイヤー)。データを扱うアルゴリズムはAIが自動で行うが、それをプログラムするのは人間であり、プログラマーの倫理が求められる(セドラチェク)。情報を支配したい企業家を統制する法が必要、新たなヒトラーは政治家からでなく企業家から出る(セドラチェク)。

 

第七章 監督官はどこに

銀行は金の流し方を倫理的に統制することで経済の監督官として君臨した(アロイス・シュンペーター)。しかし資本を動かしているのは今は銀行ではなく巨大資本家や投資家であり、彼らを統制する敵は存在しない(日銀 早川英男)。かつての日本、ドイツの銀行の様な産業金融(半沢直樹的)としての銀行のあり方が再度求められているかも。それを国家がやると政治資本主義になるが。

 

第八章 信用が失われた世界で

銀行は預金という負債を信用に変えて金融機関としての役割を果たした。現在のビットコインの様なデジタル貨幣や「有り余った資産の使い道としての株や投資」のありかたは「融資の倫理」を働かせる余地が既に亡くなっている。

 

第九章 善と悪のパラドックス 最終章—今後のあり方を模索する

企業は一時的でないサステナブルな存在意義(パーパス)を求めるべき(コリン・メイヤー)。古典的な資本主義は民主主義に基づく法によって制限を受けて来た(ハーバード、ズボフ)。今巨大資本は法を支配するために政治に金をつぎ込んでいる。これを許すべきではない。監視資本主義に法の制限を設けるべき(ズボフ)。資本主義を飼いならす時(早川英男)。金を出し合って事故による損を補う「保険」のしくみは共産主義的であり、社会は共産主義の良い所は見直すべき(セドラチェク)。全ての民衆が資本家であり労働者でもある民衆資本主義といえる世界(下図)を作れ(ミラノヴィッチ)。

 

最終章は、実現性はともかく示唆に富む興味深い内容だと思いました。

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ワクチンに係わる「燻製ニシンの虚偽」

2021-10-15 20:16:20 | 医療

重要な事柄から情報の受けての注意を逸らそうとする技法をRed herring(赤いニシン)、日本語では「燻製ニシンの虚偽」と言い、大衆に信じさせる情報を操作する「スピンドクター(情報操作に長ける者)」の常套手段の一つです。Wikipediaの説明にもある様に、ミステリー作品において、無実の登場人物に疑いが向かうよう偽りの情報を強調したりする手法です。

 

拙ブログの「科学の衣を着た政治的プロパガンダ」でも言及したように、多くの人には先端科学や専門的な医学は理解できないので、新型コロナワクチンについての「解明しきれていないリスク」を科学的に説明され、ワクチン接種を躊躇してしまう人が増えるのを危惧した体制側は、キャッチーで判りやすい「偽情報」を一般の人達にあえて広めてから後で「これはトンでもない嘘」と暴いて見せることで「ワクチンリスクの疑惑全てが飛んでも情報なのだ」と否定しようとしていると思われる状況が見えてきており、サイエンスに基づいて正しい情報を発信しようと考える医療者として憂慮しています。

 

明らかな偽情報の例

1) ワクチン接種部位が磁石のように鉄が付くようになる。LEDランプが灯る。

(昔スプーンが曲がる人が続出したテレビがありましたが、中にはそのような人もいるかもしれませんが、ワクチンとは関係ないでしょう)

2) ワクチン接種をするとBlue toothの固有番号を発信するようになる(ありえません)。

3) ワクチンにマイクロチップが埋め込まれている。

(同じ製造ロットやバイアルの人は全て同じチップということ?2回接種すると2種類チップが入る?実際私や看護師が瓶から新しいディスポ注射器に分注してその場で注射しているのに)。

 

論文などでも明らかでない疑惑情報

1) ワクチンを打つと不妊になる(科学的に証明されていない、理論的には成分などからはありえない)。

2) ワクチンを打つと呼気や汗にウイルス(やその断片)が排出される(スパイク蛋白は体内で作られるので喀痰などに少し混ざるかも知れませんが、だからどうだというのでしょう)。

3) 含まれる酸化グラフェンが有害。

(微量物質がどの位有害かは未定、微量でもシアン化合物がヘモグロビンの酸素化を障害とか、ウランの1億倍放射能があってα線を出して隣接細胞を殺すポロニウム同位体などならばわかるが)

 

一方でワクチンを打たせたい体制側も大衆が良いように勘違いしてしまう情報操作をしています。その例として

1) 妊婦にも安全(安定期の中期、後期については問題ない様だが、薬剤や放射線被爆でも一番問題になるのは妊娠初期、受精から1か月位であり、それについての安全性は一切確認されていない)。

またワクチンは投与部位だけでなく、卵巣、精巣を含むからだの全臓器に血流にのって分散されることは本邦承認時に用いたファイザーの公開文書等(16ページ)からも明らかになっており、それらが諸臓器に長期にわたり何の影響も及ぼさないという実証はされていない。

2) 遺伝子に取り込まれる事はない。(以前示したようにレトロトランスポゾン化して取り込まれる可能性はある、が科学的には正しい。もともと動物の遺伝情報の多くはウイルスなどから取り込まれた物である)

