rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

体験的くるま論 メルセデスベンツC220d AMG line エンジン編

2020-08-11 16:14:54 | くるま

通勤用に使用していたマツダ・アクセラ(ハイブリッド)が12万キロに達して、1年位前からハイブリッドのコンデンサーによるものか、キーンという高周波の耳鳴りが乗車すると起こるようになってきたので、暫く1600ccガソリン車のベンツBで通っていたのですが新車に換えました。種々迷ったのですが、耳鳴りのするハイブリッドは止めて近年進歩が著しいディーゼル乗用車、ベンツCクラスにしました。

2018年にマイナーチェンジ(フェイスリフトと言っている)をして、マイナーと言えない6000か所以上の新型部品を使用し、ガソリン、ディーゼル共に新型エンジンにした殆ど新型と言ってよい変化を遂げたCクラスですが、近々新型も出ると思われ、型終盤の買い物です。1か月程乗ってみて流石にメルセデスの標準と思わせる作りなのですが、今回は久々のディーゼル車なのでエンジンについて体験的なレポートです。

 

メルセデスベンツ新型直列4気筒クリーンディーゼルエンジン

もうすぐ新型が出そうなCクラス (色はグリーン)         メルセデス・クリーンディーゼルのやや複雑な排気ガス処理システム

私は1985年に最初に購入した車が中古のいすゞジェミニディーゼル1800ccで、2代目がトヨタビスタディーゼル(2200ccのマニュアル車)だったので元もとディーゼル好き人間でした。自然発火でトルクが強く、当時軽油はリッター50円、街乗りで18km/Lという燃費だったこともあり、環境問題はまだ取りざたされていない時代かなり気に入って乗っていました。グローランプで予熱してからエンジン始動、インパネに燃料濃度を調節するチヨークが付いている時代で、単純な機構で故障知らずのディーゼルエンジンは車を手入れしない若い医者には重宝しました。現在のディーゼルエンジンは環境対策で数々の複雑な機構を備えるようになり、それなりの知識がないと??な事も多くなりました。しかしディーゼルのトルクフルな所やガソリンに比べて軽油が安価なので燃費が良い上に費用を考えなくても良い点は変わりません。

排出ガス規制が厳しくなってから作られた新しいディーゼルエンジンは排出される黒煙(Diesel particle)と窒素酸化物(NOx)を徹底的に除去する機構がエンジンから排出された後に付けられています。DPF(Diesel particle filter)とSCR (selective catalytic reduction選択的触媒還元)と呼ばれる機構で、SCRには尿素(アドブルー)を噴霧するのが普通です。メルセデスのOM654という新しいクリーンディーゼルはEクラスから最新のA・Bクラスにまで搭載されている信頼性の高いディーゼルですが、通常のDPFとSCRだけでなく、排気を循環させて黒煙をより完全燃焼させたり、DPFとSCRを一体化させて処理した後に再度SCR処理をしてNOxを処理して余剰なアンモニアはアンモニアスリップ触媒(ASC)で処理してから外気に出すという念の入れ方をしています(図)。クリーンディーゼルはある程度エンジンを回してやらないと黒煙がフィルターにすぐ詰まってしまい、高熱の排気ガスで焼く「自動再生作業」を行う機構がありますが、ベンツも1000kmに15kmくらいこの作業で燃費が悪くなる時間があります。しかしその作業中もドライブ感覚はいつもと変わらないので瞬間燃費計でも見ないと気が付かないと思います。ちなみに通勤で毎日100km近く運転しますが、夜間早朝で一般道ながら空いている時間帯であり、渋滞がなく流れも早いため燃費は20km/Lが平均です。ガソリン車のベンツのBでは18km/Lだったので1Lあたり30円安い軽油は家計にも優しいです。満タン(66L)にすると走行可能距離は1300km以上とメーターに出ます。

購入を検討した事があるマツダのクリーンディーゼルは、低圧でディーゼルを自然発火させるスカイアクティブ技術でSCR不要(アドブルー要らず)という優れものですが、その分黒煙が多く発生するためにDPFが詰まりやすいという欠点があります。頻繁に高速道をバンバン走るような人には何の問題もありませんが、街乗り中心の人には余りお勧めではないようです。

私の買ったCクラスはスライディングルーフなども付いていて、総重量は1.8トンです。EクラスやSクラスなどの上級機種はもう少し重いし、A・Bクラスは1.6トン程度で200kgは軽いので同じエンジンでも走りが違うと思いますが、OM654ディーゼルは最高出力が194馬力で低速回転でもトルクが大きい(400N)ので回し始めてからの加速は凄いです。1600CCのガソリンターボのBクラスにも乗ってますが、こちらも80km位までスムーズな加速感はあるのですがCクラスの加速感はその倍位あって、2000回転程度、数秒で80kmに達します。静粛性も大したもので、エンジン始動時に車体が少し揺れる程度で後はガソリン車のBクラスと同じです。ロードノイズはBよりも当然少ないし、タイヤ径と幅も大きく、何より上級車種と同じエアマチックサス(マルチリンクサスの上に風船)が付いているので乗り心地はクルーザー感覚です。エンジンのメンテナンスに関してはまだ乗り始めて3000km程度なので何とも言えませんが、例えばアドブルーは1万キロ毎に点検があるので、その度工場で補充するから自分で入れる必要はないと言われました(1万キロで10L位の消費で20Lタンクがある)。ディーゼルトラックなどはそれなりに知識がないとメンテができない様ですが、一通り最新のディーゼルについて自分なりに勉強はしてみましたが、ベンツについてはただ乗っているだけでも良さそうに思いました。

次の機会にはドライブ感覚、乗り心地など〇と×に分けて報告します。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的クルマ論 ベンツB

