rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

Heinkel He-111 H-6 (ハセガワ1/72 2004年)

2019-11-11 18:35:05 | プラモデル

 ハインケルHe111は、第二次大戦を通じて活躍したドイツ空軍の爆撃機でH型は多くの派生型を含めて7,000機の生産台数に達したと言われています。もともと旅客機として設計された流麗な姿で丸くやや後退した翼は設計当時の最先端の技術であり、良好な前方視界を得るため複雑なガラス面からなる機首が特徴です。

 小学校時代に見た映画、空軍大戦略(Battle of Britain)で当時スペイン空軍で使用していたハインケルの実機を買い取ってそれを縦横に飛ばし、第二次大戦初戦の英国上空の戦いを再現した様は子供心に「イギリスもドイツもかっこいい!」と感嘆したものでした。1960年代に使用していたハインケルは戦後のライセンス生産でエンジンはロールスロイスだったということですが、細かい事は抜きにして当時は発売されていなかったハインケルのプラモデルを「いつかは作りたい」と思いつつ買いだめ状態であったものを遂に作りました。

 プラモデルは2004年の金型ですが(現在は発売なし)安心して作れるハセガワ製のプラモデルらしい完成度でハインケルの流麗なフォルムが良く再現されていると思いました。翼端下面と胴体の黄帯は東部戦線を表すカラーで1942年当時のものです。当時好敵手であったポリカルポフI-16を並べてみました。

 ロンドン郊外にある英国空軍博物館には実機が展示されており、前面の風防の様子などが良く解ります。最近の映画はCGの技術が進んで現在手に入らないクラシックプレーンも実際に飛んでいる様に再現することができますが、当時の空軍大戦略の様な実機を飛ばして、いにしえの空軍同士の戦争活劇を撮ることはもう不可能だろうと思います。離陸にしても重い爆撃機が微妙に機体が傾いた状態で上がって行く様などはCGでは再現できない趣というものがあります。

イギリス空軍博物館のHe111実機 Battle of Britainを記念したコーナーに展示されている。

 最近はプラモデル作りも趣味として見直されて種々の専門書や雑誌が発売され、様々な小道具も購入できるので、小中学生の頃自分で工夫しながら作っていた頃とは隔世の感があります。ただ専門雑誌などでプロと称する人達が作るミリタリープラモは流石に精工で感心するのですが、一点「汚し」をやり過ぎているのではないか、却って実際から外れてしまっていないか、と感ずることがあります。陸軍系が戦場で泥にまみれているのは理解できますが、空軍系は帰投するたびにかなり時間をかけて整備します。表面の色はげはある程度仕方ないとしても必要以上に汚しを付けるのは「整備不良」の印象を与えます。陸軍系であっても時間があれば車体を洗浄して整備するのが今も昔も軍隊の常で、武器はいつでも最良の状態を保たなければ最高の戦力を発揮できませんし、使用する軍人達の命にかかわる問題になります。海外のモデラーを含めて、自分が軍隊にいた経験があればその辺りは実体験として理解しているはずですが、どうも「自分が上手い」と思っている人達もその辺の理解は乏しいように思います。だから私は自分の作品にあまり「汚し」を入れる気がしません。却って本物から遠くなるからです。


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