3) 2回接種することで免疫が高まる。

(2回目接種の意味は、偽感染によるブースター効果で、1回接種したことで付いた細胞性免疫が賦活化されて液性免疫由来の中和抗体が無理やり大量に作られるだけであり、免疫が高まる訳ではない)

 

最近の論文化された研究でわかってきた事

1) ワクチンは免疫を乱す

ワクチンでいきなり発がんすることはないと思いますが、限られた体内の免疫機能が無理やり大量のコロナスパイク蛋白に対する中和抗体作成に駆り出されるため、眠っていたウイルスが活動を始めたり(EB, ヘルペス=帯状疱疹, サイトメガロウイルスなど)、もともとあった癌の進行が早まったりする。これは私自身、実臨床でも経験しますが、ワクチン接種後の1週間以上の発熱継続などで体調が悪化して脱水症状で入院といった例も複数経験しています(多系統炎症症状)。

 

2) ADE(抗体依存性免疫増強)について

以前から懸念されていた事項ですが、スパイク蛋白のレセプター結合部への抗体は感染抑制の中和抗体として働くが、その周囲にあるN末端部(N terminal domain)への抗体は感染を増強させる効果があると阪大などの研究で明らかになりました。Covid19に対する遺伝子ワクチンはスパイク蛋白全体をターゲットにしたものなので中和抗体だけでなく、N末端部への抗体も作られることになり、中和抗体量が低下してくると逆にコロナに罹りやすくなる可能性があります。

AMED(日本医療開発機構)のプレスリリースで示されたコロナスパイク蛋白の抗体接合ドメインから引用

変異種はワクチンによる中和抗体よりADEの方が強く出るかもという論文(Jounal of Infection 2021.8.16)からの図

 

3) 自然感染による免疫がワクチンよりも数倍効果がある

これは以下の論文で示されました。自然感染の結果、種々のドメインに対する抗体でコロナを撃退した方が強い予防効果を持つようになるのは当然の様に思います。

 

4) 細胞性免疫も考慮するとワクチン一回接種で77%、2回接種で+10%予防効果がある。

ワクチンの効果を検討する方法は種々あり、検討方法によって予防効果(~%)が変わります。ワクチン承認の際に拙速的に用いられた「単純にワクチンを投与したヒトとしていないヒトの間で一定の期間内にコロナに罹った人数を比較」してその差を予防効果とするのはやや無理があります(ワクチン使用の有無に関わらず、罹患しないヒトがあまりに多い)。これがより正しい結果と断定はできませんが、信頼できる雑誌であるNew England Journal of Medicineに罹患リスクの高い米国医療関係者で「コロナ類似症状を呈してコロナ検査を行った者」を対象に、ワクチンの有効性を検査したtest-negative case-control studyの結果は上記のとおりで、多くはファイザー製のワクチンでしたが、1回接種で77.6%、2回接種で88.8%というのは通常のインフルワクチンの効果とも類似しており、現実的な効果を表していると思いました(インフルワクチンも2回目の追加接種は+10%の効果)。

NEJMの論文抄録からワクチン効果を示した結果部分

 

これらを踏まえたrakitarouとしての考察

1) ワクチンは「感染を防がないが重症化は防ぐ効果がある」は本当か?

第五波を病院で経験した実感からは、上記は真実とも思われます。しかしこれを科学的に証明した論文はまだ見かけません。イスラエルなどではワクチン投与後でも重症化例は沢山報告されています。しかし考えられる機序として、ワクチンは増殖の速い変異種の感染自体は防げないが、体内でウイルスが増殖して重症化する事は、ワクチン接種によってT細胞免疫が既に感作されているため、素早く反応して種々の抗体が作成されて重症化は防げたのだ、という説明はありえます。

 

2) 今後の変異種には効果があるか、逆に減るか

これは変異種の性質によるので何とも言えませんが、検査をスルーする(検査用抗体の認識部位やPCRのプライマーにあたる部位が変異している)変異種が既に見つかっており、コロナ感染症が今後も継続する予感はありそうです。

 

以上、ここ2か月ほどで第五波に日本が揉まれている間に分かってきた事をまとめてみました。日本のワクチン接種率がほぼ世界一のレベルになっている事は良いとも悪いとも言えません。ただ既に古くなったワクチンの接種で、安全を保障するようなワクチンパスポートの導入は意味がないだけでなく、有害であり、個人の「行動管理」をしたい政府の意向しか反映しない政策だと私は思います。諸外国では人権侵害として反対意見も増えています。

米国におけるワクチンパスポート導入状況(青系はむしろ人権侵害として禁止している)日本では何故か導入に積極的なNYなどのニュースしか流さない。

 

ワクチンに関わる「燻製ニシンの虚偽」は理系思考で考えれば見抜くことはできると思いますが、なかなかそう行かないのは、日本の大学生の半分は理系で、本来ならば科学的思考に慣れた大人が日本人の半分はいるはずなのに、実際には実学的な技術や知識の習得ばかりを大学で教えられ、基本となる「思考法」を叩き込まれていない事が原因だと思います。私も一大学人として理系の思考法を十分教育してこなかった点を反省するべきと思っています。

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