2017-05-08 22:53:17 | くるま

久々のクルマ論ですが、こればかりはクルマを買って乗らないと体験として書けません。Peugiot407swが10年経過して車検や点検の度にいろいろと金がかかるようになって良いクルマだと思っていたのですが、そろそろ買い替え時と思い車検を機にベンツBクラスに買い替えました。

以前ベンツVクラスに乗っていたのでベンツは2台目ですが、Vクラスは報告したようにベンツの中でも「困ったちゃん」的な存在だったと思われ、王道であるCやEクラスに乗っている人からは私などベンツを語る資格はないと思われていたかも知れません。今回のベンツBも(コベンツだし)王道とは言い難いかもしれませんが、王道のベンツの良い所を沢山取り入れていると思われますし、同じクラスの他車と比較しても良い点が多々あるように思いましたので自分なりにまとめて報告したいと思います。

まず何故ベンツのBかという所ですが、ボルボV40とかPeugiot308、日本車ではスバルimprezaやLevorgなどと比較してまず「華美のない手堅い造り」と「手堅い走り」をベンツBに感じました。またベンツAは後席が狭すぎで天井も低くて息が詰まる(大柄のドイツ人がよく平気だと思う)思いですし、CLEは格好良すぎて60のおじさんに似合わないように感じました。Bクラスは足回りはAクラスと共通のようですが、天井は10cm近く高く、後席の広さもCと同等かそれ以上の余裕を感じます。こういった堅実さや手堅さもやはりドイツ車の魅力だと思います。

Bクラスはモデル後期に当たり、マイナーチェンジからも2年近く経っていて新鮮味はありませんが、それだけ初期不良のない成熟した所があると思います。しかも決してモデルの古さを感じさせない外観やインテリアで洗練された内容だと感じます。初期のBクラスはCVTであったり、ランフラットタイヤであったりで走りがベンツらしくないという評判があったようですが、現在のBクラスは7速でサスペンションやタイヤも改善されてベンツらしさが戻ったという評判です。私が運転した感じでも低速から特に高速においてしっかりとした走りが感じられて好ましく思いました。転回においてはやや固さも感じますが、ゴツゴツした感触はなくスムーズに曲がってくれます。

感心なのは燃費の良さで、1600ccのターボですが、早めのシフトアップと停車時のアイドリングストップで通常の通勤(往復100km)でリッター17kmとほぼカタログ通りの燃費でした。マツダアクセラハイブリッドではリッター25から27km、ホンダシビックハイブリッドではリッター22.5kmで通っていた道ですから、レシプロエンジンでベンツらしい走りをしてリッター17kmは立派です。しかもロードノイズが少なく、室内は静かであり、オーディオの音質も良好です。アクセラにはBoseのスピーカーシステムを付けてそれなりに良い音質なのですが、やはりロードノイズを拾うのできめ細かな音にはなりません。

パッケージで付いている室内のアンビエントライトは夜になると自然と室内をほんのりと照らして高級感があります。ドアを開けた時に足元を照らすライトも感じが良く、こういった快適システムは国産車にも見習って欲しいと思います。

ボルボやスバルにも付いていますが、前車自動追尾機能(ハンドル操作だけで運転できる機能)は、オプションで付ける事も可能でしたが、他社の車でも試してみたものの、私には向いていないと思い付けませんでした。私はマニュアル車でもそれほど苦にならない(若い時はマニュアル派だった)位で、何でも機械におまかせというのがどうも性に合いません。例え機械に運転を任せても、何時でも自分の運転に戻れるつもりで気を張っていないと現在の自動運転は危険です。丁度若い新米の外科医に自分の患者の手術を任せてやらせているような感じで、危ないと思ったらいつでも交替できる気構えで、ずっと手術中気を張ってないといけない感覚に似ています。

 

ベンツBクラスの○とX

・ 室内の広さ、静かさ、価格に比した装備の充実度。

・  燃費の良さ。

・  走りの手堅さ、何よりも運転のしやすさ、ドライバーからの良好な視野。

・  安全装備の充実(長距離ではドライバーの走り具合で休みましょうなどと声がかかる)。

 

X

・  日常的な操作方法の説明がない(内蔵マニュアルがあるが解りにくい)。トリップメーターのリセット方法すらディーラーに聞かないと良く解らない。

・  右ハンドルですが、シフトレバーがハンドルの右側にあって国産車のつもりで無意識に左にウインカーを出してシフトレバーがバックに入り肝を冷やした(実際はニュートラルで止まったけど)。

・  ハンドル左のウインカーノブの近くにクルーズコントロールのレバーがあって、時に触れてしまってクルーズコントロールがOnになってしまうことがある(解除はレバーを押すだけで簡単だから良いけど)。

・  助手席前のポケットが意外に小さく物が入らない(後席や荷室は十分広いですが)。

・  たまに意味不明な警告音が出る(さほど気になりませんが)。

・  バックモニターは慣れるまでやや見にくい。

 

今回は走行5,000kmの展示車の新古車を3年ローンで買ったので、月8万円位の出費で済みました。還暦のちゃんちゃんこ代わりに赤ベンツにしてしまいましたが、総合的には良いと思われる所が多く、自分としては気に入ってます。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 マツダアクセラハイブリッド

2014-09-04 19:00:19 | くるま

購入してから3ヶ月経過して、良い点、悪い点もある程度わかってきたので書評ならぬ車評を書いても良い時期だと思います。前に6年半乗っていたのが、ホンダシビックハイブリッドであり14万キロ乗って今後、2度目のタイヤ交換をして、くたびれて来たハイブリッドバッテリーを30万出して交換、20万キロを目指すか、いっそ車を買い替えるか迷っていた結果、同じハイブリッドのアクセラに乗り換えたという訳です。

