rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ご主人様の命令2008年度版

2008-10-26 20:56:23 | 医療
(http://www.ustr.gov/assets/World_Regions/North_Asia/Japan/Regulatory_Reform_Initiative/asset_upload_file931_15171.pdf)に10月15日付けでアメリカ政府の日本に対する年次改革要望書2008年度版が出ています。私は医師ですから気になる医療の所について主にレポートしたいと思います。

まず医療についての全体の印象は特に目新しい部分はないのですが、随分と具体的な指示を出すのだなあと感心する部分もありました。以下紹介します。

まず医療の前にあるIT関連の部分ですが、「電子カルテを導入してWHOなどの定める標準的記載と合わせるようにしなさい。」と言う部分があります。医療制度の遅れたアメリカに言われる筋合いはない、余計な御世話だという感想ですが、厚労省の電子カルテ推進委員会の報告(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/05/s0517-4.html)にあるように「医療分野の情報化の機運の高まり(=対日要望書でしつこく要望されるから)」もあってどこの病院も電子カルテを無理やり導入させられる運命にあります。何故アメリカがしつこく要求するかというとWHOなどが定める標準的記載(ICDなど記号で医療情報をまとめられる)という部分が重要な訳です。これは後の医療分野の要求の本文である「薬や器械を沢山買ってね」という部分に生きてくるからと思われます。(政府に来年3月までに電子調達システムを作れみたいなことを言ってる部分もあつかましいと思いましたが)

電子カルテの功罪についてはアメリカの学会誌などでも議論がなされていて良い面、悪い面があると指摘されています。情報の共有という点では良い事は間違いないのですが、人間の繊細な病状をフリーハンドで記載できないこと、また決まり切ったことを記号化や番号化するのは良しとして分類しがたいものを無理に分類することで真実から離れてしまう危険性が省みられていない事なども危惧されています。日本ではご主人様の命令があるので「始めに導入ありき」で議論が進められます。

医療と薬品分野での要望は前に紹介したような医療行為そのものの市場開放は命じられていませんが、アメリカで開発された薬品、医療機器などをより早く、より高く買いなさい、と指示されています。

具体的事項として、診療報酬改定の「前」にアメリカの医療産業の意向を聞きなさい。中医協はアメリカの薬品会社の意向を聞いて薬価を決めなさい。開発に費用がかかったものはその旨薬価に含めなさい。新薬の処方制限を30日にのばし(現在は14日)、その制限期間は半年にしなさい(現在は1年)。予防医学的薬やワクチンの使用範囲を広げなさい。診断用キットなどをもっと導入しなさい。血液製剤は金がかかるので薬価を高く設定しなさい。

新薬導入までの期間を短縮しなさい。そのためにはアメリカの臨床評価をそのまま受け入れる体制を作り、医療機器については導入審査をする人員を増やし、年2回はその経過と成果を公表すること。バイオマテリアルの素材基準はISO10993(要はアメリカ採用の基準)に合わせること。

血液製剤で買血か献血かという表示はしなくて良いようにすること(アメリカは買血が多い)。

健康食品やサプリメントはもっと輸入を簡潔にし、医薬品としての制限を少なくし、しかもその効果などについてはアメリカで表示して良いと認めたものは四の五の言わずに表示を認める事。

などが記載されています。来年の4月から新薬でも30日処方が可能になったら早速命令が実行されたと考えるべきでしょう。

医療以外の部分は少ししかまだ読んでませんが、例えば法律関係では外国人弁護士(gaibenと記されています)がもっと活動できるようにしろとかいろいろ厚かましく具体的に記載されています。

脳出血を伴った妊婦が急患として受け入れが遅れた問題では日本の産科救急の体制が問題になり、医師不足が原因であるとして舛添大臣が都立墨東病院に事情聴取に出向くなどパフォーマンスが繰り広げられました。日本の妊産婦死亡率は世界一低く、明治の頃までは妊婦の10人に一人は亡くなっていたこと(今でもサハラ以南のアフリカ最貧国の妊婦死亡率は7-10人に一人です)を考えると夢のような状態と言えます。それでも「現在の救急体制はけしからん、一体何をやっているのだ」と「本気」で怒っているのならば今朝の報道2001で厚労省副大臣が結論的に述べていたように「医療費の財源をより安定的に確保する」以外に道はないでしょう。但し確保した財源が真に日本の国民のために使われるのならば良いのですが、ご主人様の命令通りに「かの国」に吸い上げられてしまうのであれば、これらの事例を大げさに報道するマスコミを使った「医療費を上げようキャンペーン」も本当の意味で国民のためにならないことになります。我々は十分に医療費や診療報酬の動きについて注目してゆかねばなりません。
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西洋には拝金主義は悪くないという常識もある

2008-10-26 18:13:38 | 社会
サブプライム問題を発端にした今回の金融不安、株価下落は前にも指摘したように、何故賢いはずの人達がこのように問題があるバブルに踊ったのかという疑問があります。その一つの答えは、前回指摘したようにバブルが崩壊しても儲けた人達だけが割を食うのではなくて国民全体で穴埋めすることになることが解っていたからバブルと知っていて踊り続けたのだろうと思います。

しかしさらなる疑問として、キリスト教は与える愛(アガペの愛)を尊重するのに何故人から奪うエロスの愛とも言える拝金主義を是とするのだろう、と感じます。

どうもこれには私を含めた日本人が不得意とするキリスト教の歴史が背景にあるように思います。つまりバチカンの権威を絶対とした中世の時代にバチカンの金と絶大な権力のために身も心も隷属させられていた人々が、宗教の本旨は心の問題であるとして、金権主義を廃する新たな勢力としてプロテスタントが出現し、その流れの上で、商人や銀行業で利子を得る者などキリスト教的に強欲は罪として半ば敵視されてきた人達がバチカンの権威に対抗する形でイルミナティやメーソンなどの秘密結社を作ってきた課程があるようなのです。その新興勢力にとってバチカンの伝統的権威に対抗できる論理的バックボーンになったのが「合理性」つまり「理にかなっていることは正しい」という考え方で、副島隆彦先生が「ラチオの思想」と言っておられるものだと考えられます。

ユダヤ教においては、ユダヤ人以外(ユダヤ教信者以外)はゴイムと言われて家畜扱いですから、キリスト教のように博愛的精神を示す必要はありません。ユダヤの人達もバチカンに対抗できる「合理性」の思想を大いに活用しました。そしてこの「合理性」の思想は科学の発展をもたらし、産業革命によって経済も発展し、多くの富と権力をもたらしました。

キリスト者には貧しい者から奪うことは良くない、という考えがあるでしょうし、東洋人、特に日本人には儒教的な「足るを知る」とか「清貧を潔しとする」といった必ずしも「合理性」だけでは導けない思想が根づいています。だから我々が暗に「はしたない」という蔑みの気持ちで一生かかっても使い切れないほど金を儲けてまだ金が欲しいという強欲を不思議に思っても、「理にかなったことで金を儲けることは正しいことである」と考えている人達にはこちらの言い分の方がおかしいということになるのです。

私のアメリカの友人(といっても二回りは年上でしたが)に、外科医の第1線を退いてからも奥さんと世界中の医療過疎の地域を巡って医療支援活動をしている人がいました。キリスト教系の団体の活動として悠々自適の第二の人生として経済的なゆとりの範囲内で行っていたことではありますが彼は単なる拝金主義者ではないでしょう。ベトナム戦争に従軍した経験もあり、カンボジアやラオスの貧しい地域での記憶が、引退後アフリカや中国奥地などでの活動のインセンチブになっていると聞いたことがあります。こういった団体の政治的な目的は別にあるのかも知れませんが、彼個人としてはキリスト教的信条で参加していたことは間違いないでしょう。

我々は「アメリカ人は皆一緒」と日本人が大体同じであることから考えがちですが、個人の宗教に対する姿勢や考え方から極端に拝金主義の人もいるし、聖職者然とした人もいると考えた方がよいでしょう。アメリカにおいても金を持つ人が権力を持ち、社会をコントロールしてきましたが、ダーウインの進化論はケシカランと未だに考える人がいるアメリカ社会ですから、「合理性」「拝金主義」全盛時代から今後は少し変わってゆく可能性があるように思います。
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いわゆる陰謀論について

2008-10-14 22:19:26 | 社会
911はアメリカ政府によって仕組まれたものだ、ケネディ暗殺はCIAの陰謀だ、世界の動きは300人の委員会で決められる、といったことがまことしやかに語られています。これらを陰謀論として一笑に付す人もいます。

歴史上の出来事が全て一部の人達の思惑通りに行われてきたのだという言い分には無理があります。50年生きてくると、身の回りのことでさえいろいろと手を打ったにも係わらず思惑通りに行くのは2-3割であるということは経験的に理解できるはずです。但し、世の中の重大事件が天変地異の外は人間の思惑が入り乱れた結果起きていることは明らかだと思います。その思惑は表に出るものもありますが殆どは表面化せずに本人達の胸にしまわれたまま進行してゆくのでしょう。

アメリカの大統領がオバマ氏になろうとマケイン氏になろうと、どちらもCFR(外交問題評議会)や三極委員会、ビルダーバーグ会議の会員が認めた人達であり、政府高官にスタッフとして入る人達もこれらの会員から選ばれるのだから表面的には選挙をして国民が選ぶように見えるけれども実際はアメリカの支配層が全てを決めているのだ、というのはその通りでしょう。大統領が変わるたびに世の中がひっくり返るようでは困るから金と力がある人達がここは自由裁量でやってよしという部分だけを選挙で選ばせて後は体制が変わらないようにコントロールするのは理に適っています。陰謀と言えば陰謀だけれども、民主主義と言っても選べる範囲は限られていて、アメリカはこのように出来ているのだと考える方が納得できます。

国家戦略も表に出るものと裏で行うものとがあるのは当然です。日本は裏の国家戦略などないと思っている人が多いと思いますが、良いように騙されたり、騙し返したりしているはずだと思います。日本の場合お人よしに振る舞うことが憲法やマスコミ対策を含めて国家戦略上都合がよいからそのように見せている面もあるでしょう。防諜と言う面では殆ど無力に等しいから外交については自主的に決めず、アメリカ任せという「放棄」技を使い続けていますが。

陰謀論でまぎらわしいのはUFOであるとかナチスの秘密組織であるとかの話しが入ってくる事です。表に出ない思惑や世の中の仕組みについての話しと、いわゆる与太話を一緒にすると、真実も与太話と一緒になってしまいます。あまり真実として広まって欲しくない話しをごまかすには与太話と一緒にしてしまうことが都合が良いのですが、真実はこうなのだという話しを陰謀論として片づけようとする手合にはこのような意図があるので注意が必要です。

与太話と真実を区別する方法は難しく、種々の儲け話同様個人の眼力によるしかないとは思います。社会生活をある程度長くしていると、世の中とはこういうものだということが次第に解ってきて真実と与太話の違いが解ってくると言っては身もふたもないでしょうか。
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賢いはずの人達がなぜバブルで踊るのか

2008-10-12 23:57:53 | 社会
アメリカ初の金融恐慌はいよいよ本格的になってきました。昨日のNHKスペシャルでも「何故無理があると分っている金融商品を破滅的状態がくるまで売り続けるのでしょうか、どこかでストップをかける仕組みはできなかったのでしょうか。」と疑問を投げかけていました。

日本のバブルの時にも、後半では「この状態が永久に続く事はない」と誰もが認識していて「後は誰がババを引くかだ」と話していたことを思い出します。結局おいしい目を見たのは一部の人達で、ババを引いたのは国民全体だったのですが、この構図は今回のアメリカでも同じと言えます。

80年代後半の日本のバブル初期において、日本中の地価が上昇し続けているとき、地方の新興住宅地では「サラリーマンがマイホームを持てる最後のチャンスです」という売り言葉で、高目に設定された建て売り住宅が飛ぶように売れていました。確かにこのまま地価が上昇し続ければ普通に働くサラリーマンの生涯賃金で買える家はなくなるだろうと思われましたが、私はそのようなことは100%ないと当時不思議なほどの自信で断言していました。なぜなら日本の人口の大多数を占めるサラリーマンが生涯賃金で家を買えなくなれば住宅産業が存立しえなくなりますし、住宅産業が消滅することは100%ないと解っていたからです。

私の確信はその通りとなり、現にバブルが消滅した後、私は自分の賃金に見合った土地と家を購入できました。私は経済は素人ですが、「1+1は3にならない」とか、錬金術のような「無から有を生み出すことはできない」程度の物理や数学の常識は理解しています。それが込み入った理論や数式を理解しているはず人達が物理や数学の初歩的常識は無視してしまう理由がどこにあるのか、不思議でなりません。

「音楽が演奏されている限り踊ることを止められない。」と言ったのはシティの元CEOだったでしょうか、これはある意味バブルの立役者達の「解ってはいるけど止められない」本質を表わしたことばかも知れません。証券会社の社員は、怪しい商品と解っていても売らなければ自分の実績にならないから売り続ける。証券会社の幹部も業績を上げなければ株主や出資者から責任を問われるから部下の尻を叩き続けます。監督するべき官庁のトップはアメリカの場合、証券会社の元CEOだったり退職後また企業のトップに戻りますから企業の業績を下げるような規制はかけられないでしょう。結局構造的に頭で理解していても誰も止める事ができないしくみです。日本はまだ官僚と企業トップがイコールではないので別の発想ができたとも言えます。

日本のバブルに止めを刺した大蔵省の総量規制(平成元年の土地基本法の第2条)は後の失われた15年の元として散々批判されていますが、私はむしろ評価していてむしろもっと早く出すべきだったと思っています。もっともバブルを造り出したのも大蔵省でつぶしたのも大蔵省という諸悪の根源を全て大蔵省にしてしまおうという意見もありますが、私は背後で画策したアメリカの対日政策があると思いますし、何よりも「額に汗して働かずに金を儲けるバブル」というものに踊った日本人の情けなさへの反省が皆無であることから総量規制を批判する人間は軽蔑することにしています。

「賢いはずの人達がなぜバブルで踊るのか」に対する答えは日本のバブルの後始末を見る事である程度予想がつきます。つまり「おいしい目を見たのは一部の人達でババを引いたのは国民全体だった」という事実です。結局自分達は損をしないと解っているからこそバブルで踊り続けている、ババは国民全体が引くのであり、自分たちだけ責任をとらされることはないと日本の例からも理解していたと考えられるのではないでしょうか。現在のアメリカの動きを見ると正に思惑通りに進んでいるようです。やはり彼らはズルを冠するかもしれませんが賢い人達と結論づけてよいようです。
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米国の理不尽な要求には「辞めてやる攻撃」が有効かも知れない

2008-10-07 22:21:00 | 政治
米金融危機7月に対応検討=外貨準備活用も_内閣改造で提言見送り_金融庁懇談会
10月2日14時55分配信 時事通信

 金融庁の懇談会が今年7月、米政府による金融危機対策を支援するため、約1兆ドルに上る日本の外貨準備の活用を検討していたことが2日分かった。米政府が経営難に陥った金融機関に公的資金を注入する事態となった場合、外準から必要な資金の一部を事実上提供する内容。米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)、米政府が金融機関の不良資産の買い取り方針を打ち出すなど事態が深刻化する中、金融危機対応をめぐる論議に一石を投じそうだ。
 検討したのは渡辺喜美金融担当相(当時)の私的懇談会「金融市場戦略チーム」。報告書に盛り込む方向だったが、8月の内閣改造に伴う渡辺金融相退任で報告は見送られた。 
       (以上引用)
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000103-jij-pol)

「アメリカのユダヤ財閥が富を得続けるために日本の若者を戦場に送れ。」
「アメリカの富裕層が富を独り占めできる経済構造が崩れそうだから日本が持っているドル資産を全て差し出せ。」
「言う通りにしなければ犬の散歩用の革ひもで首を吊って自殺したことになるぞ。」と脅されて、「しかし日本国の首相として、日本と日本国民を裏切るそのような決断は拒否する。」として選んだ選択が首相退任であったのならば、安倍、福田両総理の突然の辞任も納得がゆきます。総理の椅子を投げ出し、無責任の汚名を一身に浴びながらも日本国を守ったという自負から心はむしろ清々しいものがあったのかも知れません。

小泉さんの時には、「日本の資産と企業がアメリカの所有物になるような制度改革をしろ」とでも課題を出されていたのでしょう。その中の「医療市場開放」についてのアメリカの要求は以前の拙ブログ(http://blog.goo.ne.jp/rakitarou/e/91e6d87cc5ffcc92f2977ea869d90300)で書いたように「薬と医療器具以外、医療行為自体では日本の医療は儲かりません」と日本の多くの病院を潰すという切腹とも言える自傷行為を見せて諦めさせました(その余波でいまだに日本中の病院は苦しんでますが)。

私が為政者であったら、自分ではこの上なく自分は愛国者であると自負してはいますが、徒に中国や韓国と喧嘩をすることはないでしょうし、商売のお得意さんであるアメリカの言うことも勿論聞くでしょう。政治は国民が豊かに暮らすための方便に過ぎません。表面的に勇ましいことを言って国民の自尊心をくすぐるのは安易ではありますが、そのために多くの不利益を被ることへの配慮が必要になります。しかし日本国のためにここからは断じて譲れないという一線は政治生命を賭して(昔ならば命を賭けて)守るという姿勢は貫くでしょう。その一線がどこにあるかが政権の長さを決めることになるのかも知れません。

アメリカ帝国も元気なうちはあまり無理難題も言ってこなかったでしょうが、今は崩壊に向かいつつあり、今後はますます属国である日本に理不尽な要求を突きつけてくるようになるでしょう。自民党政権であれ、民主党政権であれどうしても呑めない要求をされた時には「突然の辞職攻撃」というのが相手の要求をかわす効果のある攻撃になるかも知れません。弱者には弱者の知恵があっても良いでしょう。
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ユダヤ人迫害の温床は中世も今も変わらないのではないか

2008-10-05 00:11:16 | 政治
大澤武男氏の著書、「ユダヤ人とローマ帝国」講談社現代新書(2001年)、同じく「ユダヤ人とドイツ」(1991年)などを読むとローマの時代に何故キリスト教が広まり、一方でユダヤ人が阻害されたか、またユダヤ人に対する迫害はヒトラーの十八番ではなく、殆ど同じ思想に基づく迫害が中世以来連綿とヨーロッパにおいて続いてきたことがわかります。

中世以来続いてきたキリスト教徒によるユダヤ人の迫害は、全てキリスト教徒が悪であり、ユダヤ人が無辜で善であったことなのでしょうか。どの時代、どの社会、どの民族でも人間悪い人も良い人もいて、頭の善し悪しも、運動能力も、善人の度合いも、悪いから良いへのX軸上に正規分布を示すように人間が分布しているものです。

以前のブログ(http://blog.goo.ne.jp/rakitarou/e/a52c1a44849e86f4ed2c841b64ba3605)で、何故ユダヤ人は嫌われるのかについて書いたように、その原因は「ユダヤ教の他宗教への寛容のなさ」と「自分達だけが神に救われる」という選民思想に根本原因があると考察しました。中世においてもこのユダヤ教の特性から、ユダヤ人たちは一般社会に溶け込めず、独自のコロニーを形成した上で就ける職業の制約ともともと努力する人たちが多いことから金融や商人、法律家など金と権力に近い地位を得ていたことが示されています。

現在よりも情報伝達が限られていた時代、天変地異や飢饉、戦争などで社会が不安定になると、民衆の怒りや不満が異教徒であり、金や権力を持っていたユダヤ人達に向けられて、商店や家屋の略奪や焼き討ちが行われたようです。ユダヤ人達はダイヤなど持てるだけの価値のあるものを持って命からがら逃げ出し、悪くすれば虐殺される運命にあったと言います。

さて、現在の金融危機です。「ユダヤ人が悪い」などとはどのマスコミも言いませんが、世界中の人たちは世界経済を席巻している銀行、証券会社がユダヤ人のものであることは皆承知しています。ロックフェラーもロスチャイルドもユダヤであり、戦後対立の二大勢力の一方であるマルクス主義もユダヤ人の思想でした。そのソ連が崩壊した後資本主義化した時にソ連の資本財を一機にせしめて新興財閥として君臨した7人のうち6人はユダヤ人でした(http://archive.mag2.com/0000012950/20080303083326000.html)。プーチン氏はユダヤ人だからという理由で迫害はしませんでしたが、この新興財閥の7人のうち3人は追放し、後は財を取り上げるなど無力化させてロシアの国家基盤の再生に取り組みます。

「テロとの戦い」などといってアメリカの純朴な若者たちを砂漠の戦場に送り出し、中東の無辜の民衆とゲリラを相手に殺人を続けさせるのも、結局はアメリカを支配しているユダヤグローバリストたちがこれからも儲けられるようにという目的で続けられているのだな、とさすがに純情なアメリカ国民も気が付いてきました。そして金融危機になると「儲けるときは一部の人に、不具合が生まれたら負担は国民全員に税金で、また立ち直ったら儲けは一部の人に」という図式が見えてしまっているから下院で金融特別法案が否決されたのです。

マードックをはじめとするユダヤ人が支配するアメリカのメディアは決して「ユダヤ人が悪い」なんて言いませんが、結局アメリカ人の多くはユダヤ人のために搾取され、戦争させられ、金融破綻の尻拭いをさせられ、こつこつと働いて年金のために貯めた虎の子の401Kもどこかに飛んでしまったのだと思っているのです。これは中世以来ユダヤ人が一般民衆から反感を買って迫害されてきた図式と現在もなんら変わっていないことを示しているのではないでしょうか。これで多くのアメリカ人がユダヤ人に反感を持ったとして、アメリカ人が悪でユダヤ人が善だなどといえないことは明らかです。

ここからはきわめて日本人的な発想で、地球が滅んでも最後には自分達だけが神に救われると考えている人たちには受け入れられないと思いますが、どうせ今回の金融破綻でいろいろ損をするのですから、世界のユダヤのお金持ちの方達は、自分達が食べるに困らないくらいの金を残して残りの使いきれないほど貯めた金をユダヤ人協会を通して各国政府に寄付したらどうでしょう。アメリカは上位5%が7割近くの富を所有しているのですからそれらの人たちが財産を供出すれば今回の危機など何の問題もなく解決できるでしょう。そしてこのことを十分に宣伝すれば中世以来続いていたユダヤ人に対する偏見も一気になくなり、ユダヤ人は世界中から愛される民族になり一挙両得、一石二鳥の名案と思うのですがね。

個人で持っている財産を国や社会のために差し出すなどというのは荒唐無稽に思われるかも知れませんが、戦後のドイツでは時の首相のアデナウアー氏が1952年に「負担均衡法」というので金持ちから財産の半分を出しなさいという法律を作って一千億マルク以上の金を集めたという歴史があります。

グローバリズム、マルキシズムいずれにしても世界を一つの価値観で支配するというのは極めて危険な思想であり、それに反対する人たちの殺戮や圧制による服従を強いない限り達成できないことです。それぞれの地域・民族の人たちがそれぞれの価値観を互いに尊重し、自主的に生活することで世界は平和になるのだと思います。グローバリズム・一極支配は国を持たないユダヤ人にとっては都合の良い思想ですが、それ以外の人たちには迷惑でしかありません。プーチン氏のやり方は非常にうまかったと言えますが、アメリカの草の根保守達の反撃に注目していきたいと思います。
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バブル経済の後始末とは実体のある経済を活発にするしかない

2008-10-01 23:53:30 | 社会
【経済サロン】生かされないバブル経済の教訓(産経新聞) - goo ニュース

アメリカのあまりに大きく成りすぎたバブル経済が崩壊しつつある現在、その影響を最小にしようと各国が全力で対策に追われています。その多くが日本における90年代のバブル崩壊とその後遺症を教訓として生かそうとしているようです。私は経済については素人ですが、医学と異なり経済についてはプロと称する人達ほどあてにならず、実世界で生活している一般社会人の方が実体のある経済を動かしている分、正しい意見が言えるように思います。

信用経済が実体のある経済の規模を反映して、実体経済を活性化するものとして活用されているうちは良いのですが、実経済の規模から大きくかけ離れて信用経済だけが暴走して拡大してしまう状態が「バブル」と言われるものでしょう。実体を伴わない信用経済の部分だけで金もうけをする手段が「金融工学」としてアメリカでもてはやされてきたのですが、実際の利益を金に変えるにあたっては、買ったら最後払い戻せないアメリカ国債を日本や中国が購入したり、まっとうな企業を食い荒らして金を絞り取るハゲタカ手法によって帳尻を合わせてきたにすぎないことだったのだと思われます。

所詮は中身のない信用経済ですから、はじけた損失を一見実体経済に即しているように見える「紙幣の増刷」で補っても効果は限られていて、せいぜい証文が紙くずから紙幣に変わったなという一時的な安心感は得られるものの、紙幣も紙くずであることがばれればそれまでです。

バブル崩壊の後始末とは、結局実経済を活発にして信用経済の規模が実経済を反映している規模になるよう持ってゆく事以外にないと思います。そのためには「雇用を創出した上でちゃんと働いている人達の給料を上げること」以外ありません。オバマさんも麻生さんもやらねばらなないことの答えは明確に出ています。後は政治力でこれを実行に移すのみです。
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