rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

新型コロナ・オミクロンBA.5流行とワクチンの効果

2022-07-25 18:47:57 | 医療

しばらく新型コロナ感染症の話題についてはブログで取り上げてきませんでした。それは2020年の3月の時点で、私が科学的事実に基づいて判断した様に「新型コロナで人類は滅びることはない」「豚インフルエンザと同様にある程度皆が感染して集団免疫を持つことが収束につながる」という結論が揺るぎない事実だと既に証明されたからです。mRNAワクチンという人類が使用したことも、それで感染症を抑えたこともない「未知のワクチンの危険性」について警鐘を発しましたが、それについても正しいという結論が出ています。だから結論の出ている話題について、ニュースの度にブログで取り上げる必要もないと感じていました。異論を感ずる方もおられるかも知れませんが、封じ込めで一時世界の手本の様に持ち上げられたニュージーランドやオーストラリアは現在人口あたりの感染率、死亡率共に日本を大きく上回り、世界でもトップになっています。

(引用開始)

 【ウェリントン・ロイター=共同】ニュージーランド保健省は22日、16日までの1週間に死亡した新型コロナウイルスの感染者が151人に上り、死亡率が過去最高水準となったことを明らかにした。過去24時間では26人が亡くなり、全員60歳以上だった。

(引用終了)

100万人あたりの新規コロナ感染者数(左)と死者数(右)ニュージーランド(青)オーストラリア(緑)は日本(茶)と比べても現在ダントツに多い。

 

I.  今までで一番大きい第七波

 

初期の武漢株から始まって、α、デルタ、オミクロン(BA1.2)など変異株が流行する度に感染力が強くなり、反比例するように毒性は弱まってきました。感染力が強いと言う意味は、宿主細胞へ侵入しやすく、宿主細胞内での増殖が速いという事であり、侵入経路に近い所、経気道的であれば咽頭や上気道で感染して増殖するという事です。結果、潜伏期間は短くなり、宿主の免疫反応も侵入経路に近い所で起こるので肺の奥深くで重篤な免疫反応が起きて呼吸不全や肺臓炎といった重篤な症状を呈さずに回復に向かう事になります。BA.5株というのはいままでより一層感染力が高いということなので、潜伏期間もインフルエンザの様に1-3日症状も軽く、重傷者が少ない傾向にあります。一気に患者が増加して急速に収束するという経過を辿ることも、今まで経験してきた通りでしょう。この勢いで患者数が増加すれば、8月初旬には収束に向かいます。

 

II.  感染、発症、重症化という言葉の医学的意味を理解しているか

 

一般の方と話をしていて感ずるのは、医学的な言葉の定義を理解していないので、説明している内容が理解できていないと思われる事です。ウイルス感染症は1)ウイルスが体内へ侵入 2)ウイルスが宿主細胞内へ侵入 3)宿主細胞内でウイルスが増殖 4)細胞外へ排出されて近隣の細胞に侵入増殖 5)宿主の免疫が反応 6)ウイルスの排除 という経過を辿ります。ここで「感染」とは2,3,4までの過程を言い、「発症」とは5の免疫が反応して発熱や咳など具体的な症状が出た段階を言います。新型コロナ感染症の場合、人工呼吸器が必要になる様な「重症化」とは、ウイルス感染が重度であるというよりも、宿主の免疫反応が大きすぎて宿主自体を破壊してしまう「サイトカインストーム」と呼ばれる抑制の効かない免疫反応が起きている事を意味します。だから重症コロナ感染症には「抗ウイルス剤」とステロイドや免疫反応のインターロイキン6を抑える抗体を用いて、反応しすぎた免疫を抑える薬剤を使用します。コロナの場合、エボラ出血熱の様にウイルスの毒性が強いから重症化している訳ではありません。「新型コロナウイルスで人類は滅びない」という意味が理解できたでしょうか。

左からウイルスの接触、細胞に感染して増殖し免疫が反応する発症、激しい反応による重症化と過剰な反応によるサイトカインストームの状態。

 

III.  「ワクチンは重症化を予防する」は本当だろうか

 

厚生労働省が2022年5月に発行した、新型コロナウイルス感染症「診療の手引き」7.2版という定期的に改訂される公式ガイドブックがあります。その15ページ目に「ワクチンによる重症化予防効果」と題する段落があるのですが、下に示されている内容が全てです。「米国における死亡リスクが未接種者0.3%であるのに対し、2回接種者0.08%追加接種者0.07%だった」というのが、メディアなどでしつこい程「ワクチン接種で重症化が防げる」と宣伝している論文的根拠の様です。前の段落で示した様に、新型コロナウイルス感染症の重症化の本態は「サイトカインストーム」にあります。ワクチン接種がサイトカインストームを予防した、とする論文はいくら検索をかけても出てきません。2022年1月に出された総合的レビューにおいても、ワクチンがサイトカインストーム予防に有用であるという科学的論文はないと記載されています(下図)。逆に「ワクチン接種に伴うサイトカインストーム誘発」についての論文の方はあります。

厚労省の手引きに示された「ワクチンによる重症化予防効果」についての記載(一部でなくこれが全て)。

2022年1月に雑誌Medicinaに掲載されたレビュー(黄線部にワクチンのサイトカインストーム予防の論文はないと明記)

 

iV.  腸内細菌叢による腸―肺循環が新型コロナ感染に影響か

 

詳しくは触れませんが、腸内細菌叢が免疫に与える影響が大きい事は既に常識です。同じアジア人でも日本人と中国人では腸内細菌叢の細菌分布が異なることが報告され、日本人は世界でも独特の腸内細菌叢のバイオグラムを呈しています。日本人に新型コロナ感染症の発症や重傷者が少ない事は科学的事実として認識されていますが、その理由が腸内細菌叢の独自性にある可能性も指摘されています。日本人は主に発酵により生じた水素が酢酸生成に消費される細菌叢を持っているのが独特であると言われます。これらが具体的にどのように影響しているかは明らかではないのですが、過剰な免疫反応であるサイトカインストームを制御する何等かの腸―肺循環系が明らかになる日も来るかもしれません。

日本人(JP)の腸内細菌のバイオグラムが中国(CN)や他の民族と異なるという結果

 

V.  Covid後遺症の本態

 

新型コロナ感染症に罹った人が、治ってからも息苦しさや脳に霧がかかったような症状(brain fog)に長期間悩まされる事が報告され、Long Covid症候群などと呼ばれています。またこの後遺症があるから「新型コロナ感染症は普通の風邪ではない」と言い切る人もいます。これらの後遺症発生の詳しいメカニズムは明らかではありませんが、ウイルスの細胞への侵入口である各種細胞にあるアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)から、ウイルスが組織に侵入して増殖することで、それぞれの臓器で慢性的な炎症が継続する事が原因だろうと言われています。また毛細血管の炎症で微小循環の障害が起こり、脳などに小さい障害部位が散在して発生することも考えられています。今の所、対症療法と地道なリハビリテーションしか有効な手はないと言われています。ワクチンがLong Covidの予防になるか、という問題については、残念ながら2022年5月のNature newsで大規模研究によっても僅かな効果しか期待できないと結論づけられています。

コロナ感染症に続く各部位の後遺症を示す図と、ワクチンはあまり後遺症予防に効果がないとするNatureの記事。

 

テレビなどに出演する専門家の方達は、多くの科学的知見が報告されてきているのですから、正しい知識をメディアで広めてくれることを大いに期待します。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Short Stirling Mk.IV, WACO CG-4A Hadrian 1/72 ITALERI

2022-07-24 15:57:46 | プラモデル

英国3大重爆の一つであるショート・スターリングMk4を作りました。スターリングは後発のハリファックス、最も成功したランカスター爆撃機が当初双発爆撃機として設計されたのと異なり4発機として設計開発されました。大量の4発重爆による戦略爆撃は、当時としては全く新しい戦略思想によるもので、総力戦として市民を巻き込んだ全面戦争になった第二次大戦において、都市を丸ごと廃にする無差別爆撃につながる物でした。ただ初めての4発重爆として種々の制約を受ける事になり、後発の2機に主役の座を譲ることになります。格納庫の制限などから、胴体に比べて主翼の幅が狭い事が、模型でも上方からの写真で解ります(低アスペクト比)。これは当然飛行安定性不足や失速につながります。また飛行艇メーカーであるショート社が中翼設計にしたため、主車輪が複雑で巨大な装置になり、四角い胴体の割に、爆弾槽が中型爆弾までしか搭載できないなど、性能面で問題が多いものでした。初期の爆撃機型(Mk I.II.III)も重武装で後続距離が長く、大戦初期から中期には活躍しましたが、結果的に後方銃座しか持たない輸送、グライダー曳航用のMkIVが577機製造され、大戦末期まで活躍しました。

エンジンはブリストル・ハーキュリーズMk16 1,650馬力 4基で最高速度434km 航続距離は3,240kmでした。

降着装置が複雑 その辺についても、模型での再現性はとても良い。 アスペクト比の小さい構造

Mk IVは機首の銃座もなく、ガラス面が多い。 後部銃座の下方に飛び出している構造物がグライダー曳航用のタグ。

機体内部の作り込みは精緻で航法士席には定規もある。シートベルトもエッチングでセット。   後方の扉は開けた状態で空挺隊員(Heller製)が梯子に乗っている所にしました。

英軍で使用されたグライダーはAirspeed Horsaが最も多いのですが、米国製のWACO CG-4もローマ皇帝Hadrianの名前で多用されました。ホルサに比べてハドリアンは小型であり、双発のCー47スカイトレーンやダコタ輸送機などでも曳航可能であった上、操縦席が上方に跳ね上がる事でジープや75mm榴弾砲、37mm対戦車砲などが容易に積載可能であったため重装備を持たない空挺部隊に重宝されました。現在はヘリによる輸送や、パラシュートを使って重装備を降着させる技術が進んだために空挺グライダーの需要はなくなりましたが、当時は使い捨てにされるもののグライダーによる敵地侵入は最新の戦術でした。荒地で着陸に失敗する損失も多かったと言われます。陸軍兵で操縦経験のある者は積極的に採用され、操縦員として訓練されました。

操縦席を跳ね上げて胴体から重装備の積載が可能。その際は尾部を支柱で上げて出入り口を下げる。グライダーの操縦手と空挺隊員がキットに付属している。

模型は老舗のイタレリ製で、デカールも扱い易く、綺麗なカルトグラフ製なので安心して作れます。特に操縦席や機体内部の作り込みは秀逸で、4本のスロットルなども再現され、見えなくなる前に写真に撮りました。グライダー曳航、空挺部隊輸送用のMk4に合わせて、古い金型ですが同じくイタレリ製のCG4Hadrianも作って、以前作って壊れずに残っていた1/72のウイリスジープと合わせてみました。ノルマンディー上陸作戦から映画「遠すぎた橋」で描かれたマーケットガーデン作戦の頃まで使用されたインベイジョンストライプを機体に書いたものを作りました。操縦席を跳ね上げて重装備を載せる場面の機体の説明資料がなかなか見つからないのですが、機体尾部を支柱で持ち上げて搭乗口を低く保つ様が米国の空挺博物館などで展示されているのでそれに倣いました。

Glider tug(爆撃機)と曳航されるGliderを並べてみました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍元首相の死亡について

2022-07-13 15:18:12 | 政治

2022年7月8日、参議院選挙投票の2日前に、奈良県で候補者支援演説中に自民党の安倍元総理が41歳の元海上自衛官(20年前に任期制で採用)、現在無職の山上徹也に自作の銃で撃たれて死亡しました。評判はいろいろでしたが、一人の人間の命が奪われた事は事実であり、ご遺族の方に哀悼の意をささげ、安倍元総理のご冥福をお祈りします。

発砲による白煙。花火用の火薬だろうか、高性能炸薬ではこのような煙は出ない。

 

I.  テロ(襲撃)が目的で死亡は偶発的ではないか

 

 多少銃や銃創について専門的な知識のある自分としては、どのような医学的経緯で安倍元首相が死亡するに至ったかを検証できます。しかし各報道などを見ても、正しく検証しているものを目にしないので敢えて記事にすることにしました。まずは誤魔化しようのない治療にあたった大学医師たちの会見から。

治療にあたった大学医師達の会見

(引用開始)

安倍元首相が死亡、搬送先の奈良県立医大が会見頸部に銃創2カ所、心室と大血管が損傷、輸血100単位以上

     レポート 2022年7月8日 (金)

 奈良市で演説していた安倍晋三元首相が7月8日、男に銃で撃たれ死亡した事件で、搬送先の奈良県立医科大学病院が会見を行い、対応に当たった救急診療科部長の福島英賢教授が、「頸部に2カ所銃創があり、心臓の心室と大血管を大きく損傷していた。止血を行ったが、残念ながらの結果となった」と説明した。死亡確認は午後5時3分、死因は失血死とみられる。

 同病院の外来処置室で、当初は10人以上、最終的には20人以上の体制で対応に当たった。福島教授によると、頸部前面の中央より少し右の部分に、5cmほど離れて2カ所の小さな傷があり、左肩前面に射出口と思われる傷が1カ所あった。銃弾は発見されていない。