  

シビックハイブリッド              アクセラハイブリッド

 

年間通勤で2万キロ以上乗る私にとって、ハイブリッド車は必須アイテムです。1年間プジョー407で通勤しましたが、乗り心地はとても良いけれど毎週ハイオクガソリンを8000円以上消費するのは小遣い的にも辛く(それでも都内に電車通勤していた頃と交通費は同じでしたが)、シビックにして燃費がリッター22kmを確保するようになって、ガソリン代が1/3になったのは大変助かりました。

 

新型第三世代のマツダアクセラのハイブリッドは、パワートレインは2,000ccの新型スカイアクティブガソリンエンジンにトヨタプリウスに搭載されているTHSIIシステムを合体させています。トヨタのハイブリッドシステムがシステムとしてほぼ完成された領域に達していたので、マツダが独自に開発することを止めてシステムそのものを供与されて自社のエンジンと組み合わせたと説明されています。だから種々の諸元はプリウスと一緒になるように設定されています。これは消費者目線からはかなり有難い方針と思います。独自開発で開発費がかかって、しかも初期不良や以降の改善などで発売当初に買わされた人達が馬鹿を見ることを防いだとも言えます。新しいハイブリッド技術を一から開発する上で、マツダという会社の体力を見越した賢い選択とも言えますが、後に述べるようにユーザーにマツダ車を愛してもらおうという会社の姿勢から選択した結果とも言えるので、トヨタやホンダ、はたまたニッサンにはない現在のマツダ車の特徴が出ていると思われます。

 

ハイブリッドに詳しい方はご存知のように、エンジンとモーターで駆動するハイブリッド車にはシリーズハイブリッド(エンジンは発電のみでモーターだけで車輪を駆動して走行、Audiとか)、シリーズ・パラレル(状況によってどちらでも走行可能、トヨタ車プリウスやアクセラはこれ)、パラレル(エンジン主体でモーターは補助的に使う。旧ホンダシビックや新型のフィットもこれ)の各型に別れ、それぞれに特徴があるので走らせる上でもその特徴を考えながらアクセルを踏むと燃費が伸びます。旧シビックは1,300ccのフィットに使っているエンジンをいかにモーターで効率よく補助して走るかを念頭にハイブリッドを使用するコンピュータが設計され、運転する我々もそれを意識してアクセルワークをすることで良い燃費を稼ぐ事ができました。定速走行になるとモーターの出力も0になり、気筒休止しながら1,100回転くらいを維持することでリッター25km位走りました。メーターはダッシュボードの中心にあるタコメーター(エンジン回転計)を見ていればおよその速度も分かりました。実質燃費は上記のように21-23km/Lでした。

 

今回のアクセラはシリーズ・パラレル方式であり、結構な割合でEV走行(モーターのみの走行)が可能です。メーター積算を見ると5,000kmくらい走って51%がEV走行と表示されました。つまり低速域ではエンジンが止まっていることが多いのでタコメーターは意味がなく、メーター自体がありません。急加速や60キロ以上の走行ではエンジンが主体なので、普通のガソリン車を運転する感覚に近いと言えます。特にアクセラは2,000ccのエンジンを積んでいるので、1,300だったシビックに比べるとエンジンを多めに回さなくてもスッと加速して行く感じがあります。マツダ開発陣が1,800ccのプリウスとの差別化を考えてあえて2,000ccを載せて「走る楽しみ」を追求させた結果とも言えるでしょう。通常フロントガラス下方に位置するヘッドアップディスプレイに表示されるスピードだけ見ていれば運転に支障がないようになっています。

 

実際に3ヶ月乗ってみたアクセラハイブリッド( S-L packageという革仕様の上位機種)の全体的な感想を述べます。まず270万という価格で再上位機種が買える事は非常に素晴らしいと思います。革座席、LEDヘッドランプ、自動点灯、自動ワイパー、クルーズコントロール、座席ヒーターなど400万超えのプジョー407に付いている装備が全て付いています。また+9万円のBoseスピーカーシステムの音質も良好であり、シビックの時のステレオ(6スピーカーだった)の数段上の音質であり、好みもありますが車内ノイズを逆位相で出力させるノイズキャンセラー機能もあるので車内の静粛化にも効果があります。このノイズキャンセラーはonにすると音楽も少し遠くで聞こえて膜がかかったような感じになるので、良い音で音楽を聞きたい人はoffが良いでしょう。

車内の騒音はシビックよりは明らかに少なく、(プジョー407よりはロードノイズなどは当然大きい)クラス平均より良いように感じます。プリウスに乗った時は後席で後輪のノイズが目立つように感じましたが、アクセラはハッチバッックでない分かもしれませんが、後輪ノイズが少ないと思います。また4輪独立のサスペンションがうまく衝撃を吸収して段差での衝撃も少ないように感じます。暖機運転の短さはスカイアクティブの機能として謳っているだけあって素晴らしいです。エンジン始動から30秒ほどでアイドリングストップ可能な状態になります。ただ走行時の燃費はエンジンオイル全体が暖まる7-8km位走らないと良くなりません。片道47kmの通勤で半分以上幹線道路を走りますが、平均燃費は26km/L代です。夏場で冷房も使用していてこの燃費は大した物だと思います。シビックよりもリッターあたり4km伸びました。

 

以下にアクセラハイブリッドの良い点、悪い点をまとめます。

 

良好な点

○      ハイブリッド車としての完成度の高さ(トヨタのお蔭もある)。

○      装備や静粛性、走りともに価格以上の内容(実質7年前に買ったシビックと同じ値段)。

○      かっこ良い(トヨタ、ホンダも見習ってほしい)。

○      日本人のユーザーを意識した作り(これもトヨタ、ホンダ見習うべき)。

○      ヘッドアップディスプレイなどの新しい試み。運転しやすさ。

 

悪い点

○      各所で指摘されているけどカーナビの見にくさ。

○      エンジン系をハイブリッドとの効率によりマッチさせる(まだ無駄に回っている部分があるように思う)。

○      シフト系とパーキングスイッチがプリウスのままで使いづらい(普通の車のように一体化することは簡単なのでは?)。

 

不明な点

○      メンテナンスの手間 これは何年かしないと分かりません。シビックについてはホンダのアフターケアは割と良かったと思います。

 

ということでアクセラハイブリッドは各所の評判通り、総合的に自分としては非常に良い車であると気に入っています。お買い得です。ただ私のように月2,000km以上走るようなユーザーでないとハイブリッドのメリットは出ないでしょう。高速はまだあまり乗っていませんが、クルーズコントロールをonにして100kmの定速で走ってリッター24km位でした。振動・ノイズ的にも快適なレベルだったと思います。また気がついた点が出たら報告します。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 初代ライトエース ノア

2013-04-11 00:42:17 | くるま

1996年にワンボックスブームの先駆けとしてトヨタからライトエース・タウンエース/ノアが発売されて、以降日産のセレナやホンダステップワゴンなどの主力となる傑作車が続々と登場することになりました。私はほぼ発売と同時に「ノア」を購入しました。というのも小学生の頃車のない我が家で、自分にとって将来車を持つことは憧れだったのですが、その頃「こんな車が欲しい」と思いながら絵に描いていた車がまさに「ノア」だったのです。コンセプトとしては、「できるだけ広い室内を持って、窓は大きく明るく、エンジンなどはコンパクトで使い勝手が良い」という感じで、その後発売され、よく売れた車としてはホンダ・モビリオやダイハツ・タントが同じコンセプトと言えると思います。

 

購入前はこれもワゴンブームの先駆けとなった初代カルディナに乗っていたのですが、3年目の車検の年になって「ノア」が発売されるとその姿に居ても立っても居られない状態で近所のカローラ店に駆け込んだ事を覚えています。

 

ガソリンエンジン(当時はディーゼルも選べた)1998cc、4速ACの130馬力2WDで下から2番目の「スーパーエクストラ、スペーシャスルーフ(ハイルーフタイプ)」を選びました(図)。初代はデュアルエアコンで後席用に2台のエアコンが付いていました(殆ど1台しか使わなかったので後のバージョンでは1台になったようです)。ワンボックスは商用車というイメージが強かった時に、ショートボンネットを持つ乗用車感覚のワンボックスが登場し、運転感覚も乗用車的(内輪差の考慮は急ハンドル時には必要ですが)、しかも上から見下ろす見晴らしの良さは、普通の乗用車から乗り換えた人にとってはとても新鮮でした。当時は「渋滞も先が見えるから気にならない」という気分になったものです。

 

大きな室内ながら5ナンバーであり、1400kgと軽量で、良く走りました。その後に買ったベンツVクラスが豪華な分、戦車のような重さ(車体もドアも)であったのとは対照的です。ベンツのVに乗ってしまうと「ノア」の運転席はいかにも狭く感じますが、当時はとても斬新な作りであり、シフトノブがATなのにコラムシフト(ハンドルから出ている)というスペースユーティリティを重視した作りになっていました。

2列目はベンチシートとキャプテンシートどちらも選べて、定員が7人と8人に分かれるのですが、我が家は子供が3人だったので2列目に3人乗れるように、また母親が2列目に移れるようにベンチシートの8人乗りを選びました。当時画期的だったのは2列目を後ろ向きにして3列目と対面シートにできることで、まるで列車の一ボックスが車に移ったように何とも楽しい家族ドライブになったことを覚えています。子供が成長してからは6席全てがキャプテンシートのベンツVで良かったのですが、車は家族構成でニーズが変わるものです。

 

今何故十数年前にワクワクして買った「ノア」の事を書くかというと、現在のトヨタ車には残念ながらこのようなワクワクする車がないからです。当時はエスティマも画期的な車として定評があり、またヨーロッパの販売店からの要望で下から上がってきたコンセプトとして出された「初代ヴィッツ」も発売と同時に家内がどうしても欲しいというのでピンクの最も売れていた奴を購入しました。私も「初代ヴィッツ」は魅力のある良い車だと思います。

 

トヨタ車にワクワクする魅力的な車がなくなったのは、販売台数世界一を目指すようになった頃からです。出てくる車はどれも当たり障りのない似たような車になり、それなりに高い買い物をするに値する魅力を感じなくなりました。結果的にやや高い値段でもワクワク感のある欧州車か、実用車としてはホンダ車を買う結果になりました。特に最近のトヨタはデザインが酷い。クラウンはフロントグリルが「コマネチ」をしているタケシだし、レクサスは顎がはずれて唖然とした表情、燃費最高の小型車も両頬がたるんだ宇宙人にしか見えません。クラウンは豊田紡績機のスピンドルを象った物だったらしいのですが、さすがにあまりの評判の悪さに近々デザイン変更をするらしいです。

 

私は2代目(左)、3代目(右)のカムリ・ビスタの機能美が大好きだったのですが、あのような車が作れたトヨタはどこに行ってしまったのでしょう。結局「誰のために車を作っているか」をもう一度真摯に反省してやり直さない限り、トヨタの未来はないと私は思います。グローバル企業というのは世界で売れる事が大事とされます。例えば世界戦略車の「現行カムリ」はそれなりに良い性能ですが、日本のユーザーの好みを考慮して作っていません(これはトヨタ側も明言してますね)。世界で売れれば日本で売れなくても良い、という思い上がった考えでいる限り、当然ユーザーは離れて行きます。アメ車が日本で売れないのは日本の非関税障壁や軽自動車の企画があるからではなく、アメ車が日本の地域性やユーザーの希望を考慮して車を作っていないからです。買ってくれる人を大事にしなければ商売は成り立たない、という当たり前の事が「グローバル企業」になるほど解らなくなると言う事でしょう。「グローバリズム」というのは一つの価値観に「各地域で異なる世界」の方が合わせなさい、という考え方です。それぞれの地域性を尊重して手間や費用が嵩んでもその地域に合わせた商品作りをする、というのが「本来の物作りのあり方」のはずです。

 

良い物が世界で売れること、と始めから世界で売れるものしか作らないこと、は別です。その違いにトヨタが気づいてくれることを望みます。その意味で「ぐあんばれトヨタ」とエールを送ります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

う◎こしたい車

2009-12-24 17:33:01 | くるま
下世話な題名で失礼します。

通勤で片道50キロ近く運転して3年以上になると、運転を職業にしているようなプロの人達も感ずだろういろいろな事が判ってきました。例えば片側2車線の幹線道路で隙があれば右に左に車線変更をして1-2台づつ無理に抜いてゆく車がありますが、これなど周りの車にとっては危険で迷惑なだけで全くナンセンス。次の信号で抜いた車に追いつかれ、結果的に目的地に早く付くことは全くないのは明らかです。

車を運転していて「いても立ってもいられない、一秒でも早く進みたい」などという状況は、

1)産まれそうな妊婦さんを病院に運んでいる。
2)うんこをがまんしていて苦しい。

のどちらかしかないと思われます。私は片側2車線の道路を右に左に無理やり抜かしてゆく車を見ると「可愛そうに、うんこ我慢しているんだな。」と思う事にしています。しかしその「うんこ我慢している」車が20台に一台位あるのも事実で思わず苦笑してしまいます。

ほかにこれは「危険な上に迷惑だ」と思うのは、片側2車線の道路で右折車線のない所で右折しようと止まっている車です。反対車線も2車線あるのですから、なかなか右折できず、後続車は左側車線に移るか、右折車がいなくなるまで後ろで待つしかありません。私は右折したい場合は先に進んで一度左折してから戻ってきて左折して入るか、右折車線がある所まで進んでUターンして戻る事にしていますが、夜間、車の流れが早くて70キロ以上大型トラックも出しているような幹線道路で右折しようとして止まっている車は殆ど自殺行為だと思います。他にも霧が出ているのにライト付けない車とか、赤信号にアクセル踏んで突進する車とか「初心者」的運転の車は随分とあるものです。

信号の変わり際どの瞬間まで行けるか、はかなり難しい判断です。歩行者用信号で予想は付くのですが、歩行者用信号が変わってから赤になるまでの時間差は様々ですし、交差点によって黄色信号の長さも微妙に違います。また直進が赤になってから右折信号が出るものもあります。私は真後ろに大型トラックが付いている場合は少々無理があっても直進することにしています(たいていの大型トラックは赤直後までは青と考えているから急に止まると追突される)が、反対車線に右折待ちの車が止まっている場合には早めにスピードを緩めて止まるようにしています(右折信号が付くと同時に右折車が飛び出してくる)。

「安全に無駄なく余計な渋滞を回避しながら速やかに目的地に着く」のが上手な運転であることは明らかなのですが、私が通勤する平日の早朝や夜間ではやはりトラックのプロの運転手達の運転は上手だと感心しますね。彼らの後ろを走っているとたまに排気ガス臭いので困ることもありますが大抵安心です。一番危ないのは休日出勤する時でサンデードライバーの中で運転するといつもの感覚と全く違い予想外の行動をする人や無意味な割り込みなどの所謂「へたくそ」運転が多い。まあ私もかつてはそうだったのだろうけどいつも以上に気を使って運転しないといけません。

毎日通勤していると、月に1回位は事故で警察が出張っている場面に出くわしますが、年に1回位は「今事故が起きました」という場面に遭遇することもあります。道路に人が横たわっていることもありました。そんなことから私は車にアンビューマスクといってマスクを当てて人工呼吸ができる小さなセット(三千円位)を用意しています。知らない人に口移しの人工呼吸はしたくないので。幸い今のところその出番はないのですが、救急車が到着するまでの処置が生死を分ける場合もあるのは事実です。

冬場はエンジンが暖まるのに時間がかかるので、シビックハイブリッドも平均燃費が落ちてリッター20キロ台(春秋は22キロ夏はクーラーの分落ちる)になりますが、低燃費、安全、しかも早くを心がけて毎日通勤しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的車論 トヨタビスタ ディーゼルターボ2.0

2008-11-25 21:55:53 | くるま
生まれて初めて買った車はいすゞジェミニディーゼル1800cc。中古で50万円でした。マニュアルミッション、パワステなし、チョークも手動、車好きでないと扱うのが面倒という感じでしたが、小さい車体の割に中は広く、乗り心地も悪くない。ジウジアーロのデザインで80年代では日本車にないスマートさを持った良い車でした。大学を卒業してから数年経って少し小遣いも貯まったので新車を買おうと思い立ち、当時新型が発売されたばかりのカムリ・ビスタにしようと近くのトヨタ店へ。現在はカムリとビスタは違う車ですが、当時はエンブレムの辺りを除いて殆ど同じ兄弟車でした。近くがビスタ店だったのでビスタを買うことにしたのですが、偏屈な私はジェミニのディーゼルが気に入っていたので今回もディーゼルのマニュアル車にしました。

90年位まではオートマとマニュアルは半々位でけっこうマニュアル好きのドライバーも多く、エアコンもオプション扱いだったことを覚えています。新車はパワステが付いてオートチョークになった位で後は今まで通りの運転感覚。カムリ・ビスタはクラウン並に広いのが当時からの売りで、3代目ビスタはなかなかエレガントなシルエットで私は発売と共に気に入っていました。

2C―Tという4気筒SOHCディーゼルターボエンジンを積んでいて、これがけっこう力強く良く走る車でした。当時軽油は40円から60円位であり、マニュアルでしかもディーゼルなので燃費はリッター17Kmは走り、都内で乗っていても一度給油すると800Km走るとそろそろ給油かなという感じでした。仙台に1年暮らした時には、津軽海峡も渡り、東北地方は何周かし、蔵王のスキーには20回近く行ってスタッドレス+チェーンで雪の真っ暗な山道を随分走りました。FFだから雪道にも強く滑らない、ディーゼルは寒さにも強く、故障はゼロ、とても良い車でした。米国留学で乗れなくなるので手放してしまいましたが、それがなければずっと乗っていたい欠点のない車でした。

バブルを過ぎてからディーゼルの鈍重なイメージや排ガス規制などで日本の乗用車からディーゼルがなくなってしまったようですが、欧州車は現在も半分以上がディーゼルでマニュアル車も多数走っていることを考えると私の嗜好は決してださくなかったと自信を深めています。現在乗っているシビックハイブリッドはハイテクの塊なのでリッター21kmで走ってくれますが、プジョー407はせいぜい9キロ台(近場のみだと6k台)です。フランスでは407もディーゼルターボが走っていて燃費もガソリンより良いし、日本でも早くディーゼル車を復活させてほしいものだと思っています。

ディーゼルエンジンはガソリンと違い自然発火であり、発火プラグでなく余熱プラグが付いていて圧縮比を高くするためにエンジンが重く、バッテリーも余熱のために大きいものが必要です。ターボファンは圧縮比を高めるために排気を有効に使えるようディーゼルのために開発されたような装置であり、ガソリンでノックしにくいオクタン価と違い発火しやすいセタン価で油質を決めるなどといった講釈を述べながら運転してました(かみさんからは何のこっちゃ分らんと評判が悪く、その後ガソリン車でオートマに転換)。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 ホンダフリーウエイ250

2008-05-28 21:29:29 | くるま
体験的くるま論 ホンダフリーウエイ250

 今日は自動車ではなくスクーターの話し
 私は大学の時に原付きの免許を取って、その後小型自動二輪、中型と二輪の免許を取ってきました。その度にホンダベンリイ50cc、ヤマハベルーガ80、ホンダフリーウエイ250ccと大型のバイク(スクーター)に乗り換えて来ました。ホンダベンリイ50は実用車でロータリー変速、クラッチ付き、チョーク付きというクラシックな原付きでした。メカをいじるのは嫌いではないので大学1年の時に中古で5万で買いそれなりに楽しみました。
仕事で通勤に使うためにはバイクよりスクーターが靴や服の制限を受けないし、二人乗りが出来るのが良いと80年代以降のスクーターブームの走りであるヤマハベルーガ80を発売と同時に購入しました。当時は80ccでも5馬力で50Km出すのがやっとなスクーターでしたがまあ満足。しかしホンダから250のスクーターが出た時はやはり衝撃でした。

 中型の免許を取って即購入。125cc位のボディに250のエンジンを積んだフリーウエイはとにかく早い。駐輪にも場所を取らず非常に使い勝手の良いスクーターでした。都内の病院に勤務していた時はアパートからスクータで通勤、一方通行や狭い路地が多い世田谷五本木あたりの生活には大変重宝しました。

 初代フリーウエイに10年以上乗って、タイヤも2回すり減って取り換え、さすがに少し古いかなと買い替えを考えましたが、他の大型スクーターを見てもあまり魅力が沸かないんですね。ガタイが大きくて取り回しが面倒であったり、ブレーキも両手使用で、フリーウエイの後輪フットブレーキに慣れているとどうもしっくりこない。結局バイク屋のおじさんといろいろ相談して、そのバイク屋に置いてあった中古の(といっても2代目)のフリーウエイを購入。古いのを5万で売って中古を15万で買ったので10万の出費だけど満足。

 バイク屋のおじさん曰く、「初代のフリーウエイのエンジンの方が、今のホンダの250に付いているやつより性能いいんだよね。壊れないし。」うーん確かに初代フリーウエイは一度も壊れた経験がないけど、中古のフリーウエイは時々エンジンが走行中止まる事があった(またすぐかかるが)。

 現在フリーウエイは製造中止で、後はフォルツアが継いでいるようですが、私は是非フリーウエイを復活させて欲しいと思います。確かに車輪が排気量に比して小さく、高速道路を走るには不安定な所もあるし、二人乗りも重心の面で少し危険でしたが、無理せず安全運転をすれば良いのだし、他のバイクも無理すると危険なのは一緒です。

 ところでバイクは10年位乗れば大体危ない目に会わない安全な乗り方ができるようになりますが、そうなるまでに何回かは「おしっこがちびりそうな怖い目」に必ず会うはずです。私も車の衝突2回、低速でしたが転倒数回して、どのような状況は危ないとか、予測運転で早めにブレーキとか、大型トラックの死角に入らないようにとかが無意識の内にできるようになりました。私は幸いどの事故も怪我することなく済んでよかったと思います。医師をしているとバイク事故で両足切断とか、片腕麻痺で若くして慢性胃潰瘍の女性とか、頚椎骨折で四肢麻痺とかいろいろ悲惨な事例を目にするので、この事故を経験する時期をいかに無事に乗り越えるかが大事なのだといつも感じます。これは原付きも今はスピードが出るようになったから一緒です。バイクはそのつもりで乗るよう若い人には話していますが、危険を回避して乗れるようになると実に快適で便利な乗り物であることは間違いありません。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 ホンダシビックハイブリッド

2008-05-03 23:55:46 | くるま
体験的くるま論 ホンダシビックハイブリッド

長距離通勤をするようになってガソリン代も高くなり、省エネのためにもと思いハイブリッド車を購入しました。2大ハイブリッド車としてプリウスかシビックかの選択ですが、スタイルのさりげなさから迷わずシビックにしました。

シビックを運転していて感ずるのは、日本の技術力は世界一だということです。技術者たちが燃費向上のために「これでどうだ」と言わんばかりに作りこんだしくみが運転の種々の状況で現れてくるのが実に楽しいというか頼もしく感じます。いろいろ車に乗ってきましたがシビックにつぎ込まれた技術力は絶賛せざるを得ません。1万2千キロ乗って買ったときからの総合燃費がリッター20.5km、よく走るとリッター22kmに達するのは大したものです。250ccのバイクに乗っていた時の燃費と変わりません。昔乗っていたトヨタビスタ・ターボディーゼル(マニュアル)はリッター17km走りましたが、そのころと同様800km位走るとそろそろスタンドに寄ろうという感じです。

ホンダのハイブリッドはモーターアシストと呼ばれるもので、トヨタのようにエンジンと駆動モーターを別々に搭載するコンバインド(パラレル)ハイブリッドと異なり、エンジンの一部にモーターを組み込んだものである。機構はパラレルにつないだものより簡素だが、燃費向上率はパラレルよりも悪い。ホンダはハイブリッドによる効率向上よりもエンジン自体の燃費向上技術に自信があって、これを最大限に生かしながらハイブリッドの利点も生かすという方法をとっているようです。運転開始直後のオイルが温まらないうちはそれほど燃費が伸びませんが、長距離を乗るにつれて燃費がのびてゆくのがわかる。もっともこれは聞いたところプリウスも同様らしいです。

<シビックハイブリッドへの苦言>
技術には何も不満はないのですが、スタイルに関しては特徴がなさすぎます。モビリオやフィットなどのスタイルに特徴のある車を作れるのに今のシビックは名前がアコードと付いていても違和感ないです。初代のシビックはインパクトのある車でしたね。フロントグラスがかなり前に張り出しているので運転席の前はかなり余裕があるように感ずるのですが、実際の運転席はさほど広くありません。2段に分かれたインジケーターの関係で運転席に奥行きが必要だったのかも知れませんがもう少しコンパクトにして5ナンバーでも良かったかも。

<シビックハイブリッドの走り>
加速が必要な時は1400ccのフィットのエンジンに強力になったモーターの加速が加わるので特に不満なく追い越しや高速の流れに乗ることができます。しかしやはり燃費を気にしながら最小の回転で70kmくらいの速度を維持したり、40kmくらいの定速走行のときには電気だけで走ったりすることで燃費が伸びてゆくのが楽しく感じます。運転自体は日本車だから癖がないし、エアコンやヒーターを使っていてもあまり燃費に関係ない所や、渋滞や信号で止まっている時はエンジンが止まっているのも良いです。

<隠れた魅力>
今のところ技術を絶賛したいので隠れた魅力といえるものは見当たらないのですが、今後メンテナンスをする段になったらまた書き足すことが出てくるかと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 プジョー407SW

2008-05-01 00:16:18 | くるま
体験的くるま論 プジョー407SW

ベンツVクラスに7年乗って、子供も大きくなってそろそろ自分が安楽に乗れる車がよいと思っていた時に見つけた車である。大きな車だけれど後席は車体の割には狭い。天井はプジョー得意のガラス張りパノラミックルーフだから解放感はあるけれど外が見えなければ低くて圧迫感がある。要はスポーツカー的に運転手が主人公の車であると思って良い。

そのような心構えで乗るととても快適であり、日本での最上位機種だけあって装備は値段の割にはよく整っていてベンツやBMWより割安感がある。低いシルエットと長いノーズ、プジョー特有のつり目のヘッドライトは遠くから見ても存在感があるけれどドイツ車のような強い自己主張がなくさりげなくおしゃれな感じがとても良い。プジョーはセレブな女性に人気があるというのも分る気がする。走りはプジョー特有という「猫足」的なもので出足はややゆっくりだけれど加速がついてくるとぐいっと早くなる、コーナリングの重心移動も滑らかである。下半身の骨格はしっかりしているけどスプリングが柔らかいと言った感じだろうか。2300ccのサイレントシャフト付きエンジンは力強くはないけれど静かで大人の走りには十分、ロードノイズも少なく日本向けのパイオニア純正のカーナビとステレオは音も良くて、冬はベンチヒーターが暖かく疲れた仕事の帰りなど何回か途中で眠りそうになって困った。

<プジョー407への苦言>
眠くならないように飲み物が必要なことがあり、カップホルダーは必要。ブレーキなどの汚れがホイルにやや付きやすい。まあホイルクリーナで洗えばすぐきれいにはなるが。DVD本体がリアの荷室にある、わざわざそこにCDやDVDをセットして使うことは殆どない。

<2万キロ走った感想>
故障が多いという噂もあったが、2万キロ乗ってもスモールランプが切れた程度で全く問題なし。通勤距離がやや長い事もあるがリッター9.5から10キロの燃費をキープできました。空調やオーディオも質は問題ない。シートも硬からず座り心地は長時間のドライブにも支障がない。これはベンツV230のアップライトなシートよりも○である。横幅があってノーズが長いけれど視界は良く、車幅感覚に慣れてしまえば擦る事もないと思う。運転はしやすい車である。ギアはマニュアル的に自分で変えながら運転することも可能ですが、少しは燃費が上がるかと試したものの殆ど変わらず、結局Dレンジに入れたまま走るのが最も楽ということが分りました。まあこの手の車は細かい事を気にせずに堂々と王道を走るのがよい車です。間違っても片側2車線の道路を右に左に細かく車線変更しながら1-2台ずつ抜いてゆくようなしみったれた恥ずかしい走りをする車ではありません。

<隠れた魅力>
パリの街中で見た407はやはりおしゃれなパリの町並みに合っていて良い感じでした。ヨーロッパではディーゼル車が多く、407も1600ccのターボディーゼルで良く走っていたようです。是非407のタクシーに乗りたかったのですが機会がなく乗れませんでした。他車種のディーゼルタクシーに乗った感じでは昔のディーゼル車ほどうるさい感じもなく快適だったと思います。ガソリン高騰の折、日本でもディーゼルを売り出してみてはどうかと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体験的くるま論 メルセデスベンツVクラス230

2008-04-30 19:49:24 | くるま
体験的くるま論 メルセデスベンツVクラス230

自分で運転していた車についての評論です。専門家ではないから誤りもあるかと思いますが、基本的には自腹で買った好きな車についての雑談です。

ベンツVクラスは98年に初めて外車、しかも今までトヨタを愛用していた私が高嶺の花と思っていたベンツを思い切って買った第一号です。かしこまった雰囲気のヤナセに入るのは敷居が高い感じでしたが担当の方の対応も気持ち良いものでした。

その時ライトエース「ノア」初代に乗っていたのですが、これは私が子供の頃こんな車があったら良いのにと想像図を書いたのをそっくり現実化したような良い車で車検が迫っていたものの特に手放す気持ちになれませんでした。他の車にするなら「ノア」を超える良い車しかあり得ないと思い雑誌をめくっていたら何とあのベンツからこのVクラスが出ていた訳です。当時は現在ほどワンボックスやミニバン全盛の時代ではありませんでしたので選べる車種もトヨタはグランビアやハイエース、日産は初代セレナ、エルグランド位しかなくVクラスの実車を見たときの斬新さ、美しさは他を大きく離していました。

<Vクラス(前代)の魅力>
何といっても車内の広さとガラス面が多い事からくる解放感、明るさ。6席全てがキャプテンシートという思い切った豪華さ。グランビアも車内の広さは文句ないのですが、車内の広さに比較して運転席が狭い。何といっても運転手である自分が広く使えなければ広い車に乗る意味がないでしょ。まるで乗り合いバスの運転手みたいで。それに比べてVクラスの運転席の解放感、広さはショウルームで乗った他の日本車ワンボックスには全くないものでした。恐らく現在(08年)でも数年前より各車の運転席は広くなっているでしょうが、当時のVクラスを超えるものはないのでは。今は珍しくなくなったけれどダッシュボードにシフトレバーがあるのも、前の席どおし、また後ろの席までフラットフロアで移動できるのも斬新だった。後から出てくる日本車の多くがVクラスを意識した造りになっていた(特にステップワゴンとか)ので何か自分に先見の明があったように感じたものでした。

<Vクラスへの苦言>
インターネットでもVクラスの故障の多さは話題になっていましたが、ご多分に漏れず私のVも7年で2―3回壊れました。特に電気系統がいかれて自動変速が効かなくなりダッシュボードのあたりを全取っ換えしたこともあります。補償期間内だったから良かったけど。Vクラスがスペイン製だからとか、無理やり右ハンドルにしたからとか言われてましたが、他のベンツがそんなに故障しない(1回位はするらしいけれど)ことからどうもVクラスはベンツの中ではユーザー、ディーラー両方にとって「困ったちゃん」に入る部類だったのかも知れません。しかしヨーロッパに行った時にはあらゆる種類(商用車含めて)のVクラスを頻繁に見かけたからそんなに欠陥車であるはずもなく、これは日本で売られているVクラスに特有のものだったのかも知れません。
ステレオ系が貧弱、2000年の前とはいえカセットとラジオが標準はあまりにも貧弱。400万以上するベンツですよ。オートバックスでCD付けたけど。

<Vクラスの走り>
2300ccではこの大きな車体を引っ張るには重い。でも一度スピードに乗って高速を走っているような時には路面に吸い付くような安定した走りでとても安心感がありました。ノアの時には120キロ超えると空を飛びそうな感じでしたけど140出ても全く不安がない。さすがアウトバーンで鍛えた車だなあと感心。ロードノイズはやや大きめ。都心や狭い路地が多い所ではやはり走るの苦しい感じだったかな。でも大きなベンツマークのおかげで大抵道は譲ってもらえた。燃費はリッター6キロ台で長距離乗る人には辛いかも。

<隠れた魅力>
運転席に座った時のコックピットとスクエアな広い視界は第2次大戦中のメッサーシュミットBf110双発の重戦闘機のコックピットを思わせるんですな。メッサーシュミットのエンジンはダイムラーベンツ(フォッケウルフはBMW)。V280はフォルクスワーゲンのエンジンですが230はベンツのエンジンだったから、横置きでFF、細かな振動がハンドルに伝わるけれど「シュルルル」というベンツのエンジン音は何とも魅力的だったです。実はこれが一番気に入っていた所かも知れません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする