rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

Polikalpov I-16 ICM 1/72

2019-03-25 16:33:41 | プラモデル

 ICMはウクライナの模型会社で、Mini-artとかMasterboxといったユニークなプラモデルを製造するウクライナの模型メーカーの中ではオーソドックスな部類に属します。政変後はどのような活動か不明ですが、製造はICM、販売はイタレリというイタリアの模型メーカーが行っていて、これは大分前に購入したものです。

せっかくなのでエンジンルームが見える様にカバーを開けました。

 

 I-16は小型機ながら700-900馬力のエンジンを搭載してスピード、上昇力などは1930年代中場としては優れていましたが、ずんぐりした形を見ても解る様に扱いが困難で錐揉みからの回復など難しく、また武装も新型の戦闘機には劣るためにMigやラボーチキンなどに次第に取って代わられました。それでも8,000機以上が生産され、20mm機関砲や対空ロケットを装備して爆撃機などへの迎撃を果敢に試みた記録も多く、ドイツ軍を悩ませたようです。飛行特性などを比較的忠実に再現したフライトシミュレーター(IL-2とか)では、性能が上のメッサーシュミットとは勝負にならないのですが、ユンカース87や88などの爆撃機を撃墜することは可能で、それなりに楽しめます。Polikalpovの製造した航空機で、一つ前のI-15は複葉機で戦闘爆撃機であり、上翼を胴体から出して引き込み脚とした改良型の3(tar)はI-153として、その後空飛ぶ重戦車と言われたIL-2(イリューシン2型)の登場まで陸上戦の援護のため多用されました。

20年くらい前に作ったI-153と並べてみました。    実機で飛行中のI-153とI-16

 

 ICMのI-16は1/72縮尺ながら、見えないエンジン内までも精密に再現されていて組み合わせも比較的良好な模型です。しかしカウリング中央のプロペラシャフトの穴がなかったり(1-1.5mmドリルで開ければ済みますが)、昇降舵が可動する不要な機能のために水平尾翼との合わせが悪かったりと凝った所とポカが同居している模型でした。しかし全体としては楽しみながら作れて、良く出来た奇麗なモデルと思いました。

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NHKBS世界のドキュメンタリー「爆弾処理兵 極限の記録」感想

2019-03-19 18:05:33 | 社会

NHKBSで2019年2月26日午後11時から放送されたスエーデン2017年制作のドキュメンタリー作品(原題 The Deminer : Lolav media Sweden)です。イラクに住むクルド人ファーケル少佐は2003年フセイン政権崩壊直後に地雷除去を始めた兵士で、米軍と協力しながらイラク国内の過激派やその後ISなどが仕掛けた爆弾処理を自ら進んで行っています。年に600件を超す爆発物を処理した年もあった(1カ所で複数の爆弾があるのが普通なので爆弾の処理数はもっと多い)と言います。ハリウッド映画のハートロッカーで出て来た様な重装備の防護服を着た爆弾処理兵と異なり、ファーケル少佐はほぼ丸腰のままサクサクとペンチ一本で爆弾の信管を処理して行きます。「怖くないのか?」という問いにも「無辜の市民、特に子供達の被害を食い止めるのが神の意思に従う事だ。爆死したらそれも神の意思だ。」というのが持論で、処理中に3度の爆発で自身も片足を失い、仲間を失う経験をしますが、家族の反対を押し切って爆弾処理を続けます。

主人公のファーケル少佐       ほぼ丸腰で爆弾を処理する(番組ホームページから)
 

最期にISが撤退した家に爆弾がありそうだから「見るだけでも良いから来て欲しい」とある市民に懇願されて家に入るのですが、そこで携帯電話で爆発する爆弾を見つけ、処理している間に携帯がかかってきて爆殺されてしまいます。これ、明らかに爆弾処理でテロリストの邪魔をする彼を爆殺するための罠であったと思われます(片足を失った爆発も彼を狙った罠)。

私は短期間エジプトを旅行した程度しかアラブ人と接した経験はないのですが、同時期に旅行したイスラエルと比べてアラブ人が何の抵抗もなく平気で人を騙すやり口に「友人として付き合うならイスラエルのユダヤ人の方がよほど良い」と痛感した記憶があります。いや人の良さそうなアラブ人もいるのですがね。このドキュメンタリーを見ていても「アラブ人の信用性」というものが良く現れていて、彼らから見たら日本人など「赤子同然」であろうと感じます。そんな信用できない連中を良く知りながらも主人公は要求に応えて爆弾処理に向かって行く。その死生観はどこか「自爆テロをジハード」と言い切るテロリストと少し通じる「彼なりのジハード」の姿を感ずるものでもありました。

紛争地域に自衛官が派遣される危険性が高まっています。自分も自衛官であり続けたらイラクに派遣されていた可能性もあります。映画「ある戦争」もドキュメンタリータッチで臨場感あふれる作りでしたが、このドキュメンタリーは現実であって、実際の爆弾処理がどんなものか理解できる内容で他人事ではない想いでした。他人を傷つけることなく、自らを犠牲にして延々と爆弾処理を続ける彼らに頭が下がる思いであるとともに、これだけ多数の爆弾を仕掛ける人達、また爆弾を作る資金を提供する人達(この金持ち達は安全な所にいる)がいる事に世の無情を感じました。良い番組なので機会があったら見られる事をお勧めします。

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Royal Aircraft Factory R.E.8 Airfix 1/72

2019-03-18 12:53:57 | プラモデル

以前紹介したGladiatorに続いて、1950年代の金型と思われる古いプラモデルを作りました。これもプラモ店で200円で吊るされて売られていたタイプのものです。R.E.8はマニア好みの第一次大戦の英国複葉機で、砲弾の弾着などの偵察用に主に使われたもので、記録によると4,000機も作られた名機です。空冷並列12気筒140馬力のエンジンで160kmの最高速度ということで、非力で扱い難そうなエンジン、煙突のようなマフラーがいかにも初期の飛行機らしく趣があります。

第一次大戦当時の本機 鋼線補強も多く、構造的に華奢な感じがします。  袋入りのプラモデル

右側に並べた単座の戦闘機(Sopwith Pup 小型機なのでScoutと言う正式名よりも子犬と呼ばれていたらしい)と比べて、かなり大型であることが解ります。古いプラモながら、組み合わせはまあまあで、風防は自作です。鋼線類は1/72ではややビジーになるので0.28mmの真鍮線を買って来て少し省略して作りました。

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第二回米朝会談とは何だったのか?

2019-03-08 23:27:32 | 政治

2019年2月27日から28日にかけてベトナムの首都ハノイで米国大統領トランプ氏と北朝鮮金正恩労働党委員長の2回目の会談が行われましたが、周知のように事実上の物別れに終わりました。会談前のにこやかな様子からも、基本的には合意できる前提で会合に臨んだはずですが、このような結果に終わったのはどちらに問題があったのか、現状では明確ではありません。約1週間が経過して少しずつ状況が判明してきましたが、今後より明らかになる事も見越して、現状でどのような分析ができるのか、備忘録的にまとめてみました。

 

予想された合意内容

 

米国としては、一括して即座にCVID「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」には至らなくても、期限が見える形でのCVIDの原則は約束させたかったはず。その見返りに部分的制裁解除をすることは「やぶさかでない」状況だったと思われます。前回のシンガポールでの会談以降、北朝鮮が取るべきCVIDの内容と米国の提供する相応の処置とは龍谷大学の李相哲教授によると以下になります。

北朝鮮の取るべき対応

1.出発点:北朝鮮の核・ミサイル実験の持続的な中断
2.核申告対象と範囲:核武器・ミサイル、核物質、生物化学兵器
3.査察と検証:すべての施設に対する米国専門家の査察と検証の許可
4.廃棄段階:核武器・ミサイル、核物質、生物化学兵器すべてを廃棄
5.最終段階:2003年、北朝鮮が脱退したNPT(核拡散防止条約)への再加入、IAEA(国際原子力機関)の査察の許可

それに対する米国の対応

1.経済:人道的支援、北朝鮮銀行に対する取引の緩和、輸出入制裁の緩和、投資許容
2.政治:旅行禁止措置の解除、連絡事務所、文化交流、金氏一家に対する制裁解除、テロ支援国家指定解除
3.安保:終戦宣言、米朝軍事協力、平和協定の締結および外交関係の樹立

この北朝鮮の取るべき対応を一度に全てではなくても良い(1と2に応ずる)という態度を米国が示したので今回の会談が設定可能となったと言われています。北朝鮮は寧辺にある核施設を廃棄することを示す事である程度の制裁緩和が得られると踏んでいた事は確かでしょう。寧辺は北朝鮮が国威をかけて作り上げた核実験施設群であり、これを破棄する決定は国内で軍を説得する上でかなり思い切った処置であった可能性があります。それはブンゲリの核実験場を爆破し、東倉里の長距離ミサイル発射台を解体したことなどで既に誠意を見せて来た北としてはかなり思い切った譲歩だったと思います。そして2016年から17年末までの間に国連が科した民政部門の制裁の解除を要求したと李容浩外相が会見をして発表しました(つまり全面解除の要求ではないと)。

 

どこが噛み合なかったか

米国は寧辺だけでなく、分江(プンガン)などにも地下濃縮ウラン工場があり、小規模な物を含めると寧辺以外で核兵器を年間2-3個は作る能力があると分析しています。米国としてはこれらも既に把握しており、核廃棄のスケジュールに載せてこなければ話にならない、としたのでしょう。しかし北はそれを認めれば本当の核廃棄になってしまう。今回ハノイに来るにあたって、首脳#1−3までを連れて国を空にして来ており、軍の虎の子を全て明け渡す約束を勝手にしたのでは寝首を掻かれる(クーデター)可能性さえあったかも知れません。だから正恩が「もう一歩を踏み出すことはない。」とトランプに指摘され、今回まとまらなくても国家として困る事がない米国は会談の席を蹴って退席したというのが実体ではないでしょうか。

かなり困った北朝鮮

2016年からの国連が科した経済制裁がかなり効いていた事は今回の北朝鮮の期待(メディア)、決裂してからの慌てぶりなどに現れています。また寧辺の核廃棄も国内の軍を説得するぎりぎりの線であった可能性もここに来て(3月8日)一度解体した東倉里のミサイル発射施設を復旧稼働させた事からも推察されます。某未来人の予言では2019年3月に北朝鮮がハワイに向けて核ミサイルを発射したことから第三次大戦が始まる、なんてことになってますが、あながち架空の話でもなくなってきたかも知れません。

 

上に対して復旧したとされる施設(下矢印)

 

これからどうなる?

金正恩の本音は核を廃棄して体制保証と制裁を解除してもらい、米国・中国の資本を導入、日本から資金援助をもらってベトナムのような繁栄を勝ち取りたい所でしょう。建国以来の国民への様々な非人道的処遇(強制収容所とか)も自分が国外にいた時点で先代の指導者や幹部達がやってきたことであり、自分に人道的な非はないことにしたいでしょう。行く末は国内において自分と利害を共にする同士達の協力をいかに得て、自分に反対する軍や政治幹部達に今までの非人道的政治の責任を負わせて粛正できるか、に掛かっています。逆に責任を負わされる立場の旧来の人達はいかに効果的に暴発して正恩を排除できるか(どこかで中国等と通じて)が正念場です。トランプとしては今回どちらに転んでもあまりマイナスにはならないので焦りはありません。あくまで北朝鮮にゆさぶりを掛けながら正恩氏が望む方向に持って行くのがディールの勝ちにつながると考えるでしょうが、反対派が暴発した時には、中国と連携してうまく収める(戦争にならないように)事を画策するでしょう。その中では韓国の文大統領はあまり役に立ちませんが、韓国軍の動きは掌握して在韓米軍といつでも行動を起こせるように準備だけはしておく必要がありそうです(基本的には米韓同盟の維持)。

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