 救急隊が接触した時から心肺停止状態で、同大に到着時、救命はかなり厳しい状態だったという。外来処置室で蘇生的開胸術を行い、100単位以上の輸血を行ったが、「大量に出血し凝固する力を失っていた。いろいろなところから出血しており、完全に止血できたとは言えない。ある程度大きな血管はコントロールできたが、心拍は再開しなかった」(福島教授)。

(引用終了)

 この会見から解る事は、演説台より下方から撃たれた2発目の銃弾(内容6発)のうち2発が後ろを振り向いた安倍氏の頸部に前から当たり、体内で(90度以上)方向を変えて1発は反対側の左肩前面に射出、もう1発が大血管を損傷して心臓に達して致命傷になった、という事実です。何故何かに跳ね返った如く90度以上方向が変わったか、本当は安倍氏が台の下に伏せってから上方から小型の銃器で別の者が撃ったのではないか、といった検証しようがない疑惑については触れないで置きます。

 

II.  たまたま致命傷になったLow velocity wound

 

 銃創には狙撃銃などの長距離射撃(400m以上)に用いる高性能炸薬を用いて、長い銃身(バレル)からライフリング(旋回)しながら発射される弾丸によるHigh velocity woundと、ピストルなど近距離から少ない炸薬で発射された弾丸によるLow velocity woundに分かれます。High velocityの方が、高速で旋回しながら組織を破壊するので射入孔が小さくても射出孔が大きく、致命的です。Low velocityでも近距離から撃たれた場合は致命的ですが、運悪く脳や大血管などを損傷しないと即死には至りません。しかし安倍氏はビデオを見る限り、倒れて直ぐに心肺停止に至ったことが解ります。

弾がどこに飛ぶか分からない様な自作の銃

 

 現場ではAEDが用いられています。誤解している方も多いですが、AEDの大事な機能は心室細動の除細動のみでなく、脈を触れない状態が「心室細動」か「心静止」か、を正確に判断して「マッサージを続けよ」か「除細動を行う」かの指示をアナウンスしてくれる事です。この判断は医師よりも正確と言われています。騒然とした現場で脈も触れない状態であれば「心静止(停止)」か「心室細動」か正確に判断するのは困難で、AEDは極めて有用です。安倍氏に心マッサージを続けている事は「心停止」状態であり、AEDが「マッサージを続けてください」というアナウンスを行っていたことを意味します。周囲に血痕が見えない事から、小さい傷はあるものの、胸部を撃たれていない安倍氏が何故すぐに心停止に至ったのか、あの状況では判断できなかった事が伺えます。だから大学病院で救命手術が行われたと考えられます。

胸部に傷はなく、心停止に至りAEDが用いられた。

 

 私は心肺停止で搬送されて亡くなる死亡例を月に20件以上検討していますが、月1-2例は心臓を出て直ぐの大血管の解離性動脈瘤や動脈破裂によるほぼ即死の例を見ます。多くは死亡後のCTで血胸(胸腔内大量出血)と心タンポナーデ(心膜内出血)で死に至っています。安倍氏は体内で変向した弾丸で、この胸腔内大血管損傷と同じ状態になって自分で台から降りる所までは可能であったけれどもその後直ぐに心停止に至ったと医学的には説明可能です。搬送された病院ではまずCTを撮って何が起こったか診断され、血管修復の手術になったと思われます。撃たれた事と関係のない、心原生の心停止であれば、内科的処置で救命の可能性もありました。血管損傷の修復には体外循環(vaECMO)を回しながら行うとしても、結果的に2万cc輸血した事は理解できます。

 

III.  襲撃の動機は脅迫?

 

 メディアではやっと統一教会の名称を出しましたが、犯人は「母親の教会活動」による破産が犯行の動機という「まとめ」にしたい様で、繰り返しそう決めつけた報道をしています。統一教会は、教祖の文鮮明が死亡してから、4つに分裂して、激しく内部抗争を繰り返している、と言われています。

 安倍晋三氏は祖父の岸信介の代からずっと兄弟分で、所属する 統一教会の主流派の 韓鶴子(ハン・ハクジャ、文鮮明の妻、今の教主)及び3男坊の文顕進(ぶんけんしん)派 のセクトに属している、とされます。一方対立する4男坊、5男坊派はそれぞれに勢力を伸ばしていて、特に5男坊派は武闘派(サンクチュアリ教会)で過激であると言われます。

 この5男坊の文亨進(ジョーン・ムーン)のサンクチュアリ教会は、 アメリカの銃のメイカーの大手のひとつ、トンプソン社のオーナーで、母親と3男坊の文顕進派は、大砲の砲弾を作る会社を持っており、もうひとつの、4男坊派、は、ドローンのコントロール・チップの特許を持っているそうです(副島隆彦氏からの情報)。従って、統一教会の一族は米国の政治家達にも有形無形の影響力を持っており、安倍氏とトランプ氏(娘婿のクシュナー氏が統一教会と関係が深い)の早期会談実現を取り持ったのも統一教会であるとも言われます。犯人の山上徹也は少なくとも直系の統一教会の会員ではない(母親は会員と教会も認めた)とされますが、対立する派閥と関係があるかも知れません(ただの推測です)。

 

 しかし殺傷能力が限られている自作の銃器で演説中の安倍氏を襲撃したのは、どこまで本当の殺意か分かりませんが、政治家への脅迫、脅しの効果は十分あったと思われます。今後今まで付き合いの深かった政治家の人達(日米ともに=日は日本会議の面々、米はヒラリー、ジェイク・サリバン、ビクトリア・ヌーランドなど)は、直系の統一教会とは距離を置かざるを得ないのではないでしょうか。

コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Society 5.0 は必然か

2022-07-05 17:18:34 | 社会

I.  既定路線として学会でも語られるSociety 5.0

 2022年7月1-3日に横浜で開催された第67回日本透析医学会総会に出席してきました。Web開催でなく、対面で普通に実施されるようになったのは喜ばしいことで、久しぶりに友人に会うこともできました。しかし、auの通信障害で連絡が取れず思わぬ苦労をしました。待ち合わせ時間は事前に決めていて、会場で連絡を取って会うことになっていたのですが、携帯がつながりません。大体いつもこの辺で待ち合わせ、という場所に向かうと相手も同じように携帯を持ってウロウロしていたので会えたという、結局「アナログな感」が最後は役に立ったというオチでした。

セミナーなどに参加した中で、時代を象徴した様なものがあったので備忘録として記しておきます。

〇 「高齢透析患者を地域で看てゆくために・・」と題した滋賀県の腎ケアセンター長の講演では、

  • 維持透析新規導入患者の平均年齢が70歳を超えてきた現在(15年前頃に60歳を超えて今後透析は高齢者ばかりになると騒がれた)、新たに導入された人は、平均余命が非透析患者の半分であることを考えると、導入と同時にどのような終わり方(終活)を本人、家族と考えなければならない。
  • 病気がなく過ごせる「健康寿命」は「平均寿命」よりも10年短いのが実情。自宅で死にたい(60%)、できればピンピンコロリ(PPK)で死にたいが77%と、寝込んでも長生きしたい(ねんねんころりNNK)23%を大きく上回っている。また核家族化で老々介護が殆どになっている実情から、健康寿命を過ぎたと考えられる高齢透析患者の日常の病態把握をいかに行うか、訪問看護やIOTの活かし方をどうするかが課題のままである、と提起されました。

 

〇「IOT技術革新による今後の透析医療の遠隔診療・・」と題した埼玉医科大学腎臓病センター准教授の講演では、

  • Society 5.0の実現に向けて、個人の医療データをBig dataと融合し、5Gの次世代である6Gを活用して遠隔診療の実用化に役立ててゆく事が望まれる、と講演されました。

 

話題になったSociety5.0というのは聞きなれない言葉だったのですが、既に政府では今後の日本社会の進むべき既定方針のごとく内閣府のホームページなどで紹介されています。

内閣府の説明によると、Society 5.0とは狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されたものだそうです。具体的には「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」という触れ込みになっています。

内閣府によると、現在はSociety4.0 プラスα 位の所らしい。

 

さらっと書いてあって、何かとても素晴らしい社会の様に描かれていますが、「けっこう危ない」「とんでもない」社会になる可能性もあります。仮想空間と現実空間の融合は、既にアバターによる仮想会議への参加や仮想旅行などで今回のコロナによる現実社会への強制的な参加制限でかなり現実化されました。映画「マトリックス」で描かれた社会は、現実の人間は全て睡眠状態にあり、仮想空間でのみ完全な管理統制下で生活をするというものでしたが、サイバーとフィジカルな高度な融合は究極的にマトリックスの世界を現実にすることも可能になります。コロナ騒ぎは世界統一政府one worldを目指す経済支配者達が、ダボス会議の決定に従って「経済リセット」ならぬ「社会リセット」の加速化を目論んでSociety5.0の世界を庶民が進んで受け入れる様に仕組んだ、という陰謀論もあながち的外れではなさそうです。

人口知能がヒトの暮らしに高度に融合して入り込んでくるらしい

 

II.  仮想と現実の高度な融合を人類は望んでいるのか

 

21世紀は20世紀よりも医療を含む科学が進んだ分、そこに生きる人間の「知性」も進むべきだ、と私は思います。しかし内閣府のホームページに示される如く、Society5.0の目指す「社会は日々の生活が快適で楽しく、サービスは必要なだけ提供され、安全安心な社会」とされます。これで本当に人間の知性は研ぎ澄まされたものになるでしょうか。むしろ何も考えず、「煩悩に委ねて必要なサービスをAIに要求すると立ちどころに叶う」だけの社会が待っていると言えないでしょうか。仮想を現実化させれば、脳に現実であるという刺激を与えるだけですからどんな快適な生活も可能になるように思います。

やたらラクで快適になるらしいSociety5.0

 

 コロナ騒ぎ以降、「この対応が本当に必要か」を問う原初的な問いは封じられ、反証可能性が担保されなければならない「サイエンスの結論」が宗教的教義のように「政府見解と異なるものは発言も禁止とされる状態」であることに意義を唱えない政治、メディア、社会があります。権力者たちは、「科学技術は進んでもヒトの知性は劣化させよう」という方針なのでしょう。知性は厳しい環境にあるほど磨かれる可能性があります。Society5.0の実現には邪魔なものとも言えます。

 

III.  ペット化する人類

ヒトもペットの様にマイクロチップ埋め込みが義務化されるか

 獣医学の世界はヒトを扱うよりも倫理的に緩い部分があり、それでいて生物学としてはヒトと同じなのでヒトでできない事、特にペット管理学的な分野では人間よりも先に進んでいると思います。ペットの犬猫には取れてしまう「タグ」ではなく、管理用のマイクロチップの皮下への埋め込みが義務化されました。マイクロチップはヒトにも埋め込まれて、電子決済や本人確認、ワクチン接種証明などへの実用化が既に行われています。ダボス会議の主催者クラウス・シュワブ氏もマイクロチップを人類は埋め込むべきとテレビインタビューに答えています。アップルウオッチは既に装着しているヒトの生理的データを収集してBigdataとしてクラウドに送信する機能を持っているようですが、IOT技術革新による遠隔医療を実現するには、まさにこの技術が必須です。血圧や心電図のみならず、皮膚から血糖値や今後はセロトニンなどの感情物質や感情による皮膚抵抗の変化を測定することで装着しているヒトの感情をもデータとして収集することが可能になるでしょう。

「マイクロチップを脳や皮膚に植え込むのです」と答えるクラウス・シュワブ氏

 

IV.  個人に対応するAI

 

 個人の生理的なデータをクラウドに送信できたとしても、それを医療者が24時間適時、適切に反応して対応するのは困難だと思います。ヒトは具合が悪い時に、何等かの対応をして欲しいから情報を送る、今ならば電話をかけて助けを呼ぶのですから、適時適切に対応するためにはAIが自動的に対応するしかなくなると思います。Bigdataを活用してそこから導き出された適切な答えを、データ送信をした個人に返すのであれば、遠隔診療や自動診療(バーチャル病床とも言われる)も可能になるでしょう。ただそう言った対応を本当にヒトは望んでいるのか、という問題があります。

医療もSociety5.0の柱であることを示す内閣府の資料

 

 80歳を超えて、特にやることもない。家族も疎遠。腎不全になって透析導入。透析管理のために食事や飲水などの生活は厳しく管理されている。毎日の生活のために透析しているのか、透析のために生活しているのか分からないというお年寄り、実は沢山います。骨粗しょう症で脊椎圧迫骨折、結果運動機能低下、認知症も悪化、骨強化のための投薬、水や食事はそれほど採れないので相対的に高カルシウム血症、結石形成、結石性腎盂腎炎で敗血症、ICUで濃密治療、治ったけど今後の医療や生活はどうする?本人(家族も)少しも幸せそうでない、といった実例は事欠きません。死生観や哲学に裏打ちされないSociety5.0なるものは日本人を幸せにするのでしょうか。今ならまだ考える余地があります